女性にとって便秘というのは切っても切り離せることができないほど悩みを抱えている方が多いです。しかもその便秘が体重の増減に関わっているとしたらさらに気になってしまいますよね。今回は便秘と体重に関係性はあるのかをご紹介します。
便秘とは
便秘は実は定義が1つではなく、少し漠然としている部分があります。多くの人がこの便秘で悩んでいますが、その原因も人によって異なります。
まずは、最初に便秘の定義と原因から見ていきましょう。
便秘の定義
便秘の定義は、もっとも一般的な考え方としては、単純に「排便の回数が減る」ということになります。
しかし、その境界線は曖昧で、回数の考え方も個人個人変わってくるので、判断は難しくなってきます。また、主観的にどの程度で辛くなるかということも個人差があるのが定義を難しくさせています。
1日3-4回でも、あるいは3-4日に1回でも、それが個人個人にとって、排便リズムとして問題なければ便秘にはなりません。すっきり感があれば大丈夫ですが、いつも残っている感じがあれば便秘といえます。みなさんの排便のリズムはいかがでしょうか?
主な原因
便秘の原因は大きく分けて、次の3種類が考えられます。
- 直腸に便が停滞・・・・・便が直腸まで降りてきているが、うまく排便できない
- 大腸の運動機能が低下・・・・・水分が過剰に吸収されて固くなって出せない
- 大腸の過緊張・・・・・副交感神経の興奮により腸が緊張し、コロコロの状態になる
この3つの原因のうち1つの場合もありますし、複数合わさっている場合もあります。また、背景として便秘が隠れている場合には、理由はこの限りではありません。
女性のほうが多い
一般的に便秘は、女性の方が多くなっています。それは身体的な構造とホルモンバランスが理由として、考えられます。
一般的に女性は男性と比べても、筋力が弱い傾向にあります。この筋力が弱いという中でも、便秘に関わってくるのが、腹筋になります。腹筋が弱いということは、支える筋肉が足りず腸が下がることにつながります。周りから腹圧をかけることができないため、便を押し出す力が弱くなってしまうのです。
もう一方の、ホルモンバランスについては女性特有のホルモンが関わってきます。タイミングとしては、生理前の便秘が一番多くなっており、これには黄体ホルモンが関わっています。黄体ホルモンは水分を溜め込んだり、腸の動きを鈍くすることで、便秘を引き起こす要因になります。
便秘で太る真実とは
便秘になると太ってしまうという認識をもっている人が多くいるようです。
果たして、それは真実なのでしょうか?ここでは便秘によって太るのかどうか、その本当のところを紹介したいと思います。
科学的根拠はない
便秘と体型に悩んでいる人の中には、「体重が増えてしまっているんじゃないか」、もしくは「太っているのは便秘のせいではないか」と考えている人も少なくありません。
しかし、便秘で太るということは科学的には明確な根拠がありません。もちろん、本来出るべきものが出ていないのでその分体重が増えているだろうという理論は否定できません。
それでも、あくまで科学的には便秘により太るという事実はないのです。
便秘が続くと物理的に太る可能性が増える
上記で述べたように、物理的な話になれば、便秘による体重の増加はあるといってもおかしくはありません。
というのも、1度の排便では100〜200gが排出されていると考えられており、3日便秘になれば、300〜600g、5日便秘になれば、500〜1kgほどになり、その重さが体重に加わるので当然、その分は物理的には太ったことになります。
しかし、便秘の日数と体重の関係には比例関係がなく、便の重さ以上に太ってしまっていたりすることもあります。
便秘の悪影響により太りやすくなることも
便秘により全ての人が太るとはいいませんが、太りやすくなっている人がいるというのも否定できない事実といえます。では、なぜ便秘によって太りやすくなってしまうのでしょうか?
