何日出ないと便秘なの?健康的なお通じと排便のメカニズム

便秘に悩んでいる女性はけっこういらっしゃいます。1週間ちかく出ていないなんて方もいらっしゃるかもしれません。では何日続くと便秘になるのでしょうか?

どうして便秘になるのでしょうか? どうやって便秘を解消したらいいのでしょうか? 今回は、便秘と日数についてくわしく見ていきたいと思います。便秘症で悩んでらっしゃる方、お通じがあった日にちをメモしておくといいですよ。

健康的なお通じとは

トイレでスマートフォンを操作している女性

便秘で悩んでいる女性は、けっこういらっしゃいます。実際、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2016年)では、便秘を自覚している女性は男性よりも多く、女性は20代から便秘を意識しているという結果が明らかとなっています。

でも、よく考えてみると、便秘ってどのぐらい便が出ない状態なのかわかりませんよね。「あれ、今日は便が出ていない…」と思ったら、それは便秘だということなのでしょうか。それとも2~3日出なかったら便秘なのでしょうか。健康的なお通じとはいったいどれぐらいのペースで便が出ることなのでしょうか。

厚生労働省「国民生活基礎調査」(2016年)

  • 毎日出なくても便秘ではない

便秘で悩んでらっしゃる方の最大の誤解が、毎日便が出なければいけないという思い込みです。というのも、便秘の状態とは、2017年に発表された「慢性便秘症診療ガイドライン」によりますと、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」のことだからです。

つまり、排便は、必要な排出量と排便後の印象が重要であって、排便のペースはそれほど重要ではないのです。

  • つるんとすっきり出ること

大切なのは、すっきりと便が出ること。腸にたまっていた便がつるんと出るのが理想です。お通じは毎日ではなくても問題ありません。数日に1回であっても、出すべき便が十分に出ればいいのです。

反対に、1日に何回も排泄がある場合も、正常な状態の便で、排便後がすっきりしていれば問題ありません。ただし、1日に何回も出るのに、残便感がある場合、それは便秘と言えます。つまり、ポイントは排便後のすっきり感なのです。

  • 健康的な便の色や形

理想的な便の色は、黄色~黄土色です。よく赤ちゃんの便と呼ばれる便ですね。

便の色は、大腸を通過する時間で決まってきます。時間が短いほど黄色く、長くなるほど焦げ茶色になっていきます。タールのように真っ黒な便は出血が混ざった便です。

身体に異常がある可能性があります。また、血液が混ざった血便は、大腸の病気によるものが大半です。一方、白色~灰色の便は、薬の副作用の可能性のほか、バリウムを飲んだ後などに出ることがあります。

しかし、胆管や膵臓に問題がある場合、灰色の便が出ることもあります。便の色に異常を感じたら、医療機関に相談することをオススメします。

便の形は、バナナやソーセージにたとえられますよね。途切れることなく、スーッと出てきた便は、腸からつるんと出てきた証拠。健康的で体内の機能も正常だと言えます。

何日出ないと便秘なの?

トイレットペーパーと紙

便秘とは出すべき便がすっきりと出ない状態のことでした。つまり、何日出ないと便秘なのかという定義はありません。でも、やっぱり目安が知りたいですよね。いったい何日ぐらい便が出ないと健康上、問題なのでしょうか。

3日以上、毎日あっても残便感あり

別の観点から排便について考えてみましょう。

一般的に、正常な排便で出る便の重さがだいたい200~250gと言われています。つまり、便が1週間出ないと、大腸に1.4~1.8㎏ほどの便がとどまっていることになります。何日という具体的な日数で便秘の状態をカウントしないとはいえ、1.5㎏ほどの老廃物が体内に残ったままの状態はよくないですよね。

1日や2日ならまだしも、4日排便がないと、腸内には1㎏の便がたまっていることになります。このことから考えると、3日便が出なかったら、気にした方がいいのではないかと思われます。

ちなみに、排便がたとえ毎日あっても、残便感がある方は便秘症だと言えます。すっきりと出るべき便がでなければならないのです。

硬いコロコロ便

便秘の方に多いのは硬くて大きな便やコロコロと小さな便ですよね。硬くて排泄が困難な便は、腸内に長い時間とどまっていることで水分がなくなってしまっている可能性があります。

