足の付け根にお肉が付くことを、昔の中国では「髀肉の嘆」などと表現しましたが、現在でも足の付け根にお肉が付くことが嘆かわしいのに変わりはありません。では、足の付け根になぜお肉がついてしまうのでしょうか。また、解消するにはどうすればよいのでしょう。
足の付け根にお肉がついてしまと、見た目がみっともないのはもちろん、スリムなパンツが入らなくなり、足のラインも美しくなくなってしまいますよね。今回の記事では、足の付け根痩せの方法を厳選して4つ紹介するとともに、意味や根拠のないダイエット法についても紹介したいと思います。
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足の付け根にお肉が付く原因ってなに?
足の付け根のダイエット法について紹介する前に、まずはなぜ足の付け根にお肉がついてしまうのかを知っておきましょう。それによって、自分に合ったダイエット法を選択することができますよ。
食習慣
足の付け根にお肉がついてしまう原因としては、食習慣があげられます。特に、ご飯やパン、麺類といった主食を好んで食べる人は、足の付け根にお肉がつくリスクも増大します。
ごはんやパン、麺類は炭水化物と呼ばれていますが、炭水化物は糖質と食物繊維から構成されています。そして、私たちが太ってしまう最大の原因が、糖質の過剰摂取だと考えられているのです。
炭水化物は三大栄養素の一種であり、渡したちの生命活動にとっても重要な働きを持っています。なぜなら、糖質が私たちの脳や身体のエネルギー源だからです。
ところが、糖質の摂取量が多くなりすぎると、糖質を分解しきれなくなり、結果として脂肪という形で体内に蓄えられることが分かってきているのです。
また、食べるものだけでなく食べる時間帯によっても、脂肪が蓄えられやすくなることが分かっています。特に、夜の10時以降に食事をすると、太りやすくなるということです。
その他、小腹が空いたからと言っておやつを食べる習慣のある人や、ケーキなどの甘いものが好きな人は、足の付け根にお肉が付くリスクも上昇することとなります。
運動不足
足の付け根にお肉がついてしまう原因としては、運動不足もあげられます。運動不足が続くと、足の付け根にある筋肉が落ちてしまいます。
基本的に、筋肉量と体脂肪率は反比例する関係にあります。運動不足によって筋肉量が低下すれば、反対に体脂肪率は増加することとなる訳です。
特に、現代人は40年前とくらべて、1日の間で身体を動かす量が60%にまで低下しているとされています。その理由としては、世の中が便利になりすぎたことがあげられます。
極端な例をあげると、家庭や場所によってはトイレのドアを開けただけで自動的に電気がつき、便座が勝手に上がるというケースもあります。そのうち、お尻も拭いてくれるようになるのでしょうか。
冗談はともかくとして、現代人は便利な生活に慣れきってしまっているせいで、ほんの少し身体を動かすことも面倒くさがる傾向にあります。そういった日常での運動不足が積み重なった結果、足の付け根にお肉がついてしまうという訳なのです。
股関節の可動域低下
足の付け根にお肉がついてしまう原因として、股関節の可動域低下を上げることも可能です。股関節は人体の中でももっとも可動域の広い関節の1つですが、年齢とともに徐々に可動域が低下してしまいます。
股関節の可動域が低下すると、単純に歩幅がせまくなります。歩幅がせまくなれば、大股で歩く場合に比べて筋肉の使用量が減少してしまいます。結果として筋肉量が減少し、足の付け根にもお肉がついてしまうという訳です。
骨盤の後傾
足の付け根にお肉がついてしまう原因としては、骨盤の後傾もあげられます。骨盤が後ろに傾いてくると、それにともなって足がO脚気味になってきます。
O脚になると重心が足の外側へと移動するため、お尻の外側や太ももの外側にお肉がついたように見えてしまいます。特に女性は男性より骨盤が左右に広いため、不良姿勢によってお尻や太ももの付け根が太く見える傾向があります。
足の付け根痩せ法その1・食習慣の改善
足の付け根にお肉がついてしまう原因は実にさまざまなので、原因別に改善法を見ていきたいと思います。まずは、食習慣の改善によって足の付け根痩せをする方法から見ていきましょう。
野菜をたくさん食べる
