子供も肥満になる?小児肥満の実態と肥満改善方法5選

今世界でも問題になっているのが子供の肥満です。日本でも食生活が変わったことから肥満になる子供が増えてきています。肥満は大人はもちろん子供も病気のリスクが上がります。

子供の肥満を治すためには大人の協力が必要不可欠です。子供の将来のために今回の記事でぜひ参考になさってください。

子供の肥満の算出法

はかり

ひとことに「肥満」といっても、単に太っているということではなく、明確な基準に基づいて判断されています。その基準は子供の年代によっても変わるため、正しく理解しておきましょう。

子供の肥満の評価の方法

大人で肥満かどうか判断するには、BMI(Body Mass Index:体重kg ÷ (身長m)2 適正体重)などを参考にすることがありますが、小児の場合は「肥満度」を算出して判断します。

肥満度というのは、標準体重に対してどのくらい体重が上回っているかをパーセントで示したもので、次の計算式から出すことができます。

幼児の場合

満1歳から小学校入学前までの幼児期の場合、次の基準で肥満かどうか判断されます。肥満度15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎ

なお、1歳未満の乳児について定義されていないのは、稀に見られる症候性肥満の場合以外はしばらく様子を見てよいと言われているためです。

学童の場合

小学校入学から卒業までの学童期においては、次の基準で肥満かどうか判断します。学童では肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満

先ほどの幼児とは、肥満の表現も、さらにパーセント基準も少し異なっていることがわかると思います。幼児よりも学童の方が最低基準はやや高めであり、幼児期よりも少し緩めの基準になっています。

子供の肥満について

太っている人

肥満の基準についてわかったところで、次に子供の肥満の種類から、その原因などについて説明していきたいと思います。

小児肥満とは

子供の肥満のことを、専門的には「小児肥満」と呼びます。小児肥満には、次の2つの種類があります。

  • 症候性肥満
  • 単純性肥満

それぞれ、肥満に至る原因が異なることから分類されています。具体的にどんな肥満なのか見てみましょう。

症候性肥満

子供の肥満の中でも少数派となるのが、「症候性肥満」です。これは、何らかの病気が元となって肥満を引き起こしているという場合です。2次性肥満と呼ぶこともあります。この症候性肥満の場合、単純性と異なり、身長があまり伸びなくなるというのも特徴になります。

元に病気が隠れているため、いくら食べ物を制限しても痩せにくいので、根本的な治療をする必要があります。

単純性肥満

子供の肥満で一番多いのが単に食べ過ぎたことによる「単純性肥満」です。さらに詳しく言えば、「摂取エネルギー>消費カロリー」という食生活を繰り返し、おかしやジュースなどの過剰摂取に、バランスの悪い食生活、さらには運動不足などが積み重なって起きる肥満です。

よく言われている食の欧米化というものが、子供の肥満にも大きく影響していて、1970年代ごろから肥満が増加傾向にあり、現在もほぼ横ばいで続いているような状態です。

なぜ子供は肥満になるのか

子供というと、大人よりも代謝が良くて、大人よりも太りにくい、というような印象はありませんか?しかし、近年では太っている子供が増えてきてしまっています。

先ほど述べたように、まず大きな問題は食生活の乱れが関係しています。これは大人にも共通していることで、私たち日本人全体に言える問題と変わりません。コンビニやファーストフートが普及し、

いろいろなお菓子やジュースが次から次へと発売されていくような、環境に育っている子供たち。本来の日本の和食や粗食といったものとは、かけ離れた食生活が当たり前になっています。

特に食事の時間が遅い子供たちも増えているようです。

夕食を19時以降に食べる小中学生が46.2%と、12年前の36.2%から10%増。うち20時以降に食べるこどもは7.1%で、12年前(1.7%)に比べ5.4%増加

引用元:http://www.metabolic-syndrome.net/kodomo/what/what_01.html

遅い時間に食べることで、太りやすい状況を作ってしまっているのは、大人と同じです。遅くともできれば20時までにはご飯を食べ終わっておく生活が望ましいでしょう。

また、子供たちの生活リズムの変化も原因だと考えられています。子供たちの生活が「夜型」になりってきていて、なんと22時以降に就寝する子供の割合が、2歳児では59%というデータもあります。スマホの普及や大人たちの生活に合わせて夜型になっているケースも少なくありません。

世界でも問題視されている

子供の肥満が問題視されているのは、何も日本だけの問題ではありません。これは世界的にも問題となっている、いわば現代病の1つなのです。

イギリス大手メディアのBBCによれば、次のような報告があります。

幼児から10代までの未成年者で肥満とされる人の数が世界で1億2400万人に上り、過去40年間で10倍になったことが新たな研究で明らかになった。

引用元:http://www.bbc.com/japanese/41577945

低栄養状態にあった国々でも、低体重から肥満に転換しているケースもあり、何も原因が食べ過ぎだけではないという背景もあります。バランスのとれた食事をとれない環境や、正しい知識がない大人に育てられた子供たちが、「高カロリーで低栄養の食品」により太ってしまっていることもあります。

子供が肥満になると起こるリスク

運動している男の子

子供は少しぽっちゃりしてるくらいが可愛いだなんて思っていませんか?それは少し危険な思い込みかもしれません。肥満は外見の問題にとどまらず、将来の子供の健康にまで悪影響を及ぼしてしまいます。しっかりとリスクを理解しておきましょう。

