夏になると、ノースリーブを着たり、水着を着たりする機会が増えると思います。その時に気になるのが、「振りそで」などといわれることのある二の腕だと思います。知らない間に太くなってしまった二の腕は、どのようにして引き締めるとよいのでしょうか。今回は、二の腕を引き締める方法について、二の腕が太くなってしまう理由とあわせて解説していきたいと思います。
二の腕が太く見える理由
二の腕の引き締め方について解説する前に、まずは二の腕が太く見えてしまう理由について知っておきましょう。それによって、自分に合った二の腕の引き締め法を選択することができますよ。
脂肪の付着
二の腕が太く見えてしまうもっとも単純な理由は、脂肪が付着してしまうからです。二の腕の特に裏側(力こぶが出る側と反対の方)には脂肪が付着しやすいため、二の腕が太く見えてしまうのです。
脂肪が付着する最大の原因は、糖質の過剰摂取や血糖値の急上昇だと考えられています。私たちが摂取した糖質は、すい臓から分泌されるインスリンによって分解されます。
インスリンによって分解された糖質は、私たちの脳や身体が活動する際のエネルギーとなります。特に、脳が活動する際のエネルギーは糖質でしか賄えないため、糖質の摂取はとても重要です。
ただ、糖質の過剰摂取や血糖値の急上昇があった場合、インスリンによる糖質の分解が追い付かなくなってしまいます。インスリンによる糖質の分解が追い付かなくなると、糖質は予備のバッテリーとして脂肪細胞内に蓄えられることとなります。
これが脂肪の付着するメカニズムです。特に脂肪細胞が密集している二の腕や下腹、お尻や太ももに脂肪がつきやすくなっているのです。
筋力の低下
二の腕が太く見えてしまう原因としては、筋力の低下があげられます。「筋肉のある方が、二の腕が太く見えるのでは?」と思われるかもしれませんが、女性の場合、よほど気合いを入れて筋トレをしない限り、二の腕が筋肉によって太くなることはありません。
女性は体質的に、男性よりも筋肉がつきにくくなっています。「気合いを入れて筋トレ」と書きましたが、どの程度の気合いが必要かというと、トップアスリートやボディビルダー程度の気合いです。
つまり、一般的な女性がおこなう程度の筋トレであれば、ムキムキになどなりたくてもなれないのです。だから安心して筋トレに取り組んでくださいね。
では、なぜ筋力が低下すると二の腕が太く見えてしまうのでしょう。それは、筋力が低下することによって二の腕がたるみ、それによって太く見えてしまうのです。
また、筋肉量が減少すると基礎代謝も低下することとなります。基礎代謝は1日の間に消費するエネルギー(カロリー)の7割程度を占めているため、基礎代謝が低下すると太りやすい体質になってしまうのです。
このように、筋力が低下すると、徐々にかつ確実に、二の腕に脂肪が蓄えられることとなるのです。手遅れにならないうちに対処するよう心がけてくださいね。
バランスが悪い
二の腕が太く見えてしまう理由としては、全身のバランスが悪いということもあげられます。バレリーナは遠くから見るととてもスリムに見えますが、実際はとても筋肉が発達しています。
舞台上で妖精のように飛んだり跳ねたりするのですから、それも当然のことと言えます。でも、バレリーナを見て太っているとは思いませんよね。
なぜなら、バレリーナの身体はとても均整が取れているからです。二の腕に筋肉は付いていますが、三角筋という肩パットのような筋肉も発達しているため、かえって腕が細く見えるのです。
ふくらはぎに関しても同様で、バレリーナのふくらはぎは一般人に比べるととても発達していますが、足首がキュッとくびれているため、ふくらはぎも太く見えるようなことがありません。
反対に一般の人は、腕自体は細いものの、三角筋が発達していないため、メリハリのない上肢(肩から先の腕のこと)となるため、結果として二の腕が太く見えてしまうという訳なのです。
