便秘改善にはりんごが効果的?便秘の原因と対処法をご紹介!

便秘のタイプがいろいろなら、便秘の改善法もさまざまです。便秘の改善法の1つとして、りんごを食べるということがあげられています。では、りんごにはどのような便秘改善効果があるのでしょう。また、りんごを食べない方がよいタイプの便秘はあるのでしょうか。便秘の原因や対処法とあわせて紹介したいと思います。

便秘改善にりんごが効果的な理由

青リンゴで左目を隠している女性

便秘に悩まされている方は沢山いらっしゃることと思いますが、おいしいりんごを食べて便秘が改善できるのであれば、これほどうれしいことはありませんよね。では、便秘の改善にりんごが効果的な理由はなんなのでしょうか。

りんごの便秘改善効果その1・ポリフェノール

りんごが便秘改善に効果的な理由としては、リンゴに含まれているポリフェノールの存在があげられます。植物の多くは、その内部にポリフェノールを持っています。

植物が成長するときには、二酸化炭素と水、そして日光が必要となります。日光を浴びることで光合成をおこない、植物が成長するための栄養素を作り出すわけです。

ただ、日光を浴びるということは、紫外線を浴びるということでもあります。人間にとって紫外線が有害であるのと同様、植物にとっても大量の紫外線は有害です。

そこで、植物はその身を紫外線から身を守るため、ポリフェノールを作ることにしたのです。ポリフェノールを合成することで、有害な紫外線から身を守ることが可能となったのです。

そして、ポリフェノールの働きは、それを食べた私たちにも恩恵をもたらしてくれるのです。りんごに含まれているポリフェノールには、抗酸化作用のあることが分かっています。

りんごの抗酸化作用によって、腸の傷んだ部分が修復されることとなるのです。それによって、低下してしまった胃腸の機能を回復させることができるという訳なのです。

便秘になる原因は実にさまざまですが、どのような便秘の場合でも、腸内環境の悪化がみられます。腸内には善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌が存在しています。

善玉菌が優勢であれば腸内環境は良好に保たれますが、悪玉菌が優勢になると、日和見菌も悪玉菌と同じような働きをはじめ、それによって腸内環境が悪化してしまうのです。

腸内には身体を外敵から守るための免疫細胞がたくさん集まっていますが、腸内環境が悪化することによって便秘になると、便が腐敗して有害なガスや発がん物質を放出し始めます。

そこでリンゴの出番です。りんごに含まれているポリフェノールを摂取することで腸内環境を改善し、便秘を根本から改善する効果が期待できるという訳なのです。

りんごの便秘改善効果その2・ペクチン

りんごが便秘の改善に効果的な理由としては、りんごに含まれているペクチンもその要因としてあげられます。便秘を改善するときに、食物繊維を摂取することが効果的だということは、皆さんもご存じのことかと思います。

食物繊維には、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維の2種類があり、それぞれ違ったアプローチによって、便秘を改善してくれます。

不溶性の食物繊維はその名の通り、私たちが持っている消化酵素によって溶かすことのできないタイプの食物繊維です。不溶性の食物繊維には、保湿性が高いという性質もあります。

不溶性の食物繊維は、私たちの消化管内にある水分を吸収して膨張しながら、胃から腸へと進んでいくこととなります。

不溶性の食物繊維が膨張することによって、便のかさを増すことが可能となり、それによって腸管が刺激され、便意を催すこととなります。その結果、便秘が改善されやすくなるという訳なのです。

水溶性の食物繊維は、私たちの体内でゲル状になり、やはりゆっくりと胃から腸へと進んでいきます。水溶性の食物繊維を摂取すると、硬くなった便を軟らかくすることが可能となります。

また、水溶性の食物繊維には、腸内に存在している善玉菌のエサになるという働きもあります。腸内の善玉菌が増えると、腸内環境を改善することとなり、その結果、便秘の改善効果が期待できるのです。

