「肥満体型とは具体的にどんな体型?どうして違うの?」
肥満体型とはどのようなイメージがあるでしょうか?お腹が出ている体型・膝やお尻にたっぷり脂肪が付いた体型…いろいろな体型があります。
実は肥満の種類によって体型が変わり、その体型によって肥満の種類が特定できます。今回は、肥満の体型について詳しくご紹介します。
肥満体型とは
肥満体型には2つの種類があります。それぞれの体型によって、脂肪が付いている場所が異なります。
肥満体型~リンゴ型~
リンゴ型とは身体を横から見た時にお腹が出ている状態で、ビール腹ともいわれます。リンゴ体型の人は、内臓に脂肪が付いた内臓脂肪型肥満です。お腹の皮が薄く、お腹周りに脂肪が付きやすい体質の人で、中年男性に多いです。
手足に脂肪が付きにくいので一見すると太っているように見えない方も多く、自分で肥満状態にあることも気づかないケースが多々あります。ですが、血液も脂質が高くなっているためどろどろしていて、血管が詰まりやすいです。
内臓脂肪のほうが動脈硬化や脳卒中などの合併症を引き起こしやすく、悪性の肥満です。身体に悪影響がある内臓脂肪ですが、落としやすいのも特徴です。内臓は血行が良いため、内臓の周りに付いた脂肪は落としやすいのです。
1日20分~30分程度の有酸素運動と、油っこいものや塩分の高い食事を控えることが効果的です。低カロリーで、たんぱく質やビタミンなど体に必要な栄養をたっぷり摂るように心がければ、比較的早く内臓脂肪は落ちていくでしょう。
肥満体型~洋ナシ型~
洋ナシ型とはお尻やお腹、太ももなど下半身に脂肪が付いた状態で、男性に比べて女性の方が多いです。身体は飢餓に備えて皮下脂肪にエネルギーをため込む性質があり、妊娠や出産の際のエネルギーとしても使われます。
そのため落としすぎるのも危険ですが、皮下脂肪を溜めすぎるとセルライトが発生してしまうため注意が必要です。
皮下脂肪は女性ホルモンであるエストロゲンに関係しており、余ったエネルギーを皮下脂肪としてため込む性質を持っています。そのため女性の方が洋ナシ型体型が多いのです。
内臓脂肪に比べて落としにくく、有酸素運動や低カロリーでバランスの良い食生活を継続していく必要があります。皮膚のすぐ下にある脂肪なので、マッサージで血行を促進するのも効果的です。運動は、有酸素運動と無酸素運動・筋トレを平行して行うと効率が上がります。
肥満体型~隠れ肥満~
隠れ肥満という言葉を聞いたことがありませんか?体重は平均的な重さなのに、体脂肪率が高い状態のことを隠れ肥満と言います。体脂肪率なので、内臓脂肪と皮下脂肪両方を指します。
女性で30パーセント、男性で25パーセント以上で、体脂肪率が高い状態と言われます。さまざまな原因が考えられますが、主な原因は偏った食生活と運動不足です。そのほかにも、過度なダイエットとリバウンドの繰り返しや、ストレスなども影響します。
肥満はBMIから算出できる
自分が肥満かどうかは、BMI(ボディマスインデックス=肥満指数)を計算して確認できます。身長と体重がわかれば算出できるため、健康診断に記載されていることも多いです。BMIは海外で開発された計算式で、世界各国で使用されている標準的な指標となっています。
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
で計算できます。
18.5未満:低体重
18.5以上25.0未満:標準
25.0以上30.0未満:肥満(1度)
30.0以上35.0未満:肥満(2度)
35.0以上40.0未満:肥満(3度)
40.0以上:肥満(4度)
が基準となっています。これは、日本肥満学会が定めた基準であり、人種によって体格や骨格が異なるため基準にばらつきがあります。
肥満体型の原因4つ
肥満体型になったのには原因があります。主な原因は以下の通りです。
