足の甲のむくみは病気のサイン!生理的むくみと病的むくみ

LIL 編集部

足は心臓からもっとも遠い場所にあるためむくみやすいとされています。その中で、足の甲にむくみがみられる場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。むくみの原因を知ることで、足の甲のむくみに対処することが可能になりますよ。

デスクワークや立ちっぱなしの仕事、長距離の移動などをして、足がむくんでしまうことって、誰でも経験のあることだと思います。ただ、足の甲にむくみがみられる場合や、足の甲のむくみがなかなかとれない場合、何らかの疾患が疑われることはないのでしょうか。今回は、足の甲のむくみの原因や、その対処法について紹介していきたいと思います。

むくみってなに?

子供の頃、母親やおばあちゃんが「足がむくんで…」などということを聞いたことのある方もいらっしゃることと思います。子供には理解できない足のむくみですが、大人になって分かったという方もいると思います。では、むくみとはそもそもどのようなことをいうのでしょう。

浮腫のこと

むくみとは、医学的には浮腫(ふしゅ)と呼ばれるものです。特に足に出やすいとされているので、本稿でも足のむくみを中心に解説していきたいと思います。

何らかの原因によって、足に過剰な量の水分や老廃物がたまった状態のことを、足のむくみと呼んでいます。むくみにはさまざまなタイプのあることも分かっています。

むくみの原因

足がむくむ原因は実にさまざまです。長時間の同一姿勢によって足がむくむこともあれば、長距離を移動することによってむくむこともあります。

また、塩分の摂りすぎでむくむこともあれば、水分の摂りすぎでむくむようなこともあります。その他にも、何らかの疾患が原因となって、足にむくみが現れることがあります。

一般的に、足がむくむといった場合、たいていはふくらはぎや足首、足の甲までむくむこととなります。その理由については、後ほど詳しく紹介したいと思います。

生理的なむくみ

足のむくみには、何らかの疾患が疑われるようなむくみと、そのような心配のない生理的なむくみの2修理があります。それではまず、生理的なむくみについて見ていきたいと思います。

血行不良によるむくみ

生理的なむくみの代表的なものが、血行不良によっておこるむくみです。特に、足の甲にむくみがみられるような場合、下腿の筋ポンプ作用の低下している可能性があります。

筋ポンプ作用とは、身体の各部の筋肉が収縮することによって、心臓へと血液を送り返す働きのことを意味します。なぜなら、心臓には、血液を全身に送る働きしかないからです。

そのため、全身の各部の筋肉が収縮して、血液を心臓へと送り返すサポートをおこなっているのです。特に、ふくらはぎの筋肉は、心臓からもっとも遠い位置にあり、しかも重力に逆らって上方へと血液を送らばければならないため、重要な役目を与えられているのです。

男性に比べると、女性に足のむくみが多くみられるのは、筋力が弱いことや、筋肉量の少ないことが原因だと考えられています。女性に冷え症や下肢静脈瘤が多くみられるのも同じ理由からです。

筋ポンプ作用が弱くなると、下腿に貯留している水分や老廃物を排出しにくくなるため、結果として足がむくんでしまうという訳なのです。ただ、このようなタイプの足のむくみは、お風呂に入って温めたり、一晩休んだりすることによって、たいていの場合は解消されます。

じっとしていることによるむくみ

筋疲労というと、運動をすることによってたまるようなイメージがあるかもしれません。ただ、じっとしていることによっても、筋疲労は起こるのです。

たとえば、1時間ウォーキングをしてくださいといわれるのと、1時間同じ場所で動かずに立っていて下さいといわれた場合、どちらがつかれると思いますか?

