肥満は体質が原因?遺伝子ダイエットのウソ!ホント?

LIL 編集部

自分が肥満なことを、体質や遺伝のせいにする方もいることと思います。確かに、両親が肥満な場合、子供も肥満なケースがみられます。はたして、子供の肥満は体質や遺伝が原因なのでしょうか。

肥満な人の中には「太っている家系だから仕方がない」とか「肥満は遺伝だ」などとおっしゃる方もいらっしゃいます。確かに、肥満に関する遺伝子があることは分かっているそうです。

そこで今回は、肥満に関する遺伝子について紹介するとともに、遺伝子ダイエットと呼ばれるダイエット法に効果があるのかどうかについて、詳しく解説していきたいと思います。

肥満は体質が原因?

「親が肥満だから」とか、「肥満は家系だから」などという方もいらっしゃると思いますが、はたして太りやすい体質というのは遺伝することがあるのでしょうか。

体質もある

最近の研究で、肥満に関する遺伝子の存在が明らかになってきているということです。そのような遺伝子を両親から受け継いだ場合、太りやすい体質になると考えられているのです。

結婚式の会場などで、「新郎側の家族はみんなふっくらしていて、新婦側の家族はみんなスリム」、などという現場を見たことがあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような現場を見ると、「やっぱり太りやすい体質ってあるんだな」と思われることでしょう。実際に、遺伝子検査によって太りやすい体質かどうかを検査する方法もあるということです。

遺伝は3割!?

昔からよくいわれることですが、肥満になる原因の3割が遺伝であって、あとの残り7割は生活習慣が原因だと考えられています。

親が太っている場合に子供も太りがちなのは、太ってしまう親と同じものを食べて育つからです。人間の身体は食べ物から作られているので、食習慣の影響を大いに受ける訳です。

親に間食の習慣があれば子供にも間食の習慣がつくことでしょうし、親がジャンクフードやファーストフードばかり食べていれば、子供にもその悪影響が及ぶこととなります。

また、親が休みの日にゴロゴロしてテレビばかり見ていて、子供の外遊びにつきあうことがなければ、子供にも運動習慣が身につかないことでしょう。

余談になりますが、子供の運動神経は10歳前後までに完成されるといわれています。この場合の運動神経とは、運動神経がいい悪いという意味で使われる運動神経ではなく、脳神経学的な意味で使われる運動神経を指します。

簡単に説明すると、10歳前後までに修得しなかった身体の動作を、大人になってから習得するのは困難だということです。スキップができない大人がいますが、そのような人は、子供の頃にスキップをしていなかった可能性が大きいとされます。

最近は子供のうちからサッカーならサッカー、野球なら野球と専門化している傾向がありますが、本来であれば公園の湯具やアスレチック、木のぼりなど多様な運動を子供に間にしておくべきなのです。

話を体質に戻しますが、高血圧などの生活習慣病に関しても肥満と同様のことが言えます。高血圧の人はともすると「親も高血圧だから」とか「高血圧の家系だから」などと言いがちです。ただ、実際には食習慣や食事の味付けで高血圧になるリスクの方が高いのです。

肥満や生活習慣病を遺伝や体質のせいにするのは簡単ですが、肥満の原因を遺伝や体質のせいにした時点で、思考停止に陥ってしまいます。肥満の原因のほとんどは、生活習慣や食習慣にあるということを忘れないようにしましょう。

肥満に関する遺伝子

最近の研究によって、遺伝子のタイプによって太りやすい体質になることが分かってきているそうです。病院で調べたり遺伝子検査キットで調べたりすることが可能となっていますが、おもに以下の3つの遺伝子があるかどうかを調べるようです。

β3アドレナリン受容体遺伝子

Β3アドレナリン受容体遺伝子には、三大脳内神経伝達物質の1つであるノルアドレナリンと結合することによって、脂肪の燃焼や貯蓄をコントロールする働きがあるとされています。

脂肪を燃焼させるときには、褐色脂肪細胞と呼ばれる脂肪細胞から遊離脂肪酸を取りだして、それを熱に変えるのです。このことから分かるように、β3アドレナリン受容体遺伝子には、もともと肥満を予防する働きがあるということなのです。

