プルーンはドライフルーツで食べることがおおいですが、本当はどんなフルーツなのかは知っていますか?その栄養価に注目があつまって一部ではスーパーフードともいわれています。そんなプルーンですが便秘に効果はあるのでしょうか?
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プルーンの便秘を改善する3つのポイント
プルーンといえば便秘に効くたべものとして昔から人気があります。単なるドライフルーツのようにしか見えないプルーンですが、なぜ便秘を改善する効果があるのでしょうか?その栄養素とはたらきの面から紐解いていきます。
食物繊維
プルーンには食物繊維がたっぷりと含まれています。食べると少し硬い歯ごたえと、繊維が伸びるような食感がありますが、それの正体が食物繊維です。食物繊維には、水溶性と不溶性があり、どちらも腸をきれいにして腸内環境を整えるはたらきがあります。
干しプルーンの食物繊維量(可食部100gあたり)
水溶性食物繊維・・3.3g
不溶性食物繊維・・7.7g
食物繊維の含有率
干しプルーン・・13%
生プルーン・・ 17%
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は1:2のバランスが最も理想的な割合だといわれていて、まさにこのプルーンはその黄金比率です。プルーンに含まれる代表的な食物繊維はペクチンです。
どちらの食物繊維も同時に摂れるので、食物繊維不足の現代人にはありがたい食品といえますね。
ソルビトール
プルーンには15%の割合でソルビトールが含まれています。ソルビトールは水分を保持するはたらきをもつ糖類です。また、腸管を刺激するはたらき、便を出す緩下作用もあるため、医薬品としても活用されているほどです。プルーンを食べるとおなかがゆるくなるのは、ソルビトールの作用も少なからず関係していると考えられます。
抗酸化作用
果物や野菜などの植物が自分を環境変化から守るためにもっているポリフェノールには抗酸化作用があります。この抗酸化作用にはヒトの酸化ストレスによるダメージを防ぐはたらきがあります。
プルーンは実は抗酸化力が強い食品で、他のアルファルファやケール、ブルーベリーなどと比べても群を抜いています。
<プルーンの抗酸化成分>
ネオクロロゲン酸、ヒドロキシクロロゲン酸 など
抗酸化作用は細胞のダメージを抑え、炎症を防ぐなどの作用があるため、腸の粘膜細胞を健康な状態に保ってくれます。抗酸化作用そのものに直接排便を促す効果はありませんが、腸の働きや状態を改善することで健康な腸を維持することに役立ちます。
プルーンってどんなもの?
プルーンについて、あなたはどれくらい知っているでしょうか?なんとなく昔から身近にあるけれど、元はどんなフルーツでどんな食材か知らないことも多いはずです。プルーンについて、もう少し知っておきましょう。
すももの仲間
プルーンはもともとはすももと同じです。生のすももを「プラム」、乾燥したものを「プルーン」と呼んでいます。日本のすももとヨーロッパのすももは別のもので、西洋すももはプルーンともよばれます。
乾燥プルーンにむいている糖度の高いプラムはプルーンプラムとも呼ばれます。ちょっとややこしいですが、すももの仲間だということを理解しておきましょう。
ドライフルーツやペーストが多い
プルーンは生のすももとして出回ることもありますが、一番身近なのはドライプルーンではないでしょうか。ドライプルーンは甘いですが、特に糖を加えているわけではなく、そのまま乾燥させて作られています。乾燥させると水分がなくなるぶん、甘さや美味しさがぎゅっと濃縮されます。
また、ミキプルーンに代表されるようなペースト状のタイプも馴染み深いプルーン商品です。独特な風味がありますが、プルーンの成分を余すことなく摂取できて取り入れやすい形状が人気です。
機能性食材
プルーンは機能性食材であり、食べることで日々の健康管理に役立ちます。プルーンには次のような機能があります。
