簡単なストレッチで美しく!ストレッチの効果とやり方まとめ

ストレッチをしている人は多いと思いますが、その本当の効果を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。ストレッチにも種類があり、その効果はさまざまです。今回は、ストレッチの種類やその効果、簡単にできて効果的なストレッチを紹介します。

ストレッチをすると、筋肉が伸びて気持ちいいですよね。健康のためや、怪我の予防にもストレッチは効果的とされますが、実際、ストレッチにはどのような効果があるのでしょうか。

また、ストレッチは続けることが肝心なので、自宅で簡単にできるストレッチの方法を知りたいですよね。今回の記事では、ストレッチの本当の効果と、自宅で簡単にできるストレッチ法を紹介します。

ストレッチってなに?

本の上に手を起きその上に顎を乗せている女性

簡単にできるストレッチ法を紹介する前に、まずはストレッチとはなんなのかについて、改めて解説していきたいと思います。なにげなくおこなっているストレッチにも、ちゃんと意味があるのです。

筋肉を伸ばすこと

ストレッチとは何かと質問されたなら、答えは「筋肉を伸ばすこと」となります。筋肉は筋線維という線維の束が集まってできたもので、基本的に骨と骨とを結んでいます。

もちろん内臓も筋線維からできているのですが、私たちが一般的に筋肉といったときにイメージするのは、骨と骨とを結んでいる筋肉のことであり、そのような筋肉のことを「骨格筋」と呼んでいます。

たとえば上腕二頭筋と呼ばれるいわゆる「力こぶ」の筋肉は、肩の骨と肘の骨を結んでいます。それによって、肘を曲げることが可能となっているのです。

ストレッチの種類

普段に何げなくおこなっているストレッチにも、大きく分けて2つの種類があります。それは、静的ストレッチと動的ストレッチです。では、それぞれどのようなものなのかを見ていきましょう。

静的ストレッチ

静的ストレッチなどというと何やら難しく思われるかもしれませんが、私たちがストレッチと聞いた時に、まず思い浮かべるタイプのストレッチが静的ストレッチです。

体育の授業や部活の前などに。筋肉に一定の負荷をかけて30秒ほど伸ばすようなストレッチをおこなったことのある方も多いと思います。あのようなストレッチが静的ストレッチと言われるものです。

動的ストレッチ

動的ストレッチは別名を「ダイナミックストレッチ」とも呼ばれており、近年になってスポーツ界で注目されているストレッチ法となっています。

運動をする前に筋肉を緩め過ぎてしまうと、かえって怪我のリスクが高くなったり、パフォーマンスの低下を招いたりすることが分かってきています。

そこで、筋肉を温めながら一定の緊張を保ちつつ、適度に筋肉をゆるめられるダイナミックストレッチがおこなわれるようになってきているのです。

動的ストレッチとかダイナミックストレッチなどというと、なんだか難しそうと思われるかもしれませんが、みなさんがよくご存じのラジオ体操もダイナミックストレッチの一種なんですよ。

ストレッチの効果

体操している女性

ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチとがあるということでしたが、それぞれどのような効果があるのでしょうか。基本的には、静的ストレッチにも動的ストレッチにも以下のような効果が期待されています。

関節の可動域アップ

冒頭でも述べたように、筋肉は骨と骨とを結んでいます。筋肉が骨に付着している部分を、心臓に近い方から筋肉の「起始部」と「停止部」と呼んでおり、その中間にあたる筋肉の盛り上がった場所を「筋紡錘」と呼んでいます。

例えば、下腿でいうといわゆるふくらはぎと呼ばれる筋肉の盛り上がった場所が筋紡錘にあたります。起始部や停止部はそれぞれ膝とかかとに付着しており、腱に移行します。よくいわれるところのアキレス腱が、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)の停止部となっています。

ストレッチとは、筋紡錘を伸展させて緩めることを目的としています。筋肉の起始部や停止部は腱に移行するため、ストレッチによって伸ばすことはその性質上出来ません。アキレス腱が伸びたら大変ですよね。

