歯のホワイトニングの【メリットとデメリット】どちらが多い?

アメリカではあたり前のように普及している歯のホワイトニングですが、日本ではまだ一般的とはいえません。「興味はあるけど、どのホワイトニングがいいの?」と、二の足を踏んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、ホワイトニングのメリットとデメリットを比較した上で、どのようなホワイトニングを選べばいいのかアドバイスしたいと思います。

柴田はるひ
この記事の監修者
歯科衛生士
歯科医師として、30年近く審美治療にかかわってきて、治療後に患者様の笑顔がより輝いてくることに大きな喜びを感じています。 ホワイトニングや矯正治療後に、「これまでコンプレックスだった箇所が自慢の個所に変わった!」「よく笑うようになった!」など「患者さまの人生を変えることに貢献できた!」と思える瞬間が歯科医師としての一番の喜びだと思っています。最近心に残った言葉は「幸せ」には「人から与えられる幸せ」「自分の力で何かを得る幸せ」「他人に与える幸せ」の3種類あり、「他人に与える幸せ」を知っている人が最高の幸せ者である、という言葉です。 私も人生の折り返し地点を過ぎてきましたので、これからは「他人に与える幸せ」を日々実 践していきたいと考えています。 座右の銘は全ての人を尊重する、日々感謝です。 趣味は格闘技観戦、読書です。
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ホワイトニングとわたしたち

ホワイトニングのメリットとデメリットについて解説する前に、まずは私たちとホワイトニングとのかかわりについて説明しておきたいと思います。

日本でのホワイトニングの歴史

ホワイトニングにはいろいろなやり方があるのですが、代表的なものとして歯科医院でおこなわれあるオフィスホワイトニングと、自宅でおこなうことが可能なホームホワイトニングとがあります。

ホームホワイトニングの方が、少しだけ歴史が古く、1989年にアメリカでホームホワイトニング用の薬剤が販売され、日本では2001年になって初めて、厚生労働省によって第1号のホワイトニング剤が認可されることとなりました。

ただ、アメリカで販売されているホワイトニング剤は、有効成分の濃度が15%から20%と比較的高いのですが、日本では安全面を考慮して10%程度となっています。

オフィスホワイトニングはホームホワイトニングに遅れること2年、1991年になってアメリカで実用化されています。日本での実用化はホームホワイトニングよりも早く、1998年に第1号のオフィスホワイトニング用の薬剤が、厚生労働省によって認可されています。

遅れている歯科事情

日本は皆保険制など、医療という面でみた場合アメリカよりも進んでいる分野があります。ただ、歯の見た目の美しさと健康面についてはかなり遅れているのが現状です。

アメリカでは歯並びが美しく、輝くように白いことがコミュニケーションの基本と考えられており、子供の歯並びや歯の色を美しくするのは親の義務とさえ考えられています。

日本では歯が痛くなったら歯医者に行くことが多いですが海外では歯ブラシ以外のケアグッズを使うことが当たり前で歯医者に行くのはお掃除がほとんどです。

ホワイトニングとは?

ホワイトニングとは、直訳すれば「白くすること」を意味しますが、美容面では肌を白くすることや、歯を白くすることを意味しています。ここでは歯を白くするホワイトニングについてご説明します。詳しくはこちらもご覧ください。

オフィスホワイトニング

それでは次に、現在日本でおこなわれているホワイトニングには、どのような種類があるのかについて見ていきましょう。まずはオフィスホワイトニングから紹介していきたいと思います。

オフィスホワイトニングはデンタルオフィス=歯科医院でおこなうホワイトニングのことを意味します。歯の表面を曇りガラスのようにして中の黄ばみを見えにくくするホワイトニングです。

メリット

オフィスホワイトニングの最大のメリットとしては、歯科医院の歯科医や歯科衛生士といった、歯の治療の「プロフェッショナル」によっておこなわれるホワイトニングであるということがあげられます。

国家資格を持った医師によって、また、医師の指導のもと歯科衛生士によっておこなわれるホワイトニングであるため、その他のホワイトニングと比べた場合、安全性が高いということが可能です。

また、オフィスホワイトニングは即効性が高いというメリットもあります。1度だけホワイトニングをおこなっただけでも明らかに効果が実感できるくらい、歯を白くすることが可能です。

もちろん、何度続けておこなうことによってさらに歯を白くすることが可能ですし、効果を長持ちさせることも可能です。あと、オフィスホワイトニングは基本的に施術用の椅子に座って口を開けているだけでいいので、面倒がないということもメリットとしてあげられます。

