肌荒れに効く漢方薬をまとめました!美肌を目指しましょう!

肌荒れにビタミン剤や塗り薬などで対処していませんか?確かに効果的な対処法ですが、不十分と感じているならば漢方薬もおすすめです。漢方は体質から整えていくことで、肌を含めて全身の状態を改善することができるお薬です。

肌荒れに効く漢方にはいくつかの種類があるので、その使い分けを知っておくことが大切です。この記事では肌荒れの原因と肌荒れに効く漢方の選び方についても紹介していきます。

肌荒れの原因を知ろう

肌の悩みがある女性

肌荒れといってもその原因はさまざまです。また一つの原因だけではなく、複数の原因が複雑に絡んでいることが多いと言えます。正しい対処法を取り入れていくためにも、まずは自分の肌荒れの原因を考えてみましょう。

乾燥によるダメージ

まず最初に考えられる肌荒れの原因はやっぱり乾燥ですね。乾燥によるダメージは肌のバリア機能を低下させて肌荒れを引き起こしてしまいます。肌が乾燥していると毛穴に角栓がつまってしまいます。そうなると女性にとってはショックな毛穴の黒ずみの原因になります。

また、肌が乾燥すると逆に皮脂が過剰に分泌して、肌がベタつくオイリー肌になる傾向があり、その結果、毛穴に余分な皮脂がたまりアクネ菌が繁殖して、白ニキビができやすくなります。乾燥による肌荒れはまだあります。

乾燥状態がつづいていくと、肌が外からの刺激から体を守ろうとして角質層を厚くしてしまいます。そうなるとゴワゴワした皮膚になり肌がグレーっぽい、くすみになります。

カラダの冷え

体が冷えてしまうのも肌荒れを引き起こす可能性があります。体が冷えてしまうと、体温を維持しようと体が働き、血管がギュッと縮んでしまいます。血管が縮むと、血流が滞るようになり、栄養や酸素などの血管を通って供給されるものが、体の隅々まで行かなくなります。

その結果、肌にも栄養が行かなくなり、肌のターンオーバーが乱れたり、バリア機能が低下したり、肌の保湿機能が喪失されます。血のめぐりの悪さはシミの原因にもなるので注意が必要です。

身体の冷えにより肌が乾燥しやすくなり、刺激にも弱くなるので紫外線などからもダメージを受けやすくなります。肌のターンオーバーが乱れてしまうと、皮膚が生まれ変わることができず、ニキビやシミなどを修復することもできなくなってしまい肌荒れを長引かせてしまうことにもなります。

寝不足

睡眠不足

寝不足はお肌の大敵です。睡眠中には、美肌になるための成長ホルモンが多く分泌されています。成長ホルモンは皮膚組織の修復や再生、水分保持、肌のターンオーバーの促進など、様々なお肌の働きに関係しています。

そのため、寝不足になってしまうとこれらの活動がままならなくなり、紫外線や乾燥だけでなくあらゆる外的刺激からのダメージ蓄積してしまいます。そのため、夏の寝苦しさによる不眠、冬の寒さによる眠りの浅さなどが簡単に肌のターンオーバーを狂わし、肌荒れを引き起こしてしまうのです。

成長ホルモン以外にもサーカディアンリズムを調整するメラトニンがあります。このメラトニンが不眠によって、しっかりと分泌されないと抗酸化作用がしっかりと働かず、肌老化が早まってしまいます。女性の大敵であるシミやシワなどの肌荒れが引き起こさてしまうことからも寝不足は禁物です。

ストレスによるホルモンバランスの崩れ

めまいしている女性

ストレスがたまると自律神経の働きやホルモンバランスが崩れます。女性ホルモンである黄体ホルモンの影響で皮脂の分泌が増えたり、男性ホルモンの影響により肌あれを起こすこともあります。

さらにストレスが溜まってしまうと、活性酸素が発生しやすくなってしまいます。この活性酸素が細胞を傷つけ、免疫力を低下させ、肌が本来の機能を発揮しづらくなり、ニキビなどの肌荒れを引き起こしてしまいます。
特にホルモンバランスの崩れは、皮脂の量が増えるだけでなく、顔が脂っぽくなり、毛穴がつまったりもしますので、あらゆる肌荒れの原因になります。

特に女性の場合には生理前後はホルモンバランスが変わるので肌荒れを起こしやすくなる時期だとされています。肌荒れを緩和するためにもホルモンバランスを整える効果のある、イソフラボンやビタミンEなどを大豆製品やアボガドなどから摂取しましょう。

