その飲み物便秘に良い?悪い?便秘を治すための習慣でスッキリ

便秘は多くの女性を悩ませるやっかいなものです。せっかくダイエットしても、便秘で下腹がぽっこりしてしまってはスリムな体が台無しです。もしかしたらその便秘、普段の飲み物で改善できるかもしれません。

今回は便秘に悩んでいる方に向けて、便秘に効果のある飲み物と悪化させる飲み物についてご紹介いたします。少しでも便秘に悩む方が減ることを願っています。

便秘に効果がある成分

お腹の前にハートを作っている人

以下の成分は、便秘解消効果があるとして知られています。

便秘と言えば「食物繊維」

便秘解消と言えば食物繊維が有名ですが、大きく分けて2種類の食物繊維があります。

「水溶性食物繊維」

こんぶやワカメなどの海藻や、イモ類に含まれる食物繊維です。水を多く含んでいるので、便を柔らかくする効果や、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きをします。

「不溶性食物繊維」

主に野菜に含まれる食物繊維で、多くの人が食物繊維というとこの不溶性食物繊維のイメージを持っています。胃で消化されないので腸まで繊維が届き、便のかさを増やしたり腸を刺激したりする効果があります。

便秘解消には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を摂取する必要があります。不溶性食物繊維ばかりを摂取すると便が硬くなり、便秘が悪化することもあります。不溶性食物繊維が2に対して、水溶性食物繊維が1の割合で摂取するようにしてみましょう。

人の身体に欠かせない「水分」

便秘に効果があるというよりは、不足すると便秘になってしまうのが水分です。人の身体の60%が水分でできていますので、不足すると便秘を始めとしていろいろな悪影響が出てきます。

水分をきちんと摂ると腸にも水分が行き渡りますので、便のかさも増えて腸が活発に動いて便秘解消につながります。

「乳酸菌」は弛緩性(しかんせい)便秘に効果的

便秘解消のために乳酸菌をヨーグルトなどで積極的に摂っている方もいらっしゃいます。便秘にはいくつかあるのですが、日本人に最も多い弛緩性(しかんせい)便秘に特に効果的です。

弛緩性便秘とは、大腸の動きが低下していたりダイエットによる無理な食事制限、便自体が水分不足になったりすることで起こる便秘です。日本人の約8割は弛緩性便秘と言われていますので、便秘に悩んでいる方は試してみるといいでしょう。

「オリゴ糖」は質も大事

オリゴ糖は腸内に存在するビフィズス菌などの善玉菌が好むエサとなります。善玉菌がオリゴ糖をエサとして食べることで、元気を付けて増殖していきます。オリゴ糖は砂糖よりも分子が大きい物質なので、胃で消化されずに腸まで届きやすい特徴があるのです。

オリゴ糖と言ってもいろいろな種類がありますが、純度が高く天然成分でできているものがおすすめです。

油抜きダイエットなんて古い!「植物性油」

少し前まではダイエットの敵とされていた油ですが、最近では良質な油は健康にいいと言われるようになりました。オリーブオイルやごま油などの良質な油も、便秘解消に必要な存在です。

植物油には自律神経を整える効果や、血行促進効果のあるビタミンEが含まれています。植物性油を摂ると便の滑りもよくなり、便秘解消につながります。

便秘を悪化させてしまう食べ物・飲み物

赤ワイン

日ごろ何気なく飲んでいる飲み物にも、便秘を悪化させてしまう食べ物や飲み物があります。

タンニンを含む物

〈赤ワイン〉

赤ワインに含まれるタンニンという成分は、下痢止めにも使われる成分であり便秘を悪化させてしまいます。赤ワインはアルコールですから、飲みすぎると腸が脱水状態にもなります。

〈お茶〉

特に緑茶や紅茶にはタンニンが多く含まれています。1杯~2杯程度なら便秘に大きな影響はありませんが、ひどい便秘の時には避けたほうが安全でしょう。

〈柿〉

食物繊維も含まれており便秘に効果的とも言われる柿ですが、タンニンも含まれるので食べ過ぎは便秘を悪化させてしまいます。甘柿のタンニンは腸に特殊な膜を張り、腸の運動を低下させるのです。