デメリット

オフィスホワイトニングのデメリットは、ほかのホワイトニング法と比較した場合、治療費が高額になってしまうということです。

日本では、審美目的の歯の治療に対して保険の適用がされません。そのため、ホワイトニングに関しては原則として施術費用が全額自己負担となります。

審美目的の治療をおこなっている歯科医院の多い都市部では、患者さんを獲得するために価格競争が起こっており、施術費用も比較的安くなっているところがあります。

逆に、都心部など地価の高い場所やおしゃれな場所では、富裕層を見込んで価格設定を高く、技術を売りにしているようなところもあります。

オフィスホワイトニングのデメリットとしては、即効性がある代わりに持続性に欠けるという点もあげられます。ホワイトニングすべてに言えることですが、効果が永遠に継続するわけではありません。

ちゃんとしたところでオフィスホワイトニングを医師の指導通りおこなった場合、半年から1年程度は効果が継続するということですが、定期的にメンテナンスを受ける必要があります。

デメリット解消法

オフィスホワイトニングのデメリットとして、施術費用が高くつくということがあげられていました。このデメリットを解消するために、自宅でおこなうホワイトニングを併用するという手があります。詳しくは、次のホームホワイトニングの説明をご覧になってみてください。

また、オフィスホワイトニングには即効性がある代わりに持続性に欠ける部分があるということでしたが、それに関してもホームホワイトニングの併用によって解消することが可能となっています。

結果

ホワイトニングをするときに、オフィスホワイトニングを選択するのはごく一般的なことと言えます。なによりも、医師や歯科衛生士といったスペシャリストがおこなってくれるので、確実に歯を白くすることが可能となっています。

ある程度金銭面に余裕があって、安全性を求めるような場合はオフィスホワイトニングを選ぶのが賢明だと言えそうです。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングはその名の通り、自宅でおこなうことのできるホワイトニングのことを言います。とは言うものの、勝手にホワイトニング剤を買ってきてホワイトニングをおこなうのではなく、医師の指導の元でおこなうことが重要となります。

ホームホワイトニングをおこなう際には、まず専用のマウスピースを作ります。なぜなら、ホワイトニングをおこなうときには、マウスピースにホワイトニング剤をつけた上で、歯に装着することとなるからです。

その際に薬剤が漏れ出してしまうと、歯ぐきが痛んだり、歯がしみたりする原因となってしまいます。歯の形状や大きさ、歯並びは人によって異なるため、マウスピースもオーダーメイドにする必要があるのです。

マウスピースは通常1週間程度で出来上がるということです。マウスピースができたらいよいよホームホワイトニングの開始です。ホワイトニング剤をマウスピースにつけて、それを歯に装着します。それによって有効成分が歯に浸透していき、黄ばみの原因である内部の象牙質を徐々に白くしてくれるのです。

メリット

ホームホワイトニングのメリットとしては、歯科医院に通う面倒さがないということがあげられます。自宅で簡単に取り組むことが可能なので、誰にも知られずにホワイトニングをすることもできます。

また、いったんマウスピースを作ってしまえば、あとはホワイトニング用の薬剤だけを追加購入すればよいため、施術費用を抑えることも可能となっています。

さらに色持ちが良く奥歯までホワイトニングすることも可能です。

デメリット

ホームホワイトニングのデメリットとしては、オフィスホワイトニングと比べると即効性に欠けるということがあげられます。最低でも2週間から1ヶ月程度は継続してホームホワイトニングをおこなうことが必要とされています。

さらに自分で行うのが面倒な方にはデメリットと言えます。また、マウスピースを1回1回丁寧に洗って清潔に保っておく必要があります。

デメリット解消法

ホームホワイトニングは基本的に、長期間にわたってホワイトニングをおこなうことで、歯の白さを長持ちさせることを目的としています。つまり、即効性の求められるオフィスホワイトニングとはそもそも目的が異なっているのです。

ホームホワイトニングをおこないながら即効性も欲しいという人は、ホワイトニングとオフィスホワイトニングとを並行しておこなうとよいでしょう。

また、ホームホワイトニングは継続しておこなうのがポイントとなっていますが、それが面倒くさいというかたもいらっしゃることと思います。

ただ、実際にやってみると面倒くさく感じるのは最初の数日間だけで、そのうちに慣れてくればやるのが当たり前のような感じになってきます。まずは1週間続けてみましょう。

結果

ホームホワイトニングには、オフィスホワイトニングにはない持続性を得られるというメリットがあります。また、施術費用も抑えることが可能なので、歯を長く白く保ちたいという人にはおススメのホワイトニング法だということが可能です。