肥満体型の原因①食べ過ぎ
高カロリーや脂質の高い食品、塩分や糖分の高い食品を食べ過ぎるとほとんどの人が肥満になります。カロリーが低い食品だったとしても、食べ過ぎれば総合カロリーが高くなるため結局は1日に必要なエネルギーを摂りすぎてしまうのです。
エネルギーを摂取した分は運動などで消費できればいいのですが、消費しきれないほど食べてしまうと、どんどんと体に蓄積されてしまいます。
肥満体型の原因②運動不足
デスクワーク中心の人が増え、1日中座っている仕事をすることが多くなりました。それだけではなく、車やエスカレーター・電車など便利な世の中になり体を動かす機会が減ってしまいました。
意識して運動しなければカロリーも消費されませんし、筋肉も衰えてしまいます。その結果脂肪が消費されず、肥満の原因になります。
肥満体型の原因③遺伝
家族の大半が肥満だと、遺伝だから肥満になるのは仕方がないと聞いたことはないでしょうか。確かに肥満につながる遺伝子というものはあり、肥満遺伝子などと呼ばれています。すでに50種類ほどの肥満遺伝子が発見されており、3人に1人の割合で肥満遺伝子を持っていると言われています。
ですが、肥満遺伝子があるからといって必ず肥満になるわけではありません。運動や食生活など、日ごろの生活習慣が大いに影響します。割合としては、遺伝子が3割、日ごろの習慣や環境が7割と言われています。
肥満体型の原因④ストレスやホルモン
ストレスが大きくなると、肥満にもつながってしまいます。ストレスがかかりすぎると脳内のセロトニンという物質が大量に分泌され、セロトニンが不足します。セロトニンには食欲を抑制する機能があるため、不足することで食欲がコントロールできずにドカ食いや食べ過ぎにつながるのです。
またストレスが増えることによって分泌される、コルチゾールという物質もやっかいなホルモンです。セロトニンが不足した時と同じように食欲の抑制機能が低下してドカ食いをする・脂肪を分解する成長ホルモンの分泌を抑制するので脂肪が燃焼されにくくなる・さらにはコルチゾール自体が脂肪を合成してしまうので肥満につながるのです。
肥満体型の人の他人からのイメージ
肥満体型の人は、本当は違っていてもネガティブなイメージを持たれやすい損な体型と言えます。
自己管理ができない人と見られる
肥満になると、見た目や相手に与えるイメージも変わってしまいます。特に欧米は見た目に厳しく、就職活動でも肥満は不利とされています。その理由は、自己管理ができないイメージがあるからです。
自分の食事や運動などの生活習慣も管理できない、というレッテルを貼られてしまうのです。最近では、日本でもこの傾向がみられるようになってきました。
一昔前までは、太っている人=食べるものに困らない富裕層というイメージがありました。ですが、最近では太っている人は体に悪い食品しか食べられない=貧困のイメージがあるのです。
自分に甘いと見られる
食事制限ができない・食べ過ぎ・飲みすぎで食欲をコントロールできないというイメージもあります。たとえ肥満になった原因が、過度なストレスやホルモンの異常などが原因としても、本人の事をよく知らない人は自分に甘い人というレッテルを貼ってしまいがちです。
不潔に見られる
残念ながら、肥満の人は不潔というイメージも持たれます。これは、女性であっても男性であっても同じなのです。肥満の方は汗をかきやすいため、大量に汗をかいている姿が不潔と認識されてしまいます。
肥満の方は顔に脂も浮きやすいので、脂ぎっているお肌も同じイメージを持たれてしまいます。
他責にしそう
自分に甘いというイメージの延長になりますが、仕事で付き合いが多いから仕方がない・痩せたくても忙しくて運動する暇がない・など太っていることを人のせいにする考えを持っていると思われることもあります。
肥満を治す方法
肥満外来へ行ってみては?
