2週間も続く便秘は危険?便秘の種類とその原因や対処法!

LIL 編集部

便秘に悩まされている女性の方はたくさんいらっしゃることと思いますが、そもそも便秘の定義とはなんなのでしょう。また、2週間も続くような便秘は危険なのでしょうか。今回の記事では、便秘の定義や便秘の種類について解説するとともに、長期間にわたって便秘が続くことのリスクについて解説していきたいと思います。

便秘の定義とは?

ある調査によると、日本人の成人4人に1人ほどが便秘に悩まされているというデータがあります。ところが、近年になるまで便秘診療のガイドラインはありませんでした。

最近になって便秘診療ガイドラインが策定されましたが、ガイドラインでは、便秘はどのように定義されているのでしょうか。

排便が困難な状態

便秘診療ガイドラインでは、便秘について「本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態」という風に定義しています。

詳しい診断基準については次項で説明しますが、この文言を紐解いていくと、便秘とは、簡単にいうと「出すべきものを出せない」かつ「出した後もスッキリしない」という風に解釈できます。

排便は毎日ないといけない、という風に考えていらっしゃる方もいると思いますが、たとえ2日に1回の排便であっても、快適に十分な量の排出が見られれば、それは便秘には当たらないということです。

便秘の診断基準

便秘とは、出すべきものが十分に、かつ快適に出せない状態を指すということでしたが、便秘診療ガイドライン上では、どのような診断基準を設けているのでしょうか。

慢性的な便秘に対する診断基準をざっくりとまとめると、「便の排出が困難である」「排便後もスッキリしない」「硬い便や、ウサギの糞のようなコロコロとした便が出る」「1週間に2回以下しか便通がない」となっています。

これら4項目のうち、2つ以上に該当する人で、さらにその症状が半年以上前からあり、直近の3ケ月間は4項目のうち2項目以上に該当し続けていることが条件となります。

このことからも分かるように、2日に1回しか便通がなかったとしても、快適な排便が見られるようであれば、慢性的な便秘には該当しないということです。

また、慢性的な便秘の要件に腹痛があるかないかは含まれていません。腹痛がある場合には慢性的な便秘ではなく、過敏性腸症候群が疑われることとなります。

2週間も続く便秘の種類

以上の説明で、便秘の定義については理解して頂けたことと思います。ただ、一口に便秘と言ってもさまざまなタイプの便秘があります。そこで、便秘のタイプについて詳しく見ていくこととしましょう。

器質性便秘

器質性便秘は、なんらかの病変や開腹手術後の腸管の癒着、もしくは腸管の形態異常によって、便の通り道が狭くなって起こるタイプの便秘のことを言います。

器質性便秘に関しては、次に説明する機能性便秘の場合とは異なり、自助努力だけではなかなか改善が見られないため、基本的に病院で治療を受けることが重要です。

機能性便秘

機能性便秘は、私たちが一般的に「便秘」といった場合、イメージするタイプの便秘です。機能性便秘には以下のようなものがあります。自分の便秘がどのタイプかを知っておいてくださいね。

弛緩性便秘

弛緩性便秘は、筋力の低下によって腹圧が弱くなり、腸が便を先へ先へと送る機能=蠕動運動(ぜんどううんどう)が弱くなることで起こる便秘のことを言います。

弛緩性便秘は、出産後の女性や高齢者に多く見られるタイプの便秘ですが、筋力の弱い女性や、あまり身体を動かす機会のない女性にみられることもあります。

弛緩性便秘の特徴としては、連続性のない途切れがちで細い便が出るということがあげられます。なぜなら、弛緩性便秘の場合、便が腸内を移動するのに時間がかかるため、便がまとまりにくくなるからです。

そのため、便秘診療ガイドラインでは、弛緩性便秘を「大腸通過遅延型」の便秘にカテゴライズしています。また、弛緩性便秘になる原因として、刺激性下剤の常用をあげています。

けいれん性便秘

けいれん性便秘も、弛緩性便秘と同じく「大腸通過遅延型」にカテゴライズされる便秘の一種です。ストレスによって交感神経が過剰に働くことで、腸管が収縮して便が通りにくくなり、その結果として便秘になってしまうのです。

