「ダイエットをするには筋トレがおすすめだと聞いたのだけど、スポーツジムに通う時間がない。自宅で簡単にできる筋トレがあればいいのに」…そんな方、いらっしゃいませんでしょうか。
実は、自宅でできる筋トレはたくさんあります。そこで今回は、自宅でできるおすすめの筋トレを紹介するとともに、筋トレでなぜ痩せられるのかについて見ていきたいと思います。
ダイエットに筋トレをおすすめする理由
ダイエットをするときに筋トレがおすすめである理由は2つあります。1つは、筋肉を引き締めることによって、身体のラインが美しくなることです。
もう1つは、筋力をつけることによって基礎代謝を向上させ、太りにくい体質にすることです。基礎代謝とは、私たちが特に意識しなくても、1日の間に消費されるエネルギー(カロリー)のことを言います。
1日に消費されるカロリーのうち、基礎代謝の占める割合は何と7割にも及ぶとされています。そして、筋肉は基礎代謝のうち、20%強を占めているとされます。
そのため、筋肉量が増えると、何もしなくても1日の間に消費されるカロリーが増えるのです。その結果、体質的に痩せやすくなるという訳なのです。
また、筋トレをおこなうと血行が促進されるので、新陳代謝も活発になります。新陳代謝が活発になれば、お肌のコンディショニングを改善することにもつながりますよ。
筋トレダイエットの基礎知識
ダイエットをするときに、筋トレがおすすめである理由についてはご理解頂けたことと思います。では次に、筋トレダイエットの基礎知識について見ていきたいと思います。
筋トレでムキムキにならない方法
女性に筋トレを進めると、「ムキムキになるから嫌だ」とおっしゃる方が少なからずいます。ただ、このような心配は、杞憂と言うほかありません。
なぜなら、女性は体質的に、ムキムキになどなりたくても簡単にはなれないからです。ボディビルダーのようなトレーニングや食事制限、プロテインの摂取などを数年かけておこなって、やっとムキムキになれるのです。
ダイエット目的でおこなう筋トレ程度で、ムキムキになることなどあり得ないので安心してくださいね。でも、中には筋トレを始めたら、ふくらはぎがボコッと目立つようになったという人もいます。
それは、筋肉がついているのではなく、単に疲労物質がたまっているに過ぎません。筋トレ初心者の場合、自分に適した負荷が分からないため、ついつい頑張りすぎてしまいがちです。
その結果、ふくらはぎに疲労物質が蓄積して筋肉痛を引き起こし、一時的にボコッと膨らんで見えてしまうのです。筋肉がついてムキムキになっている訳ではないので、安心してくださいね。
ダイエット効果が出る期間
筋トレによるダイエット効果が出る期間は、身も蓋もないいい方をしてしまえば「人それぞれ」です。だって、運動経験の有無や、どれだけ熱心に筋トレをするか、また、もともとの体質や体重によって、期間がバラバラなのは仕方ありませんよね。
1つだけ目安となる期間を提示するとすれば、3ヶ月という期間があげられます。その根拠としては、筋肉の細胞が半分生まれ変わるに、およそ48日かかるということがあげられます。
スポーツ選手のトレーニングでも、筋トレは植物の栽培にたとえられることがあります。種をまいて芽が出て、花が咲いて、実が生るまで、およそ3ヶ月かかるというのです。
だから、筋トレダイエットをする場合、1ヶ月で諦めたりせず、3ヶ月後の成果を楽しみにして、日々のトレーニングに励むようにしてくださいね。
筋トレダイエットの呼吸法
筋トレとは、骨格筋を収縮させたり弛緩させたりすることによって、筋線維を傷つける行為とも言えます。筋肉は1つの塊でできているのではなく、筋線維という線維の束が集まってできているのです。
筋線維に過度の負荷がかかると、線維が断裂してしまいます。ただ、断裂した筋線維は、2、3日もすれば修復されます。その際に、以前と同程度の負荷では切れないよう、太く強くなるのです。これが筋トレによる筋肥大のメカニズムであり、このことを「超回復」などと呼んでいます。
