便秘は体操で解消!便秘のタイプ別におススメの運動を紹介!

便秘は多くの女性を悩ませる困ったものですが、体操によって解消できることをご存知でしょうか。今回は、便秘のタイプを知ることによって、自分に合った体操や運動を見つけるお手伝いをしたいと思います。

便秘の原因の1つとして、運動不足や血行不良があげられています。ということは、体操や運動によって適度に身体を動かすことで、便秘を改善できるという訳ですよね。そこで今回は、便秘のタイプ別、おすすめの体操や運動について紹介したいと思います。

便秘のタイプ

笑顔で案内をする女性

便秘を解消する体操について紹介する前に、まずは自分がどのタイプの便秘なのかについて知っておきましょう。自分の便秘のタイプを知ることで、効果的に便秘を解消することができるようになりますよ。

弛緩性便秘

弛緩性の便秘は機能性便秘の一種で、病気が原因となって起こる器質性便秘と異なるものです。私たちが単に便秘という場合、多くが機能性便秘のことを意味しています。

弛緩性の便秘はその名の通り、腸が緩むことによって便が直腸へと送られにくくなるタイプの便秘です。

私たちが食べたものは、口内で唾液に含まれる消化酵素と混ぜられることによって、消化しやすい状態になって胃へと送られます。

食べたものは胃で3時間から4時間ほどとどまり、その間にさらに消化が進みます。胃で消化されたものは十二指腸に送られ、膵液や胆汁によってさらにドロドロとした状態になります。

ドロドロになった食べ物は、小腸で栄養素を吸収され、大腸へと送られます。大腸では、栄養素を吸収されたドロドロの食べ物から、さらに水分を吸収することとなります。

つまり、便が大腸内に長くとどまればとどまるほど、便から水分が吸収されて、固い便になってしまうという訳なのです。これが便秘になるメカニズムです。

弛緩性の便秘になる原因は、筋力の低下や腹圧の低下だと考えられています。そのため、出産後の女性や高齢者に弛緩性の便秘が多く見られます。

けいれん性便秘

けいれん性便秘も機能性便秘の一種で、コロコロとしたウサギの糞のような固い便が出るという特徴があります。

けいれん性便秘になる原因の1つとして、ストレスの存在があげられています。ストレスは万病の元といわれていますが、便秘にとっても無関係ではありません。

私たちの生命活動は、自律神経の働きによって保たれています。自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、両者がバランスを保つことによって、私たちの生命活動が保たれているのです。

自律神経とはその名の通り、私たちが特に意識をしなくても、勝手に働いてくれる神経のことを言います。

例えば、「5秒間だけでいいので心臓を止めてみて」といわれても出来ませんよね。それは、心臓の活動が自律神経によって制御されているからです。

その他の臓器の活動や体温の調節、血圧の調整などは全て、交感神経と副交感神経がバランスを保つことで、円滑におこなわれることとなるのです。

ところが、ストレス状態が継続した場合、交感神経と副交感神経のバランスに乱れが生じてしまいます。ここでいうストレスとは、人間関係のトラブルや仕事上の悩みといった、単なる精神的ストレスだけを意味するものではありません。

