太っているイメージとしていつも汗をかいている、油ぎっていそうなど体臭がきつそうなイメージってありませんか?実際に太っていて、肥満といわれる方々の体臭はきついにおいなのでしょうか?肥満の体臭の原因について詳しくみてまいりましょう。
体臭の種類
肥満による体臭の原因を紹介する前に、どんな体臭が一般的に存在しているのかを、簡単に紹介しておきます。
体臭の種類1・汗臭(脇臭)
汗臭(脇臭)は、新陳代謝が活発な若い年代である、10代半ばから20代半までの間で特に強くなる臭いです。通称ワキガとさえ言われるほど、コンプレックスで悩んでる若者が男女問わずいることでも有名です。
汗臭自体は、ワキだけでなく汗をかきやすい場所であればどこでも酸っぱい臭いがでてくる特徴があります。原因としては、皮脂と汗を常在細菌が代謝分解することで臭いを発生しており、体質的な特徴もあり、臭いがもっとも臭い部類の体臭だといわれています。
体臭の種類2・口臭
口臭は、体臭の中でも特徴的で、年齢に問わず引き起こされる体臭です。また、口臭の原因は様々で、食べ物や粘膜のカスや、歯周病、唾液などを原因物質として、口の中の細菌が分解・発酵させることで臭いを発しています。大衆の中でも自覚症状もある臭いだといわれています。
主だった臭いとしては、玉ねぎが腐ったようなメチルメルカプタン臭、卵が腐った硫化水素臭、キャベツが腐ったようなジメチルサルファイド臭など、様々な臭いがあります。
また、口臭の場合には必ずしも口の中から発生しているのが8~9割で、その他は胃の不調などによっても生じる臭いだといわれています。
体臭の種類3・加齢臭
一般に年をとるほど発生量が多くなるのが、この加齢臭です。肥満にかかわらず年をとると皮脂腺の中の脂肪酸である9-ヘキサデセン酸が酸化されてできる、「ノネナール」によっておきる臭いです。
ちなみにこの加齢臭は、年齢が若くてもでる臭いなので注意が必要です。
特に若くても加齢臭がする場合に多いのが、肥満の人やメタボリックな人なので、太り気味の方は注意が必要です。メタボリックになると体内の脂肪や活性酸素が多くなるのでそれだけ臭いも出やすくなります。
体臭の種類4・ミドル脂臭
加齢臭とはちょっと異なり、40代や50代になる前に出てしまう臭いがミドル脂臭です。
特に頭部に発生する脂っぽい汗が原因とされており、早ければ20代でも臭ってしまう可能性があるようです。ひどい人だと口臭や足の裏の臭いの1.5倍の臭いがするようです。
これからの時代は年齢が高くなる前に臭いがでることを意識しましょう。このミドル脂臭も肥満で疲れやすい人に多いといわれているので気をつけましょう。
肥満による体臭の原因
体臭の種類を上記では紹介しましたが、ここからは肥満による体臭の原因を紹介していきます。
汗をかきやすく雑菌が繁殖するため
肥満の人に体臭が多いのは、肥満であるが上に汗をかきやすいことが原因です。大量の汗をかけば服や下着も湿り、雑菌が繁殖しやすくなり、結果として汗臭による臭いの元となります。
皮脂の分泌が多い
肥満の人は汗とともに皮脂の分泌も多くなっています。この皮脂は汗と混ざり合うことでより汗が臭くなる原因となってしまうのです。運動などを行うことで、良い汗をかけるような体質改善を行なっていきましょう。
太っていると若くても加齢臭がする
太っていると加齢臭のような体臭につながりやすくなってしまいます。これは太っていることで運動不足などになり、体が疲労しやすくなるからです。疲労すると体内のアンモニアを処理しきれなくなることで、疲労臭につながったり、さらには乳酸の産生によりミドル脂臭にもつながってしまいやすくなります。
疲れやストレスからの疲労臭
疲労臭は、文字どおり疲れていると出る臭いで、アンモニアの臭いがするといわています。通常は血液に入って肝臓に運ばれ、尿素に変えられるので臭いはしないのですが、疲労がたまっていたり、肝臓が疲労していると処理しきれず、アンモニアが汗に混じって臭ってしまうのです。
糖尿病は甘いにおいがする?