では、なぜβ3アドレナリン受容体遺伝子によって肥満になってしまうのでしょうか。その理由は、β3アドレナリン受容体遺伝子は、人によってその型が異なっているからなのです。

人によっては、β3アドレナリン受容体遺伝子の存在によって、逆に太りやすくなるようなケースもあるのです。このようなケースを、β3アドレナリン受容体遺伝子の変異と呼ぶこともあります。

β3アドレナリン受容体遺伝子の変異によって太りやすくなっている人は、そうでない人に比べて1日の間に消費するカロリーが200キロカロリーも少ないとされています。

200キロカロリーというと、ご飯1杯分にも相当するカロリーです。つまり、β3アドレナリン受容体遺伝子に変異がみられる場合、通常のβ3アドレナリン受容体遺伝子を持っている人に比べて、1日にご飯に杯分多く食べている計算となるのです。

β3アドレナリン受容体遺伝子に変異がみられる場合の太り方は、いわゆる「リンゴ型」と呼ばれる、内臓脂肪型の肥満が特徴です。特に男性に特徴的な肥満だとされています。

β3アドレナリン受容体遺伝子の変異によって肥満になってしまう人の割合は、日本人のおよそ30%程度だと考えられています。

アンカップリングプロテイン遺伝子

アンカップリングプロテイン遺伝子は「UCP-1遺伝子」と呼ばれることもあり、皮下脂肪が付着しやすいことから「洋ナシ型」の肥満といわれることもあります。女性に多くみられるタイプの肥満だとされています。

アンカップリングプロテイン遺伝子に変異が生じると、そうでない人とくらべ、1日当たりの消費カロリーが100キロカロリー減少するとされています。このタイプの肥満は日本人女性の4人に1人程度だと考えられています。

β2アドレナリン受容体遺伝子

Β2アドレナリン受容体遺伝子に変異がみられる場合、β3アドレナリン受容体遺伝子に変異がみられる場合とは反対に、正常な遺伝子の人と比較した場合、1日当たりの消費カロリーが300キロカロリー増えるとされています。

そのため、ほっそりとした体型の人が多く、その体型のことを「バナナ型」などと呼ぶことがあります。消費カロリーが多ければ太りにくくてよさそうなものなのですが、β2アドレナリン受容体遺伝子に変異があると、タンパク質も代謝されやすくなることが分かっています。

タンパク質は筋肉を構成する成分であるため、β2アドレナリン受容体遺伝子に変異がある場合、筋肉量が減少しやすくなってしまいます。若いうちはまだよいのですが、年齢を重ねて筋力が低下すると、とたんに太りやすい体質になってしまうリスクがあるということです。

肥満の原因

肥満の原因は3割が遺伝で7割が生活習慣だという考え方があるということでした。では、遺伝以外にどのような原因で太ってしまうのでしょうか。

運動不足

肥満の原因としては、まず運動不足があげられます。毎日のように10km走ったりストイックに筋トレをしたりしていて、それでも肥満な人はいないと思います。

学生のころは部活動や体育の授業などで身体を動かす機会がありますが、社会人になるとよほど意識して身体を動かすようにしない限り、多くの方が運動不足に陥ってしまいます。

それでも基礎代謝が活発な若いうちはよいのですが、年齢とともに基礎代謝は低下してしまいます。そのため、「気が付いたらお腹やおしりにお肉が…」などということになりかねないのです。

運動不足になるとなぜ肥満しやすくなるかというと、体脂肪の燃焼がおこらないことと、筋力が低下することの2つの要因があげられます。

体脂肪を減らそうと考えた場合、有酸素運動をおこなって体脂肪を燃焼させる必要があります。有酸素運動によって体脂肪を燃焼させるためには、最低でも20分の運動が必要だと考えられています。

また、運動不足によって筋肉量が減少してしまうことで、基礎代謝も低下してしまいます。基礎代謝が低下すると、1日当たりの総消費カロリーが減少してしまうため、結果として太りやすい体質になってしまうのです。