デュアルホワイトニング

デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を並行しておこなうホワイトニング法のことを意味しています。

外側と内側から両方白くできるホワイトニングになります。

メリット

デュアルホワイトニングのメリットは、即効性と持続性の両方を得ることができるという点にあります。つまり、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングのメリットだけが得られる施術法だと言えるのです。

さらにホワイトニングの方法としてはこの方法が一番白くすることが可能になります。

デメリット

デュアルホワイトニングのデメリットはズバリ、施術費用が高くつくという点です。オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの施術費用を合わせたものが必要となるため、あたり前といえばあたり前と言えます。

デメリット解消法

デュアルホワイトニングのデメリットを解消するためには、早く歯を白くしてしまうことです。そうすることによって歯の白い期間が長くなり、時々メンテナンスをおこなうだけでよくなります。

できるだけホームホワイトニングを休まず行うことで早く白くすることができます。

結果

「歯を速攻で白くしたい、そして効果も長持ちさせたい、しっかり白くしたい」というかたは、はじめからデュアルホワイトニングを選択するとよいでしょう。初期投資は必要となりますが、その分の見返りも大きいと言えます。

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングというと、自宅でできるホワイトニングと思ってしまいがちですが、実はそうではありません。セルフホワイトニング専門店に行って、自分でおこなうタイプのホワイトニングのことです。

例えて言うなら、セルフのガソリンスタンドに行って洗車をしたり、ガソリンを入れたりするようなものです。なぜそのようなことをおこなうかというと、職業として口腔内を見ていいのは国家資格を持つ医師や歯科衛生士だけだからです。

メリット

セルフホワイトニングのメリットは、なんと言っても費用が安く済ませられるという点です。安いところでは、1回あたり2,000円程度でおこなえるお店もあります。

デメリット

セルフホワイトニングのデメリットとしては、歯を白くする効果が低いということがあげられます。歯科医院で使われるホワイトニング剤には過酸化水素や過酸化尿素が含まれていますが、これらは一般の人が扱ってはならない成分です。

そのため、セルフホワイトニングをおこなうお店では、ポリリン酸という化粧品扱いされる成分を配合したホワイトニング剤を使うのですが、ポリリン酸には歯の表面の汚れを落とす効果があるものの、歯を白くする効果はありません。自分で歯磨きをするよりはキレイになるといった程度の認識でよいのではないかと思われます。

デメリット解消法

セルフホワイトニングデメリットを解消するには、定期的に審美目的の歯科医院でメンテナンスをしてもらうとよいでしょう。時々、自分の歯がどれくらいの白さなのかを確認しておくことが重要です。

結果

セルフホワイトニングは、どちらかというと歯を白くするための施術法ではなく、歯の白さを長持ちさせるための施術法であると言えます。普段からホワイトニングで歯を白くしておき、セルフホワイトニングで効果を長持ちさせるとよいでしょう。

本質的なメリットデメリット

ここまで、ホワイトニングの種類とそのメリット、およびデメリットについて見てきました。では、ホワイトニングをおこなう本質的なメリットとデメリットはなんなのでしょうか。

歯が黄色いとデメリットだらけ

ホワイトニングをおこなう前提として、歯が黄色くなっているということがあげられる訳ですが、歯が黄色くて得をするようなことはまずありません。

笑ったときに歯が黄色いと、それを見た相手に不快感を与えることもあるでしょうし、自らのコンプレックスともなりかねません。また、ちゃんと歯を磨いていないだらしない人間だと思われる可能性もあります。

歯が白いとメリットしかない

歯が白いと見た目的にメリットがあることは何となくわかるかと思います。歯が白いだけで実年齢より若く見えますし相手に清潔感を与えます。お化粧もとても綺麗に映えます。

さらに歯が白いだけで自信をもって話すことができて口を大きく開けて笑え、周りからも褒められて自分に自信がつきます。

日本人のホワイトニング経験者はまだ10%くらいと言われています。もっと沢山の方にホワイトニングによるメリットを感じていただきたいですね。

歯を白くしてより充実した人生を!

日本ではまだ一般にまで普及しているとは言えないホワイトニングですが、歯を白くすることにはたくさんのメリットがあります。費用対効果を勘案したうえで、あなたに合ったホワイトニング法を試してみてはいかがでしょうか。