タレントの松本明子さんは、幼少の頃から40年以上にわたって便秘に悩まされていたそうです。そんな松本明子さんですが、金スマをきっかけに、便秘の改善に成功しています。その体験を本に綴っているのですが、とても簡単なことを2週間から3週間続けるだけで、便秘の改善が期待できるということです。では、松本明子さんは、便秘を解消するために何をしたのでしょうか。
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まずは便秘の原因と症状を知ることから
松本明子さんが便秘を解消した方法について解説する前に、まずは、そもそもなぜ便秘になってしまうのか、その原因を知っておきましょう。便秘の種類によっては、対処法が異なることもありますので、便秘の種類についても併せて紹介しておきたいと思います。
便秘の原因
それではまず、便秘の原因について見ていきたいと思います。便秘になる原因は実にさまざまなので、自分がなぜ便秘になっているのかを知っておくことが重要ですよ。
生活習慣
便秘になる原因としては、生活習慣があげられています。睡眠不足や疲労の蓄積など、身体的ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、便秘を発症するリスクが高くなってしまいます。
便秘に限った話ではありませんが、およそなんらかの不調が見られる場合、ほとんどと言ってよいほど自律神経に乱れが出ています。なぜなら、自律神経は私たちの生命活動を司っているからです。
食習慣
便秘になる原因としては、食習慣もあげられます。消化に悪い食べ物を食べたり、ジャンクフードやコンビニ弁当といった栄養バランスの悪い食べ物を食べたりしていると、腸内環境が悪化して便秘になるリスクが高くなります。
運動不足
運動不足も便秘の要因としてあげられています。運動不足によって腹筋が弱くなると、腹圧が低下するため、排便が困難になってしまうのです。女性やお年寄りに便秘の人が多いのは、男性に比べて筋力が弱いからです。
便秘の種類
一口に便秘といってもいくつかの種類があります。中には、自力では改善できないものもあります。そこで、簡単に便秘の種類について解説しておきたいと思います。
器質性便秘
器質性便秘は、腸管の変形や手術の後遺症などが原因で、便をうまく排出できなくなるタイプの便秘です。このタイプの便秘は自力での改善がほとんど望めないため、病院での治療が必要となります。
機能性便秘
機能性便秘は、生活習慣やストレス、排便習慣などが原因となっておこるタイプの便秘です。このタイプの便秘は、自力での改善が可能です。
松本明子さんがやっている便秘解消法
松本明子さんは、幼少期からの便秘に40年以上も苦しめられていたということです。そんな松本明子さんは、どのようにして便秘を解消したのでしょうか。松本明子さんの本によると、お医者さんから指導されたのは、以下のようなとてもシンプルなことだったそうです。
気が付いたら30分散歩しています
朝起きた時に便意を感じられなかった人も、通勤や通学で歩いているときに便意を催すケースがあると思います。それは、歩くことによって腸管が刺激されるからです。
また、全身の筋肉の70%が下半身に集中しているため、歩くことによって血行が促進され、全身の栄養状態を改善することもできます。
わざわざ30分間散歩する時間が取れないという方は、いつもより少し早く起きて駅まで歩いて行くとか、一駅前で下りて歩いて帰るなどといった工夫をするとよいでしょう。
便秘を解消するために身体を動かすことはとても重要なので、ぜひ習慣化していくように心がけましょう。その内に、「気が付いたら便秘が治っていた」ということになると思いますよ。
毎朝300ccの水を一気に飲む
松本明子さんは、お医者さんに起きぬけに水を一気飲みするように指導されたそうです。私たちが食べたものは、夜寝ている間に消化・吸収されます。
つまり、起きている間でもっとも腸が活発に働いているのが朝だということなのです。その時間帯に水をたくさん飲むことで、便意を促進することが出来るという訳なのです。
それでなくても、デスクワークが主流となった現代人は、水分補給を怠りがちです。毎朝300ccの水を飲むことで、水分不足の解消にもつながりますよ。
ただし、あまりにも冷たい水を飲むと、かえってお腹を冷やしてしまうことにもつながりかねません。そのため、常温の水を飲むようにするとよいでしょう。
便意がなくても決まった時間に5分間トイレに行く
松本明子さんは、幼稚園に1時間、小学校に45分の時間をかけ、歩いて通っていたそうです。その間、便意を催しても我慢していたということです。
このことが、先程紹介した直腸性便秘(習慣性便秘)の原因となったと考えられます。松本明子さんだけでなく、朝の時間が慌ただしくて、しっかりとトイレタイムが取れないという女性は多いと思います。
