子供の便秘はなりやすい時期があった?早く気づくためのサイン5つ

子どもの便秘に気づいてあげられるのは身近にいる大人です。子どもが1日に何回ぐらいトイレに行くのか、どんなペースで便をするのか、しっかりと観察して気を配ってあげないと、子どもの便秘が起こります。

子どもの成長過程に合わせて、便秘になる前に予防してあげたいですよね。今回は子どもの便秘が起こる前に大人ができることについて詳しくご紹介したいと思います。

子どもが便秘になりやすい時期と原因

離乳食を食べさせてもらっている赤ちゃん

子どもの便秘は、何か大きな変化があるときに起りやすいもの。たとえば、大きく食生活が変わる離乳期、生活習慣が変わるトイレトレーニング時期、幼稚園や学校に通い始める学童期などが考えられます。

このほか、たとえば引っ越しなどで環境が変わるとき、病気やケガなどで生活スタイルが変わるときなども便秘になりやすい時期です。子どもの小さなSOSに気づいてあげたいですね。

母乳からミルクへの移行時期

母乳は、赤ちゃんが吸うことで出るもの。そのため、実際に母乳が出ているのかどうかを知るのはなかなか難しいものですよね。赤ちゃんの便が硬い、なかなか出ないなどの症状が見られたら、もしかしたら母乳が出ていないか、足りないのかもしれません。

また、子どもの成長によっては、ミルクをあげることもあります。市販のミルクに移行する際、それまでの母乳とは異なるため、便秘が起こりやすくなります。便の状態を十分に確認して、赤ちゃんの便秘に早く気づいてあげましょう。赤ちゃんは自ら便秘を訴えることができません。

離乳食開始時期

生後5~6カ月ごろ、徐々に離乳食へと移行していきますよね。このころ、それまでの水分による栄養補給から固形の栄養補給へと食が変化することで、赤ちゃんは便秘になりやすくなります。

これは、その食の変化に、消化管がまだ慣れていないために起こります。繊維質の多い食材を使った離乳食で便秘を解消するようにしましょう。リンゴ、バナナなどのフルーツのほか、サツマイモ、カボチャなどもオススメです。

トイレトレーニング開始時期

それまで時間や場所をはばからずに排泄していた子どもがトイレを使うようになる時期も、便秘になりやすい時期です。とくに、幼稚園がはじまるまでにトイレトレーニングを終わらせようと、焦ってしまう方も多いですよね。

でも、トイレトレーニングは、スムーズに行くこともあれば、なかなかうまくいかないこともあって、大人は焦ってしまいます。そんな大人のストレスが子どもに映ると、子どもは排便することができなくなり、便秘になってしまいます。

あまり早くトイレトレーニングをはじめても、子どもがついていけないこともあります。子どもの様子を見て、トイレに興味を持つようになったら徐々にはじめていき、余裕と愛情をもってトレーニングしていきたいですね。

学童期の通学開始時期

幼稚園や保育園のころはまださして問題にはならないかもしれませんが、小学校に上がるころになると、集団行動の中でトイレに行っても便ができないということがありますよね。学校に行っている間、便意があっても排便できず、便秘になってしまうケースはよくあります。

学童期の子どもの便秘対策として、朝は早めに起きて朝食を済ませ、トイレに行く時間を作る、あるいは学校から帰ったら、繊維質の高いおやつなどを食べ、排便を促すなどが考えられます。

子どもとはいえ、他人の目が気になるもの。繊細な子どもの気持ちを察し、便秘にならないように体調を管理してあげましょう。

学校で排便を我慢した時

子どもが学校で排便を我慢することはよくあります。その実態を調査した資料があります。全国5000名近くの小学生が酸化したこの調査では、実に小学生の半数の子どもの間で、学校では便をしないと答えている実態がわかりました。

排便したくても排便できずに我慢してしまうと、食欲が出なくなり、運動をしなくなり、睡眠障害などで夜遅くまで起きるようになるなど、日々の生活のリズムもおかしくなってきます。本調査では、便秘の子どもで繊維類の摂取が少ないなどの結果が出ていますので、なるべく排便を促すような食生活を心がけ、便秘を解消してあげたいですね。

