肥満の男性のせいで不妊症に!?肥満やメタボの基準って?

LIL 編集部

女性に比べると男性の方が、肥満の人が多いように思われますが、実際のところはどうなのでしょうか。また、男性と女性で肥満やメタボの判断基準は異なっているのでしょうか。今回の記事ではその辺りの事情について紹介したいと思います。

中年期以降になると、ビール腹などと言ってお腹がぽっこりしてくる男性も多いと思います。男性が肥満の場合、どのような不都合が現れるのでしょうか。また、男性の肥満によって子供ができにくくなるって本当なのでしょうか。今回は、男性にみられる肥満の特徴や、男性にオススメのダイエット法などを紹介していきたいと思います。

男性と女性はどちらの肥満率が高い?

男性の肥満と不妊症との関係や、メタボの判断基準などについて説明する前に、まずは、男性と女性でどちらの方が、肥満率が高いのかについて見ていきましょう。

男性と女性の肥満率

厚生労働省は毎年、「国民健康・栄養調査」を実施しています。平成28年の調査によると、平成27年の段階で、男性の肥満率は29.5%、女性の肥満率は19.2%だということが分かっています。

ここ10年間で見ると、男性に関しては肥満率に有意な変化は見られないということです。女性に関しては、ここ10年間で肥満率がやや減少しているということです。ただ、20代女性のおよそ5人に1人が痩せ型とされており、過度のダイエットによるリスクが懸念されています。

中高年以降の男性の肥満率

女性よりも男性の方が、肥満率が高いということでしたが、年代別でみると、中高年以降の男性の肥満率がもっとも高くなっています。

40代大性の肥満率は36.5%となっており、各年代の肥満率のうち、もっとも高い数字となっています。次に肥満率の高いのが50代男性で、肥満率は33.2%となっています。

ちなみに、女性の肥満率がもっとも高いのは70歳以上で、肥満率は23.8%となっています。女性の場合は30代を例外として、年齢が上がるにつれて肥満率も上昇するという傾向があります。

肥満の判断基準

男性と女性とで比較すると、男性の肥満率の方が高いということでした。ところで、肥満の判断基準はどのようになっているのでしょうか。

BMI

肥満状態というのは、身体にたくさん体脂肪をまとっている状態です。正確に測定するためにはCT検査やMRI検査などを受ける必要があるのですが、正確に算出するのはなかなか大変だといわれています。

そこで、肥満を測定する世界的な指標として、「BMI(ボディ・マス・インデックス)」が用いられています。BMIは身長(m)の2乗を、体重(kg)で割ることによって求められます。

たとえば、173cmの男性で体重が68kgの場合、BMIは[68÷(1.73×1.73)]=「22.72」となります。BMIの標準値は22とされているので、この男性は標準に極めて近いということが可能です。

BMIの数値が18.5以上25未満であれば標準体重とされています。BMIの数値が18.5未満の場合は痩せ型、BMIの数値が25以上であれば肥満に分類されることとなります。

肥満と分類された人の中でも、特にBMIが35を超えているような場合、重度の肥満とよばれることとなります。BMIが30以上で35未満であれば中等度の肥満、BMIが25以上30未満であれば軽度肥満とされます。

メタボってなに?

近年になってBMIだけでなく、メタボ(メタボリックシンドローム)という言葉が使われるようになってきました。男性の場合、腹囲が85cmを上回るとメタボリックシンドロームだとされます。ちなみに、女性の場合は腹囲が90cmを超えるとメタボリックシンドロームだとされています。

なぜ女性の方が、診断基準が緩くなっているのかというと、女性は男性に比べて皮下脂肪をため込みやすいからです。その点を考慮して、診断基準が緩くなっているという訳なのです。

メタボリックシンドロームになっているかどうかは、内臓脂肪の量によって判断されます。そのため、身長と体重から算出されるBMIだけでは、「隠れ肥満」を見逃してしまう可能性があるのです。

内臓脂肪が過剰に蓄えられてしまうと、サイトカインの一種である「アディポサイトカイン」の分泌に異常がみられるようになり、その結果として脂質異常症や高血圧、耐糖能障害(2型の糖尿病など)になりリスクが高くなる、ということが分かってきているのです。

糖尿病と脂質異常症、高血圧と肥満の4つは、「死の四重奏」などと呼ばれることがあります。それぞれの症状自体は大したことがなくても、併発することによって動脈硬化が進んでしまうのです。

男性の肥満で妊娠率が低下するって本当?

