便秘には温罨法が効果的?温罨法のやり方や便秘の原因とは?

LIL 編集部

便秘の改善法はいろいろありますが、「温罨法」というやり方があることをご存じだったでしょうか。医療関係者出なければあまり聞くことのない言葉ですが、実際に温罨法を受けたことのある人は意外と多いと思いますよ。今回は、便秘を改善するための温罨法のやり方や、便秘の原因について解説したいと思います。

便秘の際におこなう温罨法ってなに?

便秘を改善するときに、温罨法(おんあんぽう)と呼ばれる治療法を施すことがあります。温罨法のやり方について解説する前に、まずは罨法とは何なのかについて見ていきたいと思います。

罨法とは?

罨法なんて言葉は初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には知らず知らずのうちに治療を受けた方も少なからずいらっしゃると思いますよ。

罨法はもともと漢方治療の一種です。漢方というと中国の治療法をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、漢方は日本の伝統医療のことを意味します。

江戸時代の末期にオランダの医学が導入されるようになり、そのことを「蘭法」と呼ぶようになり、それまでの伝統的な医療のことを「漢方」と呼ぶようになったのです。それはともかく、罨法には冷罨法と温罨法の2種類があります。

冷罨法

冷罨法は、ケガをしたときの炎症を静めたり、発熱をしたときの熱を下げたり、痛みを和らげたりする目的でおこなわれます。

現在ではあまりみられなくなりましたが、昔は、発熱をした人の額に固く絞った冷たい濡れタオルを置いたり、氷嚢を用いて冷やしたりしたものです。

最近では、冷えピタシートなどと呼ばれるゲル状の冷たいシートを、発熱した際におでこにはることがありますが、あれも冷罨法の一種といえなくはありません。

冷罨法をおこなうと、血管が収縮して、局所の血流が減少することとなります。それによって、炎症反応を抑えて、痛みを和らげることが可能となるのです。

例えば、足首をねん挫したときに湿布を貼ることがありますよね。あれも冷罨法の一種なのです。罨法という言葉は知らなくても、罨法を施されていることはよくあるという訳なのですね。

温罨法

温罨法は、冷罨法とは反対に、局所を温めることによって血流を促進し、細胞の新陳代謝を活発にすることを目的としておこなわれます。

また、慢性的な筋緊張(コリ)による痛みを緩和したり、リラクゼーション効果を得たりすることも可能となっています。

ただし、ねんざなどの外傷によって炎症状態がひどい場合、血行がよくなるとさらに炎症状態が悪化するため、その際には温罨法ではなく冷罨法がおこなわれることとなります。

医学的な知識のない素人にとって、温めた方がよいのか冷やした方がよいのかを判断するのは難しいと思います。

基本的には、何らかの症状を改善するためには、温めることがもっとも効果的です。ただ、ケガなどにともなってズキズキと拍動するような痛みがあるときには、一時的冷やすようにしましょう。

ただし、怪我をしてから48時間以上経ったら、温める治療に切り替えた方が、早期回復が望めるようです。

逆に、怪我をした場合でも炎症状態がそれほどひどくなければ、最初から温めた方がよいケースもあります。判断に困る場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

便秘の際におこなう温罨法とは

便秘の際におこなう温罨法は、通常、背中に温かいお湯につけて絞ったタオルを置くという方法でおこなわれます。お腹においてもいいのですが、女性の場合、皮下脂肪があるため、背中においた方が効果的だということです。

便秘の際の温罨法のやり方

それでは、便秘の際にどのようにして温罨法を施すのか、そのやり方について見ていきたいと思います。一般的には、以下の3つの方法があるようです。

温罨法のやり方その1・蒸気温熱シートを利用する

蒸気温熱シートは、手軽にできる温罨法としてよく知られています。実際に市販されているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

