あなたは「体重がなかなか落ちない」と悩んでいませんか?ちまたには様々なダイエット方法が出回っていますが、どれを試してもいまいち効果がなく、あれこれ試しているという人は多いものです。
そんな人には、身も心もリセットできる「断食」がおすすめです。断食は体重が落ちるのはもちろんのこと、体の機能をリセットすることもできるんですよ!断食はただ絶食するのではありません。注意点ややり方をご紹介します。
断食とは
断食は短い期間なら半日というものもあり、狙った効果や目的に応じて選ぶことができます。
半日断食
断食初心者の方にまずおすすめなのが、半日だけ断食を行う方法です。朝ごはんに固形物を食べず、酵素ドリンクを摂取します。「ギリギリまで寝たいから、朝ごはんは食べない」という方は、ぜひ酵素ドリンクだけ飲んでみてください。
半日断食は、1日の半分だけ胃を休める方法で継続して行える断食です。基礎代謝がほどほどにあり、ランチと夕食をドカ食いしなければ半日断食でも体重が落ちることがあります。もちろん間食や夜食も控えてくださいね。
1日断食
丸1日断食することで、半日断食よりも高いデトックス効果が期待できます。断食8時間をこえたあたりから「モチリン」という成分が分泌され、お腹が「グー」と鳴ります。お腹が鳴るのはいいことで、腸が活発に動いている合図です。
このモチリンは十二指腸や小腸から分泌されて胃で働くのですが、胃を掃除して次の食事を受け入れる準備をするために分泌されると考えられています。つまりデトックス効果があり、日ごろ便秘がちな人はたまった便や宿便が排出されてスッキリするかもしれませんよ!
3日断食
断食を行う人は、2~3日の断食を行う人が多いようです。3日断食は体をリセットする効果が期待出来て、断食明けの食生活を正すきっかけにもなります。3日断食からは本格的な断食なので、減量でいうと3~5キロほど落ちる方が多いようです。
体がリセットされるということは、満腹中枢も正常に戻る効果が期待できます。「普段いくら食べても満足できない」という人は、気合を入れて3日間断食するのがおすすめです。
5日断食
5日断食は、すでに1日断食や3日断食を行った経験がある人におすすめします。脂肪の燃焼は3日目から始まるといわれていますので、5日断食は脂肪燃焼にも効果が期待できます。体重が3キロ以上落ちたり、ウエストが5センチ以上サイズダウンしたりする方もいるようです。
5日断食も、断食中は酵素ドリンクで過ごします。よりいっそう体のデトックス効果が高く、味覚もリセットされます。5日断食すると、回復食は4日程度かける必要があります。回復食については後ほど詳しくご紹介します。
7日断食~21日断食
1週間以上の断食は、断食が初めての人は行わないようにしてください。半日断食からはじめて、ゆっくりと時間をかけて日数を伸ばしていく方法をおすすめします。7日以上の断食は毎月行うものではなく、大きな病気を患って免疫力を回復させたいときや、年に1回体の大掃除したいときに行います。
健康に不安がある方やなんらかの病気を発症している方は、必ず医師と相談しながら行うようにしてくださいね。
断食の効果
断食は少し前まで宗教的なイメージが強かったのですが、最近では断食がもたらす健康やダイエット効果が注目されて多くの人が断食を行っています。断食はデトックス効果が高く、以下のような効果を期待できます。
- 花粉症やアトピー改善
花粉症やアトピーが起こる原因の1つに、添加物や農薬、化学成分などの有害物質があると考えられています。花粉症は大人になってからでも急に発症することがありますが、それは体が限界を感じるまで有害物質をため込んでしまったためといわれています。
つまり、体にため込んだ有害物質を断食でデトックスすることで、花粉症やアトピーの改善を期待できるのです。
肩こりや腰痛が改善
断食を行った人の体験談を聞くと、「肩こりや腰痛が改善した」という意見が多いです。普段ご飯を食べると、体は消化するために胃に血液を集中させます。
肩こりや腰痛が起こる大きな原因は「血流不足」です。断食すると胃に血液が集中しないので体中をめぐり、血液が滞りがちな肩や腰にもしっかり届いて痛みやコリの改善が期待できるのです。
冷え性やむくみにも効果がある
ふだん冷えやむくみが起こりやすい人は、老廃物が溜まって血がドロドロになっている可能性があります。血はサラサラであるほどいいので、断食で老廃物をデトックスすることで血液の流れがよくなり、冷え性やむくみの改善を期待できますよ。
生理不順やPMS
断食には体をリセットする効果があるとご紹介しましたが、自律神経やホルモンバランスもリセットする効果が期待できます。生理不順やPMSは、自律神経やホルモンバランスの乱れで起こりますので、断食することで改善する効果を期待できます。