最近になって、男性が肥満なことよって、パートナーである女性の妊娠率に低下がみられるということが分かってきているそうです。では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。

インドでの調査結果

インドにあるクリシュナIVFクリニック生殖補助センターのGottumukkala Achyuta Ramaraju医師によると、女性が肥満している場合はもちろんのこと、男性が肥満な場合にも妊娠率や出生率に悪影響を及ぼすということです。

精子の質が低下

Gottumukkala Achyuta Ramaraju医師らの研究によると、肥満の男性の場合、精子量の減少がみられるだけでなく、精液の濃度が薄くなったり、精子の運動能力が落ちたりする減少もみられるということです。

男性の肥満により現れやすいトラブル

男性が肥満の場合、不妊の可能性が高まるだけでなく、さまざまな疾患を発症する可能性も高くなってしまいます。では、どのような疾患を発症するリスクが高くなるのでしょうか。

脂肪細胞の質的異常による疾患

肥満には、大きく分けて脂肪細胞の質的異常による肥満と、脂肪細胞の量的異常による肥満の2種類があります。脂肪細胞の質的異常による肥満は、簡単に言うと内臓型の肥満のことで、男性に特徴的な肥満となっています。

脂肪細胞に質的な異常がみられるような場合、高血圧や高脂血症(脂質異常症)、耐糖能障害(2型の糖尿病など)、高尿酸血症、痛風といった、いわゆる生活習慣病を発症するリスクが高くなります。

また、心筋梗塞や狭心症といった心疾患、脂肪肝、脳梗塞に加え、肥満にともなう腎臓病を発症するリスクも高くなることが最近の研究によって分かってきています。

ちなみに、女性に脂肪細胞の質的異常による肥満が見られるような場合、月経異常が起こったり、妊娠中に合併症を発症したりするリスクが高くなるということです。

妊娠中に起こりうる合併症としては、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、血栓症や脂肪塞栓症などがあげられています。

脂肪細胞の量的異常による疾患

脂肪細胞の量的異常による疾患とは、分かりやすくいうと「皮下脂肪型の肥満」ということが可能です。脂肪細胞に量的な異常がみられる場合、睡眠時無呼吸症候群や肥満低換気症候群といった、呼吸器系の疾患を発症するリスクが高くなります。

また、脂肪細胞の量的異常によって体重が増加すると、整形外科的な疾患のリスクも高くなります。たとえば、腰痛や膝痛、股関節痛などのリスクが上昇するということです。

男性にオススメの肥満改善法

肥満によるリスクを知ってもらったところで、男性にオススメの肥満改善法を紹介していきたいと思います。あなたに合ったダイエット法で、肥満を改善してくださいね。

糖質制限をする

男性にオススメのダイエット法としては、糖質制限ダイエットがあげられます。糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。つまり、糖質はご飯やパン、麺類といった主食に多く含まれているということなのです。

女性とくらべると、男性の方がどちらかというと炭水化物を好む傾向にありますよね。ラーメンが大好きという方もいらっしゃることと思います。

そして、その糖質こそが太ってしまう原因だと考えられているのです。糖質は私たちの体内で分解され、身体や脳のエネルギーに変えられます。炭水化物(糖質)がエネルギー源だといわれるのはそのためです。

糖質の分解は、すい臓から分泌されるインスリンによっておこなわれます。ただ、糖質の摂取量があまりにも多かったり、食後に血糖値が急上昇したりすると、インスリンによる糖質の分解が追い付かなくなってしまうのです。

