ふくらはぎ痩せをしたいのであれば、有酸素運動や筋トレをすると効果的だといわれています。でも、できれば楽な方法でふくらはぎ痩せしたいというのが人情というものですよね。そのための方法として、ダイエット用のローラーでマッサージするという方法があげられています。はたして、ダイエット用ローラーでふくらはぎ痩せは可能なのでしょうか。
ふくらはぎ痩せをするときに、ダイエット用のローラーを用いるという方法があります。でも、ふくらはぎをコロコロとマッサージするだけで、本当に痩せられるのでしょうか。また、場合によっては青あざができてしまうようなケースもあるそうです。今回は、ダイエット用ローラーの使い方と、その効果について解説します。
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ふくらはぎが太くなる原因を教えて
脚痩せ用のダイエットローラーで、ふくらはぎ痩せができるのかどうかについて解説する前に、まずはふくらはぎが太くなってしまう原因を知っておきましょう。それによって、効率よくふくらはぎ痩せをすることが可能となりますよ。
むくみ
ふくらはぎが太くなる有力な原因として、むくみの存在があげられます。特に、女性の場合はふくらはぎがむくんで太く「見えて」いるケースが往々にしてみられます。
ふくらはぎがむくんでしまう原因はいろいろあるのですが、慢性的にむくみがみられるような場合、病気のケースを除けば、ふくらはぎの血行不良が考えられます。
血液が心臓から身体の各部へと送られることは、皆さんもご存知の通りだと思います。ただ、心臓には血液を送り出す働きしかありません。では、全身の各部へと送られた血液は、どのようにして心臓へと送り返されるのでしょうか。
血液が心臓へと送り返されるのは、「筋ポンプ」作用と呼ばれる全身各部の筋収縮によってです。筋肉には関節を動かすだけでなく、血液を心臓へと送り返したり、熱を発したりする働きもあるのです。
体重も平均体重以内で、全体的には痩せて見えるのに、ふくらはぎだけが太く見えるような場合、脚のむくみによってふくらはぎが太く見えている可能性があります。
男性に比べると、女性にふくらはぎのむくみが多くみられるのは、女性の方が脚の筋力が弱かったり、筋肉量が少なかったりするためです。
筋力が弱かったり筋肉量が少なかったりすることで、心臓へと血液を送り返す力が弱くなり、結果として脚がむくんでしまうのです。女性に下肢静脈瘤や冷え症が多いのも、同様の理由からです。
筋肉太り
ふくらはぎが太くなってしまう原因としては、筋肉がつきすぎているケースもあげられます。特に、ダイエットを専門としているサイトには、筋肉太りでふくらはぎが太くなると解説しているものもあります。
ただ、筋肉がつきすぎることによってふくらはぎが太くなっているようなケースは、ほとんどないと言っても過言ではありません。筋肉によってふくらはぎが太くなっているのは、ハードなトレーニングをしているアスリートくらいです。
女性の場合は体質的に筋肉がつきにくいので、筋肉太りなどしたくてもできないというのが実際のところです。ただ、運動を開始するとふくらはぎの筋肉が目立ってくるようなケースもあります。
それは、筋肉がついているのではなくて、ふくらはぎの筋肉に疲労物質がたまってパンパンになっているだけのことです。やはり血行が悪いことによって、そのようなことが起こってしまいます。
体脂肪量の増加
ふくらはぎが太くなってしまう原因としては、体脂肪の量が増えていることもあげられます。簡単にいえば、太りすぎてふくらはぎが太くなっているということです。
体脂肪の付着には、糖質の摂取が大いに関与しています。近年の研究結果によって、糖質の過剰摂取によって、脂肪の付着することが分かってきているのです。単に、食べすぎて太っているといった単純な問題ではないのです。
私たちが糖質を摂取すると、すい臓にあるランゲルハンス島という場所からインスリンが分泌されます。インスリンには糖質を分解して、私たちの脳や身体のエネルギーに変えてくれる働きがあるのです。
そのことから、糖質(炭水化物)はエネルギー源だといわれるわけです。ただ、糖質の摂取量が多すぎたり、食後に血糖値が急に上がりすぎたりすると、インスリンによる糖質の分解が追い付かなくなってしまいます。