毒素がたまりむくむ
便秘になると体の中に毒素を溜め込んでしまうことになります。
大腸に溜まった滞留便は、悪玉菌が有害なガスをどんどん体内に発生します。慢性的に便秘になると、体内に毒素がたまってしまい、以下のような不調を引き起こします。
- ニキビ、吹き出物
- 肥満
- 吐き気
- むくみ
特にむくみの場合には、毒素がたまると血行が悪くなり、むくみやすくなります。その結果、体重にして2〜3kg増えることもあると言われています。
体重が増えてきたら、それは便秘による毒素増加によって引き起こされたむくみである可能性があります。
代謝が悪くなる
上記でも紹介しましたが、便秘によって腸内に毒素がたまると血行が悪くなり、代謝が悪くなります。
ここで言う代謝とは、体に取り込んだものをエネルギーに変換して消費したり、外に排泄していく経路のことです。代謝が悪くなると、これまでと同じように食べていても、太りやすくなってしまいます。
また、他にも次のような不調を引き起こすことがあります。
- 体温が低い(平熱36℃未満)
- 手足が冷えやすい(冷え性)
- 汗をかきにくい
- ちょっと食べただけで太る
- 少し動いただけで息切れする(疲れやすい)
- 肩こり・腰痛
便秘を解消するとスリムで美容にもいい
便秘を解消するとどんな良いことが待っているかを紹介します。便秘を解消するだけで、痩せることもあります。ダイエットとの関係について見ていきましょう。
運動することで便秘解消とダイエットに
運動することで体に筋肉もつきますし、基礎代謝なども上がってきて、エネルギーも消費しやすくなるので、ダイエットにもつながります。
また、排便には腹筋がとても重要です。特に女性は腹筋が弱く、運動不足や加齢によって腹筋が弱くなると腹圧を十分にかけられなくなっています。
便意を感じても腹圧をかけられないために、便を押し出す力が不足してしまうのです。
実は、お年寄りや妊娠した女性に便秘が多いのは、この腹筋の弱さが原因といわれています。運動や筋トレによって筋力アップすることで、お腹の周りの筋肉がアップすれば、便秘解消にも効果があります。
そして、運動によってストレスを解消したり、腸を揺らして刺激を与えることも、便秘解消に良い働きをします。
お腹のポッコリがなくなる
便秘を解消できれば、ポッコリとしたお腹もへこんでくるかもしれません。というのも、1日2日出ないくらいならお腹は目立ちませんが、3日以上になってくると、弁が腐敗して腸内にガスが異常に発生してしまいます。
さらには老廃物からはインドールやスカトールといった毒素の発生もするので、どんどんお腹がポッコリする要因が増えます。多い時には1Lものガスが溜まっている場合もあるのです。
便秘が解消されれば、ガスが抜けて気になるお腹のポッコリがなくなる可能性があります。
便秘を解消する食事からダイエットに
便秘を解消するには生活習慣を改善して、食事を見直すことでダイエットにつなげるようにしましょう。
まずは、水分の摂取、適度な運動、健康的な食習慣などを心がけるように生活習慣の見直しから取り組んでいきましょう。
便秘の解消には生活習慣の改善が欠かせません。できることからはじめていくのも良いでしょう。オススメは、食物繊維を積極的にとることです。
食物繊維は腸の中で膨らんで便のカサを増やしてくれる作用があり、蠕動運動を後押しして、スムーズに排便を起こしてくれる可能性があります。ごぼうやさつまいも、海草類、納豆、キノコ類がおすすめです。
また、便秘解消に効果的な食事内容というのは、不思議なことにダイエットにも良いのです。便秘解消を目指すと同時にダイエットも成功できるということで、良いことづくめです。
むくみなどの改善
便秘解消を達成すると、むくみなどのいろいろな症状が改善されることも、女性にとっては大きなメリットです。
むくみは水分の排出が滞ることで、体が太って見えてしまい、女性にとっては特にマイナス。しっかりと体内の毒素やむくみは排出しておきたいところです。
便秘を解消できれば、腸の中から美しくなれて、むくみ解消にもなるので一石二鳥です。
便秘を解消すれば他にもメリットがたくさんある
