赤ちゃんも大人もあせもには保湿がベスト?原因と治し方を知って健康肌に

赤ちゃんの肌って大人よりもずっと敏感です。たくさん汗をかく分、いろいろなところにあせもができやすいので、こまめにケアをしてあげることが大切です。ここでは、赤ちゃんの肌にできやすいあせもの特徴と、保湿を中心とした肌ケアの方法についてご紹介します。

あせもの正体

あせも

赤ちゃんは少しの運動でも、大人よりずっとたくさんの汗をかきます。また、肌自体も、大人よりずっとデリケートな肌です。それゆえ、赤ちゃんの肌は、たくさんの汗をかいたり、かいた汗がそのまま肌に残ったりすることで、その影響はすぐにあせもや汗荒れとなって現れやすいのが特徴です。医学的にあせもを汗疹と呼ぶことがありますが、その種類について、いくつか覚えておくとよいでしょう。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

水晶様汗疹は、汗腺の比較的浅い部分に、汗がつまってできるあせもです。とても小さく、白っぽい水泡のような見た目が特徴で、新生児にできやすい汗疹であると言えます。肌を清潔にして、保湿することで、通常は2~3日で自然に治癒します。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)

紅色汗疹は、皮膚のやや深い部分にできるあせものことを指します。あせもと聞いて、まっさきに思い浮かぶ症状を、紅色汗疹といい、赤くかゆみをともなうのが特徴です。できてすぐならば、きちんと洗って保湿をすれば、数日で自然に治癒します。それでもよくならず、赤ちゃんがかゆがってそれに触ろうとするようであれば、それ以上の悪化を防ぐためすぐに医療機関を受診するが重要です。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

日本ではレアなケースになりますが、皮膚の深い部分にできる深在性汗疹も、あせものひとつです。

あせもができやすい場所

あせもができやすい部位としては、額や首、腕、わきの下、股など、とくに汗腺が集中している部位です。おむつとの接触が多い腰回りなども、あせもができやすい部分です。おむつかぶれと思われがちなものの中にも、あせもを原因とするものがあります。おむつを選ぶときも汗をしっかり吸収するものや肌触りのよいものを選んであげるとよいでしょう。

あせもの原因

赤ちゃんがあせもになりやすい理由

驚いている赤ちゃん

赤ちゃんがあせもになりやすい理由は、ずばり赤ちゃんがとても汗っかきだからです。皮膚には汗を分泌する汗腺がありますが、赤ちゃんの皮膚の表面積は、大人よりもずっと小さいのにもかかわらず、赤ちゃんの肌の汗腺の数は、大人のものと全く変わりません。
その数なんと約200万個です。驚くべきことに汗腺の密度では大人の12倍にもなります。赤ちゃんの肌は汗かきなうえ、汗をうまく排出する毛穴が未熟なため、頻繁に汗が汗腺につまって炎症が起こます。これが、あせもとなって赤みやかゆみが起きる原因にほかなりません。また、かいた汗をそのままにしておくと、汗に含まれている尿酸やアンモニアが皮膚を刺激して炎症が起こり、汗荒れと呼ばれる症状を引き起こすので注意が必要です。

乾燥肌の人ががあせもになりやすい理由

肌が乾燥していることで、肌をあせもから守るバリア機能が弱ってしまいます。赤ちゃんの肌質はじつにさまざまなので、赤ちゃんの肌が乾燥しやすい性質かどうかを、しっかりと見極めてあげることが大切です。

あせもの予防方法

赤ちゃん

あせもができるのは、赤ちゃんが汗っかきであることが原因です。あせもの予防は、大人も赤ちゃんも基本的には同じなのですが赤ちゃんの肌の方がずっとデリケートなので、赤ちゃんがかいた汗に対して、大人の肌以上にこまめに気を配ってあげることが必要です。それではあせもを予防する方法についてご紹介します。

清潔にする

あせもを予防するために最も大切なことは、皮膚をつねに清潔に保つことです。入浴中は、石けんをしっかりと泡立てて、全身をくまなく洗ってあげるとともに、夏でもシャワーだけですませず、ゆっかりと湯船につかって、身体に付いた汗をきちんと落としてあげましょう。汗を拭いてあげることは親子のコミュニケーションを深めることにもつながります。また、普段の生活の中でかいた汗は、ガーゼやウェットティッシュ、濡れたタオルなどで、こまめに、やさしくふきとってあげることが大切です。

