背中ダイエットの方法はいろいろありますが、ストレッチや肩甲骨はがしなどという方法で、本当に背中痩せは可能なのでしょうか。また、肩甲骨周りには褐色脂肪細胞があるので、肩甲骨を動かすことで痩せやすくなるなどといわれていますが、本当にそんなことが可能なのでしょうか。
普段から目につくような場所ではない背中ですが、気が付いたら肩甲骨が見えにくくなっているなんてことありますよね。夏になって水着を着たときに、意外と人の目が集まるのが肩甲骨周り。
肩甲骨がしっかりと浮き出ていると、それだけでも印象がよくなるものです。今回は、背中ダイエットを効果的におこなうための方法を厳選して4つ紹介していきたいと思います。
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背中ダイエットってなに?
今回の記事は背中ダイエットを特集しますが、そもそも背中ダイエットとはどのようなことをいうのでしょうか。
背中の脂肪を減らすこと
ダイエットには本来、規定食という意味があります。健康や美容を目的として、食事の量をコントロールしたり、食事内容を見直したりすることが、本来的な意味でのダイエットという言葉の用い方となります。
そういった意味では、運動をすることでダイエットとか、ふくらはぎダイエット、背中ダイエットなどという使い方は、本来であれば間違っているということになります。
ただ、日本人のほとんどはダイエットのことを「痩せる」という意味で用いています。そのため、本稿でもダイエット=痩せるという意味に解釈して、説明を進めていきたいと思います。
肩甲骨を美しく見せること
ダイエットを痩せるという意味でとらえるのであれば、背中ダイエットは「背中痩せをすること」という意味になります。そのためには、背中の脂肪を減らして、肩甲骨を美しく見せることが重要となります。
背中に脂肪がついて肩甲骨が見えなくなったり、見えにくくなったりしてしまうと、とてもスリムとは言えない体型になってしまいますからね。
背中ダイエットのウソ
背中ダイエットの方法はたくさんあるのですが、中には全く効果のないものもあります。その代表例を2つあげておきたいと思います。
ストレッチでは痩せない
背中ダイエットの方法として、ストレッチを上げている雑誌やインターネット上のサイトがありますが、ストレッチによって脂肪の燃焼がおこることはありません。
ストレッチとはそもそも、骨と骨とを結んでいる筋肉(骨格筋)の筋腹(きんぷく=二の腕でいえば力こぶに当たる場所)を進展させ、血行を促進したり柔軟性を高めたりすることを意味します。
ストレッチによって血行が促進されれば、新陳代謝が向上したり、怪我の予防をしたりする効果は得られます。ただ、血行が促進したからと言って、脂肪が燃焼することはありません。
このように説明すると、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な反論をされることがあります。血行がよくなれば睡眠の質が向上したり、自律神経のバランスが整ったりして、痩せやすくなるなどといったような反論です。
とはいうものの、やはり効率よくダイエットするという意味では、ストレッチによるダイエット効果は期待できないと結論付けるほかありません。
褐色脂肪細胞のウソ
肩甲骨周囲には、「褐色脂肪細胞」と呼ばれるタイプの細胞があります。褐色脂肪細胞は別名を「痩せ細胞」などと呼ばれており、体内の不要な脂肪を燃焼させる働きがあるといわれています。
そのため、肩甲骨を動かすようなストレッチ(肩甲骨はがしなど)をおこなうことによって、ダイエットが可能だといわれることがあるのです。
ただ、褐色脂肪細胞と呼ばれる細胞は確かに存在するのですが、赤ちゃんには多く存在するものの、成人になる頃には半分程度となることが分かっています。しかも、成人期以降、褐色脂肪細胞の量は減少の一途をたどります。
そのため、ダイエットをしようというくらいの年齢になると、ダイエットをするのに効果的なほどの量の褐色脂肪細胞が残存していないのです。ストレッチで痩せることはないということを、この事実が裏付けしてくれています。
背中ダイエットの方法その1・ぶら下がり運動
肩甲骨ダイエットをおこなう際には、ストレッチをおこなっていてもあまり意味がありません。では、どのようなことをおこなえば背中ダイエットができるのでしょうか。最初の方法は、ぶら下がり運動です。
ぶら下がり運動とは?
