脚痩せについて調べると、筋肉質だから脚が太くなるとか、筋肉太りなどということがかかれています。でも、筋肉がついていたら脚がしまって見えないのでしょうか。今回は、ダイエット記事にみられるウソや、効果的な脚痩せ法について紹介します。
女性にとって、ボコッと膨らんだふくらはぎや太ももは気になるものですよね。でも、筋肉がついていると脚が引き締まって見えそうなものですよね。筋肉太りなんて本当にあるのでしょうか。今回の記事では、筋肉太りについて解説するとともに、ダイエット法のウソとホントに迫りたいと思います。
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筋肉質だと脚が太くなる?
ふくらはぎがボコッと見えてしまうような場合、「もしかしたら自分は筋肉質なのかな?」などと思ってしまうこともあると思います。はたして、筋肉質だから脚が太く見えてしまうようなことってあるのでしょうか。
そのような人はごく少数
筋肉質であることによって脚に筋肉がつき、それによって脚が太く見えてしまうようなケースはごくわずかです。ボディビルダーやアスリートでもない限り、筋肉によって脚が太く見えてしまうようなことはありません。
筋肉をつけるプロフェッショナルであるボディビルダーであっても、1年間でつけられる筋肉はせいぜい1kgから2kgだとされています。
ダイエットをしたい一般の人がどれだけ頑張ったところで、筋肉がついたことによって脚が太く見えてしまうようなことは考えにくいと言ってよいでしょう。
女性は筋肉太りしにくい
男性に比べると、女性は体質的に筋肉太りしにくいとされています。その理由としては、男性と女性のホルモンの違いがあげられます。
男性が女性に比べてがっしりとした体型をしているのは、男性ホルモンのいわゆる「男性らしい」特徴を現出する働きがあるからです。筋肉質であったり、骨格ががっしりとしていたり、声が低かったりするのは男性ホルモンの働きです。
反対に、女性ホルモンには「女性らしい」特徴を現出する働きがあります。女性が男性と比較して丸みを帯びた身体をしていたり、声が高かったりするのは、女性ホルモンの働きによるのです。
ちなみに、壮年期以降の男性にみられる「男性型脱毛症」も、男性ホルモンが原因であると考えられています。女性であっても更年期を迎えて助成ホルモンの分泌量が減少すると、相対的に男性ホルモンの比率が高くなるため、髪の毛の薄くなることがあります。
脚が太く見えるのはなぜ?
ここまでの説明で分かって頂けたことと思いますが、筋力が弱かったり筋肉量の少なかったりする女性の場合、筋肉太りをするようなことはほとんどありません。では、なぜ脚が太く見えてしまうのでしょうか。
脂肪の付着
脚が太く見えてしまうもっとも分かりやすい理由としては、脂肪の付着していることがあげられます。特に、下半身には皮下脂肪がつきやすい傾向があります。
脂肪の量と筋肉量とは相反する傾向にあり、筋肉量が減少した場合、相対的に脂肪の量が増えることとなります。そのため、運動不足が脂肪付着の原因となるケースもあります。
脂肪が付着する最大の原因は、糖質の過剰摂取であると考えられています。かつてはカロリーの摂りすぎが太ってしまう原因だと考えられていましたが、近年の研究によって脂肪の付着は糖質の過剰摂取が原因だということが分かってきています。
糖質(炭水化物)は、脳や身体が働く際のエネルギーとして用いられるのですが、身体の分解能異常に摂取した糖質は、予備のエネルギーとして体内に蓄えられることとなります。その正体こそ脂肪という訳なのです。
脚のむくみ
脚が太く見えることに悩んでいる女性の多くに、脚のむくみがみられます。なぜ女性に脚のむくみが多いかというと、男性に比べると筋肉量が少なかったり筋力が弱かったりするからです。
筋肉は運動をするときだけでなく、身体の熱を発したり、末端部の血液を心臓へと送り返したりするときにも働きます。
「足は第2の心臓」という言葉を聞いたことがあるという方もいらっしゃることと思います。なぜなら、心臓には血液を全身に送りだす働きしかないからです。
全身の各部へと送られた血液は、筋肉の収縮作用によって心臓へと送り返されます。そして、この働きのことを「筋ポンプ」と呼んでいます。
男性に比べると筋力の弱い女性の場合、この筋ポンプの働きも弱くなってしまいます。結果として全身の血液循環が滞ってしまい、冷え症やむくみが現れることとなるのです。
先ほども述べたように、筋肉というものはそうそう簡単につけられるものではありません。少し運動をしただけでふくらはぎがボコッと見えるような場合、ほとんどのケースで脚のむくみが原因となっています。
O脚
脚が太く見える原因としては、O脚もあげられます。O脚とはその名の通り、脚のラインがアルファベットの「O」の形に見えてしまうことを言います。
O脚には2つのタイプがあることが分かっています。1つは腸腰筋の緊張や骨盤の後傾によるもので、もう1つがすねの骨の変形によるものです。
脚の裏が床にぴったりとつく状態で、膝の角度を90度にして椅子に腰かけてみましょう。上から脛の骨を見て、骨の中心部が外側をむいていたら、すねの骨が変形しているタイプのO脚です。
すねの骨が変形しているタイプのO脚は、残念ながら直ることはありません。腸腰筋の緊張や骨盤の後傾によるO脚であれば、改善することが可能です。
脚痩せ法のウソその1・セルライトなんてない
脚が太く見えているような場合でも、筋肉質であることはほとんど関係ないということでした。ダイエットに関する情報には、その他にも曖昧なものがあります。セルライトもその代表的なものです。
セルライトってなに?
