季節が変わるタイミングは、女性にとってお肌の調子が崩れやすい時期です。その理由は、疲れやストレスといった体の中からの理由が1つです。
さらに気候や環境の変化などの外からの理由も加わり、いつものスキンケアで肌荒れを起こしてしまいます。ここでは、季節ごとの揺らぎやすいお肌について、その原因やスキンケア方法などについて詳しく探ってみました。
季節別の肌状態
季節の変わり目時期

季節の変わり目は、体だけでなくお肌の調子も不安定なゆらぎ肌になりやすい時期です。暖かい日が続いたと思えばまた寒くなったりと、外の気温も一定しません。
仕事や学校などの環境の変化も起こりやすいことから、自分でも気が付かないうちに疲れを溜め込んでしまっています。
肌荒れ要因

体の疲れやストレス、または気候の温度変化などから、お肌にも不調が現れてきます。いつもの化粧品でも肌がピリピリと刺激を感じたり、乾燥や吹き出物ができるなどの肌トラブルが起こりやすい症状です。
決してスキンケアをさぼっているわけではないのに、メイクののりも悪くなったり、肌荒れが起きると気持ちが落ちてしまいますね。まずは季節ごとに、肌の不調が起こる原因を考えて見ましょう。
インナードライ肌になりやすい春

厳しい寒さが和らぎ、待ちに待った暖かい春ですが、お肌の状態はまだまだ冬のダメージを引きずっています。気温が上がってきたぶんだけお肌の表面はしっとりしていても、深層部はカラカラに乾いた状態であるインナードライ肌になりやすいのが春の肌です。
春は新しい出会いや仕事、学年も進級するなど周りの環境の変化も多い時期です。慣れない人間関係や環境にストレスを感じる事が多く、体も心もとても疲れています。新年度のスタートなので、気持ちだけが張り切ってしまい、バランスを崩したり無理をしてしまうことも多いでしょう。
さらに春先は花粉が多く飛ぶことで、花粉症の方にはつらい季節です。花粉はとてもお肌に大きなダメージを与えます。このようなさまざまな原因から、春のお肌はとても不安定になり、トラブルが出てしまうというわけです。
紫外線ダメージが増える夏

ジメジメとした梅雨が明けると、一気に暑い夏がやってきます。気温が高くなり、たくさんの汗をかき、皮脂分泌が活発になります。
さらに、お肌の最大の敵である紫外線が最も強くなることで、日々過酷な状況にさらされてしまいます。お肌が老化してしまう原因のトップは紫外線によるダメージです。外出時だけでなく、窓際などの室内にもUV-Aは入り込んできますので要注意です。
さらに、オフィスや施設の中は寒いくらいにエアコンが効いている事が多く、外と室内の寒暖差からも夏のお肌は乾燥したり、疲れやすくなっているのです。
ターンオーバーが乱れやすい秋

夏の過酷な紫外線による影響を受けて、秋の肌はとても疲れきった状態です。気温が徐々に下がり始め、温度変化にも激しくなると、一気に乾燥しやすい状態になります。ついこの前まで冷房をかけていたのに、突然暖房が必要になる日もあり、自律神経やホルモンバランスも乱れがちです。
そんな秋の肌は、夏の紫外線ダメージが一気に出始め、肌荒れやターンオーバーの乱れなどが起きやすい状態です。これから始まる本格的な乾燥の時期に向けても、お肌の調子を整えておきたいところですね。
肌荒れ原因ナンバーワンの冬

お肌のカサカサ、かゆみ、赤みなど乾燥によるトラブルが一番多いのが冬の肌です。お風呂に入ったり、手を洗うだけで肌から水分が蒸発してしまうので、ハンドクリームやボディークリームが欠かせない季節です。
顔の肌はメイクをしてしまうとこまめに保湿をする事ができないので、乾燥を感じてもなかなか日中のお手入れはできません。そのため、朝と夜のスキンケアや室内の湿度、体の中の健康状態などあらゆる面で気をつけて乾燥対策をしていかなくてはなりません。
季節別肌荒れ症状
春から夏

