オリーブオイルは健康に良いと言われていますが、便秘にも効くと聞いたことはありませんか?正しくオリーブオイルを摂取すると、便秘解消にとても効果的なのです。
今回は、便秘で悩んでいる方に向けて、オリーブオイルが便秘に効く理由や解消方法と、簡単にできるオリーブオイルを使ったレシピについてご紹介いたします。ぜひ参考になさってください!
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オリーブオイルの効果とは
オリーブオイルの便秘解消効果は広く知られており、ヨーロッパでは「自然の下剤」とも呼ばれます。そんなオリーブオイルの具体的な効果についてご紹介します。
オレイン酸の効果
オレイン酸とは、「不飽和脂肪酸」という体内で作ることができない栄養素の1つです。
<小腸を刺激して活発化する効果>
オレイン酸が腸に届くと小腸を刺激するので、ぜん動運動(便を押し出す動き)が活発になるのです。便秘に悩む多くの人の腸は動きが弱まっており、便が押し出せない状態になっています。
オレイン酸には胃酸の分泌を抑える効果もあり、胃腸の消化を助けることで腸の環境も整うので便秘になりにくい腸にしてくれるのです。
オリーブオイルの約70%がオレイン酸でできており、他の油よりも短時間で腸に届くため即効性が高いのです。
<便や腸内のすべりを良くする効果>
硬くなってしまった便は腸の中で動きにくくなるのですが、オレイン酸は便に油分を与えるので滑りがよくなり、大腸の中で押し出しやすくなります。排便時も潤滑油の効果がありますので、便を排出しやすくなります。
また、オリーブオイルは腸で消化吸収されにくいために、腸壁に接することで潤滑油の働きもしてくれます。この働きはオレイン酸を豊富に含んだオリーブオイルだからこそ期待できる効果であり、他の植物油では期待できない効果なのです。
<悪玉コレステロールを減少させる効果>
オレイン酸の中でも一番よく知られているのは、血液中の悪玉コレステロール(LDL)を減少させる効果です。悪玉コレステロールが減少すると、動脈硬化や心臓病など生活習慣病を予防できます。
しかも、オレイン酸は悪玉コレステロールを減らしますが善玉コレステロール(HDL)は減らさないという優れた働きも持っています。便秘だけではなく悪玉コレステロールの値が高い方にもおすすめです。
<保温効果>
冷えはあらゆる身体の不調を引き起こしますが、便秘もその1つです。冬の寒さや夏の冷房など、身体は無意識のうちに冷えてしまっています。
温活という言葉がありますが、オリーブオイルは温かい食べ物や飲み物と一緒に摂取することで腸を温めてくれるのです。
シンプルに白湯(さゆ)にティースプーン1杯程度のオリーブオイルを入れて飲んだり、お味噌汁に適量入れたりして摂取すると、腸を温めて便秘改善の効果が期待できます。
ビタミンEの効果
<自律神経を整えて血行促進>
ストレスや生活習慣の乱れで自律神経が乱れると、便秘にもつながります。ビタミンEには自律神経を整えてくれる以外にも、末梢神経を広げて血行を促進する働きがあります。さらには、女性ホルモンのバランスを整えて生理不順も改善してくれます。
<抗酸化作用>
また、抗酸化作用が強いことでも知られており、ゴマ油の2倍もの抗酸化作用があります。そのためアンチエイジングの効果も期待できる、美容や健康に非常に有効な栄養なのです。
<胆汁(たんじゅう)の分泌を促す>
肝臓で作られる胆汁には、便が大腸の中でスムーズに押し出されるようにする潤滑油の働きがあります。そのほか胆汁には、便に含まれる水分の量を調整する役目があるので、胆汁の分泌が促進されると便秘解消につながるのです。