カフェインを含む物

〈コーヒー・紅茶〉

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは腸内環境を乱し、悪玉菌が増えて便秘を悪化させてしまいます。コーヒーを飲むと腸が活動的になることもありますが、それは一時的なものです。

〈栄養ドリンク〉

疲れた時にお世話になる方も多い栄養ドリンクにもカフェインが含まれていますが、コーヒーより多く含まれていることもあります。便秘が気になる方はノンカフェインタイプをおすすめします。

〈エナジードリンク〉

若い人を中心に人気のあるエナジードリンクは、大量のカフェインを含んでいます。カフェインの持つ利用作用が腸の水分を排出することで便が硬くなり、便秘につながります。

キンキンに冷えた飲み物

女性にとって冷えは大敵です。冷たい飲み物は内臓全体の血行を悪くしますので、腸の運動も低下して便秘を悪化させます。逆に飲みすぎると下痢になることもありますが、それは冷たい飲み物の刺激で腸が動きすぎているせいです。

お肉の食べ過ぎ

お肉は必要なたんぱく質ですが、食べ過ぎは腸内環境を悪化させます。お肉を食べるとおならが臭くなることもありますが、これも腸内環境が悪化しているせいです。ですが、お肉を食べなさ過ぎても便秘になるので、食べ過ぎに注意して適度に摂取するようにしましょう。

便秘に効く飲み物

牛乳を飲んでいる女性

 

便秘に効く飲み物~水~

温かい水(白湯)が便秘に特に効果的です。内臓を温めると腸の動きが活性化しますし、硬くなった便をほぐしたり腸壁にはりついた宿便を排出したりする効果も期待できます。

水分不足が原因の便秘の場合、正しく水分を摂れば2日~4日で便秘が改善すると言われているほどです。やみくもに水を飲むと下痢になってしまうので、1.5リットルから2リットル程度を目安にします。

しかし、食事などから摂取する水分なども全て合わせて1.5リットルから2リットル程度となります。そのため、コップに注いで飲むお水なら1日1リットル程度で十分でしょう。

一度に飲んでしまのではなく、こまめに補給するように飲みましょう。まずは寝起きにコップ1杯ほど飲み、残りのお水はこまめに飲む方がいいです。

便秘に効く飲み物~お茶~

・ルイボスティー

ルイボスティーの持つ抗酸化作用によって、腸内の活性酸素を除去して善玉菌を増やす効果があります。マグネシウムも豊富なので便を柔らかくし、排出しやすくします。

・タンポポ茶

イヌリンという水溶性食物繊維を含んでおり、善玉菌を増やして便秘解消に導いてくれます。整腸作用もあるので善玉菌を増加させてくれますし、ミネラル類が便を軟化させてくれます。

・ごぼう茶など

食物繊維の豊富なごぼうですが、ごぼう茶1杯で1日に必要な食物繊維が摂取できます。たんぽぽ茶と同じくイヌリンが含まれているので、便を柔らかくして排出しやすくしてくれる飲み物です。

そのほかカモミールなどのハーブティや、プーアル茶・ウーロン茶などの中国茶も便秘に効果的です。

ホットココア

リグニンという成分が、腸内環境を整えてくれます。それ以外にも、便の臭いやおならの臭いを抑える働きもあります。

医学的にも便秘に効果があると認められており、便秘薬が使えない妊婦さんに病院が勧めるほどです。ココアには微量のカフェインが含まれているので、適度に腸を刺激してくれます。

ココアには水溶性食物繊維が含まれているので、便を柔らかくしたりかさを増やす働きもあります。寝起きの5分以内に飲むとさらに効果的ですが、カロリーや糖分もあるので1日2杯程度に抑えておきましょう。

スムージーや野菜ジュース

両方とも野菜や果物を元に作られますが、野菜ジュースは清涼飲料水に分類され、製造の段階で熱処理されているものもあります。スムージーは小松菜やほうれんそうなどの葉野菜から作られるものが多く、基本的には熱処理をされずに作られるため熱に弱い栄養素も摂取できます。