足の付け根痩せに限ったことではありませんが、基本的に部分痩せというのは難しいものです。そこで、全身の体脂肪率を減らすことが重要となります。そのための手段として、野菜をたくさん食べるという方法があります。
野菜には食物繊維が豊富に含まれていますが、食物繊維には保水性が高いという特徴があります。そのため、野菜をたくさん食べると胃の中で膨張し、満腹感を得やすくなります。
また、食物繊維の中でも水溶性の食物繊維には、糖質を包み込んで、腸管に吸収されるのを阻害する働きがあります。便秘の解消にも野菜をたくさん食べることはおススメですよ。
炭水化物の摂取量を減らす
足の付け根痩せをするためには、そもそも太ってしまう原因となる炭水化物の摂取量を減らすことも重要です。ご飯やパン、麺類好きには辛い話ですが、美しい足のラインを手に入れるためには少し我慢しましょう。
どうしてもごはんがやめられないというのであれば、雑穀米や玄米にするなど工夫するとよいでしょう。パンや麺類も糖質の含有量が少ないものを選択しましょう。
その他、糖質を多く含む飲料にも注意しましょう。甘い缶コーヒーや清涼飲料水には、驚くほどの砂糖が使われています。せっかく炭水化物の摂取量を減らしても、甘い飲み物でチャラ、というのでは意味がありませんからね。
足の付け根痩せ法その2・有酸素運動
足の付け根痩せをするのであれば、運動をすることも大事です。なぜなら、食事制限だけで体重を減らした場合、筋肉も落ちてしまうからです。筋肉が落ちてしまうと基礎代謝が低下するので、かえって太りやすい体質になってしまいます。
ジョギングやウォーキング
体脂肪率を下げたいのであれば、有酸素運動がおススメです。特に、足の付け根痩せを目指すのであれば、下半身の筋肉を重点的に使うジョギングやウォーキングがおススメです。
有酸素運動を開始すると、はじめに血液中の糖質が燃焼して、運動エネルギーへと変換されます。血液中の糖質がなくなると、次に体脂肪が燃焼して、運動エネルギーへと変換されることとなる訳です。
ただ、体脂肪が燃焼するためには、有酸素運動を20分以上おこなうことが重要とされているので、有酸素運動をするときには気をつけてくださいね。
踏み台昇降
足の付け根痩せをするのであれば、踏み台昇降もおススメです。踏み台昇降は20cmから30cmほどの高さの台に昇ったり降りたりするだけの、とてもシンプルで簡単な運動です。
ただ、その効果は折り紙つきです。足を上げるという動作によって、効果的に下肢の筋肉を刺激することが可能となります。また、足を上げるときには足の筋肉だけでなく、大腰筋というおなか側の筋肉も使うこととなります。
そのため、踏み台昇降をおこなうと、足の付け根痩せだけでなく、ウエスト痩せやヒップアップの効果も期待できるのです。唯一の欠点は「つまらない」ということなので、音楽を聴いたり、テレビを見たりしながらおこなうとよいでしょう。
足の付け根痩せ法その3・筋トレ
足の付け根痩せをするのであれば、筋トレも欠かすことができません。先にも触れましたが、筋肉量が減少すれば基礎代謝が低下し、太りやすい体質になってしまうからです。筋力アップとまではいかなくても、せめて現状を維持するように努めましょう。
内ももエクササイズ
足の付け根についてお肉の中でも、内ももについてしまったお肉が気になるという方も多いと思います。そんな方には内もものエクササイズがおススメです。
使うのは(あれば)ゴムボールや、バスタオルを畳んだものです。仰向けに寝た状態で両膝を立て、ゴムボールや畳んだバスタオルを両膝の間に挟みましょう。それを押しつぶすように膝を閉じます。内ももの筋肉にハリが感じられたら、上手にエクササイズできている証拠です。
スプリットスクワット
足の付け根痩せをするとき、特におすすめのエクササイズがスプリットスクワットです。スプリットスクワットは、通常のスクワットが足を左右に開いておこなうのに対して、足を前後に開いておこなうタイプのスクワットとなっています。
スプリットスクワットには足の筋力アップはもちろんのこと、姿勢改善やヒップアップ、ウエスト引き締めや重心バランスの改善など、さまざまな効果が期待できます。
スプリットスクワットをおこなう際には、まず両足を軽く前後に開きます。そのまま、膝を曲げながら上体を下へと降ろしていきます。前になった方の膝が90度、後ろになった方の膝が135度になった位置で停止し、元の姿勢へと戻りましょう。
