夜に食べると太るといいますよね。ダイエット中だからといって、晩ご飯を食べないわけにはいきません。
では、何時までなら食べてもいいのでしょうか?また、何だったら食べることが出来るのでしょうか?こうしたダイエット経験者なら誰でも悩んだことがあることでしょう。
今回は工夫することで、晩ご飯を食べてもできるダイエットについて紹介します。今後ダイエットするときの参考にしてくださいね。
太らないように晩御飯を食べる方法
夜にご飯を食べると太るといいますよね。たとえダイエット中であっても、食べないダイエットは身体を壊す原因になります。どうすれば太らないように晩ご飯を食べることが出来るのでしょうか。
早めの時間に食べる
食べると誰でも血液中に含まれる糖、つまり血糖の数値が上がります。血液中の糖ですから甘いものを食べると上がるのはイメージしやすいですが、それだけでなく、お米やパン等の炭水化物でも数値が急激に上昇します。
血糖値があがるとインスリンというホルモンがたくさん分泌され、血糖値を下げようとします。血糖値を下げるために、なにが起こっているかといいますと、血液中に含まれている糖を脂肪に変換しているのです。
こうすれば、血液中から糖が減少していくので血糖値は下がります。ところが、脂肪は増えてしまうのです。これはまさにダイエットの効果を打ち消してしまうことともいえます。
ところで、遅い時間にご飯を食べると、血糖値が上がったままの状態で睡眠に入ることになります。すると、インスリンがどんどん増えていくので、脂肪もまた増えていきます。
寝る前に食べると太りやすい理由のひとつがこれなのです。晩ご飯は早めに済ませておいた方がいいことがわかりますね。
炭水化物少なめ・抜き
炭水化物は、脂質と同じく身体にとってのエネルギー源となります。ところが、身体が必要とする以上に炭水化物を摂取すると、エネルギーとして消費するには過剰となります。
消費しきれなくなった炭水化物は、脂肪として身体に蓄えられるようになるので、炭水化物のコントロールはダイエットにかかせません。炭水化物を少なめに、もしくは炭水化物を抜きにする日を幾日か設けるなどして、炭水化物の摂り過ぎを防ぎたいところです。
一例をあげるとお米です。実は日本人にとって欠かすことの出来ないお米は、炭水化物の代表なのです。そこでお米、すなわちご飯は1日2杯までに留めるというように、炭水化物を少なくする食事になるよう工夫しましょう。
カロリー制限
太らない食べ方をするための基本は、やはりカロリー制限です。身体が日常生活を送る上で必要とする以上のカロリーのある食事を続ければ、使い切れないカロリーが生じてしまいます。それが脂肪となって蓄積されていきます。
ただし、カロリー制限もしすぎれば健康を損なう原因になってしまいます。適度なカロリー制限が大切です。
カロリーが最も高いのは、糖質です。脂質じゃないんですね。糖質がたくさん含まれている食事は、お米やパン、麺類、いわゆる主食とされる食材です。
人が1日に必要とするカロリーは、成人男性で1800[kcal]、成人女性で1500[kcal]です。カロリー制限をする場合、ここから200〜300[kcal]減らすと効果的といわれています。お茶碗1杯分のご飯が200〜300[kcal]に相当するので、カロリー制限をするなら、これを目安にするといいでしょう。
よく噛んでゆっくり食べる
早食いは太る原因ということをご存知ですか?理由はいくつかあります。
そのひとつに、満腹感があります。満腹感は、満腹中枢という脳の一部分で感じます。この満腹中枢、満腹感の信号をすぐに出してくれるわけではなく、10分くらいかかるということがわかっています。
早食いだと、満腹中枢が満腹感を示す前に、たくさん食べてしまいますから太りやすくなるのです。
また、早く食べてしまうと、それだけ血糖値の上昇が早くなります。血糖値が上がると、下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、身体にとりこまれた糖を脂肪に代えることで血糖値を下げますので、脂肪が増える原因になるのです。早食いは、この二つの理由から肥満の原因になります。
また、早食いだと、しっかり噛まないために食べ物が消化吸収しやすい適度な大きさにまで小さくならないうちに飲み込んでしまいます。すると、胃や腸にかかる負担が大きくなり、胃や腸をいためてしまうことにもなります。
早食いしてもいいことは全くありません。健康のためにもよく噛んでゆっくり食べるようにしてくださいね。
そもそもなぜ晩御飯で太るの?
