肥満を今すぐ治したい!最先端の手術4つと手術の効果とは?

LIL 編集部

「肥満が手術で治療できる!?本当に効果があるの?」

食の欧米化や運動不足で、日本でも肥満の方が年々増えつつあります。海外では社会問題にもなっていますよね。つい最近では、歌手のマライアキャリーさんも減量手術を受けたことで話題になりました。

欧米では一般的な減量手術でしたが、日本でも少しずつ手術を受ける方が増えてきました。どんな手術なのか、効果はあるのかをご紹介いたします。

肥満の手術とは?

肥満を治療する手術は、誰でも受けられるものではありません。痩せて美しくなるための美容手術ではなく、肥満による甚大な健康被害から命を守る手術なのです。

肥満患者に対して行われる外科手術

肥満が、その人の健康に大きな悪影響を与えていると医師が判断した場合に行う外科手術です。胃そのものを小さくする手法で減量手術と呼ばれ、美容外科手術の脂肪吸引とは全く異なる手術となります。

肥満は様々な病気を引き起こしますが、ある大学の調べによりBMI(ボディマスインデックス=肥満指数)が35以上の高度肥満に陥る原因は、遺伝が多いと判明しました。つまり、一度高度肥満になると、食事や運動では効果がなかなか現れないのです。

肥満と合併する病気はたくさんある

肥満と合併する病気はたくさんあります。例えば、内臓型肥満の方だと、糖尿病(2型)・高血圧・痛風・動脈硬化症・高尿酸血症(こうにょうさんけつしょう)・脂肪肝・脂質異常症(ししついじょうしょう)です。肥満でない方に比べて2倍~5倍も発症のリスクが上がってしまいます。

呼吸にも影響が出ます。睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間にいびきが止まる、10秒以上呼吸がなくなることが頻繁に起こる症状です。良質な睡眠とは程遠く、日中の注意力が低下したり、居眠りしたりする原因になります。

体重が重すぎることによる関節障害もあります。このように、肥満はあらゆる健康障害の原因となっているため、高肥満の方は手術を受けることもあるのです。

すでに海外では多くの症例がある

欧米は高肥満の方が多く、減量手術がさかんに行われています。例えば2011年には、欧米だけで20万件以上の減量手術が行われました。世界中では35万件ほど行われているため、半分以上が欧米で行われている計算になります。

体質や食生活などの影響で、欧米人は肥満の人が多いです。成人の3分の1が肥満であり、BMI(ボディマスインデックス=肥満指数)が35以上の高度肥満の方は、500万人~1000万人もいると言われています。日本では60万人ほどと言われているので、大きく異なります。

もちろん欧米でもいきなり手術するのではなく、食事療法や運動療法などの減量プログラムから治療をスタートさせます。ですが、そのような減量プログラムを受けた患者の90%以上は、1年以内に体重が増加してしまいます。

ダイエットとリバウンドを繰り返す時こそ、重大な健康被害が起きやすいのです。そのリバウンドを防ぐために、手術に踏み切るのです。

ついに日本でも2014年から保険適用開始

保険適用の条件

減量手術の方法は、スリーブ状胃切除術・ルーワイ胃バイパス術・胃バンディング術などがあります。少し前まではどれも保険適用が認められておらず、100万円~200万円程度の高額な費用が掛かっていました。

しかし2014年に、スリーブ状胃切除術のみ保険が適用されることになりました。日本にある肥満治療学会が、手術には以下の条件が必要と定めています。

BMIが35以上(すでに肥満による合併症状を発症していれば32以上)

肥満と合併する病気にかかっている人

18歳~65歳までの人

食事や運動による減量療法を6か月以上行っても大きな効果が現れない人

肥満治療

手術の前に、以下のような段階を踏んで減量に挑戦していきます。

①生活習慣改善

栄養バランスがよく低カロリーの食事を摂るよう心掛け、1日3食きちんと食べるようにします。間食や飲酒・喫煙も肥満の原因になりますので、極力控えましょう。睡眠不足も影響しますので、早寝早起きを意識します。

②薬物療法

最近は肥満の治療薬も開発されました。抗肥満薬と呼ばれ、医師の診断によって処方されます。現在は、サノレックスという薬が日本国内で唯一厚生労働省に認可されています。サノレックスを服用している間は、お酒が飲めません。