セルライトとは、おしり周りや太ももなどにみられる、ボコッとした付着物のことをいいます。日本では2000年に入ってからセルライトという言葉が用いられ始めたようです。
実は、セルライトとは欧米のエステ業界によって使われ始めた「造語」であり、医学的にはただの「皮下脂肪」のことを指します。
セルライトの取り方
セルライトはただの皮下脂肪なので、取りたい場合には皮下脂肪をとることが必要となります。そのためには、運動によって皮下脂肪を燃焼させたり、美容整形で脂肪を抽出したりすることが必要となります。
エステティックサロンでおこなわれる痩身エステによってセルライトの除去が可能などといった著述を見かけることがありますが、もんだりつまんだりしたところでセルライトが取れるようなことはありません。それについては、後ほど詳しく紹介したいと思います。
脚痩せ法のウソその2・脂肪燃焼のナゾ
脚痩せに限ったことではありませんが、ダイエットをする際には脂肪を燃焼させることが絶対に必要となります。では、脂肪はどのようにして燃焼させることが可能なのでしょうか。
脂肪が燃焼するメカニズム
体内に蓄えられた脂肪は、身体にとって予備のバッテリーということでした。雪山に遭難したようなときに女性が助かりやすいのは、一般的に女性は男性よりも予備のバッテリー=皮下脂肪をたくさん蓄えているからです。
そして、脂肪を燃焼させるためには有酸素運動をおこなう必要があります。有酸素運動とは、筋肉に軽度から中等度の負荷をかけ、長時間にわたっておこなう運動のことを言います。
有酸素運動を開始すると、はじめに血液中の糖分がエネルギーとして用いられます。血液中の糖分がなくなると、次に体脂肪の燃焼が始まるのです。
そのため、ダイエットをするときには、有酸素運動を20分以上続けることが重要だとされています。なぜなら、短時間の場合、体脂肪の燃焼がおこらないからです。
痩身エステのウソ
エステティックサロンのホームページなどを見ると、施術によって体脂肪を燃焼させたりセルライトを取り除いたりすることによって、痩せられると説明されていることがよくあります。
ただ、ここまで読んで頂いた方ならお分かりのように、つまんだり揉んだりしても体脂肪の燃焼が起こるようなことはありません。
エステティックサロンでの施術後にサイズダウンがみられる場合、それは一時的に血行がよくなったことで、むくみが取れたに過ぎません。
実際に体脂肪の燃焼がおこっている訳ではないので、その効果は極めて短時間でなくなってしまいます。
脚痩せ法のウソその3・代謝のナゾ
ダイエットに関する雑誌やインターネット上の記事を見ていると、必ずと言ってよいほど「代謝」という言葉が出てきます。はたして、代謝とはどのようなもののことをいうのでしょう。
代謝ってなに?
