便秘でお腹が張って苦しい時の解消法6選!原因はこれだった

便秘が続くとガスが溜まってお腹が張ってくると苦しくて辛くなりますよね。ガスを出したくても出ないので悩まされている方は多いと思います。今回は便秘で苦しい時の解消法をご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

便秘でお腹が張って苦しい時の原因は?

お腹が痛そうな女性

お腹がパンパンに張って辛い、いつものパンツが入らないなどの悩み、もしかしたらお腹のガスのせいかもしれません。お腹がガスで張ってしまうのは何故なのでしょうか。その原因を知ることが大切です。まずはガスの原因を紹介していきます。

ガスが過剰になる

便秘

ガスが発生する原因の多くは便秘が関係しています。便秘になると便が溜まって苦しいだけのように思うかもしれませんが、実はガスが不快感をもたらしていることも少なくないのです。

便秘になり便が腸の中で長い時間停滞していると、腸内で異常発酵と呼ばれる状態になります。悪玉菌が増えてガスを発生させるのです。スカトールやアンモニアなどの匂いの強いガスを発生させて、おならや口臭にもつながります。

吞気症(どんきしょう)

空気は通常呼吸とともに吸い込むと肺に入るものですが、食事の時にお腹の中にも入ってしまいます。お腹のガスの大半は飲み込んだ空気に含まれる窒素ガスです。

特に、早食いの癖のある方は空気を飲み込みやすいので要注意。歯をくいしばる癖がある方も、空気を飲み込みやすくなります。空気を大量に飲み込み、お腹や胃などにため込みやすくなるとゲップやお腹の張りに悩まされがちになる「呑気症(のんきしょう)」になることも。

炭酸飲料

お腹のガスが溜まりやすい人の中には炭酸水を飲み過ぎていることが関係している場合もあります。炭酸水には炭酸と呼ばれるガスが含まれていて、お腹の中に入っていきます。場合によっては胃腸を刺激して痛みを感じることもあります。

  食事

お腹のガスは食事から発生しているものがほとんどです。食事から発生するガスには、問題ないガスと悪いガスがあります。芋類・パン・お米・豆類などに含まれる食物繊維は腸内細菌の餌となり、腸で水素ガスなどを発生させますがこれらは悪いものではありません。

ガスそのものが全て悪いというわけではありませんが、肉類などから発生するアンモニアやスカトールは悪さをする有害物質で抑えたいものです。

ガスが排出されない

緊張

お腹のガスが溜まるのはガスがたくさん発生している事だけでなく、うまく排出されていないことも関係します。緊張は腸の動きを鈍くさせてしまい、ガスの排出を遅らせます。精神的なストレスがあると自律神経の乱れから腸の動きが悪くなってしまうのです。

暴飲暴食

暴飲暴食が続いていると、胃腸の動きが低下しがちになります。常に消化をしているような状態になると、腸が休まることができません。腸は消化と排泄を同時に行うことは難しいため、消化を一旦ストップさせてから排泄モードに入ります。そのためにはある程度空腹な時間が必要なのです。暴飲暴食が続くと腸が休まらず、うまく排泄できなくなってしまいます。

女性ホルモンの影響

女性の方は、生理前になるとお腹が張ったり便秘で悩むことが増えます。これは、女性ホルモンの働きが関係しています。女性ホルモンのプロゲステロンは、水分を溜め込んだり、子宮を守るため腸の動きが悪くなります。その結果、便秘がちになったり、お腹が張る症状に悩むことが増えるのです。

便秘でお腹が張って苦しいのは病気のサインかも?