不眠症
不眠症の原因はストレスともいわれますが、意外にも「腸」の乱れが原因で起こることがあります。腸内環境が乱れると、リラックス作用のあるセロトニンがうまく分泌されないのです。断食は食事を断つことで腸をリセットしますので、不眠症の改善効果も期待できます。
便秘や下痢
つらい便秘や下痢も、断食で改善する効果が期待できます。便秘や下痢は自律神経の乱れが原因で起こりますが、断食は自律神経もリセットしてくれる働きがあります。
なぜ断食は効果が出るのか
先ほどご紹介したように、断食にはダイエット以外にもさまざまな健康にいい効果が期待できます。現代人は食べ過ぎといわれており、常に胃腸が疲れている状態です。断食すると内臓を休める効果があるので、体がもっている「本来の力」を発揮することができるのです。
断食にはルールがあり、危険な食事制限とは異なります。食事制限は自己流の方法で水分まで制限する人もおり、健康を損なったりリバウンドしたりしてしまいます。過度な食事制限にくわえて激しい運動をおこなって、一気にダイエットしようとする人もいます。
断食は酵素ジュースなどで最低限の栄養を補給しながら体を休め、自律神経や内臓の働きをリセットしていきます。正しい断食は体に負担をかけるものではなく、体をいたわってくれるのです。
断食の方法
断食をする前の期間:準備食
断食はただ食事を摂らないのではなく、しっかりとした「準備期間」が必要です。準備食は体に「今から断食するよ」と合図を送るようなもので、いきなり断食をはじめると疲労感や内臓の疲れがさらに大きいものになります。
5日以上断食する人は、準備食の期間を2日以上作ることをおすすめします。2日や3日の断食を行う人も、最低1日は準備食の期間をつくりましょう。
脂っこいものやお肉、お菓子類を控え、消化に良いものを食べるようにします。スムージーや酵素ドリンク、玄米で作ったおかゆや温野菜などがおすすめです。お腹いっぱい食べるのではなく、腹六分~八分程度に抑えておきましょう。
「まごわやさしい」と呼ばれる食品を中心に食べるのがおすすめです。
- ま:豆類・納豆・豆腐・みそなどの大豆加工食
- ご:ごま・ナッツなどの種実類
- わ:ワカメなどの海藻類
- や:旬の野菜やフルーツ
- さ:刺身などの魚
- し:しいたけなどのキノコ類
- い:芋類・根菜類
断食を行う期間:断食
準備食の期間が終われば、いよいよ断食本番です。断食中はお水のほかに野菜ジュースやヨーグルトを食べる方もいますが、おすすめは「酵素ドリンク」です。私も酵素を使って断食していますが、お腹が減りにくくておすすめです。
基本的に、断食中はお水と酵素ドリンクだけで過ごします。お値段は張りますが、なるべく人工甘味料や香料、防腐剤を使用していない無添加の酵素ドリンクを飲むようにしてください。商品の裏面に薄め方が書いてありますので、それに従って酵素ドリンクを作りましょう。
また、断食中はいつもよりしっかりお水を飲むようにしてください。白米やお味噌汁など普通の食事をしているときはある程度食事からも水分を摂れるのですが、断食中はお水と酵素ドリンクがすべてです。断食中に水分不足になると、吐き気や頭痛といった症状が強くでることもありますので注意してください。
断食した後の期間:回復食
断食には準備食・断食・回復食とありますが、実は回復食が一番気を使うべきときです。「断食終了~!」とばかりにラーメンやお菓子をドカ食いしては、リバウンド一直線です。
断食を行った後は、最低でも「3日間」は回復食の期間をつくったほうがいいです。断食が終わった直後は体が低栄養の状態になっているので、いつも以上に栄養を吸収します。そのため、食事の「質」にこだわった回復食を食べるべきです。
おかゆがいいとよく言われますが、糖質が高いのでダイエットが目的なら避けたほうがいいでしょう。準備食でご紹介した「まごわやさしい」食品がおすすめですが、動物性たんぱく質である魚だけは避けましょう。ゆっくりよく噛んで、味わうように食べてくださいね。
断食を効果的に行うための注意点
準備期間・回復期間が必要
先ほども少しご紹介しましたが、断食は単に食事を摂らないだけではありません。体に断食に慣れてもらうための「準備期間」と、断食後で吸収率の上がった体とうまく付き合う「回復期間」に注意を払う必要があります。この2つをきちんと行うかどうかで、断食の効果が変わるといっても過言ではありません。
いきなり断食を始めると健康やダイエット効果が出ないだけではなく、体がびっくりして吐き気や頭痛といった症状も強く出がちです。また、回復食も気を付けないとあっという間にリバウンドしてしまいます。断食は、準備食・断食・回復食の3セットになっていることを覚えておきましょう。
断食は誰でもできる?
