肥満の赤ちゃんは将来メタボに!?肥満にならないための育児法!

LIL 編集部

手足がムチムチしている赤ちゃんはとてもかわいいものですよね。でも、最近の研究で、乳幼児期の肥満が、将来の肥満のリスクを高めることが分かってきています。では、どのようなことに気をつけるとよいのでしょう。

赤ちゃんがぽっちゃりとしているとかわいいものですが、親としては肥満児になるのではないかと心配なものですよね。では、赤ちゃんの身長に対してどれくらいの体重であれば、肥満とみなされることとなるのでしょうか。また、乳児期や幼児期の肥満が、赤ちゃんの将来にどのような影響を与えるのでしょう。

赤ちゃんの肥満と大人の肥満

赤ちゃんが肥満してしまう原因や、その対処法について解説する前に、まずは、肥満とは何なのか、また、大人と子供との肥満の判断基準の違いについて説明しておきたいと思います。

肥満ってなに?

肥満とは単に、太っている状態のことを言います。そこに何らかの疾患がともなうかどうかは関係ありません。肥満にともなって何らかの疾患を発症している場合や、将来何らかの疾患を発症するリスクのあるような肥満は「肥満症」として区別されています。

大人の肥満の判断基準

大人の肥満の判断基準は主に、体脂肪率とお腹周りの太さ(腹囲)、そしてBMIという指標によって示されます。それでは、それぞれについて見ていきたいと思います。

体脂肪率

大人の肥満の判断基準としては、体脂肪率を測るという手があります。CTスキャンやMRIといった画像診断技術によって、体脂肪率を測定することとなります。

ただし、男性と女性とでは体脂肪率による肥満度の分類が異なっています。男性の場合は全年齢を通して、体脂肪率が20%以上になると軽度の肥満、体脂肪率が25%になると中等度の肥満、体脂肪率が30%を超えると重度の肥満とされます。

女性の場合は、6歳から14歳と、15歳以上とに分けて考えられます。6歳から14歳までの女子の場合、体脂肪率が25%以上で軽度の肥満、体脂肪率が30%以上で中等度の肥満、体脂肪率が35%以上で重度の肥満とされます。

15歳以上の女性の場合、体脂肪率が30%以上で軽度の肥満、体脂肪率が35%以上で中等度の肥満、体脂肪率が40%を超えると重度の肥満とされます。

女性の肥満の基準の方がなぜ緩やかかというと、女性は体質的に皮下脂肪をため込みやすいからです。そして、皮下脂肪には「いったんついてしまうと落ちにくい」という性質があります。

男性に多くみられる肥満として内臓脂肪型の肥満があげられますが、内臓脂肪には皮下脂肪とは反対に、「つきやすく落ちやすい」という特徴があります。

また、男性は女性に比べると筋肉質であることから、体脂肪率による肥満の目安も、厳しめに設定されているという訳なのです。

腹囲

肥満度を測定する方法としては、おなか周り(腹囲)を測るという方法もあります。いわゆる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪型の肥満)」になっていないかどうかを測定するときに用いられる方法です。

メタボリックシンドロームの判断基準も男女で若干異なっており、男性の場合は腹囲が85cm以上でメタボリックシンドロームと認定され、女性は腹囲が90cm以上でメタボリックシンドロームと認定されることになります。

一般的に女性よりも体格の良い男性の方が、厳しい判断基準となっているのは、やはり女性には皮下脂肪型の肥満が多いからです。皮下脂肪の厚みを考慮した上で、肥満の目安が設定されているのです。

BMI

BMIは世界各国で用いられている、肥満度を判定するための指標で、「Body Mass Index」の頭文字をとったものです。BMIは身長の2乗(m)を体重で割ることによって求められます。

BMIが18.5以下の場合を痩せ型とし、BMIが18.5以上25未満を標準体重としています。BMIが25以上30未満であれば軽度肥満、BMIが30以上35未満であれば中等度の肥満、BMIが35以上であれば重度の肥満とされます。