・ビタミンA
肌の再生を促す脂溶性ビタミン。身体の成長、歯の健康、生殖においても欠かせなません。
・鉄分
血液中のヘモグロビン(ヘム鉄)の構成要素で酸素と結びついて全身へ酸素を運びます。女性の貧血予防にもプルーンは役立ちます。
・カリウム
筋肉の収縮、水分バランスの調整など生きるために欠かせないミネラル分。汗をかくと失いがちになるため、熱中症予防にも役立ちます。
他にもさまざまな機能をもたらしてくれる栄養素をたっぷり含んでいます。次の章でそれぞれの栄養について深く掘り下げていこうと思います。
・抗菌作用
プルーンには抗菌作用があることが報告されています。肉にプルーンを混ぜたところ病原菌を抑える働きがあることがわかりました。ハンバーグなどを作るときに1.5-3%程度混ぜ込んでおくと、菌の繁殖が抑えられるようです。
プルーンの嬉しい栄養価
いろいろな機能を持っているのはプルーンに多様な栄養素が含まれているからです。それぞれのビタミンとその含有量について見ていきましょう。
ビタミン
先に説明したビタミンA以外にも、ビタミンが含まれています。
ドライプルーン100gあたり
ビタミンA(カロテン) | 1300μg |
ビタミンE | 1.7mg |
ビタミンB1 | 0.07mg |
ナイアシン | 2.2mg |
ビタミンB6 | 0.34mg |
ビタミンEは血流をよくして冷えを改善したり、血液をさらさらにする働き、抗酸化作用があります。ビタミンB1は脂質代謝を促し、ビタミンB6はアミノ酸の代謝や神経伝達に欠かせないビタミンです。
ミネラル
ミネラル分は電解質とも呼ばれ、生体機能を維持するために必要です。ミネラルにはさまざまな種類がありますが、次のようなミネラルがプルーンには豊富に含まれています。
ドライプルーン100gあたり
ナトリウム | 1mg |
カリウム | 480mg |
カルシウム | 39mg |
マグネシウム | 40mg |
リン | 45mg |
鉄 | 1.0mg |
特に多いのがカリウムで上でも紹介していますが、血圧を適正に保つ、むくみを予防する、脱水症状を防ぐなどの役目があります。ただし、カリウムは腎機能が低下している方は摂取制限されることがあります。腎臓の病気を治療中の方は医師に確認しておくと良いでしょう。
葉酸
水溶性ビタミンの1種で、ほうれん草などの葉物に多く含まれます。葉酸は心臓病や脳卒中予防に役立つ成分で、また、妊産婦においても胎児の発育のために欠かせない栄養素です。葉酸摂取するにはもってこいの食品といえます。
鉄分
鉄は体内に3-4gあり、そのほとんどが血液中の赤血球中にあります。残りは肝臓などに貯蔵されています。鉄が不足すると鉄欠乏性貧血となり、めまい、ふらつき、二枚爪などを引き起こします。特に女性は生理で出血するため鉄分不足になりがちです。
食物繊維
ドライプルーンには100gあたり7.2gの食物繊維が含まれています。摂取目安量は次の様な基準があります。
厚生労働省策定の食事摂取基準[2005年版]によれば、1日あたりの目安量は、30~49歳では男性26g、女性20g、50~69歳では男性24g、女性19gとなっています。エネルギー摂取量とあわせて考え、おおよそ1000kcalに対して10gの食物繊維を取ることが望ましいとされています。
引用元:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
しかしながら、最近の平均摂取量は14g程度と不足ぎみです。プルーンを食べることで、食物繊維を簡単にプラスすることができるので不足気味の方の補助食品としておすすめです。
便秘解消を促す正しいプルーンの食べ方
便秘解消に良いとはいっても、プルーンは薬ではないのでなんとなく食べていても効果が得られにくくなります。次の食べ方を知っておくと効果的にプルーンを取り入れられますよ。
何粒食べるといい?
