肥満に効く漢方おすすめ4選と正しい漢方の併用方法で肥満改善

「肥満が漢方で治る!?本当に効果があるの?」肥満を解消するサプリメントはたくさん販売されていますが、最近は漢方でダイエットする人も増えています。風邪を引いたときなどに病院に行くと、医薬品と一緒に処方されることもある漢方ですが、本当に肥満解消に効果があるのでしょうか?

今回は漢方で肥満を解消したい人に向けて、どのような種類があるのか・本当に肥満解消に効果があるのかについてご紹介いたします。

漢方の効果とは

ハーブがビンの中に入っている

日本ではなじみの薄い漢方によるダイエットですが、韓国では人気の高いダイエット方法です。

自然から作られている

漢方は人も自然の一部である、という考えのもと自然にある植物・鉱物などを組み合わせて作られています。そのため、身体に優しいお薬といえます。漢方の歴史は古く、中国や韓国などのアジア圏で何千年以上も前から使われてきました。

現在でも漢方は自然の植物などを抽出・精製して作られています。日本には5世紀~6世紀くらいに中国から伝わったとされていますが、日本の風土や体質に合わせて進化してきました。

漢方医学と西洋医学の併用が良い

漢方による東洋医学は、全身の気の流れを整えて体質を根本から改善することができ、リバウンドのリスクが低いです。その代わり、じっくりと効いていくので即効性はありません。西洋医学は、局所的なアプローチで即効性がありますが、体質を根本から改善することは難しいです。

このように西洋医学と東洋医学を組み合わせて改善していく方法は効果が高いため、人気があります。すでに数字として表れている症状は西洋医学で局所的にスピーディに改善し、まだ数字で表すことができない身体の不調を、東洋医学で根本的に改善できる画期的な方法です。

自分に合う漢方を見つける

漢方では「気・水・血」というものさしと「証」をもとに体質を判断するという、西洋医学とは違った考え方があります。この「気・水・血」の3つの気が体の中にあり、その3つのバランスを崩すと肥満や体調不良などが現れると考えられています。

漢方も西洋のお薬もそうですが、自分の体質に合ったものを服用しなければ十分に効果を発揮しません。気が欠けると、自律神経が乱れてストレス太りすると考えられます。血が欠けると代謝が落ちて老廃物や脂肪が溜まりやすくなり、水が欠けるとむくみにつながるという考えがあります。

「証」とは体質や体力・症状などその人にすでに表れている状態の事であり、虚証と実証に分けられます。虚証は体力がなく弱々しい印象がある方の事を指し、実証は体力や抵抗力がある力強い人のことを指します。これらを総合的に見て、合う漢方・合わない漢方を導き出します。

肥満になりやすい症状

漢方のイラスト

日ごろの生活習慣で肥満につながりますが、以下の症状も漢方で説明することができます。

食べ過ぎや便秘はがっちり型タイプ

お腹周りにしっかりと脂肪が付き、がっちりとした体形の堅太りタイプの人が多いです。食事量が多く、油っこい物が大好きな中年男性にも多くみられます。体力があり、漢方医学で言う実証の方に多く見られる症状です。

ストレスがあると気の流れや腸の活動が低下するので、便秘にもつながります。漢方医学の考えではストレスは肝に熱を発生させ、その熱が高血圧・胃炎を引き起こしてしまうとされます。

ストレスや生活の乱れは女性に多い

ストレス太りは「気・水・血」のうち気が欠けている人に起こります。ストレスを受けやすい女性に多いとされています。肩こり・頭痛・寝つきや寝覚めが悪いという方は気が、欠けることによるストレス太りの可能性が考えられます。

気が欠けた時にストレスを受けると、食欲が抑えられなかったり代謝が悪くなったりして太りやすくなります。ストレスが多く食欲を我慢できない・生活が乱れているという方も、漢方で体質を改善してダイエット効果を期待できます。