二の腕の理想サイズ
二の腕が太く見えてしまう理由については理解して頂けたことと思います。では、二の腕を引き締める際に、理想とするサイズはあるのでしょうか。もちろん、身長によって二の腕の理想サイズは異なってきます。
一般的には、「身長(cm)×0.145~0.16」程度が二の腕の理想のサイズとされています。ただし、同じサイズであっても脂肪の割合が多ければ、二の腕が太く見えてしまうこととなります。参考までに、各身長ごとの理想的な二の腕サイズを表で紹介しておきます(身長×0.15の場合)。
身長 | 二の腕の理想サイズ |
140cm | 21cm |
145cm | 21.75cm |
150cm | 22.5cm |
155cm | 23.25cm |
160cm | 24cm |
165cm | 24.75cm |
170cm | 25.5cm |
175cm | 26.25cm |
二の腕を引き締める方法
それでは次に、実際に二の腕を引き締めるための方法について見ていきたいと思います。二の腕を引き締める方法は実にさまざまなので、自分にできる続けやすい方法を選択するようにしてくださいね。まずは、マッサージで血液の流れを改善し、筋肉をほぐしておく
二の腕を引き締める筋トレをする前に、まずは二の腕をマッサージしたりストレッチしたりして、血行を改善しておきましょう。血行がよくなれば栄養状態もよくなるため、筋肉のパフォーマンスが向上します。 また、マッサージやストレッチをおこなって筋肉を緩めておくと、関節の可動域が広くなります。それによって、筋トレの効果をアップすることができます。 あと、マッサージやストレッチをおこなって筋肉を柔軟に保っておくことで、怪我のリスクが低下しますし、筋トレ後の回復も早まります。マッサージやストレッチをおこなうこと自体、血行を促進してむくみを解消し、二の腕の「見た目痩せ」にもつながります。道具なしでもできる二の腕筋トレ
二の腕を引き締めるためにもっとも効果的なのは筋トレです。筋肉がつくことによって二の腕にメリハリが生まれ、実際の太さよりも細く見せることが可能となりますよ。では最初に、道具なしでもできる二の腕の筋トレを紹介したいと思います。腕立て伏せ
二の腕を引き締めるための筋トレのトップバッターは腕立て伏せです。筋トレの世界ではプッシュアップと呼ばれており、二の腕や大胸筋・小胸筋、後背筋などを鍛えるのに有効とされています。通常の腕立て伏せ
二の腕に特に利かせるのであれば、「ナロープッシュアップ」という筋トレがおすすめです。ナロー(narrow)には「狭い」という意味があることからも分かるように、ナロープッシュアップは腕の幅を狭くしておこなう腕立て伏せのことを言います。やり方は以下の通りです。 ①通常の腕立て伏せをおこなうときより腕の幅を狭くします(だいたい肩幅と同じくらい) ②その状態から、肘を外側に張らず、身体のラインに沿ってまっすぐ後方へ曲げていきます ③最初は10回を目標におこないましょう ナロープッシュアップをおこなうと、いわゆる「振りそで」と呼ばれる二の腕の裏側(上腕三頭筋)を鍛えることができます。最初は10回を目標にして、10回が余裕でできるようになったら、回数を増やしたり、セット数を増やしたりしましょう。 肘を曲げて腕立て伏せをするのがしんどい場合は、腕立て伏せの姿勢を保つだけでも効果がありますよ。その姿勢になれてきたら、実際に腕立て伏せをするとよいでしょう。逆腕立て伏せ
逆腕立て伏せは、筋トレの世界で「リバースプッシュアップ」と呼ばれています。リバース(reverse)には「反対」とか「逆」といった意味があることから分かるように、通常の腕立て伏せと反対を向いておこなうのが特徴です。- ベッドやいすに座った状態で、ベッドの端やいすなどを後ろ手にした両手でつかみます