暑さ寒さといった外気温の変化や、タバコの副流煙、排気ガス、花粉やハウスダスト、睡眠不足や疲労といった身体的なストレスも含まれます。

ストレス状態が継続すると、交感神経が優位な状態になります。交感神経は、私たちの身体のアクセルのような働きをしてくれています。

日中に交感神経が優位になることで、活発に動くことが可能となるのですが、ストレス状態が継続すると、夜間になっても交感神経優位な状態が続いてしまいます。

夜間になっても交感神経優位な状態が続くと、睡眠の質が低下してしまいます。私たちが食べたものは、主に寝ている間に消化・吸収されます。

ところが、睡眠の質が低下することによって、食べたものの消化や吸収が進まなくなってしまい、結果として便秘になってしまうという訳なのです。

けいれん性便秘になる原因はそれだけではありません。便秘を改善しようと便秘薬を服用することで、かえってけいれん性便秘がひどくなることもあります。

便秘薬に頼って排便をすることによって、自分で排便をしようとする力が低下してしまい、それによってけいれん性便秘に至ってしまうのです。

また、便秘薬を継続的に服用していると、身体の方に便秘薬への耐性ができてしまい、徐々に便秘薬が効きにくくなってきます。

そのため、さらにたくさんの便秘薬を服用しなければならなくなってしまいます。その結果、けいれん性便秘と下痢を繰り返すこともあります。

直腸性便秘

私たちが食べたものは、小腸から大腸へと送られます。大腸は、上行結腸から横行結腸、下行結腸からS状結腸を経て、直腸から肛門へと送られます。

つまり、大腸の最後の部分に当たるのが直腸だという訳です。直腸性の便秘は、弛緩性の便秘やけいれん性便秘とは異なり、便はちゃんと直腸にまで送られるという特徴があります。

便は直腸にまで達しているのに、なんらかの理由で排便のタイミングを逃してしまったり、朝のトイレタイムがしっかり確保できなかったりすることで、直腸性の便秘になってしまいます。

また、便秘薬や浣腸などを多用すると、排便反射が起こりにくくなり、直腸性の便秘へと至ります。このように、直腸性の便秘は生活習慣が原因となっていることから、習慣性の便秘と呼ばれることもあります。

弛緩性便秘にオススメの体操や運動

エクササイズをしている女性

便秘の種類について理解して頂いたところで、次に、それぞれの便秘を解消するのに効果的な体操や運動を紹介していきたいと思います。まずは、筋力や腹圧が低下することによって起こる弛緩性便秘の解消法からです。

腹筋運動

弛緩性の便秘は、筋力の低下によって起こるとされています。そのため、腹筋運動をおこなうとよいでしょう。腹筋運動によって筋力をアップするのはもちろんのこと、腹筋運動をおこなうこと自体が、腹圧のアップにつながります。

ただし、腹筋をする際にはやり方に気をつける必要があります。従来の腹筋は、仰向けに寝た状態で膝を立て、上半身を完全に起こすという方法でおこなわれていました。

ところが、最近の研究によって、従来型の腹筋をおこなうと、腰痛を発症するリスクが高くなる、ということが分かってきています。

そこで、腹筋をおこなう際には肩甲骨から背中を曲げるようなイメージで、おへそを見る程度に上半身をあげるようにしましょう。便秘を解消する代わりに腰痛になったらつまらないですからね。

スプリットスクワット

弛緩性の便秘を解消するのであれば、スプリットスクワットもおススメです。スプリットスクワットは、足を左右に開いておこなう通常のスクワットと異なり、足を前後に開いておこなうという特徴があります。

やり方はとても簡単です。足を少し広めに前後に開き、その状態から、両膝を曲げながら上体をまっすぐ下におろしていきます。前の膝が90度になったら、元の姿勢に戻しましょう。

上体を下ろしたときに前の膝がつま先より先に出るようであれば、スタンスをもう少し広げましょう。膝を曲げたときにつま先より前に出てしまうと、膝を痛めるリスクが高くなってしまいます。

スプリットスクワットをおこなうと、前に出した足と反対側の腸腰筋をストレッチすることが可能となります。

腸腰筋はその名の通り、腸とも関連のある筋肉なので、スプリットスクワットによって腸腰筋を刺激すれば、便秘を解消する効果が期待できるのです。

また、スプリットスクワットをおこなう場合、通常のスクワットをおこなう場合よりもバランス感覚が鍛えられます。そのため、姿勢改善にも効果的ですよ。

けいれん性便秘にオススメの体操や運動

ペットボトルの水を飲んでいる女性

身体的ストレスや精神的ストレスが原因となって起こるけいれん性便秘を解消するためには、気持ちよく身体を動かすことが重要となります。ここではけいれん性便秘を解消する2つの体操や運動について紹介したいと思います。

ウォーキング

けいれん性便秘を解消するもっとも簡単な方法はウォーキングです。ウォーキングは老若男女を問わず、誰にでも手軽にできる運動であり、かつ、怪我をするリスクが低いというメリットもあります。

ウォーキングによって効果的にけいれん性便秘を解消したいのであれば、普段より大股に歩くよう心がけるとよいでしょう。

大股で歩くことによって、腸腰筋が刺激され、効果的に便秘を解消することが可能となります。また、大股で歩くと姿勢の改善にも効果的です。

ウォーキングなどたいした運動にならないと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実は、歩くという動作をおこなう場合、全身の80%以上の筋肉が動員されるのです。