ぶら下がり運動とは、公園にある高鉄棒などにぶら下がるだけの運動です。肩甲骨や肩関節をストレッチしながら、背中や肩甲骨周りの筋肉に刺激を与えることが可能となっています。そのまま懸垂運動をすれば、さらに背中ダイエットの効果が高まります。
懸垂をするときには腕の筋肉を使うようなイメージがあるかもしれませんが、実は、懸垂をするときには腕だけでなく、背中や肩甲骨周り、さらに腹筋をも使うこととなるのです。そのため、懸垂運動をおこなうことによって、背中だけでなく上半身全体を引き締めることができるのです。
懸垂ができなくても、鉄棒などにぶら下がっているだけでも背中ダイエットの効果は得られます。なぜなら、自分の体重が腕や肩、背中などにかかることとなるからです。
また、ぶら下がり運動によって肩甲骨周りや肩関節がストレッチングされることによって、肩甲骨の前方へのスライドを改善することができます。いわゆる捲き肩といって、肩をすぼめたような不良姿勢の改善につながるという訳なのです。
ぶら下がり運動のメリットとデメリット
ぶら下がり運動のメリットは、簡単にできて怪我のリスクが低いということです。ダンベルや鉄アレイのようなウエイトを用いるトレーンニングではなく、自重を利用したトレーニングであるということがその理由となっています。
ぶら下がり運動のデメリットとしては、場所を選ぶということがあげられます。都合よく高鉄棒があればいいのですが、最近はそのような公園が減ってきているようです。
また、ぶら下がり健康器というアイテムがあるのですが、家の中におくと場所を取ってしまうため、最終的には物干しになってしまうことがよくあります。
背中ダイエットの方法その2・レッグスイング
背中ダイエットの方法としては、レッグスイングという手もあります。自宅でも簡単にできるエクササイズなので、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。
レッグスイングとは?
レッグスイングはその名の通り、足をスイングさせるエクササイズです。ヨガマットなどの四つん這いになり、膝を伸ばしながら片足を大きく後ろに振り上げます。その際、少し背中を反らすようにします。
さらにレッグスイングを効果的におこなうのであれば、左足を後ろに跳ね上げたときに、右手をまっすぐ前にのばすようにしましょう。これによって、さらに背中ダイエットの効果がアップします。
レッグスイングには、背中ダイエットの効果だけでなく、ヒップアップの効果も期待できます。また、腸腰筋のストレッチングも同様におこなわれることとなるため、姿勢の改善効果も得られますよ。
レッグスイングのメリットとデメリット
レッグスイングのメリットは、どこでも簡単にできるということです。場所を取らないので、自宅はもちろんのこと、出張先でも旅行先でもおこなうことが可能です。
また、運動強度がそれほど高くないいので、筋力の弱い女性や運動の苦手な女性でも、気軽におこなうことが可能です。自重を用いたエクササイズなので、怪我のリスクが低いというメリットもあります。
レッグスイングのデメリットはメリットの裏返しで、運動強度がそれほど高くないため、みるみる痩せるような効果は得られないということです。そのため、長期間にわたって継続することが肝心です。
背中ダイエットの方法その3・筋トレ
背中ダイエットの方法としては、筋トレもあげられます。筋肉の量が増えれば基礎代謝も向上し、結果として痩せやすい体質を得ることが可能となります。では、どのような筋トレ方があるのでしょうか。
背中ダイエットのための筋トレ法
背中ダイエットのための筋トレはいろいろな種類がありますが、もっとも簡単なのはダンベルなどのウエイトを用いた筋トレでしょう。
ベッドなどに片膝と片肘をついた状態で、反対の手に持ったダンベルなどを上下させます。これによって、背中の筋肉を鍛えることが可能となります。