糖尿病になると、インスリンの働きが悪くなり、血液中に遊離脂肪酸というものが増えて、ケトン体になります。そして、このケトン体が腐ったバナナのような臭いにより若干甘い臭いをかもしだすのです。
結果として、肥満により糖尿病になり、甘い臭いを発している可能性が高いと言えるでしょう。
肥満の方の体臭予防ポイント
肥満に限らず、体臭予防のポイントはどんな人でも基本的には一緒です。それプラス肥満の人には運動で体を動かすことが大事なのでまずは運動による予防方法から見ていきましょう。
ポイント1有酸素運動
体臭予防に運動は効果的です。特にエクリン腺による汗臭に悩んでいる人には、有酸素運動が良い汗をかくので体臭予防につながります。
日頃から有酸素運動によって、良い汗のかきかたをしていれば、汗腺において汗の原料となる血漿の成分が再吸収されるため、汗の成分が水に近くサラサラしてくれるので臭くなくなります。
また、良い汗をかくと、アルカリ成分の重炭酸イオンが少なくなり酸性になり、雑菌が皮膚に繁殖しにくくなるので、臭いが出にくくなるのです。
一方で、運動をしていないと皮膚末梢血管の血行が悪くなり、汗腺への酸素供給が働かなくなります。その結果アンモニアの分泌が激しくなり、臭いの原因になるのです。
単純に運動不足の場合には、ちょっとした運動でかいた汗こそアルカリ性が強く、雑菌が繁殖しやすく、臭いの原因につながります。
ポイント2食生活改善
体臭は食生活を改善することでも対処することができます。
臭いの元であるアポクリン腺から分泌されるタンパク質や脂質を少なくすることができます。つまり、それらの原因物質となる食事の摂取量を減らせばいいわけです。
動物性タンパク質や脂質が多い洋食の食事よりも、一般的には和食の方がオススメです。
臭いの原因になりやすい、肉類、にんにく、動物性脂肪であるチーズ・牛乳、辛い食べ物、リノール酸が含まれる食品などは控えることをオススメします。
また、アルコールも体臭の原因になりやすく、アルコールは口の中も乾燥させてしまい、唾液が出にくくなるので口臭の原因にもなりやすいのです。また体内で分解されてアルデヒドになると、アルデヒド臭も強くなります。
逆に食生活において、体臭を抑える食べ物を食べるのもいい方法です。
- ビタミンやミネラルなどが多くふくまれる緑黄色野菜や緑茶などの抗酸化食品
- お酢や梅干しなどによって乳酸の産生を抑える
- 食物繊維やオリゴ糖などを含む、腸内環境を整える食品を食べる
以上のような方法で、体臭を抑えることもできますよ。
ポイント3身体の洗い方
体臭予防には体を清潔にすることが大切になってきます。お風呂で体を洗うことがもっとも効果的ですが、その洗い方には注意が必要です。なぜなら、洗い方を間違えてしまうと、かえって体臭を強くしてしまう可能性があるからなんです。
毎日しっかりお風呂で洗っているのに体臭が強い人は、もしかしたら洗い方を間違えている可能性があるので注意が必要です。
特に多いミスが、洗いすぎている人です。かえって体臭を強くしてしまう可能性があるのです。というのも、皮膚を守ってくれている表皮ブドウ球菌を洗い流してしまうので臭いにつながります。この菌を洗い流すと皮膚がアルカリ性になることで悪い菌が繁殖しやすくなってしまうのです。
また、それ以外にも、余分な皮脂を分泌している可能性もあり、この余分な皮脂によって汗臭が出ている可能性があります。肌を洗いすぎると肌の乾燥を防ぐために余分に皮脂が分泌されます。そうなると汗と皮脂が混ざり合ってしまい、菌の繁殖が促され、臭い物質もどんどん作られてしまいます。
その他にも、洗い残しがあったり、逆に硬いナイロン性のタオルでゴシゴシやりすぎていたり、強い洗浄力の石鹸やボディソープを使っていたりすることも原因になりがちです。
ポイント4ストレス解消
ストレスはあらゆる病気に関与していますが、実は体臭にも十分関係しています。特に、皮脂腺からの臭いの原因となる物質の産生を増加させてしまう傾向にあります。
ストレスを受けると人は、副腎から「副腎皮質ホルモン」や「男性ホルモン」、「アドレナリン」といったホルモンを大量に放出します。そして、これらのホルモンが皮脂の分泌をさかんにし、臭いの原因になってしまいます。
というのも、これらのホルモンは新陳代謝をも盛んにすることで角質も肥厚させ皮脂腺の導管を詰まらせてしまいます。そして分泌された皮脂が皮脂腺にたまり、活性酸素が発生しやすい状態にしてしまうのです。