お腹が痛くて苦しんでいる女性

便秘がちになりお腹が張って苦しい・・という時に、ほとんどの場合は特に病気によらない便秘を伴う腹部膨満感ですが、稀に病気が関連していることもあるため軽視できない症状です。どのような病気の可能性があるのか見ていきましょう。

過敏性腸症候群

頻繁に下痢をしたりお腹が痛くなる「過敏性腸症候群」ですが、便秘型または下痢・便秘型と呼ばれるタイプもあります。過敏性腸症候群は、明らかな物理的な異常はないのにも関わらず、腸の不快な症状に悩まされる病気です。

ストレスが原因で腸が過敏な状態になっていることが関係しているとも考えられています。うさぎの糞状のコロコロ便が出る、お腹が張る、慢性的な便秘に悩んでいる方は一度検査を受けてみると良いでしょう。

大腸がん

昔は便秘にならなかったのに、最近になって便秘が続いている、ガスが溜まりがち、便秘と下痢を交互に繰り返す、血便が出るなどの異変を感じている方は要注意。

腸内にできたガン(腫瘍)により腸管内が塞がれて、便通異常やガスの症状を引きおこすことがあります。もし気になる症状がある方は、早めに検査を受けることをおすすめします。

腸閉塞

腸が何らかの異物や構造的な変化により塞がってしまった状態を腸閉塞といいます。腸閉塞は異物を飲み込んだ時だけでなく、宿便による「糞便イレウス」ということもあります。

便が腸の中で増えて、石のように硬くなった便が出口を塞いでしまうのです。腸閉塞になると大変危険な状態になるため、腹部全体の痛み・便秘・吐き気・発熱などの症状があれば早めに受診しましょう。

巨大結腸症

巨大結腸症とは機械的閉塞機転がないのに形態学的に結腸が正常に比べて有意に拡張した状態を指す症候群である。急性および慢性に分類され、各種疾患、病態・機能に基づいた症候群に続発、オーバーラップする。巨大結腸の定義は定まったものはないが一般に盲腸で12cm以上と考えられている。大腸の拡張に関しては部位による違いが大きく、上行結腸では8cm以上、直腸S状結腸では6.5cm以上で巨大結腸症と考えられている。

引用元:http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~cipo/megacolon.html

巨大結腸症は以上のような定義づけがされている病態です。腹部膨満感が強く、1、2週間便秘が続いているという方は要注意です。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫は卵巣が腫瘍化したものの中でも良性の腫瘍です。卵巣は通常、うずらの卵くらいの大きさですが、肥大化することにより、頻尿やお腹が張ったり膨れて見えることもあります。

卵巣嚢腫の種類によっては、激しい生理痛や生理痛などを引き起こすこともあります。放置していると急激な痛みを伴う「卵巣嚢腫茎捻転」などにつながることもあるので、早めに受診することをおすすめします。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の壁にできる良性の腫瘍のことです。症状としては、貧血・生理痛・頻尿・便秘の症状が強く現れます。子宮筋腫は悪性のものではありませんが、放置していると不妊の原因になることもあります。早めに治療を受けることが大事です。

虫垂炎

いわゆる「盲腸」と呼ばれる虫垂炎は便秘と関係していることがあります。便秘でお腹が痛くて受診したら虫垂炎だったということもあり得ます。虫垂炎は、大腸菌などの細菌やウイルスが虫垂へ観戦して起きます。

これには暴飲暴食・かぜ・便秘が引き金となっていることもあるようです。みぞおちのあたりの痛み、その後下腹部の右下が痛んでくるという場合は早めに受診しましょう。

S状結腸憩室炎

憩室というのは、腸の中にできる袋状のもので、憩室炎はこれに炎症が起きた状態です。憩室炎は通常主に結腸に起こり、一番多いのがS状結腸という直腸の手前の部分です。憩室炎ができると、痛みや発熱などが見られます。便秘が原因で、憩室ができることもあり、憩室炎を繰り返していると便秘が悪化するという悪循環も見られます。

急性胃炎・慢性胃炎

お腹が痛い、張るといった症状を便秘が原因だと思っていたら、胃に問題があったという事も考えられます。胃と腸は近い場所にあるため、感覚としてわかりにくいことも多いのです。

また、胃と腸は繋がっているので、両方ともに病気がある可能性もあります。自己判断せずに、まずはお医者さんと相談することが大事です。

便秘で張って苦しい時の解消法

食事をとっている女性

便秘で苦しくて辛い時、便秘薬を飲むのも有効な手段ではありますが、他にも生活の工夫をすると効果的に改善することができます。辛い時に取り入れたい対処法をご紹介します、

