肥満で寿命が縮む?肥満のリスクと平均寿命に関する考察

LIL 編集部

肥満は何となく体にとって好ましくない状態であることは分かりますが、肥満になると寿命が短くなるリスクも高まるのでしょうか。また、平均寿命とはどのようなことを意味するのでしょう。肥満にならないための方法も紹介します。

日本は政界でも有数の長寿国とされていますが、肥満になると長生きすることができないのでしょうか。小太りの方が長生きというデータもあるようですが、その辺りはどうなっているのでしょう。

今回の記事では、肥満と寿命との関係に迫るとともに、肥満になることによるリスクや、平均寿命に関する考え方について紹介したいと思います。

肥満には2つのタイプがある!?

肥満と寿命との関係について述べる前に、まずは肥満とはどのようなことをいうのかについて説明しておきたいと思います。肥満には大きく分けて2つのタイプがあるとされています。

肥満

肥満とはどのような意味があるのかと聞かれたなら、答えは「太っている状態」と言うことになります。特に病気をともなっていることが条件とはなっていません。

太っている状態をもう少し詳しくいうなら、体脂肪が増加している状態だといえます。そのため体脂肪の量を測定すれば、その人が肥満しているかどうかが分かるという訳です。

ところが、体脂肪の量を正確に測定することは、現代医学をもってしても難しいとされています。そのため、世界的にBMI(ボディ・マス・インデックス)という肥満の測定法がもちいられています。

BMIは、身長(メートル換算)の2乗を体重(kg)で割ることによって求めることができます。たとえば、身長が158cmで体重が50kgの人のBMIは、[50÷(1.58×1.58)]=「20」となります。

BMIの基準値は22となっていますが、BMIが18.5以上25未満であれば標準体重の範囲内であるとされます。BMIが18.5未満の場合は痩せ型、BMIが25以上であれば肥満だと認定されることとなります。

あと、肥満には肥満度と呼ばれる分類があります。BMIが25以上30未満の場合は1度の肥満、BMIが30以上、35未満の場合は2度の肥満、BMIが35以上40未満の場合は3度の肥満、BMIが40以上になると4度の肥満だとされます。

中でも、BMIが35を超えるような肥満のことを、重度の肥満としています。ちなみに、肥満大国のアメリカでは、BMIが30を超えるあたりから肥満だといわれています。

なぜ日本ではBMIが25以上になると肥満とされるのかというと、日本人は体質的に、BMIが25を超えるあたりから、高血圧や脂質異常症をはじめとした生活習慣病などになるリスクが高くなるからです。

肥満症

肥満症とは、肥満状態に加えて、生活習慣病などを発症している場合、もしくは発症するリスクが高くなっている場合のことを言います。肥満症は単なる現象ではなく疾患なので、医学的な見地から治療が必要とされます。

肥満症には、脂肪細胞の質的異常によるものと、脂肪細胞の量的異常によるものとの2種類があります。簡単に言うと、内臓脂肪型の肥満と、皮下脂肪型の肥満だということです。

脂肪細胞の質的異常による肥満症の場合、高血圧や脂質異常症(以前は高脂血症と言いました)、高尿酸血症や痛風といった、生活習慣病になるリスクが高くなるとされます。

また、心臓の冠状動脈にトラブルが生じたり、脳梗塞を発症したり、脂肪肝になったりするリスクが生じるほか、肥満が原因の腎臓病を発症することもあるということです。

脂肪細胞の量的異常による肥満症の場合、睡眠時無呼吸症候群を発症したり、肥満低換気症候群を発症したりするほか、腰痛や膝痛、股関節痛といった整形外科的疾患を発症するリスクが高くなるとされています。

肥満症は疾患であることから、病院や肥満外来で保険を使用して治療を受けることが可能となっています。単に太っているだけでは、保険診療を受けることはできないということです。