活性酸素は脂質を酸化させ、脂質を酸化することで、どんどん活性酸素と過酸化脂質を増やしていってしまい(自動酸化)臭い物質を増やしていってしまいます。
くれぐれもストレスはためずにどんどん発散させていきましょう。オススメは有酸素運動になります。有酸素運動でストレスを発散し、良い汗をかきましょう。
体臭を引き起こしやすい食べ物
体臭を引き起こしやすいのは肥満も原因ですが、実は食べている食べ物もその一因となっています。それほど多くないので頭に入れておきましょう。
肉類
タンパク質の消化にはエネルギーをたくさん使うことをご存知ですか?そのため、肉類などを食べると体温が上がってしまい汗をかきやすくなります。
さらに汗に含まれたタンパク質や脂質を皮膚の常在菌が分解することで、体臭につながる臭いが発生してしまいます。
にんにく
にんにくが口臭の原因になることは、周知の事実かと思います。
にんにくを切るとアリシンという物質がつくられ、これが体臭の中でも特に口臭の原因になります。体内に取り込まれても、胃で消化され血液中に取り込まれると、最終的に皮膚から排出され、体臭の原因になってしまいます。
アルコール
アルコールが体内で分解されると「アセトアルデヒド」という成分になります。これが血液の中を通って肺や汗腺に送られ、そこから体臭につながる臭いの原因になってしまいます。
さらにアルコールは口の中も乾燥させることで口臭の原因にもつながってしまいます。
動物性脂肪
動物性脂肪は、大腸までとどいたタンパク質が腐敗することで体臭につながります。さらに、腸内環境においても悪玉菌などによって分解されてアンモニアを発生させ、体臭につながる可能性があります。
リノール酸
リノール酸は、血中のコレステロールや中性脂肪を増加させることで、間接的に体臭を引き起こします。というのも、体内で過酸化脂質になることで、さまざまな臭い物質を作り出してしまうのです。
体臭を抑える食べ物
体臭を引き起こしやすい食べ物とは別に体臭を抑える食べ物もあります。ここで紹介する体臭予防の食べ物を積極手にとることで、体臭だけではなく、腸内環境も整えながら体臭を予防していきましょう。
抗酸化食品
体臭を抑えるにはいろいろなビタミンなどを摂取して、タンパク質や脂質の酸化を抑制する必要があります。
そこで抗酸化食品がオススメです。緑黄色野菜や緑茶などから、積極的にビタミンやカテキンを摂取しましょう。抗酸化食品では以下のような成分が摂取するこよにより酸化臭を防いでくれます。
- ビタミンC
- ビタミンE
- βカロテン
- カテキン
- ポリフェノールなど
アルカリ食品
アルカリ食品は、体内での乳酸の産生を抑えてくれることで、臭い物質を抑制してくれます。さらに疲労回復効果もあり、疲労による体臭も防いでくれます。
一般的なアルカリ食品としては以下のものがオススメです。
- お酢
- 梅干し
- 海藻類など
食物繊維やオリゴ糖
腸内環境を整えることが、体臭改善には重要だと言われているので、食物繊維やオリゴ糖を摂ることもオススメです。
食物繊維やオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やすことで、悪玉菌を減らし、腸内における悪臭成分の産生を抑制してくれます。
クエン酸
お酢などに含まれているクエン酸は、乳酸の増加を抑えて、疲労臭の元にもなっているアンモニアが汗に混ざりにくいようにしてくれます。
例えば、毎日の食事にお酢を入れることで疲労臭予防につながります。クエン酸を多くふくむ食品は次のようなものがあります。
- レモン
- ライム
- 梅干し
- キウイ
- グレープフルーツ
- オレンジ
- イチゴ
- じゃがいも
- 黒酢
ショウガ
ショウガは直接臭いの原因物質に作用するのではなく、良い汗をかくために効果的な食品です。有酸素運動により良い汗をかくことの必要性は先ほど紹介しましたが、このショウガも一緒です。サラサラの良い汗をかくことで、体臭の原因を抑えてくれます。
体臭の解消にチャレンジしてください
いかがでしたでしょうか?体臭は必ずしも、肥満によって起きるものではありませんが、ここで紹介したように、肥満によって体臭がキツくなる可能性は高まってしまいます。
まずは肥満となっている原因を取り除くために食事療法や運動療法にチャレンジすることが大事です。それに加えて紹介したような方法で、体臭の解消にチャレンジしてみてください。