肥満による呼吸器系の2大疾患!肥満タイプ別ダイエット法

LIL 編集部

肥満の人って、少し歩いただけでも「ハアハアヒイヒイ」と呼吸が苦しそうですよね。では、肥満になることによってどのような呼吸器系の疾患を発症するリスクが高くなるのでしょう。ダイエット法とともに紹介したいと思います。

肥満になると、身体にさまざまな弊害の現れることが分かっていますが、呼吸器系に疾患がみられることもあります。では、どのようなタイプの肥満の人に、呼吸器系の疾患がみられやすいのでしょう。今回の記事では、代表的な2つの肥満とその特徴、またダイエット法について見ていきたいと思います。

肥満の2つのタイプ

肥満とは単に太っている状態のことを言いますが、なんらかの疾患を発症するリスクがある場合、もしくはすでになんらかの疾患を発している場合、肥満ではなく肥満症と呼ばれることとなります。そして、肥満症には以下の2つのタイプがあります。

タイプ1.脂肪細胞の質的異常による肥満

1つ目の肥満は、脂肪細胞の質的異常による肥満です。このように書かれるととても難しく考えてしまいそうですが、簡単に言うなら「内臓脂肪型の肥満」ということになります。

脂肪細胞の質的異常による肥満になった場合、高血圧や糖尿病、脂質異常症や高尿酸血症、痛風といった、いわゆる生活習慣病になるリスクが高くなるとされています。

また、脂肪肝や肥満にともなう腎臓病、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞になるリスクも上昇するとされます。女性の場合は、月経異常や妊娠中の合併症のリスクが高くなるとされています。

タイプ2.脂肪細胞の量的異常による肥満

2つ目の肥満は、脂肪細胞の量的異常にともなう肥満です。これも簡単に説明するなら「皮下脂肪がたくさん溜まってしまったタイプの肥満」ということが可能です。

脂肪細胞の量的異常による肥満になった場合、今回のテーマである睡眠時無呼吸症候群や肥満低換気症候群になるリスクが高くなるとされています。その他にも、腰痛や膝痛といった整形外科的疾患を発症するリスクも高くなるとされています。

肥満による呼吸器系の疾患その1・睡眠時無呼吸症候群

肥満による呼吸器系の疾患としては、脂肪細胞の量的異常による肥満から起こる、睡眠時無呼吸症候群が有名です。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群はその名の通り、睡眠中に一時的に(10秒以上)呼吸が止まってしまう疾患のことを言います。脳や神経、心疾患が原因で起こることもありますが、多くはのどが閉じてしまうことによって起こるとされています。

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群には大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、閉塞性睡眠時無呼吸タイプと呼ばれるものです。寝ている間に気道がふさがれてしまい、呼吸が止まってしまうタイプです。

もう1つは、中枢性睡眠時無呼吸タイプと呼ばれるもので、脳や神経、心臓の機能が低下することによって起こるとされています。

睡眠時無呼吸症候群の特徴

睡眠時無呼吸症候群の特徴としては、多くのケースでいびきをともなうということです。また、呼吸が止まってしまうことで睡眠が浅くなり、夜中に何度も起きてしまうということも起こります。

朝起きたときに頭痛がしたり、日中に強い眠気に襲われたり、身体がだるく感じたりするのも、典型的な睡眠時無呼吸症候群の特徴です。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満が原因となっておこるため、まずは減量するための治療がおこなわれます。また、鼻にシーパップ(CPAP)と呼ばれるマスクを当て、気道が塞がれないようにする治療法もあります。

その他にも、睡眠中にマウスピースを咥えることによって気道を確保したり、のどの粘膜を手術によって切除し、やはり気道を確保したりすることもあるということです。

肥満による呼吸器系の疾患その2・肥満低換気症候群

肥満による呼吸器系の疾患としては、脂肪細胞の量的異常による肥満から起こる、肥満低換気症候群と呼ばれる疾患もあります。

肥満低換気症候群とは?