とは言うものの、日本人は体質的に、BMIが25を超えるあたりから生活習慣病などを発症するリスクが高くなるとされています。そのため、肥満と肥満症とを厳密に区別することにそれほど意味があるとは思えません。

肥満と寿命との関係

肥満になると健康面でさまざまな不都合の生じることが分かっていますが、寿命にも影響するのでしょうか。最近の研究で、新たな発見があったということです。

BMIを基に算出

アメリカのハーバード公衆衛生大学院と、イギリスのケンブリッジ大学の共同研究の結果、BMIが高くなるにつれて、寿命の短くなるということが分かってきているそうです。

死亡率の上昇について

研究結果によると、もっとも寿命が長かったのはBMIが22.5から25の間の人だということです。BMIが25以上27.5以下の場合、もっとも寿命が長いグループとくらべると、死亡リスクが7%上昇するとされています。

また、BMIが27.5以上30未満になるともっとも寿命が長いグループと比較すると、死亡リスクが20%上昇するということです。

ただし、BMIが低ければ低いほど寿命が長くなるという訳ではなく、BMIが低すぎる場合にはエネルギーが不足してしまい、やはり死亡リスクが高くなるということです。

整形外科の方面からも、整形外科的疾患と寿命との関連が指摘されています。たとえば、関節リウマチを患っている患者さんの平均寿命は、男女ともに65歳程度だとされています。日本人の平均寿命を考えた場合、15年から20年程度寿命が短くなる計算となります。

少し肥満な方が長生き?

肥満や血圧、コレステロールに関してはさまざまな考え方があり、医師の間でも見解が分かれています。2015年にコレステロールに関する見直しがあったのは記憶に新しいことだと思います。

2015年までは、コレステロール値が高い人は食事制限をする必要があるとされていました。ところが研究の結果、食事によってコレステロール値はそれほど変動しないことが分かったため、食事制限は必要ないとされるようになったのです。

肥満に関しても、少し太っているくらいの方が健康で長生きできるという説があれば、やはり太っている方がリスキーだとする説もあります。それでは、それぞれに説について見ていきましょう。

痩せている方が問題とする説

医師の中には1日に1食にすることで、健康的に生きられるという人もいますが、まったく反対の主張をしている人もいます。

食事の量を減らすと、摂取すべき栄養も不足することとなります。それで健康的に生きられるわけがないというのがその論拠となっています。

そもそも、メタボリックシンドロームという考え方は、アメリカ人にこそ当てはまるべきものであって、日本人にとってはあまり必要のない考え方だというのです。

肥満大国のアメリカでは、3人に2人が肥満とされており、3人に1人は超肥満に分類されているということです。そのため、心臓の冠状動脈に負担がかかり、心筋梗塞を起こして死亡するリスクが高くなるのです。

そのため、ダイエットをおこなうことによって、心臓への負担を減らすことが大事なのです。アメリカ人の死亡原因の1位は心筋梗塞ですが、日本人の脂肪の原因の1位は悪性腫瘍(ガン)です。

脂肪細胞の質的な異常による肥満が原因で起こる心筋梗塞は、死亡の原因全体からみた場合、わずか8%にすぎないとされているのです。

つまり、日本のメタボリックシンドローム対策は、要を得ていないということが言えるのです。健康で長生きできるのは、栄養をしっかりと摂取して病気に対する体力のある小太りの人であるということです。

先ほどコレステロール値の基準が見直されたことについて述べましたが、かつて、総コレステロール値が220を超えると、健康上のトラブルに見舞われる可能性が高くなるとして、コレステロールを下げる薬を飲むことが推奨されました。

ところが、その時代であっても一部の医者は、コレステロール値が260程度あった方が健康で長生きできると主張していました。

高血圧に関してもそうで、昔は年齢+90が基準値とされていたのに、それがいつの間にか160へと下がり、140へと下がり、現在では130以下が健康だとされています。

もともとは国民の健康増進のために基準を見直したはずなのに、基準値を上回ると薬をどんどん出すという、本末顛倒の結果となっています。日本の医療界では、このようなことがよく見受けられます。