この時期に多いのは、スギ、ヒノキなどの花粉による肌荒れです。鼻をかむ回数が増えると、小鼻の周りが摩擦を受けて赤くなったり皮向けを起こします。
また目のムズムズ感から、知らないうちにこすってしまう事が多く、目の周りの肌がシワっぽくなったり乾燥でピリピリしやすくなるのも特徴です。
初夏

初夏の肌に多い肌トラブルは、暑さによる毛穴のトラブルです。毛穴が開きやすくなり、さらに皮脂の分泌が増える事で、毛穴の詰まったプツプツした状態やニキビができやすいのが特徴です。
また紫外線や、室温と外気の寒暖差から、肌はとても乾燥しています。Tゾーンは皮脂でテカっているのに、目の周りや口周りはカサカサとしやすいのも夏の肌です。エアコンや冷たいものを飲む機会が増える事から胃腸が疲れ、口周りの吹き出物も多くみられます。
夏から秋

夏の暑さが落ち着いた秋の肌は、ターンオーバーの乱れからお肌がガサガサしたり、ザラつきを感じることが増えます。肌の細胞が正常に生まれ変わるのに必要な日数は、約28日です。
しかし28日を過ぎても古い角質がお肌の上に残ってしまい、ザラザラした角質肥厚を起こします。角質の厚くなった肌は、スキンケアの浸透も低下するので、肌全体が乾燥状態になります。
夏の紫外線を受けてできたシミや乾燥によるシワも目立ち始めるので、顔がくすんで老けたイメージに感じるかもしれません。
秋から冬

乾燥が厳しくなる冬は、やはり保湿が重要です。冬になると空気が乾いて、肌の水分も持っていかれます。また、寒い季節だと肌の露出が少なくなり、肌の乾燥に気づきにくくなります。夏と同じように保湿するだけだと足りないので、冬はしっかりと肌に潤いを与えましょう。
クリーム等で肌に保湿成分を与えたり、水分を逃さないようにしたりするのが保湿ケアだと思う方が大勢いらっしゃるかもしれませんが、もっと大事なのは、肌の潤いを体の中から与えることです。それは、水分をきちんととることです。
外の空気の湿度が60%下回ると肌の水分が奪われると言われています。水分が不足すると肌にハリがなくなり、肌トラブルのもとになるので、これらを防ぐため、こまめに水分補給をしましょう。
冬から春

ようやく寒い冬から暖かい春のなって、肌の乾燥の悩みから解放されると思う方がも少なくありません。しかし、春の暖かい日差しでも、紫外線を含めています。
夏と違って春の紫外線はさほど強くありませんが、乾燥から完全に治っていない肌がその紫外線を浴びるととても危険です。冬の保湿ケアをきちんと行い、春の紫外線対策を忘れないようにしてください。
もう一つ、春といえば花の季節です。花粉に反応して、アレルギーやかゆみや赤みなどを引き起こす可能性も十分考えられます。外に出るときしっかり紫外線対策とともに、肌をガードしてください。また、帰宅したらまずはホコリ・花粉を払い落とし、できればメイクも落としたほうが良いでしょう。
季節性敏感肌

自分ではなかなか気付かないことが多いのですが、肌の調子が季節の変わり目に起こるとしたら、季節性敏感肌といわれる肌状態かもしれません。
花粉や埃、ハウスダストなどにアレルギーがあれば、これらが原因になる可能性もあります。普段使っている化粧品に刺激を感じる、洗顔したあとの肌が突っ張り感をより感じる、化粧水をつけた直後でも肌が乾燥している、といったことに心当たりはありますか?
気温の寒暖差や身の回りの環境など、季節の変わり目におこるさまざまな条件によって肌荒れがおきている場合は、スキンケアとともに体調管理もとても大切になってきます。
季節の変わり目の肌荒れ対策・改善方法
適切な環境づくり