③手術

運動療法・食事療法などを続けても改善の効果が見られない場合は、手術が必要かどうかは医師が判断します。ただ単に体脂肪が多くついてしまったというだけで手術することはほとんどありませんが、肥満によって甚大な健康被害が起こっている場合は手術となります。

手術の方法

手術には4つの方法があり、胃と腸の両方を手術する方法と胃だけを手術する方法があります。それぞれの方法やメリット・デメリットについてご紹介します。

唯一保険が適用されるスリーブ状胃切除術

・手術の方法

胃の一部を切除して、バナナほどの細長い胃(袖状=スリーブ)にする手術です。腸も手術すると摂取した栄養を吸収しにくくする効果がありますが、スリーブ状胃切除は胃のみの手術のため栄養の吸収率は変わりません。

平均して、30キロ~50キロ程度の減量効果が見込めます。手術は1.5時間程度で終わり、入院は3日です。1週間~2週間程度で仕事にも復帰できます。

・メリット

手術時間が短いことと、腸を手術しないため合併症のリスクが下がる点です。胃を小さくして食事の量を制限するだけなので、手術前と同じように摂取した栄養を吸収できます。

手術後も胃の内視鏡検査が可能であることや、万が一体重があまり減少しなかった場合胃バイパス術を二期的に行えます。

 ・デメリット

新しい手術なので、長期的な術後の結果が出ていない点です。胃バイパス手術のように体重が落ちない可能性もあります。吐き気や嘔吐・胸やけ・貧血の可能性があります。

ルーワイ胃バイパス手術

・手術の方法

アメリカでもっとも一般的な手術です。胃を上下に分割し、上の部分に小腸をつなげます(=バイパス)。小腸の長さを変えることで栄養の吸収率を下げる働きがあります。下の部分の胃も、切除しないで体の中に残したままにすることが特徴です。

平均して、40キロ~50キロ程度の減量効果が見込めます。手術は2時間程度で終わり、入院は3日です。1週間~3週間程度で仕事にも復帰できます。

・メリット

症例が多いため、長期的な術後の結果が多くある点です。長期的に見ても、太っていた時に比べて60%ほどの減量を維持できている人が多く、安定した手術と言えます。

・デメリット

最大のデメリットは、分割された下の胃の検査ができないことです。胃カメラが入らないため、胃がんに気づけません。アメリカは日本に比べて胃がんが少ないため、一般的に行われています。

スリーブ・バイパス手術

・手術の方法

スリーブ・バイパス手術は、スリーブ手術とルーワイ胃バイパス手術のいいとこどりのような方法です。胃がんの多い日本人のために、日本で開発された手法です。

ルーワイ胃バイパス手術との最大の違いは、胃を分割した後に下の胃を切除することです。そのため、術後も変わらず胃カメラで胃全体を検査できます。

平均して、40キロ~50キロ程度の減量効果が見込めます。手術は3時間~4時間程度かかり、入院は3日です。1週間~3週間程度で仕事にも復帰できます。

・メリット

前述した通り、胃がんの発見が遅れるリスクがなくなることが最大のメリットです。日本ではこちらのスリーブ・バイパス術のほうが一般的になりつつあります。

・デメリット

他の手術に比べて複雑であり手術時間が長くなることや、機材も増えるため費用が割高になることがデメリットです。高度な技術を要するため、熟練の医師が担当しなければなりません。

胃バンディング術

 ・手術の方法

胃や腸にメスを入れない唯一の方法です。胃の上部をシリコン製のバンドで巻き付けることで小さな胃に分割して、物理的に食事の量を減らす方法です。

平均して、20キロ~30キロ程度の減量効果が見込めます。手術は1時間程度で終わり、入院は1日だけです。1週間で仕事にも復帰できます。

・メリット

手術が比較的簡単であるためかかる時間も短く、入院も1日で終わる点が最大のメリットです。減量手術のなかで、唯一程度を調整できる方法です。

・デメリット

シリコンを体内に入れるため、万が一感染症などが起これば再手術となります。また胃を切除していない分、術後も太らないように努力する必要があります。

肥満手術の効果

胃そのものを小さくしたり切除したりしますので、食事療法や運動療法に比べて大きな減量効果を発揮します。

あまり食べたくなくなる

胃が小さくなるので、手術前に比べて食欲が低下します。手術前の食事制限による減量は、「もっと食べたい」という欲求と戦う辛さがあります。

手術すると食欲をコントロールする辛さも軽減しますので、意識しなくても食事量を減らせるようになります。

我慢しなくても食事量が減る

胃が小さくなっているので、少しの食事量で満足します。すぐにお腹がいっぱいと感じるため、ドカ食いや過食がなくなります。結果、無理な我慢をすることで食事量が減るのではなく、自然と食べる量が減って摂取カロリーも下がるのです。