ペクチンは、りんごをはじめとし、プラムやグアバ、オレンジなどに多く含まれている食物繊維のことを指します。

便秘の改善には食物繊維の摂取が効果的だということでしたが、ペクチンには不溶性の食物繊維の性質と、水溶性の食物繊維の性質が両方含まれています。

そのため、便が固くなっているタイプの便秘にも効果を発揮してくれますし、便がまとまらずに細くなっているタイプの便秘にも効果を発揮してくれるのです。

りんごの便秘改善効果その3・水分補給

りんごが便秘の改善に効果的な理由としては、りんごを食べることによって水分補給が可能となるということもあげられます。

私たちは、1日当たり2リットルから2.5リットルの水分を摂取する必要があるとされています。ただ、そのうちの1リットル程度は食品から摂取することとなるので、実際に飲み物から摂取する水分量は、およそ1リットルから1.5リットルということになります。

では、ここで質問です。「あなたは毎日、1リットルから1.5リットルの水分を摂取しているでしょうか」。どれくらいの人が自信を持って摂取していますと言えるでしょう。

現代人の多くがデスクワークをおこなうようになっており、自然と水分の摂取量が減少しているのではないでしょうか。

便秘の原因は実にさまざまですが、単純に水分が不足することで便秘になる可能性が高くなります。なぜなら、腸内では便から水分が吸収されるからです。

そのため、もともとの水分摂取量が少なかった場合、便から水分が吸収されることによって、カチカチの便になってしまい、それが原因となって便秘になってしまうのです。

りんごは食品ではありますが、豊富な水分を含んでいます。美味しく食べられて栄養補給にもなって、なおかつ水分補給もできることから、リンゴは便秘の解消にもってこいだと考えられているのです。

りんごで便秘を改善する方法

木になった林檎の実

りんごには上記のように、便秘を改善するための嬉しい効果がたくさんあります。では、実際に便秘を改善するためのやり方について見ていきたいと思います。

便秘改善のためのりんごの選び方

せっかくりんごを利用して便秘の改善をするのであれば、美味しいりんごを選びたいものですよね。普段なにげなく買っているりんごですが、実は美味しいりんごの選び方があるのです。

美味しいりんごを選ぶポイントは、軸の部分が太くて、皮が張っていてつやがあるものを選ぶということです。ただし、テカテカと光っているものは避けた法がよいでしょう。

また、見た目が大きいだけのものよりは、サイズは中くらいだけど、手に持つとずっしりと重量感があるものを選ぶようにするとよいということです。

また、美味しいりんごを選ぶ際には、りんごのお尻の部分もチェックしましょう。お尻の部分がとがっているものよりも、丸みを帯びているものの方が完熟していて美味しいですよ。

りんごで効果的に便秘を改善するコツ

りんごで便秘を効率よく改善するコツはズバリ、りんごを温めるということです。生で食べた場合と比較すると、便秘の改善効果が高まるとされています。

先述したとおり、りんごには便秘改善効果の期待できるペクチンが含まれていますが、加熱することによってペクチンの働きがより強力になるということなのです。

果物は冷たい状態よりも温かい方が甘みも強くなるので、より美味しく食べられて一石二鳥ですよ。

便秘改善ための最強りんごレシピ!

りんごは温めた方が、便秘改善効果が高くなるということでした。単にレンジでチンするだけでもいいのですが、出来れば美味しく、かつ効率よく便秘改善をしたいものですよね。

そこで、便秘を改善するための最強りんごレシピを紹介したいと思います。その名も、「はちみつオリーブオイル焼きりんご」です。りんごはもちろんのこと、はちみつとオリーブオイルにも高い便秘改善効果が期待されています。

はちみつにはオリゴ糖が含まれていますが、オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善する効果が期待されています。

また、はちみつに含まれているグルコン酸にも、腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を良好にする働きがあるとされています。

オリーブオイルは健康にとって欠かすことが出来ませんが、便秘の改善にも有効です。オリーブオイルは「自然の下剤」と言われるほど、便秘改善効果が高いことで知られています。

オリーブオイルの油分によって便を軟らかくなるのですが、それはオリーブオイルが胃や小腸で吸収されず、大腸まで届くという性質に由来しています。

はちみつオリーブオイル焼きりんごの作り方

  1. りんごを半分に切って、芯の部分をくりぬきます。
  2. そこにはちみつとオリーブオイルを、大さじに1杯ずつ入れます。
  3. アルミホイルでくるんで、オーブンで20分加熱するだけです。