肥満的換気症候群は、正確には「肥満肺胞低換気症候群」と呼ばれており、英語の「Obesity Hypoventilation syndrome」の頭文字を取って、「OHS」と呼ばれることもあります。

肥満低換気症候群の原因

肥満低換気症候群は、他に低換気になる原因が見当たらなく、睡眠時の無呼吸のみならず、日中にも低換気状態がみられる疾患とされます。また、BMIが30を超えていることも要件とされています。

BMIは、身長(m)の2乗を体重(kg)で割ることによって求められます。たとえば、身長が170cmの人の場合、体重が何キロになると、BMIが30になるかというと、[30×1.7×1.7]=「86.7kg」ということになります。

肥満低換気症候群の特徴

肥満低換気症候群の特徴としては、睡眠時無呼吸症候群の場合と同様、起床時の頭痛や日中の身体のだるさ、強い眠気の見られることがあげられています。また、息切れやチアノーゼ(酸欠によって顔色が紫色になる)が見られることもあるということです。

肥満低換気症候群が進行すると、「ピックウィック症候群」に至ることもあります。肥満低換気症候群の中でも、体重が200kg以上の人がその対象となっており、肥満に加えてチアノーゼ、けいれん、右心室肥大、右心不全、過眠、二次性多血症、周期性呼吸がみられることで確定診断されるということです。

肥満低換気症候群の治療法

肥満低換気症候群は、そもそも肥満が根本的な原因となっているため、まずは体重を減らすための治療がおこなわれることとなります。また、重症の場合には補助換気装置が用いられることもあります。

肥満大国のアメリカでは、減量手術をおこなうことによって、肥満低換気症候群の改善を図るケースもあるということですが、日本ではまだあまり浸透していない治療法だということです。

肥満タイプ別の効果的なダイエット法

肥満には大きく分けて、脂肪細胞の質的異常による肥満と、脂肪細胞の量的異常による肥満の2つがあるということでした。では、それぞれにどのようなダイエット法が効果的なのかについて見ていきましょう。

脂肪細胞の質的異常による肥満のケース

脂肪細胞の質的異常による肥満は、先ほども述べたように「内臓脂肪型の肥満」です。多くが男性にみられる肥満なのですが、幸いなことに内臓脂肪には「つきやすく落ちやすい」という特徴があります。

そのため、食事制限をおこなうことで簡単に改善することが可能です。もっとも簡単な方法は、糖質の摂取量を減らすということです。

肥満の原因として、かつてはカロリーの摂り過ぎがあげられていました。ところが、近年の研究によって、糖質の過剰摂取こそが、肥満の最大のリスクファクターであることが分かってきているのです。

糖質はエネルギー源だといわれるように、私たちの身体にとって欠かすことのできない栄養素の1つです。糖質と食物繊維から構成される炭水化物が、3大栄養素の1つに数えられることからも、糖質の重要性が分かると思います。

糖質は、すい臓から分泌されるインスリンによって分解され、私たちの脳や身体が活動する際のエネルギーへと変換されます。

ところが、糖質の摂取量が多すぎたり、食後の血糖値が急激に上がったりすることによって、インスリンによる糖質の分解が追い付かなくなってしまいます。

インスリンによって分解しきれなかった糖質は、予備のバッテリーとして将来的な危機に備えることとなります。そのようにして蓄えられたものの正体こそが脂肪という訳なのです。

そのため、内臓脂肪型の肥満の人は、炭水化物(糖質)の摂取量を減らすことで、効果的にダイエットをすることが可能となります。ご飯やパン、麺類をたくさん食べすぎないように心がけましょう。

脂肪細胞の量的異常による肥満のケース

脂肪細胞の量的異常による肥満は、簡単にいうと皮下脂肪が蓄積されることによって起こる肥満だということが可能です。そして、皮下脂肪には「つきにくく落ちにくい」という困った性質があります。

いったん付着してしまった皮下脂肪は落とすのに時間がかかるため、長期的な展望に立ってダイエットを継続することが重要となります。もちろん、皮下脂肪だけが原因で太る訳ではありませんから、脂肪細胞の質的異常による肥満の場合と同様、食事制限をおこなうことも重要です。

脂肪細胞の量的異常による肥満のやっかいなところは、睡眠時無呼吸症候群や肥満低換気症候群だけでなく、体重が重いことによる整形外科的疾患のリスクも高くなるということです。

体重を減らすためには運動をすればよいと短絡的に考えがちですが、運動によって整形外科的疾患を招き、それによって逆に太ってしまうこともあるため、やはりまずは体重を減らすことが重要となります。