NPO法人 日本トイレ研究所「小学生の排便と生活習慣に関する調査

病気が原因の場合もあり

便秘の原因が病気の場合もあります。出産後、すぐに便秘の症状があるほか、食生活を改善しても便秘が改善されない場合は先天的な病気の可能性があります。

たとえば、直腸や肛門の形状に問題がある場合、ホルモンに異常がある場合、脊髄神経に異常がある場合、腸の神経に異常が見られる場合などがあります。食生活を改善しても便秘の症状が続く場合は、すぐに医療機関に相談してみてください。

子どもが便秘になった時のサイン

トイレで泣いている子供

ところで、子どもが便秘になると、どのような症状が現れるのでしょうか。症状から便秘を察知できれば、早期改善につながりますよね。たとえば、おならが頻発するようになった、おなかが張ってきた、なかなか便が出ない、食欲がなくなったなど、いつもとは違うちょっとした症状が、実は便秘のサインなのです。

おならが多い

おならは便意のしるしですよね。実際、幼い子どもは、おならが出ると便を訴え、排便が起こることがよくあります。したがって、おならが出るのに便が出ないのは、便秘の可能性があります。

おならが臭い場合のほか、おならがたくさん出る場合もしかりです。ただし、異様に痛がるほか、下痢などの症状が現れたら病気の可能性がありますので医療機関に相談することをおすすめします。

お腹が張る

便秘でおなかが張ると、「おなかが痛い」と訴える子どもがいます。これは、便が出なくておなかが張っている異常を子ども自身が察知している証拠です。子どものおなかは、便秘でおなかが張っていなくてもポッコリしているものですが、便秘の時は下腹部がいつもとちがうことがよくあります。触ると痛みを訴えることもあります。

いきんでも便が出ない

トイレでいきんでも便が出ないとき、肛門のそばで便がつまっているかもしれません。肛門のあたりを刺激するほか、水分を摂ることで、便が出ることがあります。

それでも便が出ない場合、便を出そうとすることに執着せず、少し動いてみると便が出ることもあります。いきんでも便が出ないことがストレスにならないように、子どもをリラックスさせることも大切です。

食欲がなくなる

便が出ないと、食欲がなくなります。便秘に気づかず、食べないことを心配して無理に食べさせると、嘔吐することもあります。子どもが嘔吐すると、大人は驚きますよね。子ども自身も、嘔吐することを怖がります。

子どもの食欲がなくなったら、体調不良のサインです。風邪の症状がなければ、便秘の可能性が高いですので、無理に食べさせずに排便を促し、症状が改善されない場合は医療機関へ相談するようにしましょう。

うんちに血がつく

便に血液が見られる場合、血液の色や量を確認します。さほど量が多くない場合、便秘のせいで肛門が傷ついた可能性があります。確認してみましょう。血液の量が多い、色が濃いなどの異常が見られたら、自己判断せずに医療機関へ。腸の内部に出血があるなど、何らかの病気かもしれません。

慢性的な便秘には注意が必要

聴診器を嫌がる女の子

便秘の経験をすると、子どもはその排泄の苦しさや痛みを我慢するようになります。このため、便の回数が少なくなり、便が出にくくなってしまいます。こうして便秘が慢性化すると、便秘になりやすい体質になるほか、将来的に便秘に苦しむようになります。早急に医療機関に相談する必要があります。

腸が伸びてさらに便秘になりやすくなる

腸に便がたまっていくと、腸が伸びてしまうこともあります。腸が伸びてしまうと、便を出すための蠕動運動が起こりにくくなるため、排便がさらにむずかしくなってしまいます。便が出ないことに慣れてしまうと、腸がますます伸びてしまいます。

放っておくと将来的に慢性的な便秘になる

赤ちゃんのころは便の様子を細かく気にしていた大人も、子どもが大きくなり、幼稚園や学校へ行くようになると、あまり気にならなくなってしまいます。

便が出ないことに慣れてしまうと、いつしか慢性的な便秘になってしまいます。便秘によって引き起こされる病気もありますので、子どものころに解消できる便秘は、なるべく早めに解消してあげましょう。

