ヨガは女性にはかなり身近な存在でスタジオに通ったり、自宅で毎日続けたり生活の中に取り入れて美容と健康を保つ欠かせない存在になりつつあります。そのヨガが便秘を解消する効果が高いと聞くことがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
便秘にヨガが良い4つの理由
便秘解消法は巷に溢れかえっていますが、その中でもヨガは便秘解消する根拠がきちんとある方法です。便秘にヨガが良い理由は次の4つが挙げられます。
理由1・自律神経に作用
便秘になる大きな原因の1つが自律神経の乱れです。自律神経とは交感神経と副交感神経のことで、自分が意識しなくても動かすことのできる神経です。
腸は両方のバランスで正常に働くようにできています。副交感神経の方が優位になったときに腸はよく動いて消化や排出の方向に働きます。しかしストレスや緊張が強いと交感神経の方が強くなってしまい便秘になりがちです。
ヨガは呼吸法とともにさまざまなポーズを連動させることで、リラックス効果があります。自律神経の乱れを整えてくれるので、ストレスによる便秘を抱えている方におすすめです。
理由2・呼吸法が便秘に効く
便秘にヨガが効く理由の2つ目は、呼吸法です。ヨガの呼吸法はいくつかありますが、基本はお腹に空気を入れる腹式呼吸を使います。お腹に空気を取り入れて膨らませることで、腸を刺激して動かしやすくします。
また、呼吸法を取り入れることで、自律神経を整えることができます。呼吸とは不思議なもので、緊張したときに深呼吸をするだけで一気に緊張がとける体験をしたことがある方も多いはずです。呼吸を日常的にうまく取り入れていくだけでも、ストレス解消になりますよ。
理由3・ポーズで腸が刺激される
ヨガが便秘解消に役立つのはポーズそのものが物理的に腸を刺激することも大きな理由の1つです。ヨガでは体をねじったり、縮めたり伸ばしたり、さまざまな体勢を取り入れます。普段あまり動かさないお腹周りを重点的に刺激することで、お腹の内部にある腸にも刺激となり働きを高めることができるのです。お腹を床に寝そべった状態で圧迫させたり、反らせたりするだけでも、腸が動き出すことがあります。朝起きてから排便前のタイミングや寝る前に行っておくと、便通が良くなるのでおすすめです。
理由4・自宅でも簡単にできる
ヨガをおすすめする最後の理由が、特別にお金もかからず自宅でいつでも行えるということです。マット1つ置くスペースまたは布団などがあれば、簡単に始められます。
専用のヨガDVDなどもありますが、最近は動画サイトでも十分に情報を得られるのでお金も特別かかりません。
ヨガセラピーのサロンなどに通うと毎回何千円とかかり、時間もかかってしまいますが、ヨガならば自宅でゼロ円から始められて自分の都合が良いときに行えるので持続性も高いでしょう。
便秘解消ヨガは朝と夜で分ける
便秘解消ヨガは朝と夜で行う意味が少し異なります。それによってポーズにも違いがでてくるので、朝と夜はうまく使い分けることが大切です。朝・夜それぞれのヨガのポイントについて確認しておきましょう。
〈朝の便秘解消ヨガの意味〉
排便を促す
朝のヨガはリラックスというよりは、どちらかというと1日を始めるための活力を生み出したり、運動的な要素が強くなります。寝ていた体を起こす役目もあります。
朝にヨガを行うと、腸の活動を高めて排便を促すことにつながります。お手洗いに行く前に、ヨガを行えば、普段便秘気味の方もすんなり排便できたり、便意を感じにくい方も便意が訪れたりします。
ただし、激しいヨガは避けた方が無難です。なぜなら交感神経が高まってしまうと便意が来なくなってしまうこともあるからです。ゆったりと深呼吸を取り入れながらポーズを深めていくようにしましょう。
〈夜の便秘解消ヨガの意味〉
腸を正しい位置に戻す