ストレスは、精神だけでなく身体にも多大な悪影響を及ぼしますが、便秘に関しても例外ではありません。痙攣性便秘と過敏性腸症候群と言われる疾患は、よく並列で語られます。

過敏性腸症候群は、病院で検査をしても何も異常が見られないにもかかわらず、腹痛をともなった便秘や下痢を繰り返すという、原因不明の疾患です。

いつ便意が襲ってくるかわからないので、電車に乗ることに恐怖を覚えたり、常にトイレの位置を把握しておかなければ落ち着かなくなったりと、著しくQ・O・L(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を低下させます。

過敏性腸症候群には、「便秘型」と「下痢型」、そして、便秘と下痢を繰り返す「複合型」がありますが、どちらかというと女性には便秘型が多く、男性には下痢型が多いということです。

そして、便秘型の過敏性腸症候群が弛緩性便秘と同じく、大腸通過遅延型の便秘にカテゴライズされているのです。

過敏性腸症候群の原因は不明だということでしたが、特徴として、夜寝ている間には便意が起こらないということがあげられます。

また、ストレス状態が緩和すると、過敏性腸症候群の症状も緩和するということです。そのことから、ストレスが過敏性腸症候群のリスクファクターとなっていると考えられているのです。

弛緩性便秘も過敏性腸症候群も、その原因となるストレスを取り除いてあげないと、食餌療法(食事療法)や投薬治療をおこなっても、なかなか改善が見られないということです。

直腸性便秘

直腸性便秘は、弛緩性便秘やけいれん性便秘とは異なり、便は肛門の手前にある直腸までちゃんと送られます。ところが、便意がうまく脳に伝わらないことで、便が排出できなくなってしまうのです。

直腸性便秘は「習慣性便秘」と呼ばれることもあり、排便習慣が大きく関わっているとされます。例えば、朝が苦手でぎりぎりまで寝ていて、十分なトイレタイムが取れないといったケースがあげられます。

また、接客業などの仕事をしていて、便意を催してもすぐにトイレに行けず我慢する、といったことを繰り返していると、直腸性便秘になるリスクが高くなってしまいます。

その他の便秘

その他の便秘としては、薬剤性便秘というものもあります。抗コリン薬や抗不安薬などを服用すると、その副作用として便秘が見られることもあります。

また、市販の便秘薬を常用していると、だんだんと身体に耐性ができ、薬の効果が減少していきます。その際に、より強い便秘薬を用いたり、多量の便秘薬を服用したりすると、徐々に便秘が悪化していきます。

2週間も続く便秘の危険性

便秘の要件の1つとして、1週間に2回以下しか排便がないというものがありました。では、便秘が2週間も続くような場合、どのような危険性があるのでしょうか。

痔になる可能性が高くなる

便秘が2週間も続く場合、痔になるリスクが増大するということがあげられます。実は、日本人にとって痔は、虫歯と並んで身近なものだということです。

日本人の成人3人に1人が「自分は痔なのではないか」と不安に持っており、実際に検査をしてみると、その内のおよそ7割が痔を持っているとされています。

痔というと手術をして取らなければならないと思っている方もいらっしゃることと思いますが、初期の段階であれば生活習慣や食習慣、排便習慣の改善によって治すことが可能だということです。

痔にもいろいろな種類がありますが、便を強く出そうとするあまり、いきむことによって、痔疾患の発症リスクが高くなるとされています。

男女ともに多いのが、一般的にはイボ痔と呼ばれている「痔核(じかく)」で、女性の場合、その次に「裂肛(れっこう)」が続きます。裂肛は一般的に、裂け痔とか切れ痔と呼ばれるタイプの痔です。

水分を失って硬くなった便を排出しようといきむあまり、便が肛門を通過する際に、肛門付近の粘膜を傷つけてしまうことで、裂肛を発症してしまいます。

男性の場合、痔核に続いて多いのが痔ろう(あな痔)と呼ばれるタイプの痔です。痔ろうに関しては、生活習慣などの改善では治癒が見込めないため、病院で治療を受ける必要があります。