筋トレをおこなう際には、筋肉を収縮させたり弛緩させたりすることを繰り返すのですが、一般的に、息を吸ったときに筋肉が収縮し、息を吐くときに弛緩すると考えられています。
そのため、筋トレをおこなう際には、グッと力を込めるときに息を吸って、力を抜きながら息を吐くのが基本となります。たとえば、スクワットをするときには、息を吸いながら膝を曲げ、息を吐きながら元の姿勢に戻すこととなります。
ダイエット効果の高い時間帯
ダイエット効果の高い時間帯は、ズバリ夕飯前です。夕飯前には体内の糖質量が減少しているので、運動による体脂肪の燃焼効率が上がっているからです。
最近はランニングブームなので、朝に走っている人もいると思います。ただ、朝というのはもっとも血圧や心拍数が下がっている時間帯です。そのため、朝に激しい運動をすると、心臓にかかる負担が増大します。
アラフォーを迎えて、病院でメタボ気味と診断されたため、一念発起してランニングを始める人もいますが、朝の時間帯に走ることで心筋梗塞を起こし、病院へ搬送されるケースが後を絶ちません。
筋トレや運動のメニューを考える際には、運動の強度だけでなく、運動をする時間帯にも気をつけるようにしてくださいね。
交感神経を高めて筋トレの効果をアップ
交感神経は、副交感神経とともに、自律神経を構成している神経です。交感神経は、車のアクセルにたとえられ、副交感神経は車のブレーキにたとえられます。
活発に身体を動かす際には交感神経が優位になり、身体を休めるときには副交感神経が優位になるのです。朝のランニングが身体によくないのは、起きたばかりの時間帯は副交感神経が優位だからです。
また、筋トレをおこなう際には、軽くウォーミングアップをおこなって、交感神経を優位にしておきましょう。それによって、筋トレの効果が上がるだけでなく、怪我のリスクを下げることにもつながります。
女性におすすめの初心者筋トレダイエット10選!
筋トレダイエットの基礎知識について解説したところで、今回のメインテーマである」女性におすすめの初心者向け筋トレダイエット」をピックアップして10種類、紹介していきたいと思います。
お腹痩せ筋トレ
女性が気になる場所として、上位にあげられるのがお腹周りだと思います。くびれのある美しいボディラインをゲットするには、おなか周りを引き締めることが重要ですよ。
下腹を引き締める腹筋トレーニング
まずは、女性にとって気になる下腹を引き締めるための、腹筋トレーニングからです。呼吸を意識することで、効率よく下腹を引き締めることができますよ。
- 膝の裏側に手を添えて、ヨガマットなどの上にゆっくりと仰向けになる
- 両手を体の横に置き、両膝を90度に曲げて足を上げ、足首を交差させる
- 下腹に力を入れながら、おしりを持ち上げます
- 余裕があるようなら、肩甲骨の下あたりまで持ち上げるようにする
- 30回おこなうようにしましょう
この運動をする際の注意点は、おしりを持ち上げる際に足の反動を用いないということです。また、手にグッと力を入れると、運動効果が半減してしまいます。
あくまでも、腹筋の力だけでおしりを持ち上げるようにすることが重要です。また、動作はゆっくりとおこないましょう。スピードを速めると楽なのですが、筋トレ効果が減少してしまいます。
ちなみに、この運動を続けたからと言って、腹筋を割ることができるとは限りません。というのも、腹筋はもともと割れており、その上を脂肪が覆っているからです。腹筋を割りたいのであれば、お腹の脂肪を減らすことが重要です。
腹筋トレーニング
次に、お腹を引き締めるための初心者向け腹筋トレーニングを紹介します。こちらのトレーニングは、運動経験のない女性や、運動が苦手だという女性におすすめの筋トレとなっています。
- 膝の裏側に手を添えて、ヨガマットなどの上にゆっくりと仰向けになる
- 膝を立てた状態で、胸の前で手をクロスします。両手のひらが反対の肩に来るように
- 腹筋に力を入れて肩甲骨をあげられるところまで持ち上げます
- 余裕がある場合は、両手のひらを頭の後ろに添えます