人間の腸は周りの組織や骨盤、筋肉によって支えられています。しかし1日中、二足歩行で重力に逆らって動いていると腸は下の方にどうしても下垂しがちになります。特に骨盤が傾いたり開いている方や、筋肉が少ない女性は腸下垂による便秘になりがちです。
ヨガは体をあらゆる方向に動かして、均整のとれたプロポーションに戻す効果があります。逆転のポーズを取り入れることにより、物理的に腸をもとの位置に戻すこともできます。
自律神経を整える
夜のヨガで大事なポイントは、リラックスです。リラックスさせて自律神経のバランスを整えておくことが、朝起きてからのスムーズな排便リズムを作るのです。激しい運動的なヨガよりも、1日動いて疲れた体をリセットするための、リラックス系のポーズを取り入れましょう。
ヨガの呼吸法
ヨガは単なるストレッチと思われがちですが、呼吸と連動させてポーズを行うという点で大きな違いがあります。呼吸とともにポーズを行うことで、自律神経の働きを整えたり、体に溜まっているものをデトックスしやすくするのです。ヨガはもともと体だけでなくココロに対しても働く、伝統的な浄化のメソッドといえます。
そこで大事なのが呼吸です。呼吸が浅いと、ポーズが深まらず、リラックスも深まりません。基本は鼻からの腹式呼吸ですが、場合によっては口呼吸を組み合わせることもあります。
深呼吸にはポイントがあり、なるべく吸う呼吸(吸気)と、吐く呼吸(呼気)を同じ長さ、または吐く方を少し長めにすることです。自分の中でゆっくりと1,2,3・・とカウントして、焦らずに行いましょう。
また、便秘解消に効果的なのは腹式呼吸です。普段人間は胸式呼吸をしています。胸式呼吸は胸に空気がはいり膨らみますが、腹式呼吸ではお腹を膨らませていきます。
最初わかりにくいときは、仰向けにねてお腹に手をおき、膝を軽く立てた状態で鼻から呼吸してみましょう。そして、吸えるところまで吸ったら、もう吐き出せないというところまでスーッと鼻から吐き出します。コツをつかめたら、徐々にポーズの中でも意識するようにしてください。
朝に最適な便秘解消ヨガのポーズ
朝はすっきりと体を目覚めさせて、腸を刺激するようなポーズが効果てきです。具体的に次の5つのポーズをピックアップしてみました。朝起きてから排便までの間で、ぜひ取り入れてみてください。
マーメイドのポーズ
この動きは内臓の働きを良くしたり、体側を伸ばすことで腸を刺激するポーズです。体のゆがみの改善にも効果があります。
- 足を正座にしてから、足を左側へ出してお姉さん座りの形になります。
- 足と反対側の右側の手をまっすぐ上に伸ばして、左方向へ倒していきます。
- 体側の伸びをよく感じて行います。
- もし足が痛い場合は、あぐらなど足の楽な状態で行っても構いません。
胎児のポーズ
内臓の働きを良くしたり、腰痛の改善、ガス抜きにもなるポーズです。チャイルドポーズとも呼ばれます。起きてからそのまま布団の上でも行えるポーズです。
- 仰向けになって寝ます。
- 膝を両腕で抱えるようにして引き寄せていきます。
- 気持ちの良い呼吸を繰り返しながら30秒ほどキープしましょう。
ねじりのポーズ
腸を効果的に刺激するには、ねじりのポーズを取り入れるのがおすすめです。ヨットのポーズはお腹まわりをぎゅっとひねるので、腸に刺激をあたえて排便を促します。
- 足を伸ばして長座の形で座ります。左足を立てて右足の膝の向こう側に足を置きます。
- 体を右の方へひねっていき、余裕があれば後ろを見ましょう。
呼吸を止めずに、呼吸しながらポーズを深めていくと良いですよ。
コブラのポーズ
背中や腰にも効くヨガの基本のポーズです。お腹の前面を伸ばすことで、腸を刺激することができます。布団の上でも行えるので、ぜひ起きてから取り入れてみましょう。
- うつぶせになり、足を腰幅に開いて、両手は胸の横におきます。足の甲で床を押します。
- 息を吸いながら、両手で床を押しながら上半身を起こしていきます。
- 余裕があれば、顔を上へ向けて、お腹の前面を伸ばしていきましょう。
反らした状態で10-30秒ほどキープします。