「こんな美味しいものを食べて便秘が解消できるの!?」というくらい美味しいので、ぜひお試しになってみてくださいね。

他のフルーツでも便秘に効果のあるものがたくさんあります。りんごが苦手な方や他のフルーツもためしてみたい方はぜひこちらの記事も参考にしてみて下さいね。

便秘の種類

便器に座り込んでいる女性

りんごは便秘の改善に効果的だということでしたが、便秘にもいろいろなタイプがあります。中には、リンゴを食べても改善の望めないようなタイプの便秘もあります。そこで、便秘の種類について知っておきたいと思います。

器質性便秘

りんごを食べても改善の見込みが少ないタイプの便秘としては、器質性便秘があげられます。器質性便秘は、なんらかの疾患や腸管の形態異常、開腹手術後の腸の癒着などによって起こる便秘のことをいいます。

こういった便秘は、原則として病院で治療をおこなうことが重要となります。りんごを食べたからと言って悪化するものではありませんが、次に紹介する機能性便秘の場合のような便秘改善効果は期待できません。

機能性便秘

私たちが「便秘」という言葉を用いる場合、一般的には機能性便秘のことを指すケースがほとんどです。機能性便秘には、以下のようなものがあります。

弛緩性便秘

弛緩性便秘は、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が弱くなることによって起こるタイプの便秘です。蠕動とは、腸が収縮したり、弛緩したりといった動作を繰り返すことで、便が徐々に肛門の手前にある直腸へと送られることを意味します。

では、なぜ蠕動運動が弱くなってしまうのでしょうか。その理由としては、腹圧の低下があげられています。加齢や運動不足によって筋力が低下すると、腹圧が低下し、結果として弛緩性便秘を発症すると考えられているのです。

弛緩性便秘を発症しやすい人としては、高齢者や出産後の女性などがあげられています。弛緩性の便秘に関しては、りんごを積極的に摂取することが奨められています。

けいれん性便秘

けいれん性便秘は、几帳面な人や真面目な人、完璧主義の人などに多くみられるタイプの便秘です。ストレスなどが原因で身体が緊張状態になると、腸管にも緊張が起こり、腸管が収縮して便の通り道が狭くなってしまいます。

そのため、連続性のない途切れがちな細い便が出ることとなります。けいれん性便秘の主な原因はストレスです。特に、現代はストレス社会といわれており、けいれん性便秘になる人が増えています。

けいれん性便秘の特徴としては、ウサギのフンのようにコロコロとした、丸くてかたい便が出るということがあげられています。

けいれん性便秘は基本的にストレスが原因となっておこる便秘であるため、りんごを食べることはもちろんのこと、便秘薬を用いても改善の見られないケースが多いということです。

直腸性便秘

直症性便秘は、弛緩性便秘やけいれん性便秘とは異なり、便はちゃんと肛門の手前にある直腸まで送られるという特徴があります。

便は肛門の手前まで来ているのに便秘になる理由としては、便意が起こっているのに、トイレに行かなかったり、行きたくても行けなかったりするということがあげられています。

たとえば、テレビやゲームなどに夢中になっていて、便意が起こったにも関わらずトイレに行かないと、そのうちに便意が喪失してしまいます。

また、たとえば、仕事場や学校で大便をするのが恥ずかしくて我慢をしたり、自宅のトイレでないと落ち着いて用が足せなかったりすることで、便意を逃してしまうこともあります。

りんご以外の便秘の改善法

 

便秘の原因はさまざまなので、リンゴを食べる以外にもいろいろな改善法があります。では、どのような改善法があるのでしょうか。

ストレスを発散する

機能性便秘の中でも、けいれん性便秘はストレスが原因となっておこるため、食習慣の改善や便秘薬の服用では、あまり改善効果が期待できません。やはりその大元となるストレスを発散することが重要です。

ストレスの発散方法は人それぞれなので、好きな方法を選択するとよいでしょう。なにも方法が浮かばないという方は、朝早く起きて朝日を浴びるようにするとよいでしょう。

運動する

機能性便秘の中でも、弛緩性便秘は運動不足などが原因の筋力低下によって起こります。そのため、日頃から適度に身体を動かすことが重要となります。

りんごの栄養価は高い

りんごの便秘改善効果について見てきましたが、いかがだったでしょうか。りんごには便秘を改善する効果のあるさまざまな成分が含まれていますし、高い美容効果も期待できます。

おいしく食べられてダイエット効果の高いりんごを日頃から摂取して、便秘にならないような腸内環境を作りたいものですね。