排便がつらいと、力を入れて肛門を傷つけることもありますよね。この場合、食物繊維の多い食材を摂るようにするほか、水分を少し多めに摂ってみるといいかもしれません。

また、コロコロと小さい便は腸管が狭くなっているのかもしれません。この場合、過敏性腸症候群かもしれません。気になる方は医療機関に相談してみましょう。

本人が排便に不快を感じれば便秘

毎日、定期的に排便があっても、量が十分ではなかったり、まだ出そうなのに十分に出なかったりと、おなかに不快感が残る場合も便秘です。こういうタイプの方の多くが、トイレに行くタイミングを逃している可能性があります。

トイレに行くのを後回しにしていたり、トイレにいくのがはばかられたりして、便意のあるタイミングにトイレに行けないのです。こうした習慣を繰り返していくと、便が出にくくなってしまいます。

仕事中、家事の間など、トイレのタイミングと同時に排便ができないことも多いかと思いますが、なるべく便が出そうなときに排便するように心がけることで便秘を回避することができますよ。

一週間以上でない場合は病院も視野に

少し前の話になりますが、英国の16歳の少女が8週間トイレに行かず、亡くなったというニュースがありました。日本でも、便秘が原因による腸閉塞で亡くなった女性がいました。この方は、腸内に黒く硬い便が6.7㎏も貯まっていたそうです。

このようにひどい便秘のケースは稀かもしれませんが、何らかの病気が原因で便秘が続いている可能性もありますし、便秘が原因で病気になることもあります。便秘を軽く考えず、日頃から快便を心がけていきたいですね。

便秘に何日も悩まされないための即効性のある快便の習慣

便秘は日頃の食生活や生活習慣で作られるもの。便秘で悩んでらっしゃる方は、便秘になりやすい何らかの習慣があるのかもしれませんよ。便秘に悩まないためにこれまでの習慣をほんの少しだけ変えるのはさほど苦痛ではありません。ちょっと意識するだけで体の変化に気づくはずです。さっそくはじめてみてください。

朝に炭水化物の食物繊維を摂る

最近、炭水化物が太る原因であることが声高に叫ばれ、糖質制限ブームとなっています。この流れで、炭水化物を取らないようにしている方が増えていますが、炭水化物を減らすことで便秘になることがあります。

実際、糖質制限ダイエットを実践されている方で、便秘に悩んでらっしゃる方は非常に多くいらっしゃいます。

炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられます。このうちの糖質は体内でブドウ糖に分解され、日々の生活のエネルギー源となっています。ただ、摂り過ぎてしまうと、消費されなかったエネルギーが体脂肪となってしまいます。こうしたことから、炭水化物の摂り過ぎは太ると言われています。

しかし、炭水化物の中には食物繊維を多く含む食材がいくつもあります。この含有量は、たとえば野菜に含まれる食物繊維の量と比較してもさほど変わらないか、食材によっては炭水化物に含まれる食物繊維の方が高い場合もあります。つまり、炭水化物は快便につながる食物繊維の宝庫でもあるのです。

こうした理由から、一日のスタートを飾る朝食には、ライ麦パンやオートミールなど、食物繊維の含有量の高い炭水化物を摂ることをオススメします。元気よく一日がはじまると同時に、便通も刺激されるということになりますよ。

できれば20時までに食事を終わらせる

夜遅い食事は睡眠障害を導き、その結果、便秘になりやすいと言われています。どういうことでしょうか。睡眠障害と腸内環境との関係についてから見てみましょう。

睡眠をつかさどるホルモンとしてよく知られているのがメラトニンです。メラトニンの量は太陽の光を浴びると減少し、暗くなると増えます。このため、夜遅くまで起きていると、メラトニンの量が減ってしまい、夜、十分に眠れなくなります。遅くまでパソコンやスマホの画面を見ていると眠れなくなるというのがその理由ですね。

ところで、このメラトニンは、セロトニンという物質が変化して作られます。セロトニンは、腸内でトリプトファンというアミノ酸から作られます。ここで重要なのが腸内細菌で、腸内の環境が悪いと効率よくセロトニンが作られません。

つまり、メラトニンの生成量も減り、睡眠の問題が生じるというわけです。というわけで、腸内環境の悪化=睡眠障害となるのです。

では、夜遅くに食事を摂るとなぜ睡眠障害になるのでしょうか。それは、夜遅くに食事を摂ると、睡眠中に体が消化活動を行うからです。体内で各器官が働くと、エネルギーが生まれます。エネルギーが生まれたら、体は活動するモードとなってしまいますので、脳は覚醒されてしまいます。