つまり、ウォーキングは理想的な全身運動だということができる訳です。さらにウォーキングの効果を高めたいのであれば、腕を大きく振って歩いたり、軽いおもりを持って歩いたりするとよいでしょう。

ウォーキングのような有酸素運動をおこなうと、全身の血液循環が良くなるだけでなく、体脂肪を燃焼することも可能です。そのため、便秘の解消法としてだけではなく、ダイエット法としても優れています。

エアロビクス

けいれん性便秘を解消するのであれば、エアロビクスもおススメです。エアロビクスも有酸素運動の一種ですが、音楽に合わせてリズミカルに身体を動かすので、楽しみながらできるというメリットがあります。

また、エアロビクスをおこなう際には膝を高くあげるような動作が入りますが、足をあげるときには太ももだけでなく、腸腰筋も使われることとなります。そのため、エアロビクスはけいれん性便秘の解消に効果的なのです。

スポーツジムでプログラムを組んでもらうのも良いですし、DVDを見ながら自宅でおこなうのもよいでしょう。ウォーキングがつまらなくて飽きてしまうというような人は、エアロビクスをしてみてはいかがでしょうか。

直腸性便秘にオススメの体操や運動

ホットパンツと短いシャツをきているせいでお腹が丸出しになってしまっている女性

直腸までは便が送られているのに、便意が起こらないために便秘になる直腸性の便秘は、便意を起こすような体操をおこなうことによって解消することが可能です。では、どのような体操をおこなえばよいのでしょうか。

寝たまま体操

寝たまま体操は、便意がみられやすい朝におこなうことで、排便をスムーズにするための体操です。特にこれといった決まりがある訳ではありませんが、便意を起こすためのいくつかの体操を紹介しておきたいと思います。

まずは、布団やベッドにうつぶせの状態になって、バタ足をするように左右の足を交互に、上げたり下げたりしましょう。この動作をおこなうことで、腸腰筋に刺激を与え、便意を促すことが可能となります。

また、うつぶせの状態で左右の足を交互に、お尻を叩くように曲げるのも効果的です。やはり腸腰筋を刺激して、便意を促す効果が期待できますよ。

次に、仰向けになった状態で、おへそを覗き込むように首を曲げましょう。お腹がつっぱるような感じがすれば、上手にできている証拠です。

最後に、布団や床の上をゴロゴロと左右に転がりましょう。その際、身体をねじるようにして、足から先に転がることで、より腸を刺激することが可能となります。

骨盤回し体操

直腸性の便秘を解消するのであれば、骨盤回し体操も効果的です。骨盤回し体操は、両手を腰骨にあてた状態で、フラフープを回すように腰を前後左右に動かします。

腰を大きく前後左右に動かすことによって、やはり腸腰筋を刺激することとなり、便意を促す効果が期待できます。

ちなみに、ダイエットの際にもよくおこなわれる骨盤回し体操ですが、残念ながら骨盤回し体操に痩せる効果は期待できません。

痩せるためには体脂肪を燃焼させることが重要ですが、骨盤回し体操によって体脂肪の燃焼が起こることはありません。

ただ、骨盤回し体操によって便秘が解消できれば、ぽっこりお腹を改善することが可能となるので、お腹の見た目痩せにはつながると思いますよ。

いずれの運動も、腸が活発に動く朝におこなうのが効果的ですが、さらにその効果を高めたいのであれば、寝る前にたくさん水を飲んでおきましょう。

また、朝起きたときにコップ1杯分の水、もしくは白湯を飲むのも、便秘の解消に効果的ですよ。

自分に合った便秘の解消法を

今回の記事では、便秘のタイプと、それに応じた便秘の解消法を紹介しました。便秘のタイプによって効果的な運動が異なるので、自分に合った便秘の解消法をおこなって下さいね。

また、便秘には食習慣や生活習慣も大きく関わっているので、栄養バランスのとれた食事を摂り、水分補給を欠かさないようにし、疲労をため込まないようにぐっすり眠るようにしましょう。