「どちらも疲れる」というのも正解なのですが、ウォーキングの場合は比較的表面的な疲れが現れます。一方、長時間じっとしているような場合、深い部分に筋緊張(コリと言ってもいいと思います)が現れることとなります。

表面的な疲れの最たるものが筋肉痛で、通常であれば2、3日も経つと自然に消えてなくなっています。ところが、深い部分の筋緊張(コリ)は、徐々にたまってひどくなっていくという傾向があります。

深い部分の筋緊張が限界に達した場合、ぎっくり腰や寝違えに発展することとなるのです。つまり、どちらかというと、じっとしていることで現れる筋緊張(コリ)の方が、長い目で見ると厄介なのです。

最近はデスクワークが主流となってきているので、長時間同じ姿勢で座っていることによって、筋肉の深い部分に筋緊張(コリ)が表れます。それによって、足がむくみやすくなってしまうのです。

足の甲のむくみがみられる場合に考えられる病気

足の甲にむくみがみられる場合、何らかの疾患を抱えている可能性もあります。では、足の甲にむくみが現れる病気としては、どのような疾患が知られているのでしょうか。

腎疾患

足の甲にむくみの現れる代表的な疾患が、腎疾患と呼ばれるものです。腎臓は、私たちの腰のあたりに左右2対存在しており、ソラマメのような形をしています。

腎臓には、血液中に含まれている不要なもの(老廃物やナトリウム)を濾してくれる働きがあります。そして、不要なものを尿という形にして、体外へと排出してくれるのです。

ところが、腎機能障害などによって不要物の体外への排出が滞ってしまうことによって、足にむくみの現れることがあるのです。足のむくみがなかなかおさまらず、それに加えて尿の量が極端に少なくなっている場合、一度専門医に相談した方がよいでしょう。

心疾患

心疾患によって、足のむくみが表れることもあるそうです。なぜなら、心臓には血液を全身に送り出す働きがあるからです。その機能が低下すれば、血行不良を招いてしまい、結果として足にむくみが出やすくなるという訳なのです。

足のむくみが何日たっても改善せず、しかも血圧が高くなったり、息切れがしやすくなったりするようなことがあれば、やはり早めに病院を受診するようにしましょう。

肝疾患

最近の研究によって、足のむくみにはアルブミンと呼ばれる物質の関わっていることが分かってきています。アルブミンは血液中に存在するたんぱく質の一種で、血液の浸透圧を調整する働きのあることで知られています。

浸透圧とは、血管から細胞内に水分を取りこんだり、反対に、細胞から血管へと水分を排出したりするときの圧のことを意味します。そのため、アルブミンが不足すると、細胞内から血管へと水分を排出しにくくなるのです。

そして、アルブミンは肝臓で作られていることも分かっています。肝機能障害によってアルブミンが産生されなくなることで、結果としてむくみが現れることとなるのです。

ただ、肝臓は「沈黙の臓器」などといわれることからも分かるように、初期の肝機能障害の場合、風邪に似た症状が現れるだけなので、見過ごされてしまいがちです。そのため、定期的に健康診断を受けることが重要となります。

リンパ腫

身体にむくみが現れる病気としては、リンパ種と呼ばれる疾患があげられます。リンパ種は主に、がんの治療に対する後遺症として現れることが分かっています。

手術でリンパを取り除いたり、放射線治療によってリンパにダメージが加わったりすることによって、リンパの流れが悪くなり、生涯にわたって腕や足のむくみに悩まされることとなります。

下肢静脈瘤

足のむくみがみられる中高年以降の女性にみられる疾患として、下肢静脈瘤と呼ばれるものがあります。下肢静脈瘤は良性の疾患なので、それほど心配することはないとされます。

下肢静脈瘤になるとその名の通り、下肢の静脈が膨れてこぶのような形になります。また、むくむだけでなく、足のだるさをともなうケースもあるということです。

あまりに症状のひどい場合や、見た目が気になるような場合には、圧迫療法や硬化療法、レーザー治療や手術などがおこなわれることとなります。

脂肪性浮腫の場合

医学的にいうと、厳密には浮腫ではないのですが、脂肪性浮腫と呼ばれるものがあります。脂肪性浮腫とは、脂肪が血管に詰まることによって、むくみのような状態になることを言います。