- お尻を前に出して両足をまっすぐに伸ばします
- 肘をゆっくりと90度になるように曲げ、伸ばすことを繰り返します
壁に手をついて腕立て伏せ
「ナロープッシュアップやリバースプッシュアップはきつくて、とてもじゃないけどできない!」という方には、壁に手を付いた状態でおこなう腕立て伏せをおススメします。- 壁に向かって立ち、両手を前に伸ばして壁を触ります
- 足は肩幅くらいに開きます
- 身体を前に傾け、肩の高さで壁に手をつきます(両手も肩幅くらいに開くようにします)
- ゆっくりと息を吸いながらひじを曲げます
- 大きく息を吐きながら肘を伸ばしてます
- 肘を外側に張らず、身体のラインに沿って曲げましょう
肩回し運動
筋トレほどの効果はありませんが、肩回し運動をおこなうと血行が改善されるため、二の腕のむくみを取って見た目痩せすることが可能となります。 また、肩回し運動をおこなうことで肩こりの予防にもなりますし、猫背の改善効果も期待できます。関節の可動域が広がれば、より効果的に筋トレをおこなうことができますよ。- 指先で軽く肩にふれます
- その状態で肘を大きく前から後ろに回します
- 次に、肘を後ろから前に回します
腕を後ろに振り上げて歩く
二の腕を引き締める方法としては、歩くときに二の腕を大きく後ろに振り上げるという手もあります。走るときには腕を振りますが、歩いているときには腕の振りが小さくなりますよね。 そこで、ランニングをするときのように、腕を大きく振って歩くようにしてみましょう。それによって二の腕の筋肉を刺激することができます。即効性はありませんが、続けることによって二の腕を引き締めることができますよ。- いつもより靴のサイズ半分大股に歩きましょう
- その際に、腕を大きく前後に振ります
- 余裕のある人は手に重りをを持つのもよいでしょう
- 30分以上おこなうと効果的です
二の腕痩せストレッチ
二の腕の「見た目痩せ」をするのであれば、ストレッチも効果的です。特に、「振りそで」の部分にあたる、上腕三頭筋をよくストレッチしてあげましょう。上腕三頭筋のストレッチは、立っておこなってもいいですし、椅子に座って行うこともできます。- 右手で右肩を触ります
- その状態からまっすぐ肘を上にあげましょう
- 左手で右の肘をつかみ、右肘をさらに後方へと押します
- 右手は右の肩甲骨を触るようにスライドさせましょう
- 30秒したら反対側も同様におこないます。左右交互に3セットずつおこないましょう
道具を使って二の腕を引き締める方法
道具を使えば、より効果的に二の腕を引き締めることができます。ここでは二の腕を引き締めるのに効果的なアイテムを3つほど紹介したいと思います。ダンベルで二の腕筋トレ
自宅にダンベルがある人は、二の腕を効果的に引き締めることができます。ダンベルがない場合は、ペットボトルに水を入れて代用するといいですよ。- ダンベルやペットボトルを右手に持ち、手をまっすぐ上にあげます
- 左手で右肘を押さえ、右肘を後ろに曲げていきましょう
- 曲げられるところまで曲げたら、右手をまっすぐ上に伸ばしましょう
- 反対側も同様におこないます
タオルで二の腕筋エクササイズ
二の腕を引き締めるときに、タオルを使って簡単にエクササイズする方法もあります。簡単なのでぜひチャレンジしてみてくださいね。- 両手でタオルを持ち、頭の上でピンと張った状態にします
- 両肘を曲げながら、タオルを背中の方へ下ろしていきます
- 肘を曲げ終えたら、①の状態に戻ります
チューブで二の腕筋エクササイズ
自宅にチューブがある場合、簡単に二の腕のエクササイズができます。- チューブの一端を右足のかかとで踏みます
- 背中側から右手でチューブのもう一端を持ちます(手の位置が右肩の上くらいに来るように)
- そのまま、右手をまっすぐ上に伸ばしましょう