太ももの外側が太くなってしまうと、見た目が悪くなったり、これまで履けていたパンツがはけなくなったりするなど、さまざまな不都合が生じます。そこで、今回は太ももの外側が太くなる原因について追及し、それによって、その人にあった太ももの外側痩せの方法を紹介します。
太ももとは、太いことからその名前が付けられているのですが、女性にとっては気になる場所の1つでもありますよね。特に、それほど太っていないのに太ももの外側が目立つ場合、どのような原因があるのでしょうか。今回は、太ももの外側が太くなる原因を究明するとともに、原因別の対処法について解説したいと思います。
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太ももの外側が目立ってしまう理由
太ももの外側痩せの方法を紹介する前に、まずは太ももの外側がなぜ太くなってしまうのか、もしくは太く「見えて」しまうのかについて知っておきましょう。原因によって対処法が異なってきますからね。
筋肉の緊張
太ももの外側が太く見えてしまう原因としては、太ももの外側の筋肉が緊張していることがあげられます。分かりやすく言えば、太ももの外側の筋肉が「こっている」ということです。
太ももには、大腿四頭筋と呼ばれる太ももの前側にある筋肉群と、ハムストリングスと呼ばれる太ももの裏側にある筋肉群の他、内転筋や薄筋など多数の筋肉で構成されています。
中でも、太ももの外側が太く見えてしまうような場合、大腿四頭筋の緊張している可能性があります。大腿四頭筋は大腿直筋、中間広筋、外側広筋、縫工筋の4つの筋肉で構成されています。
中でも、太ももの外側が太く見えるような場合、外側広筋に緊張の出ている可能性が高いです。「コリ」というと肩コリや首のコリをイメージされる方も多いかと思いますが、筋肉である以上、どこの筋肉であってもこる可能性はあります。
太ももの外側の筋肉が固くなっていると、「筋肉がついている」などと思いがちですが、実際にはコリによって固くなっているというケースが多いのです。
バランス状態の悪化
太ももの外側が太く見えてしまう原因としては、バランス状態が悪化していることもあげられます。特に、骨盤が後ろに傾いて猫背気味になっている人に、そのような傾向が見られます。
骨盤が後ろに傾いてしまう原因としては、大腰筋の緊張がその一因にあげられます。大腰筋は、腰と股関節をお腹側で結んでいる筋肉です。
長時間のデスクワークなど、同一姿勢でいる時間が長いと、この大腰筋が緊張して(こって)しまい、腰の骨と股関節を引っ張ることで、姿勢が前傾するのです。
また、大腰筋が緊張して股関節を引っ張ると、股関節が外旋することも分かっています。外旋とは外側に開いてしまうことを意味しますが、そのような状態になると、足がO脚気味になってくるのです。
O脚になると、足の外側に負荷がかかることとなるため、太ももやふくらはぎの外側の筋肉が緊張しやすくなり、結果として脚が太く見えてしまうのです。
特別に太っている訳でもないのに、椅子に座った際、両膝を合わせられないとか、内ももが付かないなどという場合は要注意です。
太っている
太ももの外側が太く見えてしまうもっとも単純な理由としては、単に太っているということがあげられます。
下半身には全身の70%もの筋肉が集中しており、中でも臀部や大腿部には大きな筋肉がたくさん付着しています。筋肉と体脂肪とは反比例の関係にあり、筋肉量が減少すると、体脂肪率は増加することとなります。
臀部や大腿部には大きな筋肉があることから、逆に体脂肪が付きやすい場所でもあるのです。お尻や太ももの太さに悩まされる方が多いのは、そのせいでもあるのです。
血行不良
太ももの外側が太く見えてしまう原因としては、血行不良も考えられます。特に、冷え症の女性などは、血行不良によって太ももにむくみが出て、結果として太ももの外側が太く見えていることも考えられます。
みなさんは「足は第2の心臓」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。筋肉には、関節を動かす働きだけでなく、身体の熱を産生したり、血液を心臓に送り返したりする働きもあるのです。
なぜなら、心臓には血液を全身へと送りだす働きしかないからです。そこで、全身の筋肉が収縮することで、血液を心臓へと送り返すサポートをしているのです。このサポート機能のことを「筋ポンプ」と呼んでいます。
