妊娠超初期の女性の肌は、たくさんのトラブルに見舞われます。肌に吹き出物やニキビが現れたり、乾燥やくすみが続き、不安になることもあるでしょう。肌荒れや不調の原因は、妊娠によるホルモンバランスの変化です。この時期特有の肌ですので、長く続くわけではないので安心しましょう。妊娠超初期に現れる兆候をしっかりと知り、今の肌状態に合ったスキンケアをすることが大切です。
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妊娠超初期とは妊娠0〜4週間のこと
妊娠超初期とは医学的に言われている言葉ではありません。この期間はまだ妊娠したかどうかの自覚症状はなく、妊娠検査薬でも陽性反応になる前の段階です。妊娠0週は最終生理期間を示し、1ヶ月を28日と計算して妊娠10ヶ月、つまり40週を出産予定日とカウントします。妊娠がわかるプロセスを簡単にご説明しましょう。
受精卵が子宮に到達して子宮膜に着床し始めると、一週間ほどかけて完全に着床が完了します。着床が始まると、女性の体内にはhCG(ヒト絨毛生ゴナドトロピン)というホルモンが分泌し始めます。妊娠検査薬は、このhCGに反応をする仕組みになっており、尿の中のhCGの値が50mlU/mlを超えると陽性反応を示します。
早い人で、次の生理予定日2日前頃から反応がでますので、自分自身の体が妊娠したことがわかるでしょう。このように妊娠超初期の女性は、自分の体に起こっている変化を調べることができないため、次の生理がこないことで始めて妊娠の可能性を考えます。
妊娠を望んでいる方の場合は、はっきりとした自覚がなくても体を十分にいたわり、お酒やタバコはやめ、不摂生な生活にならないように過ごしましょう。
妊娠超初期症状と妊娠兆候について
妊娠超初期症状について
妊娠超初期の段階でまず最初に起こる症状には、着床出血が考えられます。次の生理がはじまる少し前に、少量の出血がみられることがあります。
これは一回で終わってしまう方もいれば、数日間続くこともあり、次の生理がきたと勘違いしてしまうこともよくあります。妊娠超初期症状としては、とても早い方で妊娠3週目頃になると感じることがあります。着床出血をはじめ何かしらの兆候があらわれるのです。
次の項目で、よくある超初期の兆候について例をあげてみましょう。
妊娠兆候について
これからご紹介する例は、妊娠が原因でホルモンのバランスが変化することによって現れる兆候です。どんな兆候が現れるかには個人差があります。
- 体温の上昇
妊娠の超初期症状のなかで、一番個人差がなくわかりやすいのが体温です。基礎体温をつけていれば、排卵から生理までの期間は、体温が高くなる高温期に入ります。月に一度、正確に生理がくる場合の高温期の期間は約2週間です。
生理予定日が過ぎても生理がこない、高温期が続いている場合は、妊娠している可能性が高いと言えるでしょう。 - おりものの状態に変化が出た
ホルモンバランスで左右されやすいおりものは、色や質がいつもとちがって来ることがあります。 - 下腹部痛
生理痛と似たような痛みや、下腹部の違和感を感じる場合があります。ちょうど次の生理が始まる頃と同じ時期のため、生理痛なのか妊娠の超初期症状なのか判断が難しい兆候でもあります。 - トイレが近くなる
妊娠中は膀胱の働きが活発になるため、普段より頻尿になる方も増えます。 - おなかや胸の違和感
お腹のあたりにちょっとしたハリ感を感じたり、子宮がピクピクするといった体感をする方もいます。
また、胸に関してもいつもと違うハリを感じたり、違和感や痛みを感じることがあります。超初期の段階でも、子宮と胸は赤ちゃんを迎えるために変化しはじめているのです。 - だるさや眠気
体温の高い体調が続くため、風邪をひいたかもと勘違いしやすいでしょう。だるさや眠気は、妊娠によって女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが増えていることによって起こります。
頭がクラクラしたり、頭痛や腰痛など体の不調を感じる妊婦さんはとても多くいます。妊娠の可能性がある場合は、薬の服用などに注意が必要なので、医師に相談することをおすすめします。 - 便秘や下痢、おなら
妊娠超初期には、便秘、下痢、ガスがたまりやすいなど、お腹の不調を感じる方もいます。ホルモンバランスの影響や子宮が少しずつ大きくなることで、お腹の状態に変化が現れます。 - ちょっとしたことでイライラ