保湿を心掛ける

可愛い赤ちゃん

あせもとはすなわち、湿疹にほかならないので、常に肌を清潔にして、ベビーローションなどでしっかりと肌を保湿することが大切です。こうすることで、たいていのあせもを防ぐことができます。乾燥肌の赤ちゃんや、お風呂から出た後の肌には、特にしっかりと保湿をしてあげましょう。また、赤ちゃんの肌は、紫外線や空調などにも敏感です。特に生後2~3か月は、肌の機能も不完全で特に乾燥しやすいので、しっかりと保湿をしてあげることが重要です。保湿剤には、乳液やクリーム、スプレータイプの化粧水などさまざまなものがありますので、赤ちゃんの肌質に合わせてもっともよいものを選んであげるとよいでしょう。

通気性のいい服を選ぶ

赤ちゃんと赤ちゃん服

通気性が良く、肌触りの良い素材の服を選んであげることが、あせもの予防に効果的です。また、汗を吸収しやすい衣類や、オーガニックの天然素材で作られた、肌に優しい下着を着せてあげてください。また、赤ちゃんの衣類は、大人よりも1枚程度少ないくらいがよいでしょう。そして、赤ちゃんが汗をかいたらこまめに着替えさせてあげることが大切です。また、あせもの予防だけを考えると、汗を悪者のように考えてしまいがちですが、汗には、汗をかくことで体温の調節をしたり、汗に含まれている成分によって細菌やウィスルから肌を守ったりする意味合いもあります。それゆえ、赤ちゃんが汗をかかないようにするのではなく、赤ちゃんにはしっかりと汗をかく機会を与えて、かいた汗をいかに清潔にしてあげるかに気を配るようにしましょう。

あせもになってしまったら

赤ちゃん

赤ちゃんの肌を清潔に保つといっても、あせもを完全に防ぐことは困難です。ここでは、あせもになってしまった後の処置についてご紹介します。

保湿

あせものできはじめには保湿が最も効果的です。症状がひどいときにはワセリンを使うこともよいかと思いますが、日常的に使える保湿におすすめの商品をジェル、ローション、汗拭きシートの順にご紹介します。赤ちゃんの肌質にあったものを選んであげてください。ただ、やみくもになんでもつけ過ぎるのは、かえってあせもを悪化させてしまうこともあるので、注意が必要です。

ユースキン薬用あせもジェル(140ml)

ユースキンあせもジェル 140ml

肌に潤いを与えてくれるユースキンの薬用あせもジェルは、あせもに有効です。うるおい成分として、ももの葉、アロエ、シソの葉の植物エキス配合が、また、有効成分として抗炎症効果や抗アレルギー効果をもつグリチルリチン酸二カリウムが含まれます。無香料、無着色、低刺激性なので敏感な赤ちゃんの肌にもおすすめです。また、このジェルは、乾燥肌や、かゆみ・湿疹のある顔や頭皮にもぬることができます。塗布後はすぐに乾燥するため、べたついたり、ジェル自体が乾燥して白くなったりすることはありません。医薬部外品であるため、薬局などで手軽に購入することができます。清潔にした肌の上に適量をのばして使いましょう。

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ピジョン 薬用ローション(ももの葉)200ml(医薬部外品)

ピジョン 薬用ローション (ももの葉) 200ml

保湿成分にももの葉エキスとアロエエキスが入った薬用ローションで、あせもや肌荒れに効果的です。手に取りやすく、ぬりやすいとろみがついており、肌にすっと馴染んでくれます。敏感肌や乾燥肌はもちろん、弱酸性なので特に敏感な赤ちゃんの肌にも使うことができます。安心の無香料、無着色、パラベンフリーです。季節や肌の状態にもよりますが、入浴後に乾燥しがちな赤ちゃんの肌にぬってあげるとよいでしょう。冬場であれば、皮膚を保護するため、ローションの上からベビーオイルなどをぬりましょう。
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モモセア あせもシート ももの葉エキス配合 15枚入り(医薬部外品)