成人病や糖尿病など大人と変わらない病気に

最近では、子供の糖尿病や高血圧などの成人病が増えているという話をご存知でしょうか?太っているだけならまだしも、子供の時点ですでに成人病にかかってしまうというのは大きな問題です。

大人と同様に子供でもメタボリックシンドロームになっているようなケースも増えてきています。

さらに、子供でも内臓脂肪が増えると、血管が硬くなって弾力性を失い、動脈硬化の状態になってしまうことがわかっています。

糖尿病には生まれつきインスリン分泌がない「1型糖尿病」と、食習慣などにより後天的になる「2型糖尿病」がありますが、最近では小児2型糖尿病も増加傾向にあります。小児2型糖尿病の半数にはメタボの合併があるということも分かっており、肥満によるリスクの大きさは軽視できません。

大人になってからの健康にも悪影響

子供の頃太っていて、大人になって痩せる人も中にはいますが、大抵の場合で大人までずっと肥満でありつづけることが多いとされています。子供の肥満は大人の肥満を生む元になってしまうのです。

特に年長時に肥満だと大人の肥満になりやすく、さらに思春期では成長とともに食生活も定着して肥満を元に戻しにくくなると言われています。

そして子供のころの肥満が大人の肥満へと続き、長い間肥満であり続けることで、「脂質異常症」、「高血圧」、「糖尿病」の状態からさらには「脳卒中」や「心筋梗塞」などの命にかかわる病気につながっていきます。

将来の子供の健康を守ってあげるためにも、子供のころから肥満を改善していくことが大切なのです。

成長期のホルモンバランスの乱れ

さらに肥満になり首の周りのお肉が増えてくると、睡眠時の呼吸が浅くなり、眠りも浅くなりがちになります。睡眠時は成長期においては成長ホルモンを分泌する大事な時間です。肥満によって成長ホルモンの分泌に悪影響があれば、からだの成長にも影響がでてしまう恐れがあります。

子供の肥満を治す方法

ストレッチをしている男の子

将来の子供の健康のためにも、早めに子供の肥満を改善することが大切です。どんな方法で治すことができるのか、ポイントを5つに絞って紹介していきます。

成長期の減食療法は厳禁

子供の単純性肥満の場合、治療の原則はやはり食事療法が中心になります。ただし、原則としては、子供の成長と発達も非常に大切なことであり、大人とはそこが大きく違う点でもあります。

特に成長期にある子供では、無理な減食をさせてしまうと、発達と成長に影響してしまうため、あまりに厳格な減食療法はしてはいけません。

食事の内容については肥満度によって変わります。軽度肥満であれば、食べる量を変えないで、食事内容を見直していきます。しかし、中等度以上の場合には、エネルギー摂取の制限も必要となってきます。

思春期前までに改善する

思春期以降の肥満は、大人の肥満になりやすいだけでなく、たとえ大人になって肥満を解消したとしても、将来の病気のリスクをあげる可能性が高いことが指摘されています。

また、幼児期以降の肥満を放置していると、そのまま思春期肥満にも移行しやすいこともわかっています。

つまり、将来の肥満を防ぐには、思春期以前である幼児期から肥満を改善していくことが大切なのです。

栄養士さんによる指導

「食事を変えなければいけないけど、どうしたら良いか分からない」、「低カロリーの食べ物は子供が食べてくれない」、「食事を変えても痩せてくれない」、など家庭でお母さん達が食事の工夫をしても結果が出ないことも多いと思います。

その場合には、プロである栄養士さんに相談してみると良いでしょう。大きな病院であれば院内に栄養士さんがいることもあります。また、市区町村の保健所などで子供の栄養相談を行なっている場合もあるため、役所に聞いてみるのもおすすめです。

1人で悩まずに、プロに相談しながら、適切な内容の食事内容を取り入れていくようにしましょう。

医師からのアドバイス

肥満の治療は病院で受けることもできます。特に中等度以上などの肥満の場合や、肥満によって病気を合併してしまった場合、食事を変えても効果が出ない場合や、肥満に関連して不登校などを起こしている場合など、問題が深い場合には医師に相談することも必要です。

一部の病院では、入院しながら近くの学校に通学しながら治療するようなことも可能です。小児の肥満に詳しいお医者さんがいる病院に相談してみることをおすすめします。

親と子供のコミュニケーション

近年「食育」ということばがよく聞かれるかと思いますが、食育するべき親と子のコミュニケーションが不足しているという問題も子供の成長に影響しています。

日本においては家族揃って一緒にご飯を食べる時間が、昔に比べて減ってきているという実情があります。食事は大事なコミュニケーションの時間でもあり、子供に正しい食べ方を教える時間でもあります。

親自身が食事についての意識が不十分であるケースも多いといわれます。子供は大人の背中を見て育つものですから、子供が大人になるまでに自分自身で正しい食事を選んで食べられるように、家族みんなで取り組んでいくことが必要です。

家族みんなで子供の肥満改善に取り組みましょう

子供の肥満について今回はお話してきましたが、参考になったでしょうか?子供は少し太っていて元気なくらいがちょうどいい、とも言いますが、太り過ぎは健康的とはいえません。

子供の肥満は発育や将来の病気にも関係してくるため、早めに改善することが大切です。食事に運動など、改善できることから始めて、家族みんなで子供の健康を守ってあげましょう。