また、腕を前方に大きく伸ばした状態からおこなう腕立て伏せ(スーパーマンプッシュアップといいます)をおこなえば、背筋を鍛えることも可能となっています。
筋トレのメリットとデメリット
筋トレのメリットとしては、筋力やアップによって基礎代謝の向上も可能だということがあげられます。基礎代謝とは、私たちが何も意識しなくても、1日の間に消費されるエネルギー(カロリー)のことを言います。
筋肉には関節を曲げる働きがありますが、その他にも体温を発生させたり、血液を心臓へと送り返したりする働きがあります。つまり、運動をしなくても、一定のカロリーは筋肉があるだけで消費されるということなのです。
筋肉が基礎代謝に占める割合は、およそ20%だとされています。また、1日の間に消費されるカロリーの内、基礎代謝の占める割合は、全体の6割から7割にも及ぶとされています。そのため、筋力がアップすれば、自然と痩せやすい体質になるのです。
筋トレのデメリットとしては、筋肉がそう簡単にはつかないということがあげられます。筋肉をつけるプロフェッショナルであるボディビルダーであっても、1年間につけられる筋肉はせいぜい1kgから2kgだといわれています。
だからと言って、悲観することはありませんし、筋トレをしない理由にもなりません。ダイエットをするときには、筋力アップとまではいかなくても、現在ある筋力を維持することが重要となるからです。
食事制限のみに頼ったダイエットが失敗しやすいのは、体重の減少とともに筋肉量も減っているからです。それによって、ダイエット前よりも太りやすい体質となってしまうのです。そのことからも、ダイエット中もある程度の筋トレをおこなうことが重要だといえます。
背中ダイエットの方法その4・糖質制限
背中ダイエットをするためには、食習慣の見直しも重要となります。特に気をつけたいのが糖質の摂取量です。
糖質制限とは?
糖質制限とはその名の通り、1日に摂取する糖質の量を減らすことを意味します。なぜ糖質制限が必要かというと、私たちが太ってしまうのは単なる食べすぎではなく、糖質の過剰摂取が問題だとされているからです。
私たちが摂取した糖質は、すい臓から分泌されるインスリンによって、脳や身体を働かせる際のエネルギーへと変換されます。糖質(炭水化物)がエネルギー源だといわれるのはそのためです。
ところが、糖質の摂取量が多すぎたり、食事にともなって血糖値が急激に上がりすぎたりすると、インスリンの糖質分解能力をオーバーしてしまうこととなります。
インスリン分解しきれなかった糖質は、非常時に用いられる予備のバッテリーとして、細胞内に蓄えられることとなります。その正体こそが脂肪という訳なのです。
現代人はそれでなくても、糖質を摂りすぎているとされています。まずは、1日の糖質摂取量を半分にすることから始めてみましょう。
先ほども述べたように、糖質(炭水化物)はエネルギー源でもありますから、まったく摂らないもの問題です。糖分が欠乏すると、些細なことに腹を立てたり、集中力が減退したりすることにもなりかねません。
糖質制限のメリットとデメリット
糖質制限ダイエットのメリットは、確実に体重を減らせるということです。血液中の糖質が減少すれば、運動による脂肪燃焼も効率よくおこなわれることとなります。
糖質制限ダイエット法のデメリットは、甘いものが好きな人にとっては、苦行ともいえるダイエット法だということです。どうしても甘いものがやめられない人は、その分、身体を動かすようにしてくださいね。
背中ダイエットで背中美人に
背中ダイエットの方法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。背中痩せをして肩甲骨が浮かび上がってくると、全体のシルエットもとても美しくなります。もう手遅れだとあきらめる前に、今回紹介したダイエット法を試してみてくださいね。