- 余裕がない人は、両手をまっすぐ上に伸ばして腹筋運動をしましょう
- 30回おこなうようにしましょう
このトレーニングをおこなう際の注意点としては、④のときに、両手で頭を引っ張らないようにしましょう。せっかく腹筋運動の強度を上げた意味がなくなってしまいます。
また、⑤のときに、上にあげた両手に力を入れないようにしましょう。力を入れてしまうと、肩こりにつながる危険性があります。
二の腕筋トレ
女性にとって気になるパーツの1つが二の腕ですよね。二の腕にお肉がついてしまうと、「振りそで」なんて言われて、みっともないことこの上ないです。以下の2つの筋トレで、しっかりと二の腕を引き締めましょう。
腕立て伏せ
二の腕を引き締めるための王道ともいえる筋トレが腕立て伏せ(プッシュアップ)です。腕の角度を変えることによって、効果的に二の腕を鍛えることが可能ですよ。
- ヨガマットの上で、腕立て伏せの姿勢をとる
- 両手は肩幅に開き、親指を人差し指で三角形を作り、内側で向き合うようにする
- 両肘を外側に曲げるようにして、腕立て伏せをおこなう
- 20回を目標におこないましょう
腕立て伏せをおこなう際には、おしりの位置が下がらないようにしましょう。腰が反ってしまうと、腰を痛めるリスクが高くなってしまいます。
この腕立て伏せをおこなうのがキツイという人は、両膝をついた状態でおこなっても構いません。二の腕の外側(日焼けする側)を意識して、筋トレに励んでくださいね。
二の腕ダイエット
二の腕ダイエットは、二の腕痩せはもちろんのこと、背中のシェイプアップにもつながります。また、肩周りの筋肉がゆるむことで、肩こりの解消だけでなく、将来の四十肩や五十肩の予防にもつながりますよ。
- 両足を拳1つ分程度開いて立ち、つま先がまっすぐ前を向くようにする
- 膝を90度に曲げて、おしりを下げてスクワットをおこなう。手は腰に添える
- 右足をまっすぐ後ろに引き、そのままの姿勢でスクワットをおこなう
- 両手を前伸ばして膝を曲げ、両手をグーにして脇をしめ、ひじを引き、元の位置に戻る
- 反対側も同時におこなう
④で肘を引くときに、素早くぐっと引くことで、二の腕にかかる負荷を増すことができます。二の腕に力が入っていることを確認しながらエクササイズしましょう。
脚痩せ筋トレ
美しく伸びた脚のラインは、女性にとっても憧れですよね。そんな脚のラインを手に入れるためには、スクワットが効果的ですよ。
スクワット
スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」とも呼ばれており、筋トレ界ではマストのトレーニングとされています。足を引き締めるだけでなく、ヒップアップやウエスト引き締め効果も期待できますよ。自宅でも簡単にできるのでおすすめですよ。
- 両足を、おしりがすっぽりと入るくらいの広さに開く
- 爪先を少し外側に向ける。おしりに少し力を入れ、膝頭がつま先と同じ方向を向くように
- お腹に少し力を入れて、へこませておく
- 胸を張って、肩の位置が耳の真下に来るように。目線はまっすぐ前
- 膝を少し曲げた状態から、椅子に腰かけるようにおしりを下ろしていく
- 床と太ももが水平になるまで曲げたら、元の姿勢に戻す
- 1日おきに10回×3セットおこなう
スクワットをする際の注意点としては、膝を曲げたときに、膝頭がつま先より前に出ないことがあげられます。つま先より前に膝が出てしまうと、膝を痛めるリスクが上昇します。
また、膝を曲げる際に、上半身がお辞儀しないようにしましょう。スクワットの効果が減少するだけでなく、腰を痛めるリスクが高くなってしまいます。
ワイドスクワット
ワイドスクワットはその名の通り、両足を大きく開いた状態でおこなうスクワットのことを言います。通常のスクワットよりも、腹筋や背筋に負荷が掛けられるので、ウエスト痩せの効果も期待できます。
- 足を肩幅よりも広く開き、つま先は45度程度に開く
- 両手を腰に添え、膝が90度になるまで腰をおろしていく