インスリンによって分解しきれなかった糖質は、ひとまず予備のバッテリーとして細胞内にとどめ置かれることとなります。その正体こそが脂肪であり、また、この一連の流れが太ってしまうメカニズムだという訳なのです。
骨盤の後傾
ふくらはぎが太くなってしまう原因としては、骨盤が後ろに傾くこと(後傾)もあげられます。骨盤が後ろに傾くと、おなかにある腸腰筋という筋肉が緊張して(こって)しまいます。
腸腰筋は腰の骨と股関節をおなか側で結んでいるのですが、腸腰筋が緊張することから生じる牽引力によって、股関節が外側に回旋してしまうのです。つまり、O脚気味になってしまうということです。
O脚になると、脚の外側に体重がかかるようになるため、お尻が垂れて見えてしまったり、太ももの外側が目立つようになったり、ふくらはぎが太く見えてしまったりするのです。
ふくらはぎには「下腿三頭筋」と呼ばれる筋肉群があり、内腓腹筋、外腓腹筋、ヒラメ筋の3つから構成されています。
O脚気味になると、外腓腹筋というふくらはぎの外側にある筋肉にばかり負担がかかるようになります。そして、外腓腹筋に疲労物質がたまることによって、ふくらはぎの外側がボコッと目立つようになってしまうのです。
ダイエット用ローラーってなに?
ふくらはぎが太くなってしまう、もしくは太く「見えて」しまう原因は、実にさまざまであることをご理解頂けたことと思います。では次に、ダイエット用のローラーについて見ていきたいと思います。
美容を目的としたローラー
ダイエット用のローラーは、美容を目的としたローラーです。ダイエットはそもそも「美容と健康」のためにおこなうものですから、ダイエット用ローラーはその目的にふさわしいものと言えそうです。
ダイエット用のローラーもピンからキリまであり、数万円もする高価なものから、100円均一で変えるようなローラーもあります。また、めん棒を使ってダイエットをする方法もあるということです。
使い方
ダイエット用ローラーの使い方は簡単で、気になる場所にローラーをあてがって、コロコロと気持ちよく転がすだけです。
一般的には、顔のお肉が気になるときには顔用の、脚のお肉が気になるときには脚用のダイエット用ローラーを使うこととなります。また、顔や脚、おなかなど兼用のダイエット用ローラーもあります。
ダイエット用ローラーの効果
ダイエット用ローラーにもいろいろありますが、では、ダイエット用ローラーを利用することで、どのような効果が得られるのでしょう。
血行を促進
ダイエット用ローラーの効果としては、血行を促進できるということがあげられます。コロコロと筋肉を刺激してあげることによって、筋ポンプ作用が強化されることとなり、血液の循環状態が改善します。
筋緊張の緩和
ダイエット用ローラーは、疲労の回復目的で用いられることもあります。運動をした後に筋疲労がみられるのは、血液中に乳酸が産生されるからだとされています。
乳酸に関しては諸説あり、疲労物質だという説もあれば、疲労を回復させるために産生されるものだという説もあります。
いずれにせよ、ダイエット用ローラーを用いて、筋肉の緊張(コリやハリ)を緩和させることによって、乳酸を速やかに取り除いて、疲労の回復機能を高めることが可能となります。
新陳代謝の活発化
ダイエット用ローラーの効果としては、新陳代謝が活発化するということもあげられます。新陳代謝とは、古いものが新しいものへと生まれ変わることを意味します。
人間の体内では常に細胞分裂が繰り返されており、それによって髪の毛や爪が伸びたり、お肌のターンオーバーが起こったりしています。そして、まさにそれこそが新陳代謝の産物なのです。
ダイエット用ローラーを使ってマッサージをすると、血液の循環がよくなります。血液は全身に酸素と栄養を運んでいるので、血行のよくなった場所には栄養状態の改善がみられることとなるのです。
また、ダイエット用ローラーを使ってマッサージすることで、リラクゼーション効果も得られます。リラックスした状態というのは、自律神経の副交感神経が優位になっている状態です。
副交感神経が優位になると、血管が拡張して、血行も促進されることとなります。また、睡眠の質が向上することによって、身体の回復機能が高まったり、新陳代謝が活性化されたりすることにもつながります。
ローラーでふくらはぎ痩せはできる?