ただ、肥満ということは、逆に考えれば、重たい体重を支えられるだけの筋力があるということでもあります。そのため、ある程度体重を減らすことによって、かえって体脂肪率を減らすことも可能です。

ある程度体脂肪を減らすことに成功したら、次に有酸素運動を始めましょう。有酸素運動は「ゼエゼエハアハア」いわない程度の、筋肉に対する負荷が比較的小さい運動のことです。ウォーキングやジョギングなどが、代表的な有酸素運動となっています。

有酸素運動を開始すると、はじめに血液中の糖質が燃焼し、運動エネルギーへと変換されます。血液中の糖質を使い果たすと、次に体脂肪が燃焼して、運動エネルギーへと変換されることとなります。

有酸素運動を開始してから体脂肪の燃焼がおこるのに、およそ20分かかると考えられています。そのため、ダイエット目的で有酸素運動をおこなうのであれば、20分以上おこなうと効果的ですよ。

体重が増えすぎて膝痛や腰痛になるのが怖いというような人には、水中ウォーキングがおすすめです。プールの中だと浮力が働くため、関節にかかる負担を減らすことが可能です。

一方、プールの中では水の抵抗が働くため、筋肉にかかる負担は増すこととなります。そのため、陸上で有酸素運動をおこなうよりも、短時間で多くのカロリーを消費することが可能となっています。

ダイエットを成功させるためのコツ

睡眠時無呼吸症候群や肥満低換気症候群を発症するほどの肥満の場合、体重がかなり増加していることと思います。そのため、長期間にわたってダイエットを継続することが重要となります。ところが、この「続ける」ということが難しいんですよね。そこで、長期間にわたってダイエットを継続するためのコツを紹介しておきます。

やらないよりマシだという思考法

ダイエットを成功させるのにもっとも重要なことは、「脳を変える」ということです。脳を変えるなどというとなんだか怪しげに思えるかもしれませんが、要するに考え方を変えるということです。

ダイエットに成功するためには、ダイエットの失敗する人の真似をしないことです。ダイエットに失敗する人の特徴としては、「短期間で痩せようとする」「無理なダイエット目標を立てる」「楽をして痩せようとする」などといったことがあげられます。

まず、ダイエットとは健康と美容のためにおこなうものであり、そういった意味では短期的な体重減など、自己満足以上の価値はありません。ダイエットとはそもそも、長期にわたって体重を管理することが目的となっているからです。

また、1ヶ月に10kg痩せるなどといった無理な目標を立てるのも、ダイエットに失敗する要因となっています。仮にそのようなダイエットに成功したところで、リバウンドをする確率が高いと言えるでしょう。

また、楽をして痩せる方法など存在しません。ついつい「骨盤矯正ダイエット」や「痩身エステ」など楽な方向に流されてしまいがちですが、食事制限と運動をともなわないダイエット法など意味がありません。

そして、ダイエットをおこなう際には、「やらないよりはマシ」だという考え方が必須です。目標を立てることは誰でもできますが、それを遂行するのは多くの人にとって困難です。

そのようなときに、「決めたことができないから始めからやらない」場合と、「決めた分はできないけどできる範囲でやる」場合で、長い目で見た場合、大きな差が表れてきます。

有酸素運動に関しても同様で、「20分以上やらないと効果がないからやらない」場合と、「5分や10分でもカロリーは消費するのだからやる」場合とで、どちらがダイエットに成功するかは明らかだと思います。

身体を動かす工夫をする

肥満の人に共通しているのが「面倒くさがり」だということです。ちょっとそこにあるものを取るのも面倒くさがって、人に取ってもらうようなことがありませんでしょうか。

また、階段を使うのが億劫だからと、たかだか2階から3階に行くのにエレベーターやエスカレーターを使っていませんでしょうか。こうしたことの積み重ねが、肥満につながることを忘れないようにしてくださいね。

寝ている時の状態を確認しましょう

肥満と呼吸との関係について見てきましたが、いかがだったでしょうか。肥満をすると寝ているときにいびきをかいて人に迷惑をかけるだけでなく、最悪の場合は命に関わることともなりかねません。もし、太っていていびきを指摘されているようであれば、一度、耳鼻科などを受診するようにしてくださいね。

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