上体をおろす際に、身体がふらつかないように気をつけておこないましょう。また、前の膝を曲げたときに、膝頭がつま先より前に出るようでしたら、もう少し足の前後の幅を開いておこなうようにしてください。
膝頭がつま先よりも前に出てしまうと、膝関節を痛めてしまうリスクが高くなってしまいます。もし痛みが出るようでしたら一度中断して、痛みがなくなってから再開するようにしてくださいね。
足の付け根痩せ法その4・ストレッチ
股関節が硬くなると、運動のパフォーマンスが低下することはよく知られていることです。足の付け根痩せの効果を高めるためにも、股関節のストレッチをおこなって、関節の可動域を確保しておきましょう。
内転筋のストレッチ
内転筋とは、太ももの内側にある筋肉群の総称を意味します。内転筋が硬くなると、O脚やX脚の原因ともなるので、普段からよくストレッチングしておくように心がけましょう。
内転筋のストレッチは、ベッドや椅子を利用して簡単におこなうことが可能です。まずは右足の内転筋ストレッチから見ていきましょう。ベッドや椅子に正対したら、右足をまっすぐ前にあげて、かかとをベッドや椅子に乗せます。
その状態から90度身体を左側に向け、足の親指側をベッドや椅子に寝かせます。その状態で、左足をゆっくりと曲げていきましょう。右の太ももの内側に突っ張るような感じがあれば、上手にストレッチできている証拠です。
身体を90度横に向けずに、前を向いたまま膝を曲げると、今度はハムストリングス(太股の裏側にある筋肉の総称)のストレッチもできます。両方とも重要なストレッチなので、あわせておこなってくださいね。
大腰筋のストレッチ
大腰筋は腰の骨と股関節をおなか側で結んでいる筋肉で、この筋肉が硬くなると股関節が外旋し、足がO脚気味になってしまいます。また、腰痛を発症するリスクが高くなることも分かっています。特にデスクワークの方は、しっかりと大腰筋のストレッチをしましょう。
大腰筋のストレッチは、スプリットスクワットの動作を応用します。足を前後に開いて上体をまっすぐ下におろしたら、前の膝が90度、後ろの膝が135度の位置で30秒静止します。ふらついてしまうようでしたら、壁際で壁に触れながらおこなうとよいでしょう。
こんな足の付け根痩せ法は意味なし!
足の付け根痩せにはいろいろな方法がありますが、ダイエットを特集している雑誌やインターネット上のダイエットサイトには、全く意味のないダイエット法もあります。代表的なものを紹介しておきますので、参考にしてみてくださいね。
リンパマッサージ
足の付け根痩せについて調べると、リンパマッサージというものがよく表れます。リンパマッサージとは本来、がんなどの手術後にリンパの流れが滞ってしまっている人に対し、治療の一環としておこなわれるものです。
エステなどでおこなわれているリンパマッサージには、リンパの流れをよくするような効果はありませんし、そもそもリンパの流れとはとてもゆっくりなものです。
効果が表れないからとガシガシ強い力でマッサージされたところ、蜂窩織炎を起こしてしまったというような例もあります。リンパという言葉で説明されるダイエット法のほとんどは、効果がないと思って間違いありません。
痩身エステ
ダイエット目的で痩身エステに通われている方もいらっしゃると思いますが、残念ながらマッサージ行為には脂肪を燃焼させたり、セルライトを潰したりする効果はありません。
セルライトとは単なる皮下脂肪のことであり、セルライトを潰すのであれば、脂肪細胞を破壊することが必要となります。細胞を破壊するような行為は、国家資格を持った医師にしかおこなうことができません。
美容整形で脂肪を吸い出すのであればともかく、脂肪をもんだりつねったりしたところで、脂肪の燃焼がおこることはありません。もちろん、エステのリラクゼーション効果までをも否定するものではありません。
足の付け根を痩せるためには
足の付け根痩せについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。足の付け根に限ったことではありませんが、原則として痩せるためには食事制限と運動がセットとなります。無理な食事制限でリバウンドしないよう、長期的な展望のもと、ダイエットに取り組んでくださいね。