それでは今回のメインテーマでもある、「ダイエット用ローラーでふくらはぎ痩せができるのか」について見ていきたいと思います。
むくみの解消は可能
ダイエット用ローラーでふくらはぎ痩せができるかどうかということですが、ふくらはぎを細く「見せる」ことは可能です。特に、脚がむくんで太く見えてしまっているような人には効果的と言えます。
ダイエット用ローラーには、血行を改善したり、疲労物質をはやく取り除いたりする効果があります。それによって、脚のむくみやハリを解消し、脚が細く見えることとなるわけです。
脂肪が燃焼することはない
ダイエット用ローラーに関する記事を読んでいると、脂肪を燃焼させたりセルライトをリンパに流したりすることで、ふくらはぎ痩せができると解説されているものがあります。
こういった説明に関しては、まったくの誤りであるということが可能です。筋肉をいくらマッサージしても血行がよくなるだけのことで、脂肪燃焼がおこるようなことはありません。
セルライトの落とし穴
先ほど少しセルライトについて触れましたが、ダイエット用ローラーを使ってマッサージすると、セルライトをリンパや静脈に流すことができ、それによってふくらはぎ痩せが可能などといわれることがあります。
これに関しては、とんでもない誤解ということができます。まず第1に、セルライトなどといわれる物質は存在しません。医学的にみた場合、セルライトとはただの「皮下脂肪」のことです。
第2に、皮下脂肪がリンパや静脈に流れるようなことは絶対にありません。もしそのようなことが起こったら、リンパや静脈が詰まってしまうこととなります。
また、ダイエット用ローラーを使ってマッサージしていたら、アザになってしまったなどということがあります。これなどは、ありもしないセルライトを潰そうとするあまり、強すぎる力で圧迫することが原因となっておこります。
ローラーとあわせておこないたいふくらはぎ痩せ法
ここまでの説明で、ダイエット用ローラーはあくまでも血行を促進して新陳代謝を活発にするものであり、脂肪燃焼を起こすものではないことを理解して頂けたことと思います。そこで、ダイエット用ローラーとあわせておこないたいふくらはぎ痩せの方法について紹介しておきます。
入浴
ダイエット用ローラーの効果を高めるためには、あらかじめ入浴して身体を温めておくとよいでしょう。それによって、血行改善や新陳代謝の活発化がより効率よくおこなわれることとなります。
かかとの上げ下げ
ふくらはぎ痩せのもっとも簡単な方法は、つま先で立ってかかとの上げ下げをおこなうことです。それによってふくらはぎの筋ポンプ作用が高まり、血行を促進してむくみを改善することが可能となります。
また、継続的におこなうことで下腿三頭筋が美しくキュッとしまってきます。足首へかけてのラインが美しくなることで、理想的な脚のラインを得ることが可能となります。
スプリットスクワット
スプリットスクワットは、脚を前後に開いておこなうタイプのスクワットです。筋力の弱い女性でも簡単にできる、脚痩せには絶対にオススメのエクササイズです。
脚を軽く前後に開いたら、上体をまっすぐおろしながら、前になった方の膝が90度、後ろになった方の膝が135度になるようにしましょう。左右ともにはじめは10回から始めるとよいでしょう。
ローラーの効果を知って使用しましょう
今回の記事では、ダイエット用ローラーでふくらはぎ痩せができるのかどうかについて解説しました。結論は、ふくらはぎを細く見せられる可能性はあるものの、根本的に痩せることはできないということとなります。
ただ、ダイエット用ローラーのリラクゼーション効果や、血行促進効果までも否定するものではありません。日々の疲れを取り除いて、ダイエットを効率化させるのに、ダイエット用ローラーは有効といえそうです。