モモセア あせもシート ももの葉エキス配合 15枚入

あせもになれば、いつもより念入りに赤ちゃんがかいた汗をふき取ってあげることが重要です。うるおい成分にももの葉エキス、薬用成分にグリチルリチン酸二カリウム、アラントインが配合されています。また、無香料、無着色、アルコールフリー、パラベンフリー、アレルギーテスト済みの低刺激性シートです。やわらかい天然コットンでできたシートで、赤ちゃんの汗をやさしくふくことができます。
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あせもを掻きむしらないようにする

もし赤ちゃんにあせもができてしまったら、できるかぎり赤ちゃんがあせもを掻きむしらないようにしてあげることが大切です。寝ている間に汗をかきやすい夏場などはできるかぎり一晩中、空調をつけたままにする、汗をかいたらこまめにシャワーで洗い流してあげる、あせもが治るまでは汗をかくような動きや運動を控える、などのケアが大切です。

市販薬を試す

あせもが悪化してしまった場合、病院などで最もよく処方される薬が、ステロイドです。ステロイドは、ある程度、強い効果をもつ薬剤であるため、短期間にあせも一気に治すことにより、あせもの悪化を防ぐことができます。それゆえ、あせもの症状がひどいときには、自己判断で処置するのではなく、早期に医療機関を受診することが重要です。

【指定第2類医薬品】テラ・コートリル軟膏a 6g

ステロイドの成分

ステロイドは、主に皮膚の炎症をおさえるために使われます。赤ちゃんのあせもに対して皮膚科で処方される薬に、ロコイド、キンダベート、アボコート、アルメタがあります。たとえば、一般によく用いられるロコイド軟膏の成分は、ステロイド成分「ヒドロコルチゾン酪酸エステル」で、ステロイドの強度としては、中程度に分類されるものです。

ステロイドのメリットデメリット

あせもの炎症を抑えるのに、最も有効なものがステロイドです。ステロイドで一気に治して、さらなる悪化を防ぐように、短時間で治療することが可能です。ただし、ロコイドなど弱めの薬であっても、大量に使用したり、長期にわたって広い範囲に使用したりすると、やはり副作用のリスクが高まります。それゆえ、医師との相談の上、十分な管理のもとで使用期間や塗る回数はしっかりと守って使うようにしましょう。なお、ステロイドの副作用を避けようと、途中で治療を止めてしまうことで、治癒までの時間が長期化すれば、症状悪化の可能性があるため注意が必要です。

ステロイドの種類

ステロイドの塗り薬の強さは、5つのランクに分類されます。すなわち、最も強い、非常に強い、強い、普通、弱い、の5段階です。先ほどもお伝えしたように、赤ちゃんのあせもに使うロコイド軟膏などは、この5つのランクの中で、下から2番目の「普通」に分類されており、ステロイドの塗り薬の中では比較的マイルドです。

ステロイドの副作用

ステロイドをきらう方の中には、飲み薬の副作用であるムーンフェイス(顔が丸くなる)などの副作用を心配される方もいますが、局所的なぬり薬では、そのような全身的な副作用がでることはまずありません。そうはいっても、ステロイドを長期的にわたってぬり続けると、皮膚が薄くなったり、塗った部分の免疫力が低下して細菌やウイルスに感染しやすくなったりする副作用があるため、医師の指導の下、適切な用量・処方を守って使うことが重要です。

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入浴方法の見直し

赤ちゃんのお風呂

入浴で赤ちゃんの肌をナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うのはNGです。肌に細かな傷がついて、あせもができやすい肌質になります。また、石けんで必要以上にあらうことも避けましょう。必要な皮脂まで洗い落としてしまうため、肌の乾燥が進んでしまいます。汗を落とすだけ良い場合、汗は水溶性なので、ぬるま湯だけでも十分落とせます。

まとめ

汗かきの赤ちゃんの肌に、あせもはつきものです。あせもを防ぐためには、かいた汗を肌に残さず、こまめに落としてあげることや、乾燥を防ぎ、肌バリアを強化する保湿ケアを行ってあげることが欠かせません。しっかりと毎日のケアを欠かさなければ、あせもは数日で自然に治ります。しかし、あせもがひどくなった場合は、自己判断で処置することはおすすめしません。まずはすぐに医療機関を受診し、医師の指導の下、一日も早く、赤ちゃんの悪化したあせもを治療してあげることに専念しましょう。