小太りの弊害の方が大きいとする説

小太りの方が健康的で長生きできるとする説には、当然のことながら反論が出されています。小太りの人の寿命が長いのが、病気に対する体力があることに由来するのは認めますが、その分、闘病生活が長くなるというのです。

仮に75歳から10年間闘病生活を送った末に平均寿命でなくなったとして、それが果して健康的に長生きしていることとなるのでしょうか。

現代は便利な世の中で、パソコンで検索すればたいていの情報を得ることができます。ただ、どの情報が正しいのかを見極めるのが、非常に困難な時代になってきているともいえます。

肥満と寿命との関係についても、専門家である医師の間でも見解が分かれているのが現状です。私たちに求められるのは、情報の真偽を見極める力なのかもしれませんね。

平均寿命ってなに?

日本は世界でも有数の長寿国家だといわれています。2014年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は86.83歳、日本人男性の平均寿命は80.50歳となっています。この当たり前のように使われている平均寿命という言葉、皆さんは本当の意味をご存知でしょうか。

何歳まで生きられるかではない

平均寿命とは、私たちが生まれてから何歳まで生きられるか、平均値を示したものだと考えられている方も多いと思いますが、実はそうではないのです。「え?そうなの?」と驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

平均寿命というと、亡くなった人の平均年齢を算出したものというイメージがあると思いますが、厚生労働省によると、亡くなった人の平均年齢を算出したものではないということです。

平均余命のこと

平均寿命が亡くなった人の平均年齢を算出したものではないのだとしたら、いったい何を指し示す数値なのでしょうか。

じつは、平均寿命とは0歳の赤ちゃんが、あと何年間生きられるかの余命を表したものです。つまり、今後状況が激変するようなことがないことを仮定した上での期待値なのです。

そのため、生まれた年によって平均寿命は異なっているのです。現在40歳の男性が、あと40年生きられるという目安ではないのです。40歳の人の平均寿命は、40歳の人が生まれた年の平均寿命が基準となるのです。

肥満にならないために気をつけたいこと

肥満については専門家の意見でも意見が分かれており、どの程度の肥満度が理想的なのかははっきりしません。ただ、あまりにも太っていると、健康上のトラブルが起こりやすくなることは否定できないでしょう。では、肥満しないためにはどのようなことに気をつけるとよいのでしょう。

糖質を摂りすぎない

最近になって、肥満の本当の原因が、糖質の過剰摂取であるということが分かってきています。糖質を過剰摂取すると、体内に脂肪として蓄えられることがその根拠となっています。

そもそも、人間の歴史は飢えとの闘争の歴史であり、飢えから逃れるために、すなわち脂肪を蓄えるために、米をはじめとした炭水化物の栽培が始まったのです。人類の歴史から見ると、炭水化物を食べ始めたのはたかだか1万年前に過ぎません。

つまり、炭水化物には私たちを飢えから救うという大事な役目があったのですが、飽食の現代においては、肥満してしまうリスクファクターとなっているのです。

筋力を落とさない

肥満にならないためには、筋力をつけることも重要です。筋肉は基礎代謝と密接にかかわっているので、筋肉をつけることによって基礎代謝が向上し、太りにくい体質を手に入れることができるのです。

ダイエットをするときには食事制限をするのが一般的ですが、食事制限だけで体重を落とすと、同時に筋力も落ちてしまいます。その結果、ダイエット前よりも太りやすい体質になってしまうのです。

健康で美しくあるために自分を見つめなおしましょう

肥満と寿命との関係について見てきましたが、いかがだったでしょうか。肥満と寿命との関係については専門家の間でも意見が分かれており、どっちを信じればいいのか悩むところです。

ただ、太りすぎによってさまざまなトラブルの可能性が高くなることは間違いないようです。いつまでも健康で美しくあるために、栄養バランスのとれた食事と、適度な運動をすることが大事だといえそうですね。

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