特に、足の筋肉は重力に逆らって心臓へと血液を送り返さなければならないことから、全身の血液循環に重大な影響を及ぼすのです。
女性に冷え症やむくみ、下肢静脈瘤などが多いのは、男性に比べると筋力が弱かったり、筋肉量が少なかったりすることが原因だと考えられています。
もちろん、男性であっても運動経験がなかったり、運動不足が続いたりすることによって筋肉量が減少し、冷えやむくみなどが現れる可能性もあります。
顔や手に比べて足にむくみが出やすいのは、足が心臓からもっとも離れた位置にあるからです。そのため、寝ることでむくみが解消されることも多いのです。
太ももの外側痩せその1・筋緊張を緩和する
太ももの外側が太く見えてしまうのには、実にさまざまな原因のあることが分かって頂けたことと思います。それでは、原因別に太ももの外側痩せの方法について解説していきたいと思います。
ストレッチ
太ももの外側の筋肉が固くなって、太く見えてしまっているような場合、ストレッチをおこなうことで、筋肉を緩めてあげるとよいでしょう。
まず床に足を投げ出すような状態で座り(長座)、そこから片方の膝を曲げて、つま先をお尻の横に盛ってきます。両手を後ろについて、ゆっくりと上体を後ろへと倒していきましょう。
可能であれば、そのまま仰向けになっても構いません。無理なようでしたが、少しずつ両手を後ろにずらして、上体に角度を付けていきましょう。太ももの外側が気持ちよく伸びていればオーケーです。
温める
太ももの外側が緊張して固くなっていたり、冷えていたりする場合、温めてあげることによって筋緊張や冷えを緩和することが可能です。
もっとも簡単な方法は、お風呂にゆっくりと浸かることです。お風呂に浸かると、体が温まるだけでなく、リラックスすることで副交感神経が優位になります。
副交感神経が優位になると、血管が拡張して、血液の循環がよくなります。睡眠の質も高くなるので、シャワーだけで済ませずに、湯船に浸かるようにしましょう。
マッサージ
太ももの外側が固くなっている場合や、冷えてしまっている場合には、マッサージも効果的です。お風呂上がりにクリームを塗りながらおこなうとより効果的です。
自分では難しいという場合は、マッサージ屋さんやエステ、整体などで施術を受けるのもよいでしょう。ただし、マッサージによって脂肪が燃焼するようなことはありません。
あくまでも、血行がよくなることで筋肉の緊張が緩和するだけです。根本的な太ももの外側痩せにはならないことも忘れないで下さいね。
太ももの外側痩せその2・バランス状態の改善
O脚など、身体のバランスが乱れることによって太ももの外側が太く見えているような場合は、バランス状態を改善することが重要です。そのためには、以下のようなことをおこなうとよいでしょう。
O脚矯正
O脚が目立つような人は、整体やカイロプラクティックなどでO脚矯正を受けるというのも1つの手です。ただし、矯正によって改善できるタイプのO脚と、改善出来ないタイプのO脚があります。
見極め方はとても簡単です。足の裏がしっかりと床に就く状態で、膝を90度に曲げて椅子に座ります。上から見て、すねの骨の中央が外側をむいている場合、残念ながら矯正をしても元には戻りません。
スプリットスクワット
自分でバランス状態を改善する方法としては、スプリットスクワットと呼ばれるエクササイズをおこなうという手もあります。
スプリットスクワットは、脚を左右に開いておこなう通常のスクワットとは異なり、脚を前後に開いておこなうという特徴があります。若干のバランス感覚は要求されますが、筋力の弱い女性でも可能なエクササイズなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
スプリットスクワットをおこなう際には、まず脚を前後に開きます。その状態から、前になった方の足の膝が90度、後ろになった方の足の膝が135度になるよう、上体をゆっくりと下ろしていきます。
もし、前になった方の足の膝を曲げたときに、膝頭がつま先より前に出てしまうようであれば、ストライドが狭い証拠です。もう少し足を前後に開くようにしてください。
実際にスプリットスクワットをやってみると分かりますが、慣れないうちは、上体を下げるときに、左右にふらつくことと思います。それが、バランス状態の悪化している証拠です。