大腸がんになる可能性が高くなる

2週間も続く便秘を繰り返していると、便が腸管内に留まる時間が長くなってしまいます。腸管内に長くとどまっている便は、やがて腐敗し始めます。

腐敗した便からは有害なメタンガスや発がん性物質が放出されることとなります。そのため、慢性的な便秘が続くと、大腸がんになるリスクが高くなると考えられています。

日本人の死因としてナンバー1の位置を占めているガンですが、特に女性の場合、がんによる死因のトップを大腸がんが占めています。このことと、女性に便秘が多いこととは関係があると考えられています。

死亡する例もある?

便秘が2週間続いたからと言って、直ちに命にかかわるようなことはありませんが、極端に排便回数が少なくなった場合、死亡する例がない訳ではありません。

日本でも1998年に、奈良県に住む当時21歳の女性が、直腸性便秘が原因と思われる腸閉塞によって亡くなるという痛ましいニュースがありました。

また、イギリスでも幼いころから慢性的な便秘に悩まされていた16歳の少女が、便秘が原因と思われる心臓まひで亡くなるというニュースもありました。少女は、亡くなる直近の8週間に渡って、排便が見られなかったということです。

2週間も続く便秘への対処法

便秘が2週間も続くような場合、どのように対処したら良いのでしょうか。慢性的な便秘を根本から治すためには、ステップを踏むことが重要です。

2週間も続く便秘への対処法その1・病院を受診する

便秘が2週間も続くような場合、まずは病院を受診しましょう。消化器内科や、便秘外来を設けている病院を受診するのがおススメです。

便秘を根本から治すためには、まずは便を出すことが重要です。納豆を食べたりヨーグルトを食べたり、オリゴ糖を摂取したりするのはそのあとです。

素人判断で市販の便秘薬を服用していると、かえって便秘を悪化させることもあります。まずは病院を受診して、自分の便秘のタイプは何なのか、そして、どのように治していけばよいのか、アドバイスを受けることが重要です。

2週間も続く便秘への対処法その2・生活習慣を見直す

便秘が2週間も続くような場合、生活習慣を見直すことも重要です。特に、けいれん性便秘や便秘型の過敏性腸症候群を発症している場合、原因となるストレス状態を解消しないと、どのような治療をしてもなかなか効果が上がってきません。

ストレスには精神的なものだけでなく、身体的なものもあります。例えば疲労や睡眠不足などが身体的ストレスにあたりますが、これらは睡眠時間をしっかりとるなどして、改善することが可能です。

精神的ストレスがどうしても解消できない場合は、心療内科を受診するとよいでしょう。かつては精神科などと呼ばれ、受診するのに勇気がいるものでしたが、心療内科と呼ばれるようになってからは、受診しやすくなったように思われます。

2週間も続く便秘への対処法その3・食習慣を見直す

便秘が2週間も続くような場合、食習慣を見直すことも重要です。長期間にわたって便通がないときというのは、便の水分が吸収されてカチカチになっているものです。

そのような状態になっている場合、食べたものによってさらに排便が困難になるケースもあります。やはり病院を受診して、食事療法を受けることが重要だと言えます。

便秘というと食物繊維がいいとかビフィズス菌がいいとか、オリゴ糖が効果的などとさまざまなことが言われますが、先述したように、それらは正常な便通が見られた後におこなうことです。

便秘を改善することと、腸内環境を改善することとは同義ではありません。腸内に溜まっている便を排出した後に腸内環境を改善するというステップを誤ってはいけないのです。

早めに病院で診察を

便秘が2週間も続く原因や便秘のタイプ、その対処法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。慢性便秘の診療ガイドラインによると、1週間に2回以下しか便通が見られないことが慢性便秘の要件となっていました。

ということは、2週間も便通がないのは重度の便秘とも言えます。慢性的な便秘は心身にさまざまな悪影響を及ぼしますので、なるべく早く病院を受診して、適切な治療を受けるようにしてくださいね。

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