食事をした後、眠たくなった経験はありませんか?これは、食べたものを消化吸収することにもエネルギーが必要なので、消化吸収に関連しない他の部分の活動を抑えようとするからです。
ところが、朝や昼は食べた後も活動しなければなりませんから、それほど消化吸収にエネルギーを向けることが出来ません。そのため、食べた後にそれほど活動することがない晩ご飯の方が食べるのに適するようになりました。
ところが、食べ物が少なかった時代ならいざ知らず、現代では食べ物が豊富になったため、晩ご飯のボリュームが必要以上に多くなってしまいました。しかも晩ご飯を食べた後は、あまり活動しません。お風呂に入って寝るくらいです。
晩ご飯で太るのは、消化吸収の効率が高まる上に、食後あまり活動しないのでカロリーが余ってしまうからです。
晩御飯に適している食材
たんぱく質
たんぱく質は、ダイエットを成功させるカギともいえる栄養素で、筋肉を作るのに欠かすことが出来ません。
女性は男性と比べて、筋肉がつきにくく、脂肪がつきやすい体質をもっています。これはホルモンの影響が大きいのですが、ダイエットを始めるとたんぱく質の摂取量もまた減ってしまうことも影響しています。
代謝量をあげて、消費カロリーを増やすためには、筋肉をつけることが効果的です。しかし、たんぱく質の摂取が減ってしまうと、その筋肉をつけることが難しくなってしまいます。
たんぱく質の豊富な食材としては、お肉やお魚があげられます。
お肉は、脂身が多いとカロリーが高くなってしまうので、低脂質なお肉がおすすめです。カロリーは鶏肉<豚肉<牛肉の順に上がっていきます。脂身は、ヒレ<もも<ロース<サーロイン<バラの順です。
お魚も脂質はありますが、お肉とは異なり動脈硬化を防いだりするDHAなどの不飽和脂肪酸が多いという特徴があります。より健康的な食事を望むならお魚の方がいいでしょう。
お肉もお魚も調理法にも、注意してくださいね。脂身の少ない食材を選んでも、油で揚げてしまえばカロリーアップですから。
食物繊維
食物繊維の多い食材といえば、野菜ですね。野菜は、総じてカロリーが低い食材です。低カロリーなのでたくさん食べても太りにくい、まさにダイエットに理想的な食材といえます。
それだけでなく、食物繊維の豊富な食材を食べると、女性に多い便秘の解消効果もあります。食物繊維は、水分を吸収しやすい性質があります。しかも、食物繊維は消化されにくい食材でもあります。
摂取された食物繊維は消化されにくいので、水分を保ったまま大腸まで運ばれることがほとんどです。食物繊維の豊富な便は、やわらかく形も保たれやすいので、便秘を起こしにくくなるのです。
便秘がちのお腹は、消化吸収の効率が悪くなってしまいます。食物繊維の多い食事をとって、お腹のコンディションも快調にしましょう。
温かい食べ物
食事には温かいものと冷たいものとがありますが、晩ご飯に適しているのは温かい食事です。
お鍋料理がわかりやすいですが、温かい食事をすると身体が芯から温まりますよね。場合によっては、汗が出てくることもあるほどです。
実は、温かい食事を食べると、身体が温まり、新陳代謝が活発化します。すると代謝量が増え、カロリーを消費しやすくなるのです。
冷たいものでは、代謝量を増加する効果は期待しにくいです。ダイエット中は、代謝量を高めるためにも、なるべく温かい食事をとるように心がけてくださいね。
胃に優しい消化の良い食材
胃に刺激の少ない、優しい食材として代表的なものが長いも、キャベツ、豆腐です。
長いもには、胃の粘膜を守り、食べ物の消化を促す効果があります。キャベツは、いたんだ胃の粘膜の再生を促進してくれます。豆腐は、胃から消化されやすいタンパク質として知られています。
もちろん、こうした食材であっても、しっかり噛んで食べるということは重要です。しっかり噛んでおけば、それだけ小さく軟らかくなり、胃や腸にかかる負担がすくなくなります。
しかも、しっかり噛むと、唾液の分泌が活発化します。唾液にはアミラーゼやリパーゼとよばれる消化酵素が含まれていますので、唾液の働きによってお口の中でも食べ物が消化されます。あまり知られていませんが、消化の第一歩はお口なのです。
胃に至る前に消化しておくことも、やはり胃の負担を軽くする効果があります。食材を選ぶだけでなく、しっかり噛んで胃にやさしい食べ方をするように心がけてくださいね。
様々な食事ダイエット法
ベジファーストダイエット
「ベジファースト」という言葉をお聞きになったことありますか?「ベジ」とはベジタブル、すなわち野菜です。「ファースト」とは一番という意味です。ベジファーストとは、野菜を一番に食べるという食べ方です。
野菜を先に食べると、血糖値の上昇が緩やかになることがわかっています。しかも、低カロリーの野菜で、お腹が満たされていきますので、お肉等のカロリーの高いものを食べる量を自然と無理なく減らすことが出来ます。