ダイエットして減量しなければいけないのはわかっているけれど、自分1人ではどうしていいかわからないという方も多くいらっしゃいます。そんな方には、肥満外来がおすすめです。ダイエット外来とも呼ばれますが、今は肥満も病院で治療できるのです。
肥満外来とは、医療機関が設けている外来です。総合病院や個人病院・美容クリニックでも設置されています。治療なので医師が担当してくれますし、医師以外にも栄養士や心理カウンセラーがチームになって、個人に合わせたダイエットをサポートしてくれます。
まずは、体重や血液検査などのメディカルチェックを行います。その結果をもとに、医師が患者さんに合わせたダイエットプログラムを作成します。BMIの値が35以上の高肥満の場合は、医師の判断で投薬による治療もあります。
専門医サポートの元、食事内容の見直しや生活習慣の見直しもしてくれます。食生活や生活習慣の根本から見直すためリバウンドがなく、最後のダイエットができる病院です。
期間は6か月で、6か月後に設定した目標体重が達成できるように努力していきます。ストレスがなくダイエットできると、関心が高まっています。
東京にも大阪にも肥満外来はありますし、いきなり足を運びにくい場合は電話で無料相談もしてくれます。気になっている方はぜひ一度相談してみてください。
徹底的な自己管理
食生活の管理
肥満を治す場合、食生活の見直しは大事です。スナック菓子や揚げ物を好んで食べる、ケーキやお菓子など甘い物を間食するなどの習慣がある場合は控えることから始めましょう。
大事なのは、摂取エネルギーを抑えて消費カロリーが上回るように意識することです。そうすると、体に蓄積された脂肪がエネルギーとして消費されていき減量につながります。
基本は低カロリーで栄養が豊富な食事をすることですが、1日3食は食べるようにします。朝ご飯を抜く、1日3食摂らないなどの習慣は逆効果になってしまいます。
栄養のバランスも大切です。炭水化物は糖質が多いのでカットする人も多いですが、体に必要な栄養の1つです。主食のご飯やパンは食べ過ぎないように注意しましょう。筋肉のもとになる良質なたんぱく質もきちんと摂取します。ビタミンやミネラルは体の中で作れないので、食事から積極的に摂取します。
減量に効果的な運動管理
1日30分以上の有酸素運動を日常生活に取り入れましょう。できれば毎日、継続して行うことが望ましいです。何時間も走ったり、動けなくなるほど激しい運動をしたりする必要はありません。
有酸素運動は呼吸で酸素を体の中に取り入れて、その酸素で脂肪を燃やす仕組みになっています。呼吸が乱れるほど激しい運動は酸素が取り込まれないので、有酸素運動としての効果が発揮されません。
ウォーキングやジョギングなどがおすすめです。脂肪は20分以上の有酸素運動で燃焼されますが、1日の運動時間が合計20分でも燃焼効果があります。そのため、エスカレーターではなく階段を使うなどの生活習慣に変えることも肥満解消につながります。
自分と向き合う
いきなり体重が増えることはなく、久しぶりに来たスーツがきつい、去年着ていた服が着られないなどのタイミングで、「私、もしかして太ったのかもしれない…」と気づくものです。
最近は飲み会が続いたからむくんだだけ・今は生理前だから体重が増えただけ…など、太った自分を認められないこともあります。
ですが、勇気を出して今の自分を知ることはダイエットの第一歩です。自分の現状がわからない状態でダイエットをしても、どのくらい減ったかわからず結果も知ることができません。
ショックを受けるかもしれませんが、その分減量に取り組むパワーも強いものになります。冷静に自分を客観視して、今の自分を受け止めましょう。
原因を知って改善しましょう
肥満による体型の違いと、肥満の治療方法についてご紹介しました。一口に肥満と言ってもいくつか種類があり、それぞれの原因も異なります。
肥満になった原因をつきとめることこそ、効率的にダイエットするために必要なことです。性別や体質などの違いはありますが、暴飲暴食や乱れた生活習慣は肥満の大きな原因となります。
太っているというだけで、悪いイメージを持たれてしまうのも残念ながら事実です。最近は日本社会も欧米化していますので、昔に比べて見た目も厳しく影響するようになりました。
自分の現状を把握してダイエットすることで、健康で美しい身体になりたいものですね。この記事が参考になれば幸いです。