細くなりたい綺麗になりたいと願う女性は後を絶ちません。そんな中柔軟性いわゆる身体を柔らかくすることでダイエットが成功するという記事がよくみられます。柔軟になることで本当にダイエットが成功するのでしょうか?
身体が硬い原因とは?
そもそも、あなたの身体が硬いのはなぜなのでしょうか?生まれつきだと思って諦めてしまっているかもしれませんね。実は身体が硬いのには次の4つの理由が考えられます。
筋肉の緊張
前屈ができない、背中に手が届かない・・など身体が硬いと感じる姿勢がおのおのあることと思います。
そして、例えば前屈が出来ないのは、関節が硬いことが原因だと思っている方もいるかもしれませんね。実は、身体の硬さの原因は、たいていの場合は筋肉の緊張が関係しています。
筋肉の中でも身体の硬さに関係するのは、「骨格筋」です。骨格筋は細い筋繊維(きんせんい)が交互に重なるように作られていて、運動に使う筋肉です。筋肉が硬くなってしまうのは、筋繊維1本1本が硬く、太くなっていることが原因です。
また、関節を伸ばしたり、曲げたりするときには筋肉の力を使っています。筋肉が硬くなっていると、関節の動きも悪くなり、腕や脚などが動かしにくくなってしまうのです。
つまり筋肉の硬さがあると、関節も硬くなり、関節の可動域が狭くなるため、身体がかたいと感じるようになるというわけです。
運動不足
筋肉は使っていないとどんどん硬くなっていきます。筋肉が硬くなり、関節の動きが悪くなる原因として考えられる原因の1つが「運動不足」です。
あなたも子供の頃は、誰もがもっと身体が柔らかかったはずです。それは、子供のころは毎日なにかと動き回って、運動したり遊んだりして、身体のあらゆる部分をよく使って動かしていたから。しかし、大人になると意識して運動しないかぎり、なかなか動く機会は少なくなってしまいます。
デスクワークや同じ姿勢を維持するような家事、仕事を続けていると、筋肉が縮こまって硬くなります。
でも、生まれつき身体が硬いからと諦めている方も、継続して運動することで、だんだんと柔らかい身体を手に入れられるかもしれませんよ。
加齢
年齢と共に身体が硬くなってくるのは、加齢も大きく関係しています。実際に、おじいちゃんやおばあちゃんが、身体が硬いということは珍しいことではありませんよね?
しかし、加齢だけで私たちの身体は硬くなるのではありません。実際に、おじいちゃんでも身体がとても柔らかくて、深い前屈ができる人だっています。この違いは何でしょう?
加齢で身体が硬くなるのは、その人の生活習慣との関係が考えられます。若い頃からずっと運動を続けている人と、家でずっと座ってテレビを見ている人では、身体の柔らかさにも差が生まれることでしょう。
だから、決して歳をとったからといって諦める必要はありません!だれでも身体が柔らかくなる可能性はあるので、ストレッチと運動を繰り返すことが大切ですよ。
骨格の歪みなど
筋肉の硬さがほとんどの場合、身体を硬くしていますが、骨格に原因がある場合も考えられます。骨と筋肉はつながっていて、骨格が歪むことにより、筋肉が動かしにくくなったり、血流が悪くなってしまうこともあります。
また、逆に骨盤が歪んでいることは、筋肉の部分的な硬さが関わっていることも少なくありません。例えば筋肉のコリをほぐすソフトな整体で骨盤の歪みを整えることもできます。
それと同じことで、自分で柔軟を繰り返し、身体が柔らかくなれば、次第に均整のとれたプロポーションが手に入ることは夢ではありません!