蒸気温熱シートは、空気にさらされることで熱を発する構造になっています。使い捨てカイロとよく似た原理とも言えます。

蒸気温熱シートが空気にさらされると、温度が40度まで上昇します。そして、その効果は5時間ほど継続するということです。

温罨法のやり方その2・タオルを利用する

タオルを使って温罨法をする場合、70程度のお湯にタオルをつけて絞ります。素手だと熱いので、ゴム手袋を用いて絞るとよいでしょう。

タオルを絞ったら、空気中で冷やし、実際に温罨法の施術を受ける人の腕に当てて、熱くないかを確認します。

その後、うつぶせか横向きに寝た被施術者の腰に温かいタオルを乗せます。熱すぎないことが確認できたら、保温性を保つためにタオルの上にポリ袋を乗せ、さらにその上からバスタオルをかけます。

この方法は整骨院などでも取り入れられています。もしかしたら実際に温罨法を受けられた方もいらっしゃるかもしれません。

整骨院では、タオルを絞って専用のケースに入れて温めます。それを患者さんの患部に直接、もしくは間接的に乗せ、ビニールで覆って固定し、その上からホットパックを乗せて温めます。

温罨法のやり方その3・ビニール袋にタオルを入れる

便秘の際に温罨法をするときには、60度のお湯で絞ったタオルをビニール袋に入れて、それを腰にあてるという方法もあります。

この方法だと、衣服や布団を濡らすリスクが減少するので、看護の現場でもよくおこなわれています。温める場所は、骨盤と腰の境目当たりが目安となります。

温罨法が必要となる便秘の原因

温罨法をすると、便秘の有意な改善がみられるということですが、そもそもなぜ便秘になってしまうのでしょうか。便秘になる原因としては、おもに以下のようなことがあげられています。

ストレス

便秘の原因としては、ストレスの存在があげられています。温罨法によって便秘が改善するのも、ストレスによる交感神経優位の状態を、副交感神経が優位の状態に導くことができるからではないかと考えられています。

ストレスの弊害はいろいろと知られていますが、なぜストレスによってさまざまな弊害が生じるのでしょうか。そのカギとなるのが自律神経の存在です。

自律神経とは、私たちが特に意識しなくても勝手に働いてくれている神経のことをいいます。たとえば、「5秒間だけでいいので、心臓を止めてみて」といわれても不可能ですよね。

なぜなら、心臓の働きは自律神経によって制御されているからです。腸管もやはり自律神経の制御化にあるため、自律神経のバランスによって働きが左右されることとなります。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成っており、交感神経が優位になれば血管が収縮し血圧があがります。副交感神経が優位になれば、血管が収縮して血圧が下がります。

どちらがよいという訳ではなくて、活動的な時間帯には交感神経優位になる必要がありますし、身体を休めるときには副交感神経優位になる必要があります。

ところが、ストレス状態が継続すると、交感神経優位の状態も続くこととなります。交感神経優位の状態が夜になっても継続すると、身体を休めることができなくなってしまいます。

私たちが食べたものの消化や吸収がおこなわれるのは、副交感神経が優位になっている、寝ている間です。そのため、ストレス状態が続くと、消化や吸収にも支障をきたす訳なのです。

さらに、ストレス状態が継続すると、脳内の神経伝達物質の一種である、セロトニンの分泌量が減少します。セロトニンには神経を鎮静化させる働きがあるため、セロトニンの分泌量が減少することで、さらにストレス状態が増すこととなるのです。

セロトニンの分泌量が減少すると、満腹中枢が刺激され憎くなることも分かっています。このように、ストレス状態が継続すると、便秘になるリスクが加速度的に増大していくのです。

便秘に対する温罨法は、看護の現場で工夫して生み出されたそうです。当時、医師の間でも自律神経が支配している腸管が、なぜ温罨法によって動くのが不思議に思われていたそうです。

