便秘を改善するお茶と悪化させるお茶!便秘の種類で選ぼう!

便は食べたものや飲んだものの影響を受けやすいものですが、お茶に関してはどうなのでしょうか。便秘にはいくつかのタイプがあり、お茶によって便秘が改善することもあれば、お茶によって逆に便秘が悪化することもあります。それはなぜでしょうか。

多くの女性を悩ませる便秘ですが、便秘の改善効果を謳ったお茶がたくさん販売されています。古代の中国や近世の日本では、お茶が薬のように大事なものとして尊ばれていたこともあります。

現代でも、お茶にはさまざまな効用があるとされていますが、便秘に関してはどうなのでしょうか。今回は、便秘とお茶との関係について解説したいと思います。

便秘の種類

お腹に麻紐が巻き付けられている女性

便秘とお茶との関係について知るためには、まず、便秘の種類について知っておくことが肝心です。なぜなら、便秘の種類によっては、お茶を飲むことによって却って悪化してしまう可能性もあるからです。

機能性の便秘

一般的に、便秘という言葉が使われる場合、それは機能性の便秘を指すことがほとんどであるようです。

弛緩性の便秘

弛緩性の便秘は、腸の機能が低下することによって起こる便秘です。便秘とは大腸の中に便が滞っている状態を意味しますが、小腸からつながる大腸は、上行結腸から横行結腸、下行結腸からS状結腸を経て、直腸から肛門へと移行します。

便は大腸の「蠕動(ぜんどう)運動」によって大腸内を移動していくのですが、大腸の蠕動が弱くなると、便が腸内に留まりやすくなってしまい、便意が起こりにくくなります。

弛緩性の便秘の原因としては、筋力の低下や腹圧の低下があげられており、そのため、高齢者や出産後の女性に多く見られるタイプの便秘だと言われています

けいれん性の便秘

けいれん性の便秘もよく見られるタイプの便秘で、腸管が緊張しすぎることによって、腸管が狭くなり、便が滞ってしまうタイプの便秘です。

けいれん性の便秘の原因としては、ストレスの存在があげられています。ストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れ、それによって便秘が起こると考えられています。

自律神経は交感神経と副交感神経とで成っており、両者がバランスをとることによって、私たちの生命活動を司っています。

交感神経と副交感神経との関係は、車のアクセルとブレーキとの関係に例えられることがあります。日中は交感神経が優位になって、夜間には副交感神経が優位になるのですが、それぞれアクセルやブレーキを踏むことに例えられる訳です。

交感神経と副交感神経のどちらが優位になっていればいいということではなく、両者のバランスが重要なのです。

ところが、ストレス状態が継続した場合、交感神経優位の状態が長く続いてしまいます。言ってみれば、夜になってもアクセルを踏みっぱなしにしている状態が続くという訳です。

交感神経優位の状態の続くことがなぜ問題なのかというと、私たちの体内では、寝ている間に食べたものの消化や吸収が活発におこなわれるからです。

交感神経優位の状態が続くと、寝ている間もいわば興奮状態になってしまい、睡眠の質が低下することとなります。その結果、食べたものの消化や吸収が遅延し、結果として便秘になってしまうという訳なのです。

日本人のほとんどが交感神経型(緊張型)といわれており、ある意味、便秘になりやすい民族だと言えるのかもしれません。

直腸性の便秘

直腸性の便秘はその名の通り、直腸内に便が滞ってしまうタイプの便秘のことを言います。便は正常に送られているのに、便意が脳に伝わりにくくなることで、直腸性の便秘を起こしてしまいます。

直腸性の便秘の原因としては、排便習慣や便秘薬の常用があげられています。例えば、便意が起こっているのにたまたまトイレが見当たらず、便意を我慢することで便秘になることがあります。

また、便秘薬を常用していると、自分で排便しようという意欲が現れにくくなり、それによって便秘に至ることもあります。そのため、直腸性の便秘は「習慣性の便秘」と呼ばれることもあります。

一過性単純性便秘

一過性単純性便秘は読んで字のごとく、一過性の単純な便秘のことを言います。例えば、食べ放題で食べ過ぎたことによって、一時的に起こるような便秘を指します。

器質的な便秘

器質的な便秘は、臓器になんらかの異常が生じることによって起こるタイプの便秘を意味します。例えば、なんらかの疾患によって腸の形が変わったり、狭くなったりすることで便秘になってしまいます。