疲れやすく運動が苦手な血行不良タイプは色白女性に多い

普段運動する習慣がなく、血液や代謝のめぐりが悪くなることで肥満になるタイプはぽっちゃりとした色白の女性に多いです。「気・水・血」のうち血が欠けている人に起こります。

血の流れが悪いことで水分の排出がうまくいかず、食べる量が多くないのに太ってしまうタイプです。下半身が太りやすく、ボトムスだけワンサイズ大きい人はこのタイプの可能性があります。代謝が悪いので、肌荒れや冷え性に悩むケースも多々あります。

冷え性やむくみが気になる人は水分排出が苦手

「気・水・血」のうち水が欠けていると冷え性やむくみが起こります。女性に多く、夕方になると靴がきつくなる・ブーツが入らないというむくみに悩んでいる人が多いです。更年期の女性は、生理不順を起こすこともあります。

食事の量はそこまで取っていないのに太ってしまう人は、体内の水の代謝がうまくいかず水分が過剰に蓄積している状態になっています。漢方で体内の水の流れを整えることで改善が見込めます。

おすすめの漢方

女性医者

やせ薬とも呼ばれる防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

食べ過ぎや便秘の人に効果があります。発疹が出やすい・お腹が出て太鼓腹になっているという方にも効果があります。漢方でありながら「やせ薬」と呼ばれており、体内に蓄積された脂肪を排出したり、血流改善や代謝をアップしたりする効果があります。

油っこい食品を摂りすぎると胃腸が活動することで熱が発生し、さらに食欲増進・胃炎・便秘を引き起こしてしまいます。防風通聖散は、この熱や老廃物を排出する効果があります。服用することで、内臓脂肪や皮下脂肪の排出・血圧や体重の減少があったというデータもあります。
暴風通聖散
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がっしり体型の方には大柴胡湯(だいさいことう)

体力があり、みぞおちが張るような圧迫感がある・肩こり・耳鳴り・便秘がある人は代謝を上げる大柴胡湯が効果を発揮します。糖尿病を併発している脂質異常症(ししついじょうしょう)の方が半年飲み続けたところ、総コレステロールが低下したというデータもあります。

肌が浅黒い・がっしりした体型で食欲旺盛・便秘がちという人はこの大柴胡湯がおすすめです。肥満に効果があるのはもちろんのこと、血糖値や中性脂肪を抑える効果もあります。
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防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)は皮下脂肪に効果あり

色白でぽっちゃりしており、筋肉に締まりがない人は防己黄耆湯が効果的です。肥満を改善する薬として、薬局でも販売されています。水分排出効果と、体の表面を引き締める効果があります。

気力が少なく弱々しい方に向いており、元気を与えて体を温めることで消化器の動きを改善する働きがあります。肥満以外にも、運動が困難な2型糖尿病にかかっている肥満患者が服用したところ、内臓脂肪・総コレステロール・血糖値が改善したというデータもあります。

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血行不良には当帰芍薬散(とうきしゃくやくとうさん)

体力があまりなく貧血気味で、むくみやすい人には当帰芍薬散がおすすめです。身体に溜まった余分な水分を排出させる働きや血行不良を改善する働きがあるので、身体がむくんでぽっちゃりしている人が服用すると肥満を解消する効果があります。

また、生理不順を改善させる効果もあり、生理痛・腹痛の改善にも使われることがあります。消化機能を高めて利尿作用を促したり、胃腸の機能を整えたりすることでむくみを改善させます。むくみが改善しますので、冷え性で悩んでいる人にも効果があります。

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漢方で肥満を改善する正しい方法

診察

漢方もお薬なので、食品のように気軽な気持ちで服用してはいけません。以下の点に注意してください。

まずは医師に相談するのがベスト

漢方で体質改善によるダイエットをする場合は、自分に合った漢方を処方してもらうことが大事です。合わない漢方を飲み続けると、痩せないどころか下痢や肝機能障害を引き起こす危険もあります。