妊娠超初期は、もうひとつの女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が少なくなるため、感情の起伏が激しくなる兆候が見られます。すぐに涙もろくなったり、ちょっとしたことで怒ったり、落ち込んだりと情緒が不安定になりやすくなります。
妊娠超初期の肌荒れの症状
妊娠することで、今までなかった肌のトラブルに悩まされる方もいます。
原因はホルモンバランスによるものが大きく、主に次のような症状が起こることがあります。
乾燥、かゆみ
妊娠した女性の体は、プロゲステロンの分泌が増えることで、男性ホルモンの分泌が減少します。
これを妊娠皮膚掻痒症(にんしんひふそうようしょう)と言い、蕁麻疹のような肌荒れです。
とても激しいかゆみを感じることもあり、水ぶくれや赤い紅斑などが主な症状です。お風呂上がりや、ベッドに入ってしばらくした時など体温が温まった状態になると、ムズムズとかゆみが出やすくなります。
ニキビ、吹き出もの
ニキビや吹き出物ができる原因にも、プロゲステロンの分泌の増加が関わっています。生理前にもプロゲステロンは増えるので、生理前にニキビができやすくなるのと同じ理由です。プロゲステロンには、肌の新陳代謝を滞りやすくする働きがあるため、角質層のターンオーバーが鈍くなります。さらに皮脂分泌を増やす作用もあるので、ニキビや吹き出物が出やすくなるのです。
妊娠超初期に肌荒れになる原因
これまで妊娠超初期に起こりやすい体と肌の兆候を見てきた中で、ホルモンバランスが常に大きな影響を及ぼしていることがわかりましたね。妊娠超初期は生理前と同じ体の状態になるので、増加したプロゲステロンが肌の不調の原因となります。
プロゲステロンがもたらす肌の作用をまとめてみましょう。
- 皮脂の分泌を促す
皮脂が過剰に分泌すると、ニキビ、吹き出物、毛穴の汚れや詰まり、肌のくすみを引き起こします。 - コラーゲンの生成を抑制する
お肌の弾力繊維であるコラーゲンが少なくなると、肌のハリが低下し、バリア機能が低下します。このことが乾燥や敏感肌の原因にもつながります。 - 新陳代謝が悪化する
体と同様に新陳代謝が低下した肌は、角質が厚くなり、ザラつきを感じます。また水分代謝も落ちるので、むくみやすかったり、肌のツヤも落ちます。
このことから、もうひとつの女性ホルモンであるエストロゲンによって、女性の美しさは大きく支えられていることがわかりますね。
妊娠超初期の肌荒れの対策
妊娠超初期には一旦少なくなるエストロゲンですが、しっかりと着床が成立し、妊娠状態に入ると、徐々に分泌は増えていきます。エストロゲンには、女性の肌や髪のツヤをよくしたり、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力線維を増やし、水分量を良い状態にするなど、たくさんの美肌効果を発揮する力があります。
また、心のバランスの調和にも働きかけるので、自律神経のバランスが安定し、心が穏やかになる作用もあります。妊娠超初期の荒れやすい肌状態が、この先ずっと続くわけではありませんので安心してください。
つわりなどが始まる妊娠中期には、肌荒れが落ち着く方が多いようです。それまでの間、しっかりと保湿して、肌を乾燥から守ることが大切です。
肌荒れしやすいこの時期は、低刺激で肌にやさしいものでスキンケアをするようにしましょう。また、バランスのとれた食事、質の良い睡眠は、赤ちゃんのためにもとても重要ですので、規則正しい生活を送ることが重要です。
妊娠超初期の肌荒れのまとめ
毎日忙しく仕事をしている女性にとって、生理周期の乱れはさほど珍しいものではないかもしれません。体の疲れやストレスが続くと、生理日が数日前後することはよくあることです。妊娠したかどうかをしるには、やはり基礎体温をつけておくことが一番です。
最近ではアプリで管理し、そのまま産婦人科のデータとしても利用できるものもあります。普段の自分の体調を管理しておくと良いでしょう。
さらにその時々の肌荒れの様子や、体調の変化もメモをしておけば、今までにない兆候が現れることで、いち早く妊娠の可能性に気づくことができます。こうすることで、無理をしない、薬を飲まない、お酒や夜更かし、食事の仕方など、早いうちから赤ちゃんのために整えてあげることができるのです。