たとえば、大腸が炎症を起こしていたり、腹部の開腹手術の跡が癒着したりすることによって、便通が滞ってしまうのです。器質的な便秘の場合、お茶を飲んで改善などと言っている場合ではなく、すみやかに医療機関を受診する必要があります。

薬剤性の便秘

薬剤性の便秘は、なんらかの医薬品を服用することが原因で起こる便秘のことを言います。便秘を起こしやすい医薬品としては、抗コリン薬や抗うつ薬などがよく知られています。

お茶ってなに?

 

それでは便秘とお茶との関係を説明…する前に、お茶とはどのようなものを言うのか確認しておきたいと思います。「そんなこと知っているよ」というあなた、お茶には「お茶ではないお茶」もあるのですよ。

茶葉をそのまま用いるもの

狭義の意味でお茶といった場合、茶葉を用いて作られたお茶のことを言います。中でも、茶葉をそのまま使って作られるお茶を、「抹茶」といいます。

茶道で飲まれるのがこのタイプのお茶で、茶葉を乾燥させて粉末にし、それをお湯で溶いて飲むという用いられ方をします。粉末にした茶葉は、お茶だけでなくお菓子の原料として用いられることもあります。

ちなみに、日本にお茶が伝わったのは嵯峨天皇の時代だと言われていますが、鎌倉自体に臨済宗の祖でもある栄西さんが、宋の国から多数の仏典とともに持ち帰ったことでも知られています。

栄西さんは「喫茶養生記」という本を書いてときの将軍である源実朝に献上し、お茶の健康効果を説明したとされています。

お茶の葉から抽出される液体

私たちが一般的にお茶といった場合、お茶の葉から抽出された液体のことを指すことが多いと思います。抹茶を除くすべてのお茶が、茶葉から抽出された液体を飲むタイプのお茶となっています。お茶の葉から抽出されるタイプのお茶は、以下のように分類されます。

<不発酵茶>

不発酵茶とは読んで字のごとく、発酵させずに飲むタイプのお茶を意味します。私たちがよく飲んでいる緑茶がそれにあたります。

<弱発酵茶>

弱発酵茶は、茶葉を屋内に放置したり、太陽光に当てたりすることで自然に発酵させたお茶のことを言います。日本ではあまり知られていませんが、白牡丹や銀計白毫といったお茶があります。

少しだけ発酵させることによって、香りが上品になり、また、後味がほんのり甘く感じられるという特徴を有するようになります。

<半発酵茶>

半発酵茶は、ある程度発酵が進んだ茶葉に熱を加え、その後に酸化を止めることで作られます。日本人にもおなじみのお茶で、ウーロン茶や鉄観音茶、武夷岩茶などが半発酵茶にあたります。

<発酵茶>

発酵茶は、茶葉を十分に発酵させて作られるタイプのお茶です。十分に発酵させることによって、フルーティーで芳醇な香りがえられることとなります。

発酵茶の代表的なものはズバリ紅茶です。ヨーロッパでもかつては緑茶が飲まれていましたが、大航海時代にたまたま茶葉が発酵してしまい、それを飲んでみたら美味しかったことから、紅茶が誕生したという説もあります。

<後発酵茶>

後発酵茶は、茶葉を加熱することで酸化酵素の働きを止めた後、乳酸菌や酵母の働きによって発酵させるタイプのお茶を指します。プーアル茶などが代表的な後発酵茶のお茶です。

お茶ではないお茶!?

お茶には、厳密にいうと「お茶ではない」お茶もあります。例えば、麦茶や玄米茶、ごぼう茶やルイボスティーなどは、茶葉から作られていないので、厳密にいうとお茶ではないということになります。

ただ、それらのお茶もお湯を注いて抽出された液体を飲むという点では、お茶と似た飲み方をします。そのため、それらのお茶ではないお茶も、「○○茶」と呼ばれるようになっているのです。