インスリンが分解しきれなかった糖質は、予備のバッテリーとして脂肪細胞内に蓄えられることとなります。これが肥満のメカニズムなのです。

そのため、男性がダイエットをおこなう場合、糖質の摂取量を減らすということが効果的なのです。なにも全く炭水化物を摂ってはいけないという訳ではありませんし、そのようなダイエット法はかえって身体に悪影響を与えます。

炭水化物好きの自覚がある男性であれば、ご飯の量を半分に減らしたり、玄米に変えたり、ラーメンを食べる頻度を減らしたりするとよいでしょう。

休肝日を設ける

お酒好きの男性も、肥満になるリスクが高くなってしまいます。特に、糖質を多く含んでいるビールやワイン、甘いお酒などを飲むと肥満になるリスクが上昇します。

また、お酒を飲んでいると塩っ辛いものや脂っこいものを食べたくなるものです。そのような食事をすることによって、生活習慣病を発症するリスクも高くなってしまいます。

アルコールは肝臓で分解されるのですが、お酒を毎日大量に飲んでいると、徐々に肝臓に脂肪が蓄えられることとなります。そのような状態を脂肪肝と呼んでいますが、脂肪肝は徐々に肝炎や肝硬変、肝臓癌へと進行していきます。

肝疾患の怖いところは、自覚症状がなかなか現れないということです。そのため、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。肝機能障害を発症しても、風邪のような症状が出るくらいなので、ただの風邪として見過ごしてしまいがちです。

休肝日を設ける場合、48時間あけると効果的だとされています。休みの日は飲んで、平日は2日続けて抜くようにするとよいでしょう。

有酸素運動をする

男性にオススメのダイエット法としては、有酸素運動もあげられます。女性に比べると男性の方が、一般的に筋肉量が多いので、運動によって痩せる方法が推奨されます。

肥満は、それだけの体重を支える筋肉があるということでもあります。そのため、脂肪を減らすための有酸素運動をおこなうことで、体脂肪率を減らし、筋肉率を上げることが可能となります。

男性がダイエッとする場合の注意点

男性がダイエットをする場合、糖質制限をおこないながら、有酸素運動も取り入れ、休肝日を設けてあげるのが効果的です。ただし、以下のような注意点を守っておこなうようにしてくださいね。

無理な運動はしない

ダイエットをする際にもっとも気をつけたいのが、無理な運動はしないということです。特に、昔は部活で身体を鍛えていたというような人に多いのが、過去のイメージを引きずって運動してしまうことです。

いきなり10km走るとか、長時間泳ぐなどといった運動をすると、筋肉痛を残すだけでなく、下手をすると、ケガをしてしまうリスクが高くなってしまいます。

ダイエットは長期間にわたっておこなうことが肝心なので、怪我をして運動ができなくなったというのでは元も粉もありません。無理のない運動から始めて、徐々に負荷を高めていくとよいでしょう。

運動する時間に気をつける

最近はランニングを趣味としている方も多いですが、メタボリックシンドロームの改善をするような場合、総長にランニングをおこなうことは避けましょう。

人間の身体は、寝ている間もっとも死に近い状態となります。心拍数は減少し、血圧や体温は低下することとなります。朝起きてからしばらくすると、だんだんと血圧や体温が上昇し、心拍数も平常通りとなります。

そのような時間帯にランニングなどの運動をおこなってしまうと、心臓への負担が大きくなりすぎてしまうのです。その結果、心筋梗塞を起こしたり、狭心症を発症したりといったリスクが高くなってしまうのです。

日々の生活を見直しましょう

男性にみられる肥満の特徴や、男性にオススメのダイエット法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。女性に比べると男性の肥満率は高いですが、女性に比べると内臓脂肪型の肥満が多いということでした。

内臓脂肪には「つきやすく落ちやすい」という特徴がありますので、日々の食生活を見直したり、運動をしたりすることで徐々に体重を減らしていきましょう。

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