前述したように、オリーブオイルには小腸で行う潤滑油のような役割だけではなく、胆汁を分泌することでもう1つの潤滑油の役割も果たしてくれるのです。
オリーブオイルで便秘を改善する正しい方法
摂取の仕方にも正しい方法があります。以下を守って摂取するようにしてください。
摂取する量
IOC(国際オリーブ協会)が2000年ごろに日本でセミナーを開いた際に、日本人にとってのオリーブオイルの適量についてディスカッションした結果、30グラム程度を上限としたらいいのではないかという結果にいたりました。
大さじに置き換えると、大さじ2と1/2になります。そのため、大さじ2杯~3杯程度が適量となります。
オリーブオイルの種類
最も効果的なのはエキストラバージンオリーブオイルです。加熱や化学処理を一切していないオリーブをしぼったそのままのオイルですので、ポリフェノールの含有量や抗酸化力が最も高いです。その分お値段もお高めですが、そのまま飲めるほど良質な油です。
オリーブから絞り、熱処理していない油をバージンオイルと言いますが、バージンオイルも4段階に分類されます。その最も上位に位置するのがエキストラバージンオリーブオイルです。
調理向けに熱処理されたオリーブオイルはピュアオイルと言われますが、あくまでも調理向けです。直接オリーブオイルを飲む場合には適さないので注意してください。
摂取する方法
スプーンにオリーブオイルを出してそのまま飲むという方法もありますが、独特のクセがあるので味になれていないと飲みにくいですし、栄養がうまく体内で回らないと言われています。
そのため、ヨーグルトにかけたりオリーブオイルのドレッシングを作ってサラダにかけたりするのがおすすめです。この記事の後半に簡単に食べられるレシピを紹介していますので、参考になさってください。
摂取する時間
オリーブオイルで便秘を解消するなら、朝に摂取するのがおすすめです。腸のぜん動運動が一番活発になるのは朝ですので、その時に摂取することでさらにぜん動運動を促進する効果があります。
次におすすめの時間帯は夕食の1時間前です。1時間以上前にオリーブオイルをスプーン1杯程度摂ることで、満腹中枢が働いて食べる量を減らすことができます。
オリーブオイルで便秘改善する時の注意点
美容や便秘に効果的なオリーブオイルですが、取り扱いや摂取方法には注意点があります。
オリーブオイルの保管方法
特別な方法は不要です。直射日光や高温になる場所を避けて保管します。高温を避けるためといって冷蔵庫には保管しないでください。5℃以下になるとオリーブオイルの中に白い結晶ができてしまいます。
オイル全般は紫外線が苦手なので、瓶は遮光タイプのものに入れる会社が増えてきました。30度以上の高温でも劣化してしまいますので、コンロやレンジの周りに置いておかないように気を付けてください。
継続して摂り続ける
オリーブオイルは他の油に比べて便秘解消の即効性は高いですが、それでも瞬時に解消するわけではありません。ひどい便秘でもう何日もお通じがない場合は、腸の中の便がカチカチに硬くなって排出されにくくなっている可能性が高いです。
オリーブオイルは身体にも腸にもいい油ですから、正しく摂取し続ければ腸内環境も必ず改善されます。そんな場合でも、まずは2週間程度継続してオリーブオイルを摂取し続けてみてください。それでも効果がない場合は、一度病院に行ってみることをおすすめします。
摂りすぎると太る場合あり
オリーブオイルは身体に良いものですが、脂質の高い高カロリー食品でもあります。大さじ1杯で120キロカロリーから135キロほどもあります。便秘を解消したいからと言って1日にたくさん摂取すると太ってしまいます。
1日に大さじ1杯~2杯程度を目安として、摂りすぎには注意しましょう。効果がない・早く効果を出したいからといって大量に飲むことは絶対にやめてください。