スプリットスクワットを繰り返すことによって、徐々にふらつかなくなり、バランス状態が安定してきます。スプリットスクワットは、下半身痩せや姿勢の改善にも効果的なので、おススメのエクササイズとなっています。
かかとの上げ下げ
バランス状態を改善するために効果的なエクササイズとしては、つま先立ちになってかかとの上げ下げをおこなうという手もあります。ただし、いくつかポイントがあるので解説しておきます。
かかとの上げ下げをおこなう際には、まず、肩幅程度に両足を開きます。その際、足がカタカナの「ハ」の字にならないよう、平行にするのがポイントです。
足がハの字になった状態でかかとの上げ下げをおこなうと、太ももやふくらはぎの外側に負荷がかかることとなるので、逆効果になりかねません。
また、足を平行にしてかかとの上げ下げをおこなっているつもりでも、気が付いたら足がハの時に戻っているというケースもよくあります。常に足の平行を気にしながら、かかとの上げ下げをしましょう。
かかとの上げ下げもやってみると分かりますが、足を平行にした状態でかかとをあげた場合、慣れないと前後左右にふらつくことと思います。それもバランス状態が悪化している証拠です。
慣れてくるとだんだんふらつかなくなってきます。かかとの上げ下げには、ふくらはぎの筋肉を刺激して、むくみを解消する効果もあります。
かかとの上げ下げをおこなう時間は、2分程度を目安にするとよいでしょう。わざわざ時間を設けておこなわなくても、歯を磨きながらおこなうなどするといいですよ。
太ももの外側痩せその3・脂肪を燃焼させる
太っていることが原因で、太ももの外側が太くなっているような場合、根本的に解決する必要があります。その方法としては、有酸素運動と糖質制限があげられます。
有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉に軽度から中等度の負荷をかけつつ、長時間に渡っておこなう運動のことを言います。有酸素運動の代表的なものとしては、ジョギングやランニング、ウォーキングなどがあげられます。
有酸素運動をおこなうと、最初に血液中の糖質が燃焼して、運動エネルギーへと変換されます。糖質を使いつくすと、次に体脂肪が燃焼して、運動エネルギーへと変えられることとなります。
数ある運動の中でも、有酸素運動が脂肪を燃焼させるのにもっとも効果的なのは間違いありません。さらに脂肪燃焼効果を高めたいのであれば、有酸素運動をする前に筋トレをおこなっておくとよいでしょう。
筋トレのような無酸素運動をおこなう場合、血液中の糖質がエネルギーとして用いられます。そのため、無酸素運動の後に有酸素運動をおこなうと、脂肪の燃焼がすみやかに始まるのです。
「でも、仕事が忙しくて運動に割く時間がない」というような方は、日常のルーティンに有酸素運動を組み込むようにしましょう。
例えば、職場や駅まで自転車で言っているのであれば、歩いて行くようにするとよいでしょう。また、エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を使うようにするのも効果的です。
「それくらいで、どの程度の効果があるの?」と思われるかもしれませんが、1年に換算すると膨大な消費カロリーとなります。理屈で考えるより、まずは、身体を動かすことから始めましょう。
糖質制限
脂肪の燃焼効果を高めるためには、これ以上、身体に脂肪が付着しないようにすることも重要です。そのための効果的な方法として、糖質制限があげられます。
糖質は脳や身体が働く際のエネルギー源なので、ある程度の摂取は欠かすことができないのですが、過剰に摂取してしまうと、身体に脂肪をため込む原因となってしまうのです。
まずは、自分が1日にどれくらいの糖質を摂取しているのか、食べたものを書きだしてチェックしてみましょう。そして、1日に摂取する糖質の量をまずは半分に減らすとよいでしょう。
太ももの外側が太く見える場合は3つ
太ももの外側痩せについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。太ももの外側が太く見える場合、そのほとんどが筋緊張や脂肪の付着、むくみなどによるものです。筋肉がついて太く見えているようなことはほとんどありません。だから、安心してエクササイズに取り組んでくださいね。