便秘を解消するといろいろなメリットがあることをこれまで紹介してきましたが、まだまだあるので1つずつ頭に入れておきましょう。
また、他の病気が原因で便秘になっている場合もあるので合わせて、知識として蓄えておきましょう。
様々な病気の予防
便秘はただ単に便が排出できないだけではなく、いろいろな病気や症状を引き起こす要因になってきます。
便秘は「万病の元」といわれており、たかが便秘と軽視していると美容や健康はもちろん、思わぬ重大な病気になることも。これから紹介する病気のとの関連をよく理解しておきましょう。
- 痔・・・排便の際のいきみによって、肛門部がうっ血を起こし、痔の原因になる
- 腹痛・・・便が長時間大腸に溜まることで、ガスなどが周囲を圧迫し、腹痛になる
- 体臭・口臭・・・腸内に腐敗した毒素が溜まり、血液を通して体中に流れて行き、体臭・口臭の悪臭につながる
- 肌荒れ・・・腸内に腐敗した便などの毒素が溜まり、皮膚から排泄することで肌荒れが起こる
- アレルギー・・・腸内免疫が乱れて、アレルギー症状を起こしやすくなる
- 疲労感・不眠症・・・便秘が慢性化し、血流の悪化やストレスがたまることによる
- 大腸ガン・・・長期間の便秘が大腸ガンの原因という説がある
便秘を引き起こす病気もある!?
便秘を引き起こすのは何も普段の食生活や生活習慣だけではありません。ここでは便秘を引き起こしてしまう代表的な病気を紹介していきます。
①大腸ガン
脂肪の多い食事などをとることによって、大腸の細胞がガン化し、ガンの進行によって大腸が狭くなってしまうことで、排便が困難になってしまうことがあると言われています。
初期は無症状であることがほとんどですが、進行していくと便秘や便が細くなることもあったり、血便が出ることもあります。
心配な人は大腸ガンの検診を受けることをオススメします。
②腸閉塞症(イレウス)
腸閉塞症(イレウス)は、腫瘍や腸の動きの障害、腸のねじれなどによって腸がつまってしまい、つまった部分から腸の内容物が運ばれていかない病気です。実は、頻度は少ないまでも便が詰まって腸閉塞になることもあるのです。
腸閉塞症になると以下のような症状に悩まされます。
- 腸に便やガスが溜まる
- 腹痛
- お腹の張り
- おう吐
腸閉塞となると、緊急手術などが必要になります。全く便がでない、腹痛、吐き気などの症状があれば、すぐにお医者さんに相談してください。
③過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、忙しく、かつストレスのかかる現代における、現代病として問題になっている病気です。
腸の知覚過敏や蠕動運動の異常が起こってしまい、腹痛をともなう慢性的な下痢や便秘を引き起こします。
時には便秘と下痢が交互に引き起こされることもあります。何週間にもわたって、下痢が続いたり、一時的におさまることもある、とても厄介な病気です。心当たりのある人は我慢せずに、医師に相談しましょう。
肌も綺麗になる
便秘になると腸内に老廃物や毒素が溜まってしまい、その有害物質を排出する際に皮膚細胞は通常の仕事である老廃物の排出が過剰になってしまいます。
その結果として、ニキビなどの肌荒れや、血行不良によるくすみなども出てきます。
つまり、逆に便秘を解消すれば、お肌が綺麗になっていくことにつながるのです。腸が綺麗ならば肌も綺麗になってきますよ!
ストレス解消が大事
便秘は、ストレスによっても引き起こされる病気です。ストレスがかかってくると自律神経のバランスがくずれ便秘に陥ってしまいます。
そうならないためにも日頃からストレスのかからない生活をするか、ストレスがかかったら適度に発散するようにしましょう。ストレス発散には、代謝を上げることにもなるので積極的な運動もおすすめです。
太るだけではない便秘のリスク
いかがでしたでしょうか?便秘が原因で、肌荒れや肥満につながってしまったら、元も子もありませんよね。また、便秘は太りやすくなる以外にも、病気にも繋がるためしっかり対策することが必要です。あなたも便秘解消しながら、体型と健康の維持を目指してください。