断食はご紹介した通り体をデトックスして体本来がもっている機能を高めるものですが、だれでもおこなっていいわけではありません。以下の人は断食には向いていませんので注意してください。
- 妊娠中、授乳中の方
- 成長途中の子ども
上記はどちらも「栄養がたくさん必要」な人です。妊娠中に断食すると、胎児に必要な栄養が届かず発達障害を起こすリスクもあります。授乳中も体力が必要ですので、栄養を積極的に取り入れましょう。成長途中の子どもや未成年も、まだまだ栄養をたくさん吸収すべき時期ですのでおすすめしません。
そのほか、病気を治療中の人や健康に不安がある人、持病がある人は断食を行う前にかならず医師に相談してください。体に異常を感じたら、なるべく早く病院で診てもらうようにしましょう。
また、3日を超えるほど長期的な断食は、間違った方法では体調を崩す恐れがあります。できるだけ、医師や「断食道場」と呼ばれる専門の人が指導してくれる施設に行くことをおすすめします。
断食中は禁煙を
喫煙者にとってはとてもつらいですが、断食中はタバコもNGです。タバコにはニコチンやタールといった有害物質があり、体に負担をかけています。断食中に酵素ドリンクを飲んでいても、せっかく体内に取り入れた酵素はタバコの解毒に使われてしまい、本来の目的である体のデトックス効果が薄れてしまうのです。
喫煙者が断食を行っているときにタバコを吸うとまずいと感じますし、倦怠感や腹痛も起こりやすいようです。断食中は食べる楽しみがないうえに、さらにタバコもだめ…と思うと気が重くなるかもしれませんが、断食期間が終われば体の中からスッキリしますよ!
仕事がある日はしないほうがいい
断食は1日あたりの摂取カロリーをかなり減らしますので、仕事をしながら行うことはおすすめしません。仕事がお休みで、外出の予定がない日を狙って断食を行いましょう。
断食では「好転反応」と呼ばれるもので、頭痛やふらつき、倦怠感、吐き気、眠気などの症状を感じることがよくあります。特に立ち仕事や外回りが多い方は、仕事中にふらつくと危険なので避けましょう。
ふらつきや頭痛といった好転反応は、断食によって体をデトックスする過程で起こるといわれています。多くの人は断食の1日目に起こり、好転反応が落ち着くと体がすっきりしてきます。断食を初めて行う人や体に毒素がたくさん溜まっていた人は特に好転反応が起きやすく、「体調不良になった」と断食を中断する人が多いですが、できるだけ続けたほうがよいです。(あまりにひどい場合は断食を中断して、病院で診てもらうと安心です)
頭も休めよう
先ほどご紹介したように、断食中は好転反応で眠気や倦怠感が起こりやすくなります。断食中は「頭がぼーっとする」という方もとても多いです。断食はお休みの日に行い、なるべく考え事をせずに過ごしましょう。
私も断食中は頭がぼーっとするタイプで、考え事もうまく進まなくなります。断食中はできるかぎりパソコンも開かず、頭も体もデトックスしましょう!