どちらも食物繊維やオリゴ糖が含まれるので、便秘解消に効果的です。スムージーを手作りする人は、ヨーグルトを加えるのもおすすめです。リンゴやバナナ、豆乳・小松菜・ホウレンソウなどは便秘解消に効果的ですので、それらの材料を使っている野菜ジュースやスムージーは便秘に効果的です。

甘酒

古くからある甘酒は、栄養が豊富に含まれており「飲む点滴」とも呼ばれ一目置かれています。米麹と酒麹から作られているものに大別されますが、便秘におすすめなのは米麹です。発酵食品であり、水溶性食物繊維が豊富な飲み物です。

さらに、便秘に効果的であるオリゴ糖も含まれているので腸内環境も整えられます。ただし、カロリーも高い飲み物ですので1日に200ml程度にとどめておき、多くても400mlは超えないように気を付けましょう。

ホットミルク

眠れない夜に飲むイメージがあるホットミルクですが、便秘にも効果的な飲み物です。牛乳に含まれる乳頭成分というものが、善玉菌のエサとなって善玉菌を増やしてくれます。冷たい牛乳は逆にお腹を冷やして下痢になってしまうので、必ず温めて飲んでください。

牛乳にはマグネシウムも含まれていますので、硬くなって排出されにくくなった便に水分を与えて柔らかくする効果もあります。早い人で、飲み始めてから2時間後に効果が現れることもあります。大体の方は3日~4日後に効果が現れます。

便秘改善のコツ

時計を持っている女性

飲み物や食べ物以外にも、日ごろの生活習慣が便秘に影響を及ぼしていることもあります。

朝いちばんで水・白湯を飲む

特に寝起きに飲む水が効果的と言われています。コップ1杯程度のお水を飲むことで腸が刺激されます。冷たいお水が腸を刺激するのでいいと言われていますが、冷え性の人や寒い時期には辛い方も多いでしょう。

そんな冷たいお水が辛いときは、50度程度の温かいお湯も便秘解消に効果的です。空腹時に水を飲むと便意が起きやすくなります。人の身体は寒い時期でも寝ている間に汗をかきますので、寝起きの水分補給はとても大事です。

1日3食食べる

便秘を解消するには規則正しい生活が必要です。食事をすることで腸が動くようになりますが、特に朝食は大事です。忙しくて朝食を抜く人もいらっしゃいますが、腸の動きが鈍って便秘につながります。規則正しい生活をすることで腸のぜん動運動(便を押し出す動き)を促し、便秘解消につながります。

身体を冷やさないこと

薄着や冷たい飲み物を常飲していると、消化器官の運動が低下してしまいます。便がコロコロのうさぎのふんのようになっている人のほとんどは、腸をはじめとする内臓が冷えて機能が低下しています。

便秘の慢性化と内臓の冷えによって、痔になってしまうケースもあります。寒い日は下腹部にカイロを貼ったり、入浴の際はきちんと湯船につかったりして身体を温めると血流がよくなり、内臓も正常に動いて便秘解消につながります。

運動やマッサージ

便秘は腸の動きが低下して起こっているのですから、運動やマッサージで外から物理的に刺激を与えることも便秘解消につながります。また、日本人は腸がねじれる「ねじれ腸」や、本来あるべき位置から下がっている「落下腸」の方が多いため便秘に悩む人が多いです。

仰向けに寝て膝を立て、腰の下にクッションをしいた状態で「の」の字を書くようにマッサージしてみましょう。強く押し込むのではなく、軽く圧を掛けるように行います。ボディオイルやクリームで滑りをよくするとお肌に痛みも起きません。股関節などのストレッチやヨガ・ウォーキングは腸の働きも活性化するのでおすすめです。

「日ごろの飲み物を見直して便秘を解消する!」

便秘に良い飲み物、悪化する飲み物についてご紹介しました。デスクワーク中心の生活やダイエット、乱れた食生活などが原因で便秘に悩む女性は多いです。便秘は身体に毒素が回ってしまいますし、何よりも「今日も出なかった」とぽっこりした下腹にストレスを感じてしまいます。

便秘はちょっとしたことが原因で起こるものですが、毎日の飲み物の種類や量を見直して便秘になりにくい身体を手に入れたいものですね。この記事が参考になれば幸いです。