- 30回を目標におこないましょう
ワイドスクワットの注意点としては、膝を曲げたときに、膝頭がつま先と同じ方向を向くように気をつけることと、上半身が前後にぶれないようにすることがあげられます。
お尻筋トレ
キュッと引き締まっておしりを手に入れるためには、殿筋群を鍛えることも重要です。そのためには、以下の2つの筋トレをおこないましょう。
ヒップアップ筋トレ
始めに、基本となるヒップアップのための筋トレを紹介したいと思います。初心者でも簡単にできるので、動画を見ながらやってみてくださいね。
- 膝の裏側に手を添えて、ヨガマットなどの上にゆっくりと仰向けになる
- 両手はおしりの横、手のひらを下に向ける。膝は曲げておく
- おしりを上げて、肩から膝までが一直線になるようにする
- おしりを上げるときに息を吐き、下すときに息を吸う
ヒップアップのための筋トレをおこなう際には、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)と、おしりの筋肉に力が入っていることを意識しましょう。
お尻痩せの筋トレ
次に、おしりを引き締めるための筋トレを紹介します。おしりが大きいことに悩んでいる人は、おしりが垂れ下がってきた人などにおすすめの筋トレですよ。
- ヨガマットに四つん這いになる。両手は肩幅、両膝は骨盤の幅
- おへそを持ち上げるようなイメージで、お腹をぺったんこにする
- 息を吸って吐きながら、左手と右足を真っすぐにのばす
- その際、おしりが下がらないように気をつける
- 30秒姿勢をキープする
- 右膝を下ろし、そこから外側に開いていく
- 次に、かかとから上にあげるようにして、膝を後ろ側にあげる
- ⑥と⑦を20回ずつ行ったら、反対側も同様におこなう
最初の姿勢を取ったときに、肘が反らないように気をつけましょう。軽く曲げて、肩から手のひらまでが一直線になるよう、意識しましょう。
体幹トレーニングダイエット
筋トレをおこなう際には、最近はやっている体幹トレーニングを取り入れるのも効果的です。今回は、以下の2つの筋トレを紹介しておきますね。
体幹トレーニングで痩せ体質に
体幹には身体を支えるための筋肉が集中しているので、体幹トレーニングをおこなうことで筋力アップし、痩せ体質になる効果が期待できますよ。
- ヨガマットにうつぶせになり、肩の下にひじが来るようにして上体を起こす
- 両足の爪先を立て、お腹を浮かせる
- 余裕があれば片足ずつまっすぐにあげ、10秒間キープする
- 右足と左足を順番に、横に開いては元に戻すことを繰り返す
この体幹トレーニングをおこなう際には、おしりがあがりすぎたり、腰が反ったりしないように気をつけましょう。おしりがあがりすぎると筋トレ効果が減少しますし、腰が反ると腰痛のリスクが上昇します。
体幹を鍛えてバランスアップ
次に、体幹を鍛えるためのトレーニングを紹介します。上半身がぶれないようにすることで、効果的にトレーニングできますよ。
- ヨガマットに手をつき、腕立て伏せの姿勢をとる。
- 膝を曲げて、両足を上にあげる
- 右手と左手を交互に、まっすぐ横に伸ばす
- 4回繰り返したら元の位置に戻る
この体幹トレーニングをおこなう際の注意点としては、腰が反りすぎないようにすることです。また、手を開く際に、身体ごと開かないように気をつけましょう。
筋トレダイエットのまとめ
筋トレダイエットについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。どれも初心者でも簡単にできて、効果的なトレーニングばかりです。
ただ、筋トレダイエットは始めるとみるみる結果が出るという類のものではありませんし、筋トレだけで痩せるのは難しいです。食事制限なども取り入れながら、3ヶ月後の自分を楽しみにして、根気よく続けるようにしてくださいね。
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