市販薬であればパッケージにどんな体質の方に向けた薬かは記載されていますが、自己判断するよりは医師に相談した方が安全です。最近は漢方を処方してくれる病院も増えています。内科などでほかのお薬と一緒に処方してくれますので、一度相談してみることをおすすめします。

漢方は何百種類もあるので、個人による体質の違いに考慮したオーダーメイドの処方をしてもらえますよ。

最近は病院に行かなくてもインターネット上でカウンセリングをして、調合した漢方を配送してくれるサービスもあります。(保険は適用されません。)

漢方の飲み方を守る

漢方は自然由来の身体に優しいものですが、全く副作用がないわけではありません。きちんと指導された飲み方を守り、自己流で飲みすぎたりしないように気を付けてください。服用中にめまいや頭痛など、いつもと異なる症状が現れたらすぐに服用を中止しましょう。

また、他の薬を服用している場合飲み合わせも気を付けなければいけません。服用中の薬があれば必ず医師に報告しておきましょう。

漢方は西洋の錠剤型のお薬と違い、粉状になっているものが多いです。その場合は、水か白湯に溶かして飲みます。白湯とは、10分ほどお湯を煮立たせ、飲める程度まで冷ましたお湯の事です。水や白湯に溶かして飲むと吸収がよく、効きがいいとされています。

漢方を服用するタイミングは、食前(食事の30分前)か食間(食後2時間程度)が一般的です。いずれも胃に食べ物が入っていない状態です。

正直、漢方の味は飲みやすいものではありません。ですが、お茶やジュース・コーヒーに混ぜて飲むのはよくありません。どうしても飲みにくくて辛い場合は、オブラートに包んでお水や白湯と一緒に飲むようにしましょう。

生活習慣の改善も重要

漢方で体質を改善しても、それまでと同じように運動不足・食べ過ぎなど習慣が改善しなければ効果が現れにくいです。肉やお菓子ばかり食べるのではなく、野菜や栄養がある食品を積極的に摂取します。また、早寝早起きの規則正しい生活や、適度な運動などと並行して行いましょう。

今まで気にしていた体質が実は生活習慣によるもので、生活習慣を正したら改善したという事もあります。生活習慣を整えた上で自分の体質を見極めて、体質に合った漢方を服用することで肥満解消に効果を発揮します。

病院の受診と漢方を併用

一度病院で体質を見極めた漢方を処方してもらった後も、定期的に受診することをおすすめします。一度体質がわかると自分で同じ漢方を飲み続けがちですが、実際には体質が変化していることもあるからです。それに気が付かず同じ薬を服用し続けると、肝機能や腎機能に影響を及ぼす可能性もあるのです。

病院で受診しながら漢方を服用すれば、医師が定期的に血液検査や問診・触診をしてくれます。そこで数字が変わっていれば、その時の患者さんの体質に合った薬を処方しなおしてくれるメリットがあります。

漢方には非常に多くの種類があり、その人の体質に合わせて細かく調合してくれるのが漢方のいいところです。せっかく自分にあった薬を作ってもらえるのですから、定期的に受診してその時の自分に合った漢方を処方してもらう方が肥満解消にも高い効果を発揮するでしょう。

効果が弱い・即効性がないなどと言われる漢方ですが、西洋医学とは異なる効果を発揮します。その効果が高いため、今では医師の8割以上が患者さんに漢方を処方しています。

肥満は漢方で根本改善できる!

漢方の効果や肥満に効果がある種類についてご紹介しました。ピンポイントで即効性のある西洋医学に対し、東洋医学はゆっくり時間をかけて全身に効果を発揮します。肥満になる理由は人それぞれですが、必ず理由があります。そしてその理由は、本人も気づかないことが多いのです。

漢方では、自分がわかっていない身体の不調も改善してくれます。痩せ体質を手に入れることによって、リバウンドしにくく健康な身体に変えることができます。自分に合った漢方を見つけるためにも、一度病院に相談してみることをおすすめします。この記事が参考になれば幸いです。