ところが研究の結果、温罨法をすることによって「体性-内臓反射」が起こり、自律神経を介して腸管を動かすのではないかということが分かってきています。

いずれにせよ、便秘の原因としては、ストレスの存在が大きいということです。まさにストレスは万病のもとという訳なのです。

食生活の乱れ

便秘の原因としては、食生活もあげられます。現代人は、昔と比べて便秘の人が増えているとされます。その一因として、欧米化した食習慣があげられています。

昔の日本人は、玄米を中心として、野菜や果物、海藻やキノコ、魚などをバランスよく食べていました。ところが、20世紀も後半になると、徐々に脂っこい食べ物やお肉、カロリーの高い食事が好まれるようになってきます。

お肉に含まれている成分は、腸内の悪玉菌のエサとなります。腸内の悪玉菌が増えると、腸内の日和見菌も悪玉菌に協力し、結果として腸内環境が悪化してしまうのです。

また、コンビニやファーストフードなどで簡単にお腹を満たすことができるようになったため、現代人はビタミンやミネラルの摂取量が絶対的に不足しているとされます。

ビタミンやミネラルはフレッシュな野菜や果物に多く含まれていますが、野菜や果物を摂取する量が減少することによって、身体の調子を整えにくくなっているのです。

また、野菜には豊富な食物繊維が含まれていますが、食物繊維には便秘を改善する効果が期待されています。便秘の解消に食物繊維が奨められるのはそのためです。

運動不足

便秘の原因としては運動不足もあげられています。特に、高齢者や出産後の女性は、筋力の低下によって腸の蠕動運動が弱くなり、それによって便秘になる可能性が高くなるとされています。

また、運動不足が続くと、全身の血行不良も見られるようになります。血液は酸素と栄養を全身に送り届けているため、血行が悪くなった場所には、栄養状態の低下もみられることとなります。

血行不良が胃や腸に起こった場合、胃の消化機能が低下したり、腸の吸収機能が低下したりすることとなり、結果として便秘になるリスクが高くなってしまうのです。

温罨法以外の便秘改善法

便秘になる原因はさまざまですし、便秘の改善法も1つではありません。では、温罨法意外に自宅でできる便秘の改善法はないのでしょうか。

お風呂に浸かる

温罨法以外の便秘改善法としては、お風呂に浸かるということがあげられています。お風呂に浸かると、2つの意味で便秘の改善効果が期待できます。

1つ目は、温罨法と同様、お腹を温めることが可能であるという点です。お腹を温めることによって腸管が刺激され、便意を刺激することが可能となります。

2つ目は、温かいお湯につかってリラックスすることで、副交感神経が優位になるという点です。便秘になる原因としてストレスの存在があげられていましたが、入浴することでストレス状態を緩和することが可能となります。

繰り返しになりますが、ストレスは万病のもととなりうるものです。便秘を根本から改善するためには、そもそもの原因となるストレスを緩和することが絶対条件となります。

腹巻をする

下痢になりやすい人が、お腹に腹巻をまくことがあるとおもいます。ただ、便秘の人であっても、腹巻を巻くと、便秘の改善効果が期待できます。

腹巻でお腹を温めることによって、おなか周囲の冷えから身を守ることが可能となります。冷えからお腹を守ることができれば、おなかへの血流を確保することができるので、便秘の改善にも効果的という訳なのです。

筋トレをする

お腹周りの筋力が低下すると、腸の蠕動運動が弱くなり、腹圧が低下して便秘になりやすくなってしまいます。そのため、おなか周りの筋肉を鍛えることが、便秘の改善につながります。

温罨法で健康な体を手に入れましょう

便秘を改善するための温罨法のやり方について見てきましたが、いかがだったでしょうか。温罨法という言葉自体にはなじみがなくても、身体を温めることが身体にとってよいことは、皆さんも経験則としてご存知なのではないでしょうか。

便秘の改善効果ももちろんなのですが、温罨法はなにより心地よくリラックスできるので、皆さんもぜひ一度、温罨法をお試しになってみてくださいね。

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