日本の女性は肥満になりやすい?世界の女性の肥満事情とは

「日本の女子は太っているの?どうして女子は太りやすいの?」

女性は脂肪がつきやすいと聞いたことはありませんか?どうして女性は太りやすいのか、日本は世界的に見て痩せているのか太っているのか、気になるところですよね。

肥満は健康に悪影響があるとされ、さまざまな国で肥満対策が行われています。女性の肥満について、詳しくご紹介していきます。

女性が肥満になりやすい原因

ケーキを食べようとしている女性

女性も男性も生活習慣や食生活が乱れれば肥満になりますが、脂肪がつく仕組みが少し異なります。

筋肉量が少ない

もともと女性は男性に比べて筋肉の量が少ないです。女性ホルモンは筋肉がつきにくくなる作用があるので、たとえ男性と同じ量の運動をしても男性より筋肉が付かないようになっています。

筋肉が多いとそれだけ代謝が上がるので、勝手に脂肪も燃焼されます。ですが、デスクワーク中心で運動しない習慣が続くと、より一層筋肉が衰えて脂肪が溜まりやすくなります。

筋肉が少なく、脂肪が大量についた体型はサルコペニア肥満と呼ばれます。新肥満型ともいわれ、肥満による病気のリスクも上がります。

ホルモンバランスの乱れ

女性の体はどうしても女性ホルモンに支配されます。エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが働き、生理周期などを作っています。

生活習慣の乱れやストレスがかかると、この女性ホルモンが正常に分泌されなくなります。特にエストロゲンの分泌が低下すると、食欲が抑えられなくなって過食する傾向があります。ストレスも溜まりやすくなり、肥満の原因につながってしまうのです。

大豆製品を摂ったり十分な睡眠をとると、エストロゲンが正常に分泌されるようになります。その結果、美肌になったり精神が安定したりする効果があります。

皮下脂肪がつきやすい

女性の方が、男性に比べて皮下脂肪が付きやすいです。内臓脂肪型のリンゴ体型は男性に多く、皮下脂肪型の洋ナシ体型は女性の方が多いです。その理由は、女性の方が女性ホルモンが多く、皮膚の下に脂肪を溜めこむ性質があるからです。

これは、妊娠出産に備えて体がエネルギーを溜めこむためなので、ある程度仕方がないことと言えます。ダイエットしても先に落ちるのは内臓脂肪で、皮下脂肪はなかなか落ちないようになっています。

ダイエットが続かない・ダイエットしても痩せられないと嘆く女性が多いのは、皮下脂肪のほうが落ちにくいのである程度継続しなければいけないからです。

甘い物が好き

甘い物は別腹という女性は多いですよね。なぜ女性が甘い物が好きなのかは科学的にはっきりしていませんが、女性ホルモンが多いと甘い物を好む傾向があり、妊娠出産に備えて食べてしまうこともあると考えられています。

ケーキやクッキー、アイスクリームなどさまざまな甘い物がありますが、そのほとんどにはたっぷりと砂糖が使われています。砂糖を大量に使った甘い物はごはんに比べて1.5倍~2倍程度のカロリーですが、食べだすと止まらなくなる傾向があります。

甘い物はカロリーだけではなく、糖質・脂質も高いので太りやすいです。甘い物ばかり食べている人は、一見細く見えても隠れ肥満になっていることがよくあります。

実は日本女性に肥満は少ない?

豆を食べようとしている女性

日本は世界的に見ても肥満の方が少ないです。骨格や体格的にもやせ型の人が多く、世界の肥満ランキングでは下の方にランクインされています。

厚生労働省の基準

厚生労働省では、肥満の基準をBMI((体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))の数字が25以上としています。この基準自体は日本肥満学会が定めているものです。2012年の国民栄養調査では、日本人女性の肥満率は19.4%・男性は29.1%でした。

女性は男性に比べて肥満率が10%近く低く、肥満の人が少ない国ランキングでも日本人女性は2位にランクインしています。

WHOの基準だと2~3%になる

WHO(世界保健機構)では、日本とは少し肥満の基準が異なります。日本ではBMIが25を超えると肥満と判断されますが、WHOではBMIが30以上の方が肥満と判断をしています。(BMI25以上29以下は前肥満という位置づけになります。)