プルーンは栄養価が高い上に美味しくて、食べ出すと何個か連続して食べてしまうことがあります。それに便秘を改善したいと思うが故に、食べ過ぎてしまう方もいるでしょう。
しかし、プルーンは1粒25kcalで、糖質も4g程度含まれます。例えば10粒も食べたら250kcalも摂取し、糖質は40gにもなります。バランス良い食べ方の目安としては2-5粒程度までにしておくと良いでしょう。
食べるタイミング
基本的にいつでも食べても特に問題はありません。便秘に効果的な食べ方は空腹時に食べるのがおすすめです。例えば間食のおやつには糖分も食物繊維も含まれているので腹もちよく、適度に血糖値を上げてくれるので空腹を紛らわすにもぴったりでしょう。
プルーンのタイプ
プルーンのタイプとしては、粒状のものと液状タイプがありますがどちらでも便秘改善に役立つ食品です。どちらが良いかというと、食物繊維を摂取しやすいのは粒状のタイプの方です。
また、お腹が食物繊維で張りやすい方、詰まりやすい方は液状の方が負担なく取り入れられることでしょう。好みのタイプを選んで続けることが大事です。
発酵食品と一緒に摂ると◎
プルーンを食べるときに、そのまま食べても良いのですが一緒に発酵食品と食べることで腸内環境をより改善しやすくなります。特に相性が良いのはヨーグルトです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸内にある善玉菌を増やし、食物繊維も善玉菌を増やし腸の汚れを絡め取ってくれます。
プルーンスムージーの場合
独特な濃厚さがあるプルーンはスムージー にすると飲みやすくなります。他のフルーツと合わさることでプルーンのえぐみもマイルドになって、口当たりが良くなります。栄養素も摂取しやすい形なので、朝食に飲むと1日を元気にスタートできそうですね。
<プルーンスムージー のレシピ>
- プルーン 50g
- バナナ 1/2本
- はちみつ 少々
- 豆乳 100cc
プルーンは細かく刻んでからミキサーにかけるとなめらかになりやすいです。すべてをミキサーに入れて攪拌しましょう。
プルーンジュースの場合
プルーンから作られたプルーンジュースはスーパーなど市販で買うことができます。さらさらとしたジュースタイプなので、固形物と比べて腸までスムーズに届きやすいというメリットがあります。
ドライプルーンから作られたものもありますが、生のプルーンから作られたタイプの方が飲みやすいという口コミがあります。ただし生のものと比べて加熱処理などをされていることが多く、栄養素が損なわれている可能性があるので気をつけましょう。
プルーンを食べるときの注意点
プルーンは薬ではないので副作用というものはありませんが、とても栄養価が高い食品なので食べ方には気をつけておきたいことがあります。次に紹介することを理解しておきましょう。
食べ過ぎは下痢のもと
プルーンには豊富な食物繊維やソルビトールなど腸を刺激する成分が含まれています。そのため便秘を改善することに役立ってくれるのですが、食べ過ぎると逆に下痢になってしまうこともあります。便秘を改善したいからといって食べ過ぎるのは禁物です。適量を守って食べるようにしましょう。
タンニンとの摂取はNG
ただし、鉄分摂取を目的に食べる場合には、少し気をつけておきたいことがあります。それは紅茶やコーヒーなどに含まれるタンニンが鉄分を吸着させてしまうことです。気になる場合は、お茶やコーヒーなどを飲んでから30分程度開けてプルーンを食べると良いでしょう。
一度プルーンを試してみて下さい
プルーンは便秘改善に役立つ食品であることを紹介してきました。さまざまな効果があるプルーンですが、特に便秘に悩んでいる方にはぜひ試して見て欲しい食材です。
ただし、体質にもよる部分があるため食べてみて改善しない方は食べ続けたり食べ過ぎないことが大事です。身体の変化を感じとりながら取り入れていきましょう。
また、プルーンは疲労回復や美容にもおすすめの食品です。おやつや食後のデザートなどに栄養源として取り入れてみると良いでしょう。