男性と違って女性は毎日のようにメイクをしなければならないので、便意を催しても我慢していることがあるのではないでしょうか。
便意を感じた時にちゃんとトイレに行っておかないと、その便意はいずれ遠のきます。そのようなことを繰り返していると、次第に便意がうまく脳に伝わらなくなるのです。
便秘を改善するためには、仮に便意がなかったとしても、決まった時間に5分間はトイレで座る習慣を身につけましょう。
一日一回はヨーグルトやキムチなど発酵食品を食べる
ヨーグルトやキムチなどの発酵食品は、腸管内に生息している善玉菌のエサとなります。そのため、発酵食品を食べると腸内環境を改善することが出来ます。
腸内環境を改善すると便秘がなぜ治るかというと、驚かれるかもしれませんが、私たちの便の半分以上は腸内細菌だからです。そのため、便には腸内環境が反映されるのです。
腸内環境が悪ければ便秘や下痢といった排便障害が見られることとなりますし、腸内環境が良好であれば、バナナのような形をした便が気持ちよく排出されることとなるのです。
ヨーグルトは、朝晩2回に分けて200gから300g食べるとよいでしょう。キムチは、1日に50g程度が適量とされています。
トイレで身体をひねる
松本明子さんは、トイレで身体をひねるよう、お医者さんから指導されたそうです。やり方はとても簡単ですよ。
- 便座に座った状態で、右手で左足に触れます
- 次に左手で右足に触れます
この動作を繰り返し行うことによって腸管が刺激され、便意が促進されるのです。便意が起こるまで、繰り返し行うとよいでしょう。
便秘を解消するためには継続が大事
松本明子さんは、45歳を迎える2011年にテレビの企画がきっかけで、便秘改善に本腰を入れて取り組むこととなりました。とはいうものの、お医者さんに指導されたのは起きぬけに水を飲むことと、トイレで身体をひねること、そして決まった時間にトイレに行くことの3つだけ。
しかも、「忘れても気にしなくていいですよ」という緩いものでした。なぜお医者さんが忘れても気にしなくていいと言ったかというと、忘れたことを気にすると、それが精神的ストレスになってしまうからです。
身体的ストレスはもちろんのこと、精神的ストレスも自律神経に悪影響を与え、その結果として便秘になるリスクが高くなってしまいます。
便秘に限ったことではなく、なにかを習慣として継続するためには、完璧主義は禁物です。一部の人を除いて、人間の意志はそれほど強くありません。
たまに忘れても、「次はちゃんとやろう」といったふうに考えたり、「やらないよりはマシ」と考えたりすることで、習慣を継続することが可能となります。
実際、松本明子さんが便秘改善に取り組んだからしばらくすると、小石のような便が2、3個出始め、数日後には塊の便が、さらに数日後には山もりの便が出たそうです。結局、2週間が過ぎたころ、腸内の宿便が全て出たそうです。まさに「継続は力なり」ということですね。
便秘が続くと身体によくない
便秘が続くと何となく身体によくないということは理解できますが、具体的にはどのような不具合が生じるのでしょうか。また、なぜそのようなことが起こるのでしょう。
お肌のトラブルの元
便秘が続くと、肌荒れや吹き出物などが出やすくなります。腸管内に長くとどまっている便はやがて腐敗しはじめ、身体にとって有害なメタンガスや発がん性物質を出し始めます。
それらの有害物質が毛細血管に溶け込んで、全身をめぐることとなるのです。有害物質が皮膚に至れば肌荒れや吹き出物が出ることとなりますし、脳に至ればパーキンソン病などのリスクが上昇します。
最悪の場合死にいたることも!?
便秘で死亡するなどというと驚かれるかもしれませんが、実際に日本でも1998年に、奈良県に住む21歳の女性が、便秘が原因とみられる腸閉そくによって亡くなるという痛ましいニュースがありました。
松本明子さんのお母さんも、亡くなる前の2年間、消化物が腸内につまる腸閉そくに悩まされていたということです。お母さんもひどい便秘を持っており、ひどい場合には腹痛を訴えて病院へ運ばれるほどだったそうです。
もちろん、便秘が原因で死亡するような例は極めてまれです。ただ、腸閉そくを発症するリスクが高くなるので、なるべく早いうちに改善しておいた方がよいでしょう。
まとめ
松本明子さんが便秘を改善した方法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。松本明子さん自身も拍子抜けされたそうですが、とても簡単なことを続けるだけで、便秘の改善は可能だということです。ただ、何をやっても便秘が改善できない場合、便秘外来などを受診して、専門医のアドバイスを受けるようにしてくださいね。