便秘で一週間お通じがない方へ、今すぐ実践して欲しいこと3つ

便秘ってつらいですよね。便の回数が減ったり、便がつらかったり、便が出たりなかったりと、便秘にはいろいろな症状があります。そんな便秘が1週間も続くとおなかに痛みや不快感が生じるだけではなく、病気になるリスクが高くなるんです。

ではどうやって改善したらいいのでしょうか。今回は、1週間便秘が続いたときの対処法についてご紹介したいと思います。

辛くて苦しい長期間の便秘とは

麻紐でお腹を縛っている女性

1週間ぐらい続いても、さして痛みを感じることのない便秘。ふと気づくと、そういえばしばらく出ていない…と思い出す方もいらっしゃるかと思います。でも、便秘が長期間続くと、思わぬ症状や大きな病気を引き起こす可能性があるんです。では、「長期間の便秘」とはいったいどれぐらいの期間のことを指しているのでしょうか。くわしく見てみたいと思います。

健康的なお通じの間隔

一般的にどれぐらいのペースで排便があると健康的なのでしょうか。実は、排便のペースは一定ではありません。つまり、人によって違うのです。いったいどういうことでしょうか。厚生労働省のサイトを見てみましょう。

通常は1日1-2回の排便がありますが、2-3日に1回の排便でも排便状態が普通で本人が苦痛を感じない場合は便秘といいません。しかし、毎日排便があっても便が硬くて量が少なく残便感がある場合や、排便に苦痛を感じる場合は便秘といえます。

つまり、厚生労働省は、通常、1日数回の排便があっても、それが健康的な排便とは限らないと断言しているのです。つらくなければ数日に1回しか排便がなくても便秘ではないのですね。

厚生労働省「便秘と食事」

ずっと便秘が続いている慢性便秘の定義とは

慢性化した便秘のことを慢性便秘と言います。慢性便秘の定義について、2017年に発表された「慢性便秘症診療ガイドライン」では、便秘の定義はむずかしく、統一された定義がないことを踏まえ、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」としています。

慢性の便秘かどうかは、こうした定義から考えても本人の意識などによるところが多いわけですが、便秘を自覚している女性は男性よりも多いことが厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2016年)を見るとわかります

男性は60代以降で便秘の症状を自覚する人が増える一方、女性では20代以降すべての世代で便秘を自覚している人が多いという結果が明らかになっています。

厚生労働省「国民生活基礎調査」(2016年)

一週間便秘が続くと起こる症状

では、便秘が1週間以上続くと、どのような症状が起こるのでしょうか。

  • 腹痛
  • 下腹がポッコリ、体重増加
  • 食欲不振
  • 肌荒れ
  • 体臭や口臭
  • むくみ
  • メンタルが不安定、イライラする

便秘になると、腹痛が生じるほか、下腹部が膨らみ、体重が増加します。これは、食べているのに排出していないことを考えると当たり前ですよね。ですから、食欲が沸かなくなってくるのも当然です。

身体に不要なものや老廃物が溜まっているため、肌が荒れてくるほか、身体のむくみが生じます。体内の老廃物から異臭が放ち、体臭や口臭となって体外に放出されます。

こうした身体的な悪影響がメンタル面にも及び、気分がすぐれなくなり、イライラするなど、情緒不安定になりやすくなります。

便秘に関係する病気

オフィスでの仕事中に急な腹痛に襲われ思わず顔を歪めながらお腹を指で握りしめる女性

こうして便秘が慢性化すると、さまざまな病気を引き起こします。場合によっては命の危険に及ぶ病気もありますので、便秘症の方や便秘になりやすい方は注意が必要です。いったいどのような病気になる可能性があるのか見てみいたいと思います。

大腸がん

慢性的に便秘の症状がある方は大腸がんになりやすいと考えられています。というのも、大腸がんができやすい部位は肛門に近い直腸とS状結腸で、この部分に便が貯まりやすいからです。

国立がん研究センターの2016年の統計によりますと、女性で最も多かった死亡原因は大腸がんです。心配な方は大腸の内視鏡検査を受けた方がいいですよ。

国立がん研究センター「最新がん統計」

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、検査をしても特に異常が見られないのに、下痢や便秘を伴う腹痛や不快感が続く症状で、さまざまなストレスなどによって腸の動きに異常をきたすことで起こります。

便秘の症状は、年齢が高くなるにつれて増加していく傾向にありますが、過敏性腸症候群では、30代以下の若齢層に見られます。とくに女性に見られますので、30代以下で慢性的な便秘の方は過敏性腸症候群を疑ってみるのもひとつです。

腸閉塞

腸閉塞とは、何らかの原因で腸管がふさがれ、食べ物などの腸の内容物が通過しなくなる状態のことです。そのため、おなかが張り、嘔吐が起こるほか、腸管が拡張・ねじれることで腹痛を伴うこともあります。

腸閉塞になると、食事が摂れなくなるため、栄養や水分が腸から吸収できなくなるほか、腸が壊死を起こすこともあります。便秘が原因で起きることも多く、死亡するケースもあるため、便秘で激しい腹痛や嘔吐などが起こったらすぐに医療機関に相談しましょう。