暴飲暴食や刺激物の摂りすぎ

肌荒れは食べるものでも影響を受けます。食べたものは体の中で分解、消化されて栄養として吸収されるのでそのバランスが崩れることで、肌に影響しくるわけです。

特に食欲の秋などはどうしても食べ過ぎてしまい、その後に訪れる乾燥の冬のせいで特に肌荒れが助長されてしまいますので注意が必要です。

特に暴飲暴食やアルコール、コーヒー、タバコなどは胃腸を疲れさせてしまい、栄養をしっかりと吸収できなくなります。辛い食べ物のような刺激物も胃腸を刺激しますので同様に栄養の吸収を鈍らせます。少しの摂取は発汗作用を促して肌代謝にも良い影響がありますが、摂りすぎはNGです。

そもそも漢方とは?肌荒れに効くの?

漢方薬

漢方というと風邪の時に飲む薬とか、効かない薬と思っている方もいるかもしれませんが、肌荒れにも効果があります。肌荒れの症状自体を改善するというよりも、体質から改善していき肌荒れができにくい状態に導くように働きます。一体漢方とはどんなものなのか、どうして肌荒れに効くのかということを深く掘り下げていきましょう。

漢方治療の考え方とは

漢方は西洋医学とは根本的に考え方が異なります。西洋医学では悪いところだけを見て原因を手術により除去したり、症状に対して治療を行う対症療法が行われます。しかし、東洋医学では身体は全て繋がっていると考えて、全体を整えることで現れている症状を和らげる方向に考えます。例えば肌荒れの場合、漢方ではその原因が「溜まった熱」なのか「水の不足」なのかというように、身体のどこかの流れが悪くなっていないか考えるのです。

主にニキビのような肌荒れの場合は、熱が首から上に溜まっていることが原因と捉えることが多いです。または「水はけの悪さ」や「血の滞り」などとして捉えることもあります。肌荒れの原因がどこにあるのかということを考えて治療していくため、肌荒れと同時に冷えがある方は冷えを、便秘がある方は便秘の改善もできることも漢方のメリットです。

皮膚疾患において漢方治療に期待できること

皮膚疾患において西洋医学では主に塗り薬やかゆみ止めの飲み薬、ステロイド剤や抗生物質などが使われることが多いです。しかし、薬の使用を止めるとまた再び症状が再発してしまうこともあり、治療は半永久的に続いてしまうことも少なくありません。

漢方治療の場合には、症状を和らげるというよりは根本的な体質から変えていくことになります。西洋薬と比べると漢方薬の効果は比較的ゆっくり現れると言われていますが、効き目が速やかに得られることもあります。また、漢方で体質を整えることができれば、西洋薬の塗り薬や飲み薬を減らしたり中止できるようになることもあります。

どちらか一方に頼るというよりは、良いとこ取りをして西洋と漢方を組み合わせると相乗効果も期待できます。

漢方の使用の注意点

注意

漢方薬は西洋医学の薬とは異なり、誰にでも同じ様に作用するというわけではありません。漢方に含まれる生薬の組み合わせにより働き方が異なり、合う体質も変わってきます。「肌荒れに効く」と効能効果に書かれていたとしても、あなたに効くとは限らないということです。また逆に肌荒れに対する効果が認められていない処方でも、あなたに合う漢方が別にある可能性もあるのです。

肌荒れの治療において漢方を使う場合には体質から適切な処方を選ぶことが大事です。分からない場合には専門医や薬剤師などに相談してみましょう。また、最初から漢方一本で治療しようとするよりは、標準治療である西洋医学による診断と治療を受けることをおすすめします。特に重大な病気などが隠れていないことを確認した上で、漢方を合わせて用いていくことをおすすめします。

肌荒れに使う代表的な漢方薬とは

漢方薬の写真

肌荒れに効く漢方にはいくつかの選択肢があります。その効能効果だけ見れば似た様な処方でも、体質によって使い分けることが大切です。自分にあった処方を選べるようになるために、次にあげる漢方ごとの特徴を参考にしてみてください。

清上防風湯

清上防風湯は、主な効能は以下の肌荒れに効果があります。

  • ニキビ
  • 顔、頭の湿疹・皮膚炎
  • 赤鼻
  • 吹き出物

清上防風湯の「清」には熱を冷ますという意味があり、「風」には邪気、風邪を防ぐという意味があります。
上半身や顔の熱を冷ますことで、防風を含む方剤という意味になり、ニキビなどの肌荒れができやすい人の体質を根本的に改善することができる漢方薬です。特にこの清上防風湯は、皮脂が過剰に分泌されることにより、脂ぎってしまった人のニキビに効果があります。