足の甲にむくみがみられない

脂肪性浮腫は、生理的なむくみや何らかの疾患によるむくみのように、ふくらはぎや足首にむくみは見られるものの、足の甲にはむくみがみられないという特徴があります。

脂肪性浮腫の特徴

脂肪性浮腫の特徴は、脂肪が血管内に溜まることによって、むくんでいるような状態になるということです。通常のむくみと比べると、押したときに硬い印象があります。また、通常のむくみに比べると、指で押したときに跡がつきにくいという特徴もあります。

足の甲に特徴的なむくみ

ある血管外科によると、足の冷えや足のむくみ、足の倦怠感などといったトラブルは、足の甲にある血管が原因でもたらされるといわれています。ではなぜ、足の甲の血管がむくみなどのトラブルと関わっているのでしょうか。

抜け道血管の暴走

他の身体の部位と同様、足にも動脈と静脈があります。そして、足の静脈には「大伏在静脈」と「小伏在静脈」と呼ばれる2つの静脈があり、それぞれを結ぶ「アーチ状静脈」と呼ばれる静脈があります。

アーチ状静脈には、動脈と静脈とをつなぐバイパスのような機能があることから、別名を「抜け道血管」などと呼ばれています。そして、この抜け道血管を介して静脈中に大量の動脈の血液が流れ込むことによって、足がむくむと考えられているのです。この一連の流れのことを、抜け道血管の暴走と呼んでいるのです。

原因

抜け道血管が暴走する原因の1つとして、気圧変化があげられています。飛行機に乗ったときや台風のときなど、気圧の下がったときに、抜け道血管の暴走が起こりやすいとされています。

また、女性の場合は月経や生理不順、更年期などが原因で抜け道血管の暴走の起こることがあるということです。冷えも抜け道血管が暴走する一因と考えられています。

足の甲にむくみがみられる場合の対処法

足の甲にむくみが現れる原因は、実にさまざまであることが分かりました。それでは、足の甲にむくみが見られるような場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

ひとまず様子を見る

足の甲にむくみがみられるような場合で、特にその他の自覚症状があらわれていないようなときは、とりあえず一晩様子を見てみましょう。生理的なむくみであれば、一晩寝ることでたいていは解消されているはずです。

生理的なむくみが繰り返しみられる場合には、生活習慣の改善を試みましょう。生理的なむくみは主に血行不良が原因で起こります。そのため、夏場でもシャワーだけでなく、湯船につかって身体を温めるようにしましょう。

また、運動不足などによって筋力が低下すると、血液を心臓へと送り返す力が低下し、結果として足がむくみやすくなってしまいます。普段から意識してふくらはぎの筋肉を使うように心がけましょう。

ふくらはぎの筋肉を刺激するもっとも簡単な運動としては、カーフレイズと呼ばれるエクササイズがあげられます。

カーフレイズは簡単に言うと、つま先で立った状態でかかとの上げ下げをおこなうエクササイズです。スポーツジムではバーベルとかついておこなうこともありますが、自重でも十分にふくらはぎの筋肉を刺激することが可能です。

歯を磨きながらとか、テレビを見ながらでも構わないので、かかとの上げ下げをおこなって、血行を改善するようにしましょう。

病院を受診する

足の甲のむくみにともなって何らかの異変が現れるような場合や、何日経っても足の甲のむくみがおさまらないような場合には、自己判断をせず、病院を受診するようにしましょう。

何科を受診していいのか分からないような場合、まずは内科を受診するとよいでしょう。「たかが足のむくみと思っていたら、大変な病気だった」などとならないよう、心配なときは早めにお医者さんに診てもらってくださいね。

足の甲のむくみに気づいたら

今回は、足の甲にむくみについて特集しました。基本的に、足がむくむという場合、足の甲にも、むくみがみられるものです。足の甲以外がむくんでしまう場合や、足のむくみにともなって何らかの不調がみられる場合には、速やかに病院を受診しましょう。それ以外の生理的なむくみは、生活習慣の改善によって、根本から解消するように心がけてくださいね。

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