野菜をまず最初に食べるベジファースト、食べる順序を工夫するだけで、ダイエット効果が得られるのですから、とても手軽なダイエット法といえますね。
8時間ダイエット
8時間ダイエットってご存知ですか?ご承知のように1日は24時間です。24時間のうち、食事に当てる時間を8時間にするというダイエット法です。
8時間ダイエット法の考え方では、例えば1日に朝食、昼食、夕食の3食食べる場合、7:00朝食・12:00昼食・19:00夕食というパターンで考えると、食事時間は3時間ではなく、7:00から19:00までの12時間とみなされます。
8時間ダイエットは、仮に7:00に朝食をした場合、8時間後の15:00までに最後の食事を終わらせるという方法で行なわれます。
この時間は、多くの方にとって学校や仕事など忙しい時間です。この8時間以内に3食を終わらせるのはなかなか難しいことではないでしょうか。
そのために、自然と1食抜いた1日2食になったり、3食食べるために、1食あたりの食事量を軽めにしたりするようになります。
食事の回数が減ったり、量が減ったりすることで、摂取するカロリーを減らし、体重を減らそうというのが、8時間ダイエットのコンセプトです。
残りの16時間は胃や腸を使わないので、消化器官を休ませる効果もありますから、まさに一石二鳥のダイエット法といえますね。
ただし、16時間の間、脱水になると健康を害してしまいますので、水分補給はしっかりとしてください。野菜ジュースを含めジュースやサイダー等の炭酸飲料は、カロリーが高いので控えてください。ミネラルウォーターやお茶などのカロリーオフの飲み物がおすすめです。コーヒーや紅茶は、砂糖やミルクなしならOKですよ。
18時までに食べ終わる
ヒトの身体には、BMAL1というタンパク質があります。このタンパク質は、脂肪をため込もうとする働きを持っています。BMAL1の活動時間は、1日のうちで変動しており、朝から15時頃にかけて量が減少していき、その後増加に転じます。22時から02時にかけてピークに達し、転じて減少していくことが明らかになっています。
つまり、このタンパク質の量が増加する時間帯に食事をしていると、脂肪が増えやすくなるわけです。そこで、ピークまで少し間がありますが、十分数値が高くなってくる20時以降に食べない、できれば余裕を持って18時までに晩ご飯を終わらせておくことをお勧めします。
糖質制限ダイエット
人間が生きていく上で必要となる栄養素は、たんぱく質、脂質、糖質で、これらを総じて3大栄養素とよばれます。
糖質は、エネルギー源として利用され、身体を動かすことで消費されます。問題は使い切れなかった糖質です。使い切れなかった糖質は、血糖値を上げたままにしてしまいますが、これは身体に摂っては良くない状態です。
そこで、上がった血糖値を下げるため、インスリンがたくさん分泌され、血糖を脂肪に変換していきます。こうして消費しきれなかった血糖が脂肪として身体に蓄えられるようになります。
ただし、糖質は身体に必要な栄養素ですから、完全に断ち切ってしまうことはよくありません。そこで、糖質を摂取する量を減らして、つまり糖質制限をしてダイエットしようというのが糖質制限ダイエットです。
糖質を制限する手段として、お米やパンを減らします。いきなりお米やパン等の主食を食べなくする、減らしてしまうというのは、ハードルが高くて難しいという場合は、糖質が少ない玄米や全粒粉パンから挑戦するといいでしょう。
前述しましたように、糖質は不可欠な栄養素です。全く摂らないと健康を損ねてしまいますから注意してください。
晩御飯におすすめのメニュー
一例を紹介しますが、この他にもたくさんありますので、ぜひ調べてみてください。
①豆乳リゾット
お豆腐と豆乳をメインに少しお米を入れたリゾットです。野菜も豊富でカロリーも低くヘルシーです。
②鶏肉のキムチスープ
キムチには、カプサイシンとよばれる辛さの元がたくさん含まれています。カプサイシンは身体を温め代謝量を増やしてくれます。そんなキムチと鶏肉やお豆腐を組み合わせたスープです。
③お豆腐チャーハン
お米の代わりにもめん豆腐を使ったチャーハンです。ボリュームの割に低カロリーです。
④糸こんにゃくラーメン
麺の代わりに糸こんにゃくを使ったラーメンです。糸こんにゃくはカロリーオフですので、ラーメン好きの方におすすめです。
⑤豚もやしスープ
豚肉ともやしを使った中華風スープです。低カロリーですが、とても美味しいメニューです。
自分に合った方法で試してみて
晩ご飯を工夫するだけでもダイエット効果が得られることがあります。
手軽なところでは、野菜から食べ始める、18時以降は食べない、しっかりよく噛んでゆっくり食べるといった方法です。その他にも、1日の食事時間を8時間以内におさめる方法もあります。
食材の工夫では、食物繊維の豊富な食材を多めに食べる、たんぱく質は鶏肉やお魚を中心にする、温かい食事にするといったポイントがあげられます。晩ご飯の食べ方や食材を見直して、ダイエットを成功させましょう。