筋紡錘が緩むことによって、筋紡錘による骨と骨を牽引する力が弱くなるため、関節の可動域(動かせる範囲)を広げることが可能となる訳です。

筋肉の柔軟性向上

静的ストレッチにも動的ストレッチにも、筋肉の柔軟性を高める効果があります。静的ストレッチの場合は長期的な視点で、動的ストレッチの場合は短期的な視点で筋肉の柔軟性を高める目的でおこなわれます。

静的ストレッチにももちろん、筋肉を短期的に緩める効果はあるのですが、先述したように運動前に静的ストレッチをおこなうと、かえって怪我のリスクを高めたり、パフォーマンスの低下を招いたりするリスクが上昇します。

ある年齢より上の方にとって、ストレッチと言えば静的ストレッチであり、部活の前にそのようなストレッチをおこなっていた方も多いことと思います。

ただ、最近は運動学的に、運動前の静的ストレッチはやめた方がよいという流れになっています。もちろん静的ストレッチが有害という訳ではなく、運動後に静的ストレッチをおこなうのは効果的ですし、日頃の身体のケアに静的ストレッチをおこなうものやはり効果的です。

怪我の予防

ストレッチの目的としては、怪我の予防もあげられます。運動前に動的ストレッチをおこなうと、筋肉を温めて適度に緩めることが可能となるため、怪我のリスクを低下させることが可能です。

静的ストレッチも日常的におこなうことで、筋肉の質を変えることが可能となります。それによって、怪我をしにくい筋肉の質にすることが可能なのです。

ウォーミングアップ

ストレッチにはウォーミングアップ効果もあります。特に運動前におこなわれる動的ストレッチには、筋肉を温める効果が期待されています。筋肉を温めることによって怪我をしにくいだけでなく、パフォーマンスの向上も期待できるのです。

血行促進

静的ストレッチにも動的ストレッチにも、血行を促進する効果があります。筋肉を伸展させると、その後に収縮することとなります。それを繰り返すことで、筋肉による血液循環が活発になり、結果として血行を促進することが可能となるのです。

動的ストレッチの場合は、何度か述べているようにパフォーマンスの向上が期待できますし、静的ストレッチの場合には冷え症の解消やむくみの改善が期待できます。

簡単ストレッチその1・寝ながらストレッチ

タオルを使ってストレッチをしている女性

ストレッチの目的や効果について理解して頂いたところで、いよいよ今回のメインテーマである「簡単にできて効果的なストレッチ」を紹介していきたいと思います。まずは、寝ながらできる簡単なストレッチからです。

大腿四頭筋のストレッチ

大腿四頭筋とは、太ももの前にある筋肉群の総称です。大腿四頭筋が固いと、脚が太く見えてしまうので、しっかりとストレッチしておきましょう。

やり方はとても簡単で、仰向けに寝た状態で片方ずつ膝を曲げて、つま先をお尻の横に持ってくるだけです。身体が固い人は、上体を起こして両手を後ろについておこなうとよいでしょう。

殿筋群のストレッチ

殿筋とはお尻の筋肉のことです。お尻の筋肉が固くなると、股関節痛や腰痛、下肢放散痛の原因となりますし、体型が崩れる原因ともなりますので、やはりしっかりとストレッチしておきましょう。

殿筋群のストレッチも寝ながら簡単におこなうことが可能です。仰向けになった状態で片方の膝を曲げ、両手で抱えて胸の方に引きつけましょう。右膝の場合、左の肩の方に引きつけるとより効果的ですよ。

ばんざいストレッチ

ばんざいストレッチはその名の通り、仰向けになって両手を「ばんざい」するだけのストレッチです。肩甲骨や前胸部、上腕三頭筋などをストレッチングすることが可能です。

特に、デスクワークなどで肩が凝っている人におススメのストレッチとなっています。ばんざいの後に両手を真横に広げてあげるとより効果的ですよ。

簡単ストレッチその2・タオルを使ってストレッチ

タオルを使ってストレッチをしている女性

簡単ストレッチの方法としては、タオルを用いてストレッチするという手もあります。本当に簡単なので、ぜひ覚えてやってみてくださいね。

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスとは、太ももの裏側にある筋肉の総称です。ハムストリングスは骨盤に付着しているため、固くなると姿勢が悪くなったり、お尻が大きく見えたりしてしまいます。腰痛予防やヒップアップのためにも、ハムストリングスをしっかりとゆるめておきましょう。