運動は控えめに
ランニングなどの息が上がる運動は、断食中は控えることをおすすめします。断食中は食事から糖質を取り入れないので体脂肪が燃焼されやすいのですが、無理な運動は低血糖で倒れる危険があります。
特に普段運動しない人は、断食中はウォーキングやストレッチといった軽めの運動を様子を見ながら行います。普段からジョギングやランニングを行っており体力に自信がある人でも、10㎞を超えるような長距離を走ることはおすすめしません。長くても5キロ程度にとどめておき、なるべく体を休ませるようにしましょう。
断食中は取り入れるカロリーを極限まで抑えています。断食しながら運動している最中に手足の脱力感や冷や汗、動悸やふるえが起こったらただちに運動をやめてお水をしっかり飲んでください。症状が改善しない場合は、医師に相談することをおすすめします。
断食はダイエット目的ではない
断食はたしかに「食を断つ」と書きますが、先ほどもご紹介したように間違ったダイエットである「過度な食事制限」とは違います。断食は宗教的な儀式のイメージはすっかり薄れ、いまやファスティングという名前で海外でも健康維持のために断食をしている人も多くいます。
実は毎日3食しっかり食べていると、消化して吸収するためにフルマラソンを完走するほどのエネルギーを使うといわれています。断食で食事を一時的にやめることでまず胃腸が休まります。そして、消化に使っていたエネルギーを体の回復や不調を改善するために回すことができるので、結果として体の中から健康になるという仕組みなのです。つまり、ダイエットは「おまけ」のようなものですね。
断食中におすすめすること
仲間と過ごす
できれば複数の人で一緒に断食を行い「仲間」を作ると楽しくできますよ。断食をしていると食事を一切断つので、友達が何気なく話したご飯やスイーツの話題で「食べたい!」という欲求を刺激され、つらくなることがあります。
仲間を作れば「友達がご飯を食べに行くのに自分だけ参加できない」という寂しさもないですし、みんなで励ましあっておこなうことができます。お互いの体調などを報告しあうと、さらに断食のモチベーションも高まります。
映画を見る
断食中は酵素ドリンクが飲めるものの、やはり「食べたい!」という欲求がふいに沸き起こります。そんな時は好きな映画を見て集中力を高めることで、空腹感を紛らわす効果があります。映画館に行くと周りの人が食べているポップコーンやスナックが気になってしまうという人は、家でゆっくり楽しんだ方がいいでしょう。ストレスがなくておすすめです。
映画の内容は、食事シーンがよく出たり料理を題材にしたりしたものはお腹がすくのでおすすめしません。食欲を忘れさせてくれるような題材の映画を選びましょう。
銭湯に行く
銭湯でリラックスすることも、断食中におすすめの過ごし方です。入浴すると全身の血行が促進されるので、胃腸の働きを落ち着かせることができます。さらに胃液の分泌も抑えられるので、食欲が少し落ち着くのです。
ただ、極限まで摂取カロリーを落としているので長時間の入浴はふらつくこともあります。銭湯に入る前はしっかり水分をとって、入浴中にふらつきを感じたらすぐに上がるようにしましょう。また、サウナに入るとよりふらつきが強くなったという意見もあります。サウナは水分もたくさん抜けていくので、長時間はおすすめしません。
断食は五感が研ぎ澄まされていくので、いつも以上に銭湯のきれいな空気や景色が身に染みるかもしれませんよ!
ゆっくり過ごす
断食中は、先ほどご紹介したように「好転反応」というふらつきや倦怠感、頭痛などの症状がでます。特に断食を初めて行う場合は、予定を何も入れず家でゆっくり過ごすほうが安全です。(私は2日間の断食経験がありますが、とても倦怠感が強く外出もやめたくなるほどでした。)
断食によるダイエット効果を高めるために運動をする人もいますが、好転反応が強いととても体を動かす気になれません。映画を見たり音楽を聴いたり、家でリラックスして過ごしましょう。
断食は健康に気を付けて行いましょう
断食は「ファスティング」という健康法の1つとして人気が高まっています。断食中に飲む酵素ドリンクやダイエット食品も販売されており、家で気軽に断食ができるようにもなりました。
1日や3日程度のプチ断食であれば初心者でも大丈夫ですが、長期になるほど間違った断食方法で体調を崩すリスクがあります。断食初心者はかならず短い期間からはじめて、少しずつ断食期間を延ばすようにしましょう。最初から長期の断食に挑戦したい人は、なるべく断食道場などで専門家に指導してもらいながら行ってください。
断食はダイエット効果だけではなく、胃腸や体調、自律神経のリセット効果によってより健康になることを目指した健康法です。特に日ごろよく食べたり飲んだりする人は、断食によって心も体も休めてみてくださいね!この記事が参考になれば幸いです。
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