食事で腸内環境を整える

便秘の原因として多くの場合に関わっているのが、食事の内容です。食事を見直すだけで便秘が改善することも少なくありません。食事を改善して腸内環境を改善していきましょう。食事で腸内環境を改善するには次のポイントを押さえましょう。

  • 食物繊維を水溶性:不溶性=2:1になるように摂取する
  • ヨーグルト、漬物、味噌、キムチなどから生きた乳酸菌などの発酵微生物を摂取する
  • 水分は1日1.5L-2.0L摂る
  • 保存料などのなるべく添加物は減らす

腸内環境を整えるには、食物繊維の摂取は欠かせません。ただし、便秘で苦しいときに不溶性食物繊維を含む硬い野菜や玄米などばかり食べていると逆に詰まって腹痛を起こすことも。果物や海藻類などから水溶性食物繊維を意識して摂るようにしましょう。自分で作る場合のレシピも参考にしてみて下さい。

食事のバランス

食事が乱れていると便秘を招きがちになります。特に朝ご飯を食べない方は要注意。空腹な胃に朝ご飯が入ることで、排便のスイッチが入ります。必ず朝ごはんは食べましょう。

また、夕ご飯の食べ過ぎはよくありません。空腹で寝るほうが朝になって排便しやすくなります。夕ご飯は腹八分目を意識して、寝る前まで食べ続けないようにしましょう。

腸を刺激する

腸の動きが鈍くなって便秘になっている方は、マッサージで腸を刺激することで排便を促していきましょう。ただしお腹が苦しくて痛みもあるような場合はなるべく控えめに行うか、無理をしないようにしてください。

マッサージとしては腸揉みという方法が話題になっています。一番簡単なのは、お腹の「の」の字マッサージです。お腹周りが温まりガスの排出を促すので、張って苦しい時におすすめです。

ただし、お腹が痛い時や苦しい時は余計に悪化させることもあるため、ゆっくり行うようにしてください。

身体を温める

腸は冷えると動きが悪くなったり、神経的な痛みを引き起こしやすくなります。お腹が痛い時は、お腹を冷やさないようにして、温めた方がラクになります。

下着でキャミソールや腹巻を使用したり、カイロやブランケット、湯たんぽなどを使って温めましょう。また、お腹を締め付ける服装や下着は血行を悪くして、冷えをもたらします。体型にあった服を身につけてお腹周りは締め付けないようにしましょう。

ストレス解消

便秘の原因としてストレスも大きく関わっていることがあります。ストレスは神経の働きを乱して、腸の動きを悪くさせます。ストレスを溜めないようにすることが大切です。

とはいっても、ストレスは現代人にとって多少なりとも必ずあるもので、完全になくすことは難しいですよね。そこでストレスは小さいうちから解消していくようにすることが大事です。

ストレス解消には、好きなことに没頭することで気持ちを入れ替えたり、積極的な運動もおすすめ。また、合わせてストレスから距離を置いたり、取り除いたりとストレスを減らす努力も行っていきましょう。

適度な運動

お腹を刺激するには、運動もおすすめです。運動ならば、ジョギングやウォーキングで腸を上下に揺らすことで刺激を与えるのが効果的。またはヨガやピラティスなどで、お腹の筋肉を使いながらひねったり伸ばしたりして刺激をするのも良いでしょう。

運動は便秘にならないように、持続的に取り入れていくことが大事です。無理な運動は続かないばかりか、ストレスとなって逆に便秘を悪化させてしまうことにもなりかねません。便秘に効果のある運動はこちらをご覧ください。

自分の好みにあった運動を適度に取り入れていくようにしましょう。なお、便秘に効果のある運動にはヨガもあります。ヨガについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

早めに受診することも大事です

便秘で苦しい時に考えられる原因と対処法についてご紹介してきましたが、参考になったでしょうか?この記事でも紹介したように、苦しいという症状がある場合には、何らかの病気が隠れていることも考えられます。

自己判断で大丈夫と過信することなく、早めに受診することをおすすめします。また、便秘の原因となる生活習慣やストレスについての対処も大事です。原因を見極めて、便秘を悪化させない工夫を取り入れていきましょう。