食習慣

肥満になる最大の原因として、食習慣があげられます。食べれば太るのはあたり前で、食べたら痩せるような食品は存在しません。

特に、ご飯やパン、麺類といった炭水化物を好んで食べる人は、肥満になりやすい傾向があるそうです。なぜなら、炭水化物には多くの糖質が含まれているからです。

実際に、糖尿病などの生活習慣病を改善するための食事療法として、糖質の摂取量を減らすという食事法が採用されているケースもあります。

また、夜遅い時間に食事をすることも、肥満になるリスクを高めるとされています。他にも、早食いをする人は太りやすい傾向があると考えられています。

生活習慣

慢性的な睡眠不足などを抱えていると、肥満になるリスクが高くなるとされています。単純に、起きている時間が長いと、空腹を感じる可能性も高くなるので、ついつい食べ物に手が伸びてしまうためです。

ただ、睡眠不足によって肥満するリスクが高くなるのは、単に起きている時間が長いからだけではありません。睡眠不足状態が続くと、ストレスによって自律神経のバランスが乱れてしまいます。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成っており、両者がバランスを取ることによって、私たちの生命活動は維持されています。

睡眠不足によってストレス状態が続くと、交感神経が優位になってしまいます。交感神経は車でいうところのアクセルに該当する働きがあるため、交感神経が優位になると食欲が旺盛になってしまうのです。

また、ストレス状態が続くと、脳の下垂体に存在する満腹中枢の働きも低下することが分かっています。ストレスによってやけ食いやドカ食いをしてしまうのは、神経学的にも根拠があるという訳なのです。

遺伝子ダイエットとは?

最近、病院や肥満外来をはじめとして、遺伝子ダイエットをおこなうところが増えてきています。では、遺伝子ダイエットとはどのようなダイエット法なのでしょうか。

肥満のタイプ別ダイエット法

遺伝子ダイエットとは、肥満のタイプによるダイエット法です。先ほど、肥満に関する遺伝子として、β3アドレナリン受容体遺伝子やβ2アドレナリン受容体遺伝子、アンカップリングプロテイン遺伝子を紹介しました。

Β3アドレナリン受容体遺伝子に変異がみられる場合、内臓脂肪型の肥満になりやすいということなので、炭水化物(糖質)の摂取量を減らし、食事の際には野菜から食べるとよいそうです。

Β2アドレナリン受容体遺伝子に変異がみられるタイプの肥満の場合、皮下脂肪がつきやすいため、脂っこい食べ物を控えることが推奨されています。やはり食事の際には野菜から食べるとよいそうです。

アンカップリングプロテイン遺伝子に変異がみられる場合、筋肉が落ちやすくなるということなので、タンパク質の積極的な摂取が推奨されています。

遺伝子ダイエットのやり方

遺伝子ダイエットをおこなうためには、まず遺伝子検査をおこなう必要があります。最近では病院や肥満外来で遺伝子検査をおこなっているところもあります。

また、大手のメーカーのいくつかが、遺伝子検査キットを販売しています。頬の内側の細胞や爪などを採取して送付すると、2週間ほどで結果が送られてきます。

遺伝子ダイエットの効果はある?

遺伝子ダイエットに効果があるかどうかというと、ダイエットのモチベーションにつなげることは可能だといえます。

肥満に関する遺伝子は60種類ほどあるとされており、3種類だけで肥満の傾向と対策を立てること自体に無理があります。

ただ、遺伝子検査の結果によって送られてくるダイエット法は、遺伝子にかかわらず有効なダイエット法です。結果に納得してダイエットをおこなえば、効果的に痩せることができるでしょう。

遺伝子よりも生活習慣から起因している

肥満と体質との関係について見てきましたが、いかがだったでしょうか。親と子は似るものなので、見掛け上の変化や生活習慣病などがみられると、ついつい遺伝や体質のせいにしてしまいがちです。

ただ、肥満や生活習慣病は生活習慣に起因することがほとんどです。遺伝だからと悲観する前に、生活習慣を見直してみることが大事だといえそうですね。

ABOUTこの記事の監修

LIL 編集部

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