対処療法のため根本改善も必要
オリーブオイルを使っての便秘解消は腸内環境も整えてくれますが、あくまで対処療法となります。便秘の原因の根本を見つけ出し、改善することも必要です。
例えばダイエットで過度な食事制限をしているなら、もう少し食事の内容と量を見直してみましょう。いくら腸がぜん動運動するようになっても、食べる量が不足していればなかなか排便には至りません。
不規則な生活や偏食・ストレス・内臓の冷えも便秘を悪化させる要因です。規則正しい生活やバランスのいい食事を心がけ、腸をはじめとして身体をいたわるようにしましょう。
オリーブオイルを摂りやすいレシピ
使い慣れない方には取り入れにくいオリーブオイルですが、簡単に作れて便秘に効果的なレシピを4つご紹介します。
おすすめレシピその①バターの代わりにパンに塗る
トーストしたパンにバターの代わりとしてオリーブオイルを塗って食べる手軽な方法です。朝オリーブオイルを摂取するのが便秘解消としては理想的な時間ですので、朝ご飯におすすめです。
方法はいたって簡単です。何もつけずにいつも通りパンをトーストして、オリーブオイルを大さじ1杯~2杯程度垂らして完成です。
おすすめレシピその②鶏むね肉のキャベツ蒸し
脂溶性ビタミンを多く含むキャベツは、オリーブオイルの脂肪酸で栄養が高まります。
材料(2人分)
- 鶏むね肉…1枚
- キャベツ…大きめの葉っぱ3枚
- 玉ねぎ…1/2個
- お酒…少々
- 塩コショウ…少々
ドレッシングの材料
- オリーブオイル…大さじ1
- 酢…小さじ1
- しょうゆ…大さじ2
- しょうが(チューブでも可)…小さじ1
- 砂糖…小さじ1/2
作り方
- ドレッシングの材料はすべて混ぜ合わせておく
- 鶏むね肉は1口大にそぎ切りにして、玉ねぎは薄切りにする。キャベツは1口大にそぎ切りにする
- フライパンにキャベツと玉ねぎを敷いて、その上に鶏むね肉を並べる
- お酒をふりかけてフタをきっちりする。弱火で蒸し、火が通ったら塩コショウを振る
- お皿に盛りつけ、①でつくったドレッシングをかけて完成
おすすめレシピその③トマトのオリーブオイル焼き
トマトは美白効果があるので美容にもいいです。フライパンで焼くだけで簡単に作れます。
材料(1人分)
- トマト…1個
- オリーブオイル…大さじ1
- 塩…ひとつまみ
- カッテージチーズ…適量
- オレガノ(あれば)…適量
作り方
- トマトは軽く洗い、皮をむかずに5ミリ~1センチ程度の輪切りにする。(薄すぎるとべちゃっとするので、厚めのほうがおすすめです。)
- フライパンにオリーブオイルをしき、トマトを弱火で2分ほど焼きます。その後裏返して塩をかけ、3分ほど焼きます。
- お皿にトマトを出して、カッテージチーズとオレガノ(あれば)を適量振りかけて完成
おすすめレシピその④ヨーグルトのオリーブオイルがけ
ヨーグルトの乳酸菌も一緒に摂取できる、便秘にうってつけのレシピです。とても手軽なので、朝ご飯にもおすすめです。
作り方は、お好みのヨーグルトにオリーブオイルを大さじ1ほどかけて完成です。お好みによって、ジャムやオリゴ糖などをかけてもおいしいです。
「オリーブオイルは便秘解消におすすめ!」
オリーブオイルによる便秘解消の仕組みや、簡単なレシピについてご紹介しました。良質な油は身体に良いとされ、最近ではオリーブオイルをはじめとする植物油が注目を浴びています。カロリーが高いとダイエッターに避けられていた油ですが、カロリー以外にもメリットがたくさんあります。
出ない期間が長引くほどストレスとなる便秘は、女性を悩ませる厄介なものです。ですが、毎日の食生活にオリーブオイルを効果的に取り入れることで、あなたの腸も改善するかもしれませんよ。この記事が参考になれば幸いです。