タオルを使ってハムストリングスを緩める場合、まずは仰向けに寝っ転がります。そして、両手に持ったタオルと足の裏に引っ掛けて、脚を真上にあげながらまっすぐにのばします。太ももの裏側にハリが感じられれば、上手にストレッチできている証拠です。

姿勢改善ストレッチ

姿勢改善も、タオルを使うことで簡単にできます。長時間のデスクワークなどで姿勢の悪くなっている人のほとんどが、骨盤が後ろに傾いて猫背気味になっています。そのような人はまずバスタオルを用意しましょう。

バスタオルを縦に2回、横に2回折って、枕のような形の長方形にします。仰向けになってベルトラインにタオルを敷けば、それだけでストレッチが可能です。ヒップアップを意識しておこないましょう。

肩こり解消ストレッチ

肩こりがひどい人も、タオルを用いてストレッチしましょう。タオルを両手で持って、肘を伸ばしたまま身体の前から頭の後ろまで移動させるだけです。頭の上を通過するときには、肘を曲げましょう。

簡単ストレッチその3・歩きながらストレッチ

新緑の中ランニングをしている女性

ストレッチの中でもダイナミックストレッチは、歩きながらおこなうことが可能です。ウォーキングのついでに、筋肉も緩めちゃいましょう。

肩回し歩き

肩回し歩きと言ってもなにも難しいことはありません。ただ歩きながら両手をグルグル回すだけです。それによって、肩関節や肩甲骨の可動域が広がり、肩こりの解消が可能となります。

大股歩き

歩くときに、普段より少しだけ大股に歩くことで、股関節のストレッチになります。靴のサイズの半分程度でも十分に効果が得られますよ。下半身のスタイルアップにもつながるので、とてもおススメです。

ロングブレス歩き

ロングブレス歩きとは、大きく息を吸って吐きながら歩くストレッチ法です。肋間筋や腹筋のストレッチになるので、ウォーキングをしながらおこなうと、より効果的にスタイルアップをすることが可能となります。

ストレッチでダイエットは可能?

バツを作る赤いシャツを着た女性

ダイエット目的でストレッチをおこなっている人もいらっしゃることと思いますが、果たしてストレッチによってダイエットは出来るのでしょうか。

効果的ではありません

ストレッチをすることでダイエットができるかどうか聞かれたなら、残念ながら効率的ではないとお答えすることとなります。なぜなら、いくら頑張ってストレッチをおこなっても、それほど活動代謝が増えることはないからです。

痩せるためには、基礎代謝や活動代謝を高め、摂取カロリーを減らすことが絶対条件です。そして、そのためには有酸素運動や筋トレをおこない、食習慣を見直すことが必要となります。

ただ、だからと言って、「じゃあストレッチするのをやめる」というものもったいないことです。ストレッチによって血行が促進することで、新陳代謝は活発になります。血行がよくなれば全身の栄養状態が改善するので、美肌効果は期待できます。

ダイエットとは?

ダイエットとは痩せることと思っている方もいらっしゃることと思いますが、そもそもダイエットとは健康や美容のために食事の量をコントロールしたり、食事内容を見直したりすることを意味します。

その点では、ストレッチも運動も、ダイエットグッズも、本来の意味でのダイエットにはなりません。本当に痩せたいのであれば、やはり食事内容や食習慣を見直すことが重要です。

だからと言って、ストレッチが無意味な訳ではありません。身体が固くなると怪我のリスクが高まるだけでなく、動作自体も固くぎこちないものとなってしまい、実年齢よりも老けて見えてしまいがちになります。

立ち上がるときに「よっこいしょ」とならないためにも、普段からストレッチをおこなって柔軟性を保っておくことが重要という訳なのです。

効果的にストレッチを

今回は、簡単にできるストレッチを特集しましたが、いかがだったでしょうか。ストレッチをおこなったからと言って直ちに痩せることはありませんが、新陳代謝を高めたり、リラックスしたりすることが可能となります。

結果として睡眠の質を向上させたり、美肌効果を得たりすることが可能となります。寝ながらできるストレッチなどは下半身の見た目痩せにもつながるので、ぜひ実践してみてくださいね。