身体が硬いデメリット
身体が硬いと、柔軟運動で恥ずかしい思いをすることはありますが、他にどんなデメリットが思い浮かびますか?実は身体が硬いことは、さまざまな問題を引き起こしてしまうのです。
運動時にけがをしやすい
身体が硬いと、筋肉の可動域が狭くなり、怪我をしやすいという説があります。ただ、一方で最近では、身体が柔らかすぎても怪我をするため、運動前のストレッチには賛否両論あるようです。
では、運動前のストレッチが全くの無駄なのかというと、そうではありません。
特に運動を続けている方は、筋肉を使いすぎて硬くなっていることもあります。そのため、身体を元に戻し、良い状態をキープするためにも、適切なストレッチはメリットがあるのでおすすめです。
血行不良になる
筋肉と血管は並走していて、特に老廃物が流れる静脈は流れが悪いため、ポンプの働きがないとうまく流れません。このポンプの働きをしているのが筋肉です。
この時、筋肉が硬いとポンプの役目をうまく果たしてくれません。血流が悪いということは、血行不良になりやすいということ。
ポンプはバネのように弾力があり、よく動いた方が機能は高まります。つまり筋肉が柔らかい方が、血流も良くなります。
疲労がたまる
身体が疲れやすい、疲れがなかなか取れない、肩が重い・・という方はもしかしたら身体の硬さが関係しているかもしれません。
運動した時に増える乳酸により筋肉の酸性度(pHバランス)が崩れることが、疲労の原因です。このとき、血液の流れが悪いと、乳酸のような疲労の原因物質が流れにくくなり、疲れが溜まりやすくなってしまいます。血行が良い方が疲労物質の分解が早くなるため、疲れにくい身体を維持できますよ。
むくみや冷え
筋肉が硬くなると、血管も圧迫されて血流が悪くなります。血流が悪くなると、特に血液が届きにくい末端の手足が冷えるといった症状がでることもあります。冷え性の女性は多いですが、血流の悪さは筋肉の硬さが原因になっていることも少なくありません。
また、血管と並走しているリンパの流れも悪くなります。リンパは血管からしみ出た水分や老廃物が流れる場所で、もともと流れがゆっくりです。リンパの流れが悪くなれると、むくみやすくなってしまいます。
姿勢の悪化で腰痛や肩こりになる
同じ姿勢を長いこと続けていると、次第にクセになってきます。そして、身体の一部分に余計な負担がかかるようになり、筋肉が硬くなってくるのです。例えば、スマホをずっと見てばかりいると、だんだんと猫背になり、背中の筋肉が硬くなってきてしまいます。
また、首や肩まわりを動かさない姿勢を続けていることで、肩こりを起こすこともあります。肩まわりの筋肉が硬くなってしまい、血流も悪くなってしまうのです。肩こり予防には、良い姿勢を維持する適度な筋力と、身体の柔軟性も大切です。
ダイエットと柔軟性の秘密4選
柔軟ストレッチが気になっている方の中には、ダイエット効果を期待している方もいるかもしれません。本当に柔軟だけで痩せることはできるのでしょうか?
筋肉が柔軟になれば血行促進され痩せる
筋肉が柔らかくなれば、血行が促進されます。結果として、代謝量が増えて、やせやすい体質に変わることは期待できるでしょう。もちろん「即効やせ」とはいきませんが、じわじわと体型に変化が出てくる可能性はあります。
可動域が広がるため消費カロリーが増える
柔軟によるダイエット効果の2つ目の理由としては、可動域が広がることがあります。筋肉の動きが良くなれば、支えている関節の動きも良くなります。運動の可動範囲が広がるため、運動量が自ずとアップするのです。結果として、同じ運動をしていても、消費カロリーが高まり、痩せやすくなると考えられます。
O脚が直り脚が綺麗に見える
みなさんの中にはO脚に悩んでいる方もいるかもしれません。生まれつきの歪みと諦めていませんか?実はO脚は、長年の姿勢の癖が積み重なった結果かもしれないのです!
脚は骨の形が曲がっているのではありません。脚の骨には筋肉がついていて、その筋肉が引っ張ることにより脚の形ができています。
偏った脚の使い方をしていることで、一部分の筋肉が硬くなってしまうとO脚の形を作ってしまいます。脚やお尻のまわりの筋肉をほぐして柔らかくすることで、O脚は改善される可能性があります。
柔軟だけでは痩せないが痩せやすい身体づくりはできる
しかし、残念ながら、柔軟運動やストレッチだけで、直接痩せることはありません。ストレッチによる消費カロリーは10分でも15kcalとわずかです。しかし、ストレッチ効果により、痩せやすい身体を手に入れることはできます!
お話したように、血流が良くなって代謝量が増えれば脂肪が燃焼しやすくなります。また、むくみが減るだけでも、スラッとしたラインが手に入ることもあるのです。
ダイエットしたい方は、身体が硬いままでは燃費の悪い車を走らせているようなものです。ぜひ、ダイエットを効率よく行うためにもストレッチを取り入れていきましょう!