卵巣腫瘍

子宮の左右にひとつずつある卵巣にできる腫瘍が卵巣腫瘍です。初期の場合、無症状のことが多いのですが、腫瘍が大きくなるにつれて腰痛、月経周期の乱れ、月経の量が増える、便秘や頻尿になるといった症状が現れるようになります。便秘の症状と同時に、月経がいつもとちがうなどの症状が気になったら、婦人科で検査をしたほうがいいですね。

その他

女性では、月経痛や腰痛のほか、不正出血、頻尿、おりものが増えるなどの症状が現れたら、子宮筋腫の可能性があります。

また、便秘が続くと、便が硬くなるため、肛門を傷つけ、痔が起こることもあります。

さらに、便秘になると胃腸の動きが鈍くなることから、交感神経が優位に働きます。こうして副交感神経とのバランスが崩れると、睡眠障害を引き起こす可能性が高くなります。

便秘が一週間続いたら行ってほしいこと

患者の診察をしている医師

便秘が1週間以上続いたら、病気になる可能性があることがわかりました。逆に言えば、便秘は病気からのサインです。つまり、便秘が続いたら、放っておかず、すぐに何らかのアクションを起こすべきです。早めに対処し、早急に症状を改善しなければなりません。

病院へ行く

自己判断をせず、まずは医療機関へ行くことが大切です。かかりつけのホームドクターにまず相談しましょう。どれぐらいの期間、便が出ていないのか、食生活はどうだったか、生活習慣はどうだったのか、ほかに気になる症状などはあるのかなど、ある程度、説明ができるように準備しておいた方が早期解決につながります。

マッサージなどは控える

便秘のとき、排便を促すために腸をマッサージすることがあります。ただし、長期間、便秘が続いている場合、マッサージを控えたほうがいい場合もあります。

便秘には、便を押し出す力が足りなくて便秘になる弛緩性の便秘のほか、ストレスなどが原因で腸が正常に働かなくなる痙攣性便秘があります。痙攣性の便秘の場合、腸をあまり刺激しない方がいいため、便秘が長期間続いたら、自己判断せずにまずは医療機関に相談するようにしましょう。

もし排便した場合は色や形を覚えておく

ちょっと汚い話かもしれませんが、便の状態で健康状態がチェックできます。便の色では、黄色~黄褐色が健康な便です。黒色の便は血液が黒変している便です。

病気の可能性もありますので、医療機関で相談してみましょう。鮮明な赤色は肛門のそばで出血があった場合で、血液の固まりが含まれている場合は、直腸あたりでの出血の可能性があります。白い便はバリウムを飲んだ時に出ますが、そうではない場合、灰色の便が出たら、腸結核や膵疾患などの可能性もあります。

そして、便の形や固さも参考になります。便秘の場合、便が硬いことが多いですよね。コロコロとした便が出るほか、太くて硬かったり、硬くて断片的な便だったりすることもよくあります。

これは水分や食物繊維が足りない可能性があるほか、腸の蠕動運動が低下している、トイレを我慢することが習慣化されているのかもしれません。反対に、ウインナー状の便がスッと出て、おなかが気持ちよくなったら、それが健康的な便です。

また、腸内環境が悪いと便の臭いが強くなります。便臭がキツくなったら、食生活や生活習慣などを見直し、改めるようにしましょう。

このように、便は健康のバロメーターになります。排便をしたら、色や形などを確認し、食生活の見直しに役立ててください。

便秘を予防改善する方法

様々な種類のフルーツと野菜

便秘になると、アナタの魅力が半減します。顔色が悪くなり、印象も悪くなります。でも、便秘は食生活や生活習慣を改善することで、症状を改善することができますし、便秘を予防することもできます。便秘気味の方はさっそく今日からはじめたいですね。

病気の場合はしっかりと通院して治す

病気が原因で便秘の症状が現れることもあります。病気の場合は、何よりもまずその病気の治療に徹底しましょう。基本的には、病気が治れば、便秘は改善されます。そして、病気が治ったら、病気にならないような健康的な生活を送るようにしましょう。

食事療法による改善

便秘の方で多いのが食生活の乱れです。無理なダイエット、栄養バランスの悪い食事、水分の不足など、思い当たることはありませんか。

1日3回、規則的に食事を摂ります。ダイエットなどで偏った食事が続くと便秘になりますので注意しましょう。また、野菜などの食物繊維、ヨーグルトなどの乳酸菌など、腸の動きを活発にする作用のある食材を意識して摂り入れるようにします。

日頃の便が硬い方は水分が足りないのかもしれません。便は水分からもできているため、水をあまり飲まないと便が出にくくなります。1日にどれぐらい水分を摂っているのかを調べてみて、その量よりも多めの水分を摂るようにしてみてください。便の状態が改善されるかもしれません。

生活習慣の改善

食生活を見直したら、次は生活習慣の改善です。まず、十分に睡眠を取るようにします。睡眠不足は腸の動きに影響を与えます。

ウォーキングなどの適度な運動を日々の生活に取り入れるようにします。通勤や通学を利用してウォーキングをはじめるとのは無理なく運動できます。

そして、トイレに行く習慣をつけるようにしましょう。時間に余裕を持ってトイレに行くようにすると、排便が促されますよ。

1週間以上の便秘は早めに対処を

便秘が1週間以上続いたら、身体に異変が生じます。また、病気の可能性も考えられます。自己判断せず、すぐに医療機関に相談しましょう。そして、便秘にならないように、日頃から食生活や生活習慣を見直し、予防することも大切です。