早めに病院へ行く

たかが便秘で病院へ行くのも…と思ってしまいがちですが、定期的に排便のある子どもが何らかの理由で便秘になると、数日後には嘔吐など何らかの症状が現れるもの。

数日便が出なくても、いつもと変わらない様子であったらとくに心配する必要はないかもしれませんが、いつもと様子が異なる場合は、自己判断せずに病院へ連れていくことをおすすめします。

病院へ行く目安

数日、便が出なくても子どもの様子がいつもと変わらないこともあります。でも、2~3日経っても便が出ない場合は、一度、医療機関に相談するようにしましょう。

また、便秘の子どもの様子を見て、大人が不安に感じることもあります。そんなときは、迷わず相談した方がベター。対応の仕方、便秘の解消法などを確認し、便秘でつらい子どもがしっかりと支えられるように準備しておくようにしましょう。

民間療法を行わない

薬に頼らず、自然の方法で症状を改善させようとする民間療法。一見すると安全だと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。場合によっては、副作用などをしっかりと検証した薬品の方が安全な場合もあります。

最近ではネットなどで「赤ちゃんの便秘はこうしたらよくなる」などの民間療法に関する情報が錯綜しています。しかし、自然の方法だと思って使った民間療法で、アレルギー症状が現れたり、症状が悪化することもあります。民間療法に惑わされないようにしたいですね。

子どもの便秘を予防する方法

ほっぺたを指で押し込む女の子

では、子どもが便秘を引き起こさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。どんなことからはじめたらいいのでしょうか。食生活を見直す、生活習慣を正す、便を無理に出そうとさせないなど、具体的にご提案させていただきたいと思います。

精神的なストレスを与えない

便が出ないことがストレスにならないように気を配ってあげましょう。トイレでしばらくいきんでみても出ないときは、無理に便を出させようとしないように。便を出さなければいけないということがストレスになって、出るかもしれない便が出なくなってしまいます。

生活のリズムを整える

夜、遅くまで起きていると、朝、しっかりとご飯を食べ、ゆっくりとトイレに行く時間がなくなります。幼稚園や学校などの社会生活の中では、なかなかゆっくりとトイレに行くこともできません。家に戻ってスナック菓子を食べながらゴロゴロしていたら、ますます排便のタイミングを逃してしまいます。生活のリズムを整えることは便秘解消に直結します。今日から実践してください。

バランスの取れた食事を3食とる

子どもの体は大人よりも小さいので、食生活を改善するとすぐに変化が見られます。バランスの取れた食生活に替えることは非常に大切なこと。とくに、便秘症の子どもには、消化や分解されずに腸まで運ばれ、腸内環境を整える働きがある食物繊維を積極的に摂り入れたいですね。

食物繊維が多く含まれる食品は、野菜やフルーツだけではありません。さまざまな食品に含まれているため、意識して摂取するようにしたいですね。

大塚製薬「食品に含まれる食物繊維量一覧

身体を動かす

乳児などの赤ちゃんは、便秘が解消されるほど運動することはできません。幼稚園や小学校へ行くころの子どもは、一般的によく動いていますが、便秘が続くと食欲がなくなり、体がぐったりして、体の動きも鈍くなってきます。日ごろから身体を動かす習慣をつけておくことで、便秘にならない体質作りをしていきましょう。

記録をつける

乳幼児のころは、いつ排便があったのか、細かく記録していた方も、子どもが大きくなると、すっかり意識から遠のいてしまいますよね。でも、排便は健康のバロメーターです。いつ便をしたのか、どのぐらいの量だったのかを記録しておくと、排便のペースがわかりますよ。万が一、医療機関へ連絡することがあっても、しっかりと説明することができます。

日頃から予防することが大事

子どもが便秘になりやすい時期があります。便秘が引き起こされると、おならが増えるなどの症状が現れます。慢性的な便秘にならないように、日ごろからしっかりと便秘予防をして、健やかな毎日を送るようにしましょう。