脂ぎった感じが強い人は、この漢方薬で上半身と顔の熱や炎症を抑えることで、赤色のニキビ治療に幅広く処方されています。

十味敗毒湯

十味敗毒湯は江戸時代に10種類の生薬で毒をなくすことができるとして、考えられた漢方です。主にはニキビの治療に効果をなすと考えられています。

通常のニキビは皮膚科などでは抗生物質が処方され、ニキビの原因であるアクネ菌を抑えようとしますが、十味敗毒湯は毒素を体外に排出することで、症状を軽減し炎症を抑えてくれます。

そのため、十味敗毒湯はニキビなどの肌荒れに対して、即効性は低くなります。
ただし、ニキビなどの肌荒れに使う薬と併用することで、体質改善をすることができ、新しいニキビができにくい体質へと変えてくれます。体質改善こそ、十味敗毒湯の肌荒れ改善への特徴的な性質です。

荊芥連翹湯

漢方薬

荊芥連翹湯は、体のほてりや血液の循環に作用することで肌荒れを改善してくれます。
ニキビや湿疹などの肌荒れに効果的なだけでなく、目の充血や鼻づまりといった症状にも効果が期待されています。

どちらかというとメインは鼻づまりになっており、慢性的に鼻づまりがある人、蓄膿症で悩んでる人、慢性鼻炎の人に効果的に鼻づまり症状を改善します。

とはいえ、17種類も含んでいる生薬の中に「荊芥(ケイガイ)」、「連翹(レンギョウ)」、「黄連(オウレン)」、「黄柏(オウバク)」、「黄芩(オウゴン)」、「山梔子(サンシシ)」、「柴胡(サイコ)」、「防風(ボウフウ)」、「甘草(カンゾウ)」と9種類の消炎作用、解毒作用があるのでニキビを体質改善により予防していけます。

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸は昔から、婦人病や妊娠に関係する病気に多く用いられ、主に月経痛、月経不順、更年期障害に用いられてきました。桂枝茯苓丸は血の巡りを良くする、つまり血流改善によって肌荒れを改善します。

特にシミなどができてしまっている人の体質を改善することでシミができにくい体にしてくれます。また、血流だけでなく筋肉の弛緩をコントロールしたり、炎症を鎮めることもできるので肌荒れを抑えてくれます。

皮膚がカサカサしていたり、赤みを帯びている肌荒れにおすすめの漢方です。肌に潤いを与え、角質化した皮膚をなめらかにしてくれます。

桃核承気湯

美肌になる

桃核承気湯の効果の基本としては、血液の流れを良くすることで、便秘を解消したり、ホルモンバランスを整えてくれます。また、イライラした気持ちもうまく落ち着かせてくれるので、ストレスを抑えてくれます。

血流を良くすることで、これまでに紹介した漢方と同じように栄養を体の隅々まで運ぶことができ、肌荒れも改善します。ホルモンバランスを整えることで、肌の新陳代謝も上がり、皮脂の分泌もおさまり肌のバランスが良くなりますし、ストレス解消でもホルモンバランスを安定させることができます。

さらに便秘を解消することで腸内環境が改善され、不要な毒素を体内から排出できます。これにより肌の皮膚が不要な有害物質の排出に余計な力を使わずにすむので肌のターンオーバーが正常になります。

当帰芍薬散

当帰芍薬散の特徴は、生理前の肌荒れ改善です。生理前になるとどうしても肌荒れやニキビが増えてきたり、ひどくなったりしませんか?

それ以外にも肌に様々な不調がでてくるんじゃないでしょうか。当帰芍薬散なら、生理時の血の流れの変調からの様々な不調を抑え、正してくれます。さらに生理時にかかわらず、なかなか治らないニキビや肌荒れにも有効です。

冷えや貧血、むくみなどにも効果がある漢方で、冷えによる肌荒れにもおすすめです。また、当帰芍薬散は赤く腫れるニキビや吹き出物、一度出来たらなかなか治ってくれないニキビに効果を発揮してくれます。

肌荒れの原因をしっかり見極めよう

漢方薬

漢方薬はいくつかの生薬が組み合わさって働くことにより、肌荒れの症状を身体の内側から改善することを助けてくれます。副作用も比較的少なく、西洋薬では効果が不十分だった場合にも新たな効果を期待できる存在です。

ただし、漢方薬は必ずしも全員に効果があるというわけではないため、まずは肌荒れの原因を突き止めて見直していくことも大事です。漢方をうまく取り入れながら肌荒れの改善を目指していきましょう。