からだを柔軟にする方法
身体を柔らかくしようと、いざストレッチを始めても、痛くて続けられないという方は少なくないはずです。辛いことは続けたくないので、身体が柔らかくなる前に挫折してしまいがち。
ストレッチを効果的に、スムーズに行うためにも、次のポイントを理解しておきましょう。また、おすすめのストレッチ法もご紹介します。
体を温める
ストレッチを行うときは、身体が温まった状態で始めることがポイントです。なぜならば、身体が冷えている状態では、筋肉が縮こまりやすく、ストレッチしにくいのです。ストレッチが準備運動じゃないの?と思うかもしれませんが、ストレッチの前にこそ準備運動が必要なのです。
軽いウォーキングができれば好ましいですが、場所の問題があれば、その場で足踏みやジャンプでも構いません。
もしくは自宅ストレッチの場合には、お風呂上がりがおすすめです。しっかり湯船で温まった後に、ストレッチをすれば柔軟も深まりますよ。
ストレッチ
ストレッチは各部位ごとに重点的に行った方が効果的です。柔軟を深めるために効果的なストレッチをそれぞれ紹介していきましょう。
※ストレッチをするときには必ず深呼吸をしながら行いましょう。
腰や背中をストレッチ
腰と背中は身体の中でも大きな筋肉がある場所で、硬くて悩んでいる方が多い場所でもあります。肩こり、腰痛が気になる方には、背中や腰のストレッチがおすすめです。
<背中上部のストレッチ>
- 両足でまっすぐ立ち、手を胸の前で組みます。手のひらは内側に向けて組んでください。
- 肘は外側に向けて、手を組んだまま、まっすぐ胸から前へ伸ばしていきます。
- 動きと連動するように、背中は反対に猫背になるように、後ろに突き出していきます。
- ぐーっと気持ちいいと感じる程度まで伸ばしましょう。腕や肩は余計な力を入れないでください。
20秒程度を目安に行いましょう。さらに、伸ばした手を左右に傾けると、左右それぞれの筋肉をほぐすこともできますよ。
<腰のストレッチ>
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- 床に仰向けに寝転がります。
- 右足曲げを左足の向こうに倒し、脚をクロスさせます。
- 右手を横に広げ、左手は右膝を押さえます。
- 身体は右を向きましょう。右側の腰を伸ばすことができます。
反対側も同じように脚を組み替えて行います。20秒程度続けましょう。
太もも裏をストレッチ
開脚が苦手、前屈ができないという方は太もも裏の硬さが関係しています。太ももは大きな筋肉なので、効果が出るには時間がかかるかもしれません。じっくりとストレッチしましょう。
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- 長めのタオルを用意します。
- 仰向けになって横になります。
- 右足を立てて、足の裏にタオルをかけ、両端を両手で持ちます。
- 右足をまっすぐ伸ばし、タオルをぐーっとひっぱります。この時、膝が曲がらないようにしましょう。
- 負荷が足りない場合には、脚を頭の方まで引き寄せましょう。この時、頭や上半身は上がらないように、床につけたままです。
肩甲骨や肩をストレッチ
肩甲骨のあたりをほぐす「肩甲骨はがし」というストレッチが巷では話題になっています。背中や肩を動かしたときに、バリバリと音がすることありませんか?肩甲骨の辺りもしっかり柔軟しておきましょう。
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- あぐらをかいて座ります。
- 右手を肩の高さにあげて、前へ出します。左手をその下から通して、顔の前に手のひらを持ってきます。
- 右の手のひらと左の手のひらを重ねて、10秒キープします。
- さらに深めたい方は、手のひらはそのままに上にあげて、アゴも少し手のひらを見るようにあげます。首から肩の後ろにかけて伸びているのを感じましょう。
- 手を入れ替えて、反対側も同じようにします。
足首と足裏をストレッチ
スポーツしている方は特に足首や足を怪我しやすいものです。足首から足裏までしっかり柔軟しておくと、足裏筋膜炎という故障を防ぐためにも役立ちます。
1.膝をついて座ります。つま先を立てて床につけておきましょう。
2.腰をまっすぐ下ろして、かかとの上に乗せます。
15秒程度キープしましょう。ただし、痛みがある方は無理しないようにしてください。
反動をつけずにゆっくり
ストレッチをするとき、少しでも遠くまで深くストレッチしたいと思いますよね?そのため、反動をつけて無理やりストレッチする方が多いのですが、これは怪我のもと。
反動はつけずに、呼吸に合わせて、じっくりストレッチした方が、筋肉の伸びが良くなりますよ。呼吸と連動させて、吐くときに伸ばすようにするのがポイントです。
リラックス
ストレッチするぞ!と意気込みすぎて、肩に力が入っていたのでは、ストレッチも深まりません。リラックスした状態の方が、筋肉もゆるみやすく、ストレッチしやすくなります。緊張がとれないときは、深呼吸を数回するとリラックスできますよ。
リラックスして柔軟すれば、柔軟効果も高まり、より高いリラックス状態に導いてくれます。ストレス解消にも良いので、食べ過ぎを防ぐといったプラスαの効果も期待できますよ。
運動や食事改善と共にストレッチを
ダイエットと柔軟の深い関係についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?今までの柔軟のイメージが少し変わった方も多いかもしれません。ダイエットには、運動や食事の改善は欠かせませんが、ストレッチもぜひ加えてみてください。あなたのダイエットが柔軟の効果で成功することを願っています。