三角のポーズ
良く知られたヨガのポーズで、足で固定しながら上半身を捻っていくポーズです。
- 足を揃えた状態でたち、右足をうしろに肩幅よりも広めに引きます。前足と後ろ足が一直線になるようにします。
- 両腕を肩の高さまで上げて、左手は遠くを通りながら足の方へ下ろしていきます。同時に右腕は上へ高く伸ばしていきます。
腰が反ったりしないように意識しながら、腰はなるべく横に向けて、下半身と上半身をひねるようにしましょう。
夜に最適な便秘解消ヨガのポーズ
夜には朝とは別にリラックス系のポーズで朝に向けて体を整えるポーズがおすすめです。ヨガを取り入れることで睡眠不足解消にも効果が期待できます。自律神経の乱れを整えるため、毎日行うようにしましょう。
猫のポーズ
ベッドなどでも簡単に行えるポーズで、寝る前に行うと背中や腰のストレッチにもなり疲れをほぐすことができます。また呼吸とともに腹筋を引き込むことで、インナーマッスルを整える効果もあります。
- 四つん這いになります。息を吐きながら背中を丸めていき、視線はおへそのあたりを覗き込みます。このとき息を吐ききっていき、お腹を内側に引き込むようにしましょう。
- 息をすいながら腰を少しずつ反らし、顔は上を見上げていきます。
- 5回ほど繰り返して行います。
バッタのジャンプ
おしりや背中の筋肉を整える効果があるポーズですが、お腹を床につけて行うので、腸を間接的に刺激することもできます。
- うつ伏せになって寝ます。両肘の伸ばした状態で体の横に置き、手のひらは下に向けておきます。
- 両手と両足を持ち上げて、上半身もゆっくり上げていきます。
- 呼吸を繰り返しながら、5回ほど行います。
ガス抜きのポーズ
夜寝る前に行うと、リラックスできて安眠にもつながるポーズです。1日でお腹に溜まったガスを抜くためにも取り入れてみましょう。
- 仰向けになって横になります。
- 右膝を曲げて、両腕で抱えて胸の方へ引き寄せます。
- 10-20秒ほどキープしたら、足を替えて行います。
鋤のポーズ
脳を休めたり、腸など腹部組織の活性化につながるポーズです。逆転の要素があるため、腸を正しい位置に戻す効果も期待できます。首に負担のかかるポーズなので、かならずポーズ中は首を動かさないことが大事です。もし痛みがある方は行わないでください。
- 仰向けになって寝ます。両腕は体の横に伸ばしておき、脇は閉めておきます。手のひらは下に向けて床につけましょう。
- 息を吸いながら足を伸ばして、床に垂直になる高さまでまっすぐ上げていきます。腰に手を添えて支えます。
- 息を吐きながら、お尻を床から持ち上げて、足の指先が頭の向こう側につくようにします。
- 深呼吸をしながら両手を組んで、肩甲骨は内側にしまうようにします。この姿勢で30秒キープします。
- 腰にもう一度手を添えて支えながら、足を垂直に戻して、足をゆっくりと降ろしていきます。
屍のポーズ
シャバーサナとも言われるポーズで、ヨガでは必ず最後に行われます。全てのポーズを締めくくる大事なポーズで、体を休息モードに導いてくれます。自律神経の働きを整えてくれるので、寝る前に行うと効果的です。
- 仰向けになって寝ます。
- 脇にゲンコツ1つ入るくらいのスペースを空けて、腕を伸ばします。手のひらは力を入れずに上に開いた状態にします。
- 足の力も抜いて、肩幅程度に開きます。
- ゆっくり目を閉じて、呼吸しながら休みます。眠くなったらそのまま寝ても構いません。
ヨガで健康的なからだを目指しましょう
便秘解消に効果的なヨガのポーズを紹介してきました。ヨガは便秘解消に効果が期待できるだけでなく、心身のバランスを整えるにも意味のある健康法です。毎日の習慣にして、続けていくようにしましょう。
また、便秘解消にはヨガだけでなく、規則正しい生活、バランスのよい食事などの生活習慣も大事です。ヨガを取り入れながら、うまく排便をコントロールできるようにしていきましょう。