一年中、どの季節をとっても肌にとってダメージを与える条件のひとつは乾燥です。肌にとって最適な湿度は65~75%と言われています。
家にいるときは加湿器をつけ室内の湿度を保つこと、室温は28度程度に設定して体が冷えないように気を付けましょう。オフィスなどでは、夏でも膝掛けをしたり足元を温めたりと、自分自身の体を守る工夫をすることが大切です。
食事や飲み物も冷たいものは避けて、温かいものを摂りながら、しっかりと常温の水で水分補給することも大切です。
ストレスを軽減する

ストレスを一気に解消するのもよいですが、日々の中で解消法を見つけることで、溜め込まないことが大切です。
1日30分〜1時間程度で出来ることなら、仕事の後でも楽しみのひとつになるはずです。ストレスは自律神経にも影響を与え、女性の場合はホルモンバランスにも深く関わってきます。お肌と心はとても密接です。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど体を動かすこともプラスするとさらにリフレッシュ効果が高いでしょう。
よく眠る

若返りホルモンとも言われる成長ホルモンは、夜10時から夜中の2時の間に分泌されます。成長ホルモンは骨や筋肉を丈夫にしたり、お肌の修復作用もあるため、睡眠はとても大切です。ただ横になって浅い眠りを繰り返しているのではなく、しっかりと深い睡眠をとることが大切です。
そのためには就寝前の1時間はスマホやパソコンから出るブルーライトを浴びない、しっかりと照明を暗くし、眠りにつきやすい睡眠環境を整えることが大切です。眠る前には覚醒作用のあるカフェインの入っているもの、利尿作用の高いアルコールなどの飲み物は避けるようにしましょう。
また、お風呂から出て徐々に体温が下がり始めるときが、深い眠りに入ることができるベストタイミングです。同じ睡眠時間でも、質の良い睡眠がとれるような工夫をすることが大切です。
入浴方法の見直し

最近の若い世代には、暑い日はシャワーだけという人が増えています。一人暮らしの場合、一年中シャワーで湯船に浸からないという方も多いようですが、肌荒れしにくい健康な体を作るためには、一年を通して湯船に浸かることをおすすめします。
先ほどにもありましたが、暑い夏でもエアコンの冷気で体の芯はとても冷えています。汗を流すことだけが入浴ではなく、体を温めることで1日の疲れを取り、深い眠りにつくための準備でもあります。
しっかりと温まった肌はとても柔らかくなるため、ターンオーバーも促進され、その後のスキンケア効果も高まります。
半身浴をしたり、アロマをいれてみたり、音楽や本を読んでみるなどリフレッシュタイムのひとつとしても、バスタイムの活用をおすすめします。
四季折々の食事をしてみる

日本には四季があることで、気温や湿度の差が一定ではないことから、季節性敏感肌になりやすいことがわかりました。しかし、四季があることで一年を通していろいろな旬の食べものがあり、たくさんの栄養素をが摂れるという良い面もあります。
春、夏の暖かい季節は、アスパラ、トマト、パプリカ、ブロッコリーなどの彩りが濃い野菜がたくさんのビタミンを体に運んでくれます。
秋はDHA、EPAなどの良質なオイルがたっぷり含まれた秋刀魚のおいしい季節です。冬は体を温める根菜を、暖かく煮込んだポトフや鍋料理も良いですね。
また風邪のひきやすい冬の終わりには、ビタミンCたっぷりのみかんや、食欲の落ちた胃腸にやさしいりんごが美味しくなります。
このように、季節を背景にした日本の食文化は、私たちの健康を支えてくれる貴重な栄養をたっぷり含んでいます。旬の食材を使って自炊をし、栄養のバランスがよくなることでお肌の調子はグッと変わるはずです。
春が旬の食材 | アスパラガス・ たけのこ・タラの芽・ふき・いちご・カツオ・サワラ |
夏が旬の食材 | オクラ・きゅうり・なす・ゴーヤ・うなぎ・いわし |
秋が旬の食材 | さんま・さば・なす・サツマイモ・かぼちゃ |
冬が旬の食材 | ニンジン・かぶ・ごぼう・れんこん・ぶり・金目鯛・ひらめ |
肌荒れ対策