以上のことから、夜遅くに食事を摂ると、睡眠障害が起こり、十分な睡眠が得られないと、腸内環境が悪化するため便秘になるということになるわけです。つまり、夜の食事はなるべく消化の良いものにして、最低でも寝る2時間ぐらい前までに済ませておいたほうがいいのです。

排便時の正しい姿勢

排便がなかなか進まないとき、思わずおなかに力を入れてしまいます。でも、実はこのいきみ、肛門のまわりの筋肉に力が入ってしまうため、排便にはあまりよくありません。

身体の構造から考えると、和式のトイレは腸から肛門への流れがまっすぐになるため、排便しやすいと考えられます。

でも実際には、ほとんどのトイレが洋式ですよね。洋式トイレでは、腸から肛門への流れがスムーズになるように、便座に座ったら少し前かがみにすると、便が出やすいと考えられます。姿勢よく便座に座ってしまうと、腸から肛門の流れが直角になってしまうため、便が出にくくなってしまいます。

モノは上から下へ落ちるという重力の力も味方につけて、気持ちいい排便を心がけたいですね。

トイレのタイミングを逃さない

何よりも重要なのは、便意を見逃さないことです。通常、便意を感じてトイレに行けば、無理なく排便することができます。そのタイミングを逃すことで、便秘になっていくこともあります。

何かをやっている最中だったり、会議中や授業中だったり、子育て中でなかなかタイミングよくトイレに行けないこともありますよね。でも、どうしても外せないときなどは仕方ないにせよ、なるべく便意を感じたらトイレに行くように心がけましょう。この小さな心がけこそ、便秘を回避するための小さな積み重ねとなります。

排便のメカニズム

大腸の中にいる菌

最後に、便秘のメカニズムについて調べてみましょう。どのようにして便が作られていくのかがわかることで、体に便が溜まってしまう便秘を改善しようという意識が働くようになります。日々の食生活や生活習慣の改善がいかに重要なのかが実感できるのではないでしょうか。

消化器官の名称と長さ

消化器官とは、口から肛門まで続く消化管と、それに関連する器官のことです。消化管の長さは、全長9mほどと言われています。

口から続く食道は、成人でおよそ25~30cmあります。食道に続く胃の大きさや長さは、胃の中にどの程度の内容物が入っているか、男性か女性か、また年齢によっても変わってきます。

成人の平均的な長さは25~30cmほどです。胃と小腸をつなぐ十二指腸は、指を十二本並べた長さからその名がつきましたが、実際には25cmほどの長さです。そして小腸は、消化管の中で最も長い部分で、6~7m、小腸に続く大腸は、だいたい1.5mです。

この9mの管は、広がったときの食道の直径が2~3cmから、最も広がったところの胃の横径が12~14cmまでと、幅に差があります。この長い管を2~3日かけて食べたものが通っていくわけです。

消化・吸収の流れ

口に入れた食べ物は、食道を通って胃に送られると、胃液でドロドロに溶かされます。そして、十二指腸に運ばれ、胆汁や膵液と混ざります。胆汁とは、肝臓で作られるアルカリ性の液体で、胆のうで貯蔵され、濃縮されています。

食べたものが十二指腸に運ばれると、胆のうから胆汁が流れ、消化酵素の働きを助けます。一方、膵液とは膵臓から分泌される消化液で、食べたものを栄養素に分解する働きがあります。

こうして十二指腸に流れ込む液体の量は、食べ物、唾液、胃液、膵液、胆汁の合計で10リットルにも及ぶと言われています。このうちの8リットル近くが、次の小腸で栄養素といっしょに吸収されます。

便の形成

小腸にたどり着いた栄養素は、小腸で吸収されます。ここで吸収されなかった食物繊維などおよそ2リットルが、ほぼ水分のような状態で大腸に入っていきます。

大腸では、徐々に水分が吸収されていき、食べものカスだけが残っていきます。これが固まったものが便となるわけです。

大腸に長期間、滞在していた便は、水分がどんどん吸収されていくため、硬くなっていきます。このため、、便秘の便は硬くなるわけです。腸内までたどり着く食物繊維は、便通を促進する働きもあるため、便秘の改善のためにも食物繊維を多く摂った方がいいということがわかりますね。

排便への心がけが大事

何日出ないと便秘という定義はありません。出るべき排便が十分にあることが大切です。便秘にならないためには、日頃の食生活を改善し、生活習慣を正しくすることです。排泄のタイミングを逃さず、正しい姿勢で排便するように心がけましょう。