厳密にいうとお茶ではないお茶にはさまざまな栄養素が含まれており、それによって健康上のメリットが得られることから、さまざまなお茶ではないお茶が生まれています。

便秘の際のお茶の選び方

笑顔でポイントを指差す女性

便秘にはいろいろなタイプがあり、お茶にもさまざまなものがあります。そして、便秘のタイプによって、お茶の選び方も考える必要があります。そこで、便秘のタイプ別に選ぶべきお茶や避けるべきお茶について見ていきたいと思います。

けいれん性の便秘の場合

けいれん性の便秘は、ストレス状態が継続することによって起こります。そのため、ストレス状態を緩和する効果のあるお茶を飲むとよいでしょう。

たとえば、ハーブティーなどがそれにあたります。ハーブにはその香りによってリラクゼーション効果を得たり、自律神経の働きを整えたりする効果があります。

逆に、緑茶などに含まれるタンニンには、便秘をかえって悪化させる可能性があります。そのため、便秘の際には基本的にタンニンの含まれるお茶は避けた方がよいでしょう。

弛緩性の便秘の場合

弛緩性の便秘は、腸の蠕動が弱くなることによって起こります。そのため、ごぼう茶やルイボスティーなどの食物繊維を多く含むお茶を飲むとよいでしょう。

ごぼう茶に含まれる「イヌリン」という成分には、腸内の善玉菌を増やす働きや、蠕動を活発にする働きも期待されているので、まさに弛緩性の便秘を解消するのにもってこいのお茶だと言えます。

直腸性の便秘の場合

直腸性の便秘は、直腸内に固くなった便が詰まっている状態の便秘を指します。そのため、食物繊維が多く含まれるお茶を飲んだ場合、かえって悪化してしまう可能性があります。

直腸性の便秘がある場合、純粋に水分補給として麦茶などのカフェインを含まないお茶を飲むとよいでしょう。また、寝る前にカフェインを含まないお茶を飲んだり、朝起きたときにコップ一杯のお茶を飲んだりすることで、便秘の改善効果が期待できますよ。

お茶以外の便秘解消法

和風の

ここまで便秘とお茶との関係について見てきましたが、お茶だけ飲んでいれば便秘を解消できる訳ではありません。便秘に悩まされている場合、お茶を飲む以外にも以下のようなことを試してみましょう。

適度に身体を動かす

便秘は筋力の低下や腹圧の低下によって起こることがあります。そのため、適度な運動をおこなうことで、腸の蠕動を活発にしてあげましょう。

生活習慣の改善

便秘は病気にともなって起こることもありますが、大多数の便秘が生活習慣によって起こります。たとえば、朝忙しくてトイレタイムを十分にとることができないとか、朝ごはんを食べる暇がないといったことが原因で便秘になることがあります。

また、睡眠不足や疲労などが積み重なることで交感神経優位の状態になってしまい、結果として便秘になることがあります。

そのため、たまには早めに睡眠をとり、しっかりと疲労の回復をおこなうことが奨められます。また、適度にストレスを発散することも重要です。

中のよい友人とおしゃべりをしたり、週末にはハイキングに出かけたり、趣味に没頭したりすることで、ストレスをコントロールするとよいでしょう。

食習慣の改善

便は私たちが食べたものによって作られます。というよりは、食べたものの残滓のようなものです。そのため、便秘が見られる場合には食習慣を見直すことも重要です。

弛緩性の便秘が見られるようであれば、食物繊維を多く含む野菜をたくさん食べるようにしましょう。また、直腸性の便秘が見られる場合には、水分補給を欠かさないように気をつけましょう。

日本人の便秘は年々増えつつあると言われていますが、そのきっかけとなったのが食の欧米化だと言われています。

脂っこい食べ物やカロリーの高いもの、肉食などが便秘の原因となっているのではないかと考えられています。

何でも昔に戻せばよいという訳ではありませんが、日本人にはやはり、魚や野菜を中心とした玄米食が体質に合っているようです。せめて魚を食べる機会を増やすようにしてくださいね。

自分に合うお茶を探して見て

今回の記事では、便秘とお茶との関係について解説しました。一口に便秘といってもいろいろな種類があり、また、お茶にもさまざまな種類のあることが分かって頂けたことと思います。

お茶の種類によっては、かえって便秘を悪化させてしまう可能性もあります。そのため、まずは自分の便秘のタイプを知ることが重要です。お茶にはリラックス効果もあるので、便秘の際の水分補給にはお茶がおススメですよ。