BMIが30を超えている日本人女性は、わずか2%~3%とごく少数です。世界的に見ても、日本人女性は痩せすぎととらえられています。痩せていることを美徳として、過度なダイエットをする女性は海外にもいますが、そんな海外の人からみても日本人女性は痩せ願望が強いと思われているようです。

ガリガリの女性が増えている日本

日本人女性は過度なダイエットをしている人が多いです。スリムな体が美しいとされ、モデルさんや芸能人、さらにはアパレルショップのマネキンまでスリムに作られるようになりました。

その結果、痩せている=美しいという基準ができてしまい、健康を害してでも痩せようとする女性が増えてしまったのです。

日本人女性の8人に1人は痩せすぎているという統計もあります。日本人女性の1日に必要な摂取カロリーは1950キロカロリーですが、厚生労働省の調べでは20代女性は平均して1625キロカロリーしか摂取していないことがわかりました。これは、戦後の食糧難以下の摂取カロリーです。

痩せすぎも肥満も身体によくありません。痩せすぎた女性の場合は、低体重児が生まれたり将来子どもが糖尿病にかかるリスクが跳ね上がったりと、様々な危険があります。海外では痩せすぎのモデルを起用しないなど、ガリガリが美しいという基準を撤廃する運動が起こっています。

気を付けなければならない隠れ肥満

驚いている女性

一見太っていないのに、体脂肪率が高い人のことを隠れ肥満といいます。

隠れ肥満とは

体重は標準かやや痩せていると判断されるのに、体脂肪率が30%と高い状態の事をいいます。体脂肪率は、皮下脂肪と内臓脂肪の両方が影響します。

皮下脂肪が増えた人は、体重が変わらなくてもボディラインが崩れます。また、便秘ではないのにお腹が出てきたなら、内臓脂肪が増えたと判断できます。

若い人は基礎代謝が高く太りにくいと考えられますが、なんと20歳~21歳の女性大生の50%近くが隠れ肥満だったという大学の調査結果もあります。

隠れ肥満の原因

①無理なダイエットを繰り返す

過剰な食事制限をして体重を落とし、その後またリバウンドをする…ということを繰り返すと、体脂肪が増えます。食事制限をしすぎると、体は筋肉も分解してエネルギーを作ります。そしてリバウンドするときは、筋肉が分解されたところに脂肪がついてしまうのです。

②食事の内容が悪い

揚げ物ばかりやお肉だけ、炭水化物だけなど偏った食事も隠れ肥満の原因になります。栄養はチームで働くため、いろいろな食品をまんべんなく食べる必要があります。

栄養のバランスが悪いと脂肪が燃焼されず、溜まりやすくなります。特に皮下脂肪が溜まりやすくなるので、女性は注意が必要です。

 ③不規則な食生活

朝ご飯を抜いたり、夜遅い食事を摂ったりすると太りやすくなります。朝ごはんを抜いて、その分お昼にカロリーの高い食事を摂ると、体はその食事を全て吸収しようとします。夜遅い食事は、食べた後寝てしまうのでエネルギーが消費されることなく体に吸収されてしまいます。

④運動をしていた頃と変わらない食事量

学生時代に部活動やサークルで毎日運動していた人は、社会人になって運動をしなくなっても食事の量が変えられないという人もいます。運動をしなくなると消費カロリーも基礎代謝も落ちますので、摂取カロリーを抑えなければ太ってしまうのは当然です。

デスクワークが基本の人や、車や電車移動ばかりで歩かない人は食事の量を見直してみましょう。

⑤お菓子を食べる事が多い

仕事の合間に、テレビを見ながら、ついついお菓子をつまむ習慣はありませんか?ある調査で隠れ肥満の女性の食事傾向を調査したところ、朝食のカロリーは低いがその分間食で摂取するカロリーが高く、野菜などビタミンCの摂取が少ないというデータになりました。