肌は、私達の毎日の過ごし方や食べた物からの影響を大きく受けます。先ほどからご説明しているように睡眠不足、ストレス、食事、ホルモンバランスなど体調面、精神面ともに健康でいることが大切です。
その中でも食事は、特に肌の質を変えるきっかけになる大切な要因です。食事の仕方を変えてみることで、肌荒れが改善することはよくあります。
手軽に食べられるパンやファストフードをやめておにぎりに変える、パスタやラーメンをやめて和食にする、野菜たっぷりのスープを飲むなど、小麦粉を中心とした食事よりも和食に変えることがおすすめです。
また、肌荒れが多い方や敏感肌の方は、腸内環境を一度見直すことも大切です。食事の方法や運動、サプリメントなどで善玉菌を増やし、便秘や下痢を改善しましょう。
保湿の徹底

乾燥した肌、敏感になった肌には、何よりも大切なのが保湿です。化粧水、美容液、乳液、クリームの順番でつけますが、とても敏感になっていたり痛みを感じる時は、美白やアンチエイジングなどの積極性のあるスキンケアは避けて、保湿に徹底するのがベストです。
化粧水はしっかりと肌に押し込むようにつけます。表面の水分がしっかり入り込んだら2回、3回と重ね付けするとよいでしょう。
最後の仕上げに、保湿のクリームは不可欠です。乾燥の進んだときは、少し多めに塗ってベタつく程度がちょうどです。朝になると、しっとりしてもちっとした肌感になっているのが理想です。
洗顔方法を見直す

お肌のお手入れの中で、乾燥を引き起こす一番の原因は洗顔です。洗顔方法が肌にあっていないことで、乾燥肌になっていることがとても多くあります。
メイクを落とすクレンジングは、乾燥肌や敏感肌の場合はオイルタイプは洗浄力が高すぎてしまいます。クリームタイプは肌に残っているようであまり好まないという声が多いようですが、お肌に一番やさしいのはクリームタイプです。
もう少しさっぱりしたいという場合は、ジェル状やゲルタイプのクレンジングが良いでしょう。洗顔はフォームタイプではなく、固形石けんのほうが、よりやさしくお肌の汚れだけを落とすことができます。
洗顔はお肌に必要な皮脂までも、奪ってしまわないことが大切です。
低刺激のスキンケア用品を選ぶ

乾燥対策としてのスキンケアの選び方は、保湿成分がしっかり含まれていることに注目しましょう。化粧水には水溶性の保湿成分、クリームには油溶性の保湿成分が入っているのでダブルの効果でお肌をしっかりと保湿できます。
お肌に合うかどうか、まずはサンプルで試してから使うと安心です。セラミド、アミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸などお肌に保湿効果のある成分はたくさんありますが、敏感なときは慎重に選びましょう。
化粧品によっては香料や添加物、保存料などいろいろな成分が含まれていますので、口コミなども参考にし、低刺激のスキンケアのシリーズをいくつか試してみましょう。
ターンオーバーを促進する

お肌のターンオーバーが乱れてしまう理由は、いくつかの原因が考えられます。新しい細胞が生まれ変わるのが早すぎ、遅すぎのどちらでもお肌は健康ではありません。
常に元気いっぱいの細胞が、28日周期を目処に生まれ変わっているのが理想です。肌の乾燥、ピーリングのしすぎ、紫外線による影響、ホルモンバランスの乱れ、食生活のバランス、睡眠不足、ストレスなどが原因で、ターンオーバーは乱れます。
しっかりと保湿を徹底するのはもちろんですが、規則正しい生活を送ること、疲れを効果的にリフレッシュすることなど、健康的な生活を心がけることがとても大切です。
季節の変わり目の肌荒れまとめ
季節の変化とともにゆらいでしまう不安定なお肌を感じたら、しっかりと体を休めてあげることが大切です。
かゆみや痛みを感じたときは、自己流のお手入れよりも皮膚科の先生に相談することをおすすめします。専門医に相談することで、自分のアレルギーに対する免疫なども知っておくと安心ですね。外的環境の変化に左右されない丈夫なお肌を作るためにも、栄養バランスと質の良い睡眠はしっかりとるようにしましょう。