代謝には大きく分けて「基礎代謝」と「新陳代謝」そして「実質代謝」の3つがあります。基礎代謝とは、私たちの生命活動を維持する上で、1日の間に使われるエネルギー(カロリー)のことを言います。
新陳代謝とは、古いものが新しいものへと生まれ変わることを意味し、髪の毛が伸びたり爪が伸びたり、お肌が生まれ変わったりするのがそれにあたります。
実質代謝とは、私たちが1日の間、行動する時に使われるエネルギー(カロリー)のことです。行動と言っても、なにも運動をすることだけを意味するのではありません。
掃除機をかけたり風呂掃除をしたりして身体を動かす時にもカロリー消費は起こりすし、そのような動作の積み重ねこそが、太りにくい身体を作ってくれるのです。
基礎代謝のあげ方
3つの代謝の内、脚痩せをするために必要なのは、基礎代謝と実質代謝とをあげることです。新陳代謝をあげても脂肪の燃焼は起こりませんし、脚痩せることは出来ません。
エステティックサロンでおこなわれる痩身エステに痩せる効果がないのは、施術によって上昇するのが新陳代謝だからです。
お肌の潤いやハリを守るという点では効果的かもしれませんが、脂肪の燃焼が起こらなければ、根本的に脚痩せをすることができないからです。
基礎代謝をあげるには、筋肉をつけるのがもっとも効果的です。基礎代謝の内、20%程度を筋肉の活動が占めています。筋肉は運動する時だけでなく、熱を発したり血液を循環させたりするときにも働きます。
そのため、筋肉量が増えると基礎代謝も向上することとなり、太りにくく痩せやすい体質を得ることが可能となるのです。
実質代謝のあげ方
実質代謝は先にもあげたように、日常の何気ない動作で消費するエネルギー(カロリー)のことを意味します。そして、現代人の実質代謝は、40年前と比べると、6割程度にまで減少しているとされています。
その原因は、便利になりすぎた社会にあります。お風呂を沸かすのも指1本で可能となっており、しかも湯加減や湯量まで勝手に調整してくれます。
電化製品にはリモコンが付いていて、極力その場から動かなくて済むようになっています。トイレも、ドアを開けると勝手に電気がついたり、ふたが開いたりといった便利さです。
このような便利さは、私たちの生活に快適さをもたらすこととはなっているのですが、反面、私たちの身体をどんどん「ナマクラ」にしています。
実質代謝をあげるためには、まずリモコンを捨てましょう…というのは冗談ですが、なるべく面倒くさがらずに立ったり座ったりするよう心がけましょう。
効果的な脚痩せ法
脚が太くなってしまう原因はいろいろあります。そのため、原因に応じた脚痩せ法を選択する必要があります。以下に代表的な脚痩せ法を紹介したいと思います。
有酸素運動
ダイエットをするときに、脂肪燃焼は絶対に必要となります。そして、脂肪燃焼を望むのであれば有酸素運動をおこなうことが重要です。
有酸素運動はウォーキングやジョギングなど、「ゼエゼエハアハア」息切れしない運動のことを言います。
仕事が忙しくて有酸素運動する時間を作れないという方は、駅まで歩いて行くとか、一駅前で下車して歩いて帰るなど、工夫するとよいでしょう。
糖質制限
脂肪の付着する最大の原因が糖質の過剰摂取です。現代人は昔に比べると、糖質の摂取量が増えてきているとされます。
そのため、自分が1日にどれくらいの糖質を摂取しているのか確認してみましょう。そして、その摂取量を半分にしてみましょう。てきめんに体重減少が見られることと思いますよ。
O脚矯正
腸腰筋の緊張や骨盤の後傾が原因でO脚になっている場合は、腸腰筋ストレッチをおこなって骨盤の位置を正常に戻し、O脚矯正をおこなうとよいでしょう。
バスタオルを縦に2回、横に2回折り、仰向けになってベルトラインの下に入れます。そのままの姿勢で2、3分、腸腰筋のストレッチングをしましょう。
O脚は1日や2日でなるものではありません。そのため、矯正にも時間がかかるということを忘れないようにして、毎日バスタオルを使ってストレッチングして下さいね。
効果的な脚痩せをしましょう
筋肉質な人の脚痩せ法について見てきましたが、いかがだったでしょう。筋肉質で脚が太く見えていると思っている人のほとんどが、脚のむくみやアンバランスによってそのように感じているだけだということでした。
筋肉は仮に付けたいとしても、そうそう付けられるものではありません。だから安心して運動や筋トレをおこなって、キレイな脚のラインを手に入れてくださいね。