栄養はなく、カロリーばかり高い食品を食べ過ぎていると確実に太ってしまいます。

隠れ肥満改善方法

隠れ肥満を解消するには、体脂肪率を下げることに重点を置きます。食事制限や食生活の見直しも大事ですが、運動をメインとしてダイエットしていくことをおすすめします。

隠れ肥満の方は運動不足の人が多いです。運動しないので筋肉が衰えた分、そこに脂肪が付いて体脂肪率が上がるのです。

まずは、1日20分程度の有酸素運動をおすすめします。ウォーキングは、ダイエット器具がなくても手軽に始められるのでおすすめです。そのほか水泳など、呼吸が激しく乱れない程度の運動を継続して行ってみましょう。

食生活も見直しましょう。夜遅い食事が避けられないなら、ご飯を減らして摂取カロリーを抑えましょう。朝ごはんで食物繊維の多い野菜を摂取すると、太りにくいというデータもあります。

肥満による不妊も問題に

肥満はホルモンバランスも崩してしまい、排卵障害につながります。その結果、妊娠しにくくなってしまうのです。特に下半身に脂肪がたくさんついている人は、血流が悪くなり子宮の環境も悪くなります。

妊娠した後も、妊娠による糖尿病にかかりやすくなります。妊活をしている方は、肥満にも注意が必要です。

肥満女性が美しいとされている国

派手なワンピ―スを着てる女性

世界では、肥満であることが美しさの基準となっている国もあります。

モーリタリア

最も肥満の女性を称賛している国です。モーリタニアの女性は肥満が美しさと裕福さの象徴とされており、肥満であるほど称賛されます。

ステータスのような扱いで、太るために高脂肪のラクダのミルクを毎日飲んでいる若い女性もいます。体重が増えないと、抗ヒスタミン剤やステロイドを毎日服用して食欲を増進させている女性もいるほどです。

出産後の太い胴回りが維持できないために離婚に発展することもあり、女性の体型に非常にシビアな国です。

ナウル

世界で最も糖尿病の罹患率が高く、人口の30%以上が糖尿病を患っています。肥満であることが美しさの基準で、子宝に恵まれるという印象を持たれます。

日本では妊娠中に体重が大きく増加しないように厳しく管理されますが、逆にナウルでは出産に備えて太らせる習慣があります。

タヒチ

タヒチも肥満が美しさの基準となっています。原住民にはハーボリという習慣があり、体にしっかり脂肪が付いているかチェックされます。

現在でも変わらず肥満が称賛され、女性は肥満になるために高カロリーのココナッツミルクや炭水化物を好んで摂っています。

アフガニスタン

アフガニスタンは、砂漠の中で過酷な放牧を行っている民族です。そのため不妊で悩む女性も多く、ふくよかであれば子宝に恵まれるとされて、何世紀も前からふっくらとした女性が重宝されてきました。

普段アフガニスタンの女性は、ベールのようなブルカという布を体に巻いているので体型ははっきりわかりません。ですが、ふっくらとした丸顔女性の好感度が圧倒的に高くなっています。

南アフリカ

日本や欧米などでは肥満はあらゆる病気の原因と考えられていますが、南アフリカは逆の考え方を持っています。体重が減ることを病気にかかることと関連付けるため、痩せた人に対してマイナスなイメージを持っています。

太っている女性=裕福で健康的であり、愛される象徴と考えて、経済的地位が高い印象を持たれるのです。

日本人女性は肥満は少ない!

女性も男性も生活習慣や食生活が乱れると太りますが、それぞれで太り方が異なります。女性には妊娠・出産があるため、女性ホルモンに左右されやすいです。

美の基準はさまざまです。太っている方が美しいと言われる国もあれば、日本のように痩せている方がきれいだと言われる国もあります。

ダイエットに興味がある女性は非常に多くいらっしゃいますが、日本は世界的に見てもやせ型の女性の方が多いです。健康のためにダイエットすることは大事ですが、痩せるほどきれいになると思い込んで過度なダイエットをしてはいけません。

何事もほどほどに、心も身体も健康でありたいものですね。この記事が参考になれば幸いです。