関連疾患が改善・完治する

油っこい食品も少しの量で満足しますので、胃をはじめとする消化器官への負担が減ります。その結果、糖尿病や高血圧・脂質異常症などの生活習慣病が劇的に改善・または完治した人が非常に多くいらっしゃいます。

スウェーデンの研究では、減量手術をしたことで15年間の間に死亡事故が30%減少したという結果も出ています。

肥満の改善

ある病院の超過体重減少率の統計によると、バイパス手術が61.6%・スリーブ胃切除手術が55.4%・胃バンディング術が47.5%となっています。

胃バンディング術は手術後の自己管理が重要になるため最も減少率が低いですが、それでも半分近くの患者さんが大きく減量しています。

アメリカでは、長期間に及ぶ減量効果がある肥満治療は、減量手術だけだと声明が発表されているほどです。

美容外科での脂肪吸引

脂肪吸引で脂肪を除去してしまえば肥満は解消するかと思いきや、実は難しいのです。

肥満の場合断られることが多い

高肥満の方でも、脂肪吸引を受けられないわけではありません。ですが、1回で吸引できる脂肪は限りがあるので、高肥満で体脂肪が多い方は何度も行う必要があります。

何度も脂肪吸引を行うと身体に負担がかかります。また、手術中の呼吸管理が難しかったり、手術後の回復が遅かったりと、高肥満の方特有の問題点もあります。そのため、お断りするクリニックが多いのです。

すでに糖尿病や高血圧などの疾患があれば、それだけで脂肪吸引はできません。脂肪吸引は体への負担が大きく、日本や海外でも死亡事故が発生しているほどです。

脂肪の種類も影響します。お腹や脚、太ももなどの皮下脂肪は文字通り皮膚の下にあるため、器具を挿入してある程度吸引することができますが、問題は内臓脂肪です。

内臓脂肪とは、内臓の周りについた脂肪のことです。内臓に近い脂肪は、脂肪吸引で除去することはできません。そして、皮下脂肪に比べて内臓脂肪のほうが、身体に悪影響を及ぼしやすいのです。

見た目だけの改善であり根本は変わらない

残念ながら脂肪吸引で除去できるのは、水に浮くほど軽い脂肪だけです。そのため、すこしたるんだお腹や太もも・二の腕のラインがきれいになるだけで、体重もほとんど変わらないのです。

脂肪吸引は見た目を美しくするための美容手術であり、肥満の治療にはなりません。あくまでも補助的なものとしてとらえるべきです。

生活習慣が変わらなければすぐ戻る

また、脂肪吸引で除去した部分は脂肪細胞自体が減っているため、脂肪がつきにくくなります。それ自体は喜ばしいことですが、生活習慣を変えなければ以前と同じスピードで脂肪は蓄積されていきます。

その結果、行き場をなくした脂肪はまだ脂肪吸引していない部分に溜まってしまうのです。例えば男性が脂肪吸引を行うと、乳房に脂肪が溜まってしまうというケースもよくあるのです。

脂肪吸引は根本解決ではなく対処療法です。脂肪がつきにくい生活習慣に変えなければ、またすぐに脂肪吸引をしないといけない日が来るのです。

肥満は手術で治療できる

肥満を治療する手術についてご紹介しました。海外は日本に比べて肥満の人が多いため、以前より一般的に行われていました。日本では2014年から一部の手術が保険適用となったので、ますます手術する方が増える可能性もあります。

肥満自体は病気ではありませんが、高度な肥満はさまざまな健康被害を引き起こします。体質的にどうしても減量が難しかった方も、減量手術によって楽に減量しています。意識しなくても食事量が減らせるなら、精神的にも楽ですね。この記事が参考になれば幸いです。

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LIL 編集部

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