体脂肪率を正確に算出するのはなかなか難しいため、BMIと腹囲の大きさによって、肥満かどうかを判断することとなるのです。

日本人は体質的に、BMIの数値が25を超えるあたりから、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を発症するリスクが高くなることから、このような分類がされているのです。

子供の肥満の判断基準

小さいお子さんをお持ちの方ならご存知かも知れませんが、子供の肥満率を示す指標として、「カウプ指数」と呼ばれるものがあります。

カウプ指数は、身長(cm)の2乗を体重(g)で割ったものに、さらに10を掛けることで求められます。たとえば、身長が110cmで体重が19kgの幼児の場合、[19000÷(110×110)×10]=「15.7」がカウプ指数ということになります。

一般的にはカウプ指数が15未満の場合、栄養失調気味で痩せすぎ、カウプ指数が15から19の間であれば標準体重、カウプ指数が22を超えるような場合肥満気味だとされています。

ただ、赤ちゃんや幼児は月齢によって変化が大きいため、あくまでも目安として考えるのがよいということです。医師の診察によって異常が見つからなければ、それほどカウプ指数にとらわれることはないということです。

赤ちゃんが肥満になる原因

あたり前といえばあたり前ですが、赤ちゃんには大人ほどの筋力がないので、大人とくらべると脂肪がつきやすくなっています。ある意味、赤ちゃんが太って見えるのは当たり前なのですが、太ってしまう原因としてはどのようなことが考えられるのでしょうか。

胎児期の栄養不足

赤ちゃんが肥満してしまう原因としては、おなかにいる間の栄養不足があげられています。最近の研究によって、大人がメタボリックシンドロームになってしまう原因は、幼児期や胎児期の栄養状態に端を発しているのではないかという意見があるそうです。

赤ちゃんが、おなかにいる間に十分な栄養を与えられないと、生命の本能として脂肪をため込みやすい体質になってしまうというのです。

妊娠中の体重管理法は、産科や婦人科の医師によってさまざまです。ただ、あまりにも厳しく妊娠中の体重制限をしてしまうと、将来、子供がメタボリックシンドロームになってしまうリスクを高めてしまうのかもしれません。

乳児期の栄養過多

赤ちゃんが肥満になる原因としては、乳児期の栄養過多もあげられています。大人もそうですが、赤ちゃんであっても栄養を過剰に摂取してしまえば、当然のことながら肥満になるリスクが高くなるという訳です。

赤ちゃんが肥満になるメカニズム

赤ちゃんが肥満になってしまう原因については理解して頂けたことと思いますが、それでは、赤ちゃんがどのようなメカニズムで肥満になってしまうのか、そのプロセスについて見ていきたいと思います。

脂肪細胞の増加

そもそも、太るということは体脂肪が増えるということです。そして、体脂肪は脂肪細胞内に蓄えられることとなります。

乳児期というのは人生の中でも、もっとも細胞分裂が活発におこなわれる時期です。脂肪細胞に関しても例外ではありません。脂肪細胞が増えれば、それだけ脂肪を受け入れる余地ができるということです。

学童期以降の肥満のリスク

赤ちゃんのときには脂肪細胞もまだ小さいのですが、学童期にはいって栄養過多になると、脂肪細胞も巨大化してしまいます。そして、いったん増殖してしまった脂肪細胞は、生涯にわたって減ることがないのです。

そのため、最近は「食育」といって、乳児期や幼児期の食事法の見直しが必要だとされているのです。成長曲線の範囲内であればそれほど心配することはないのですが、過度の肥満はやはり改善した方がよいということです。

赤ちゃんの肥満改善法

もし赤ちゃんが肥満してしまったら、どのようにして改善するとよいのでしょう。原則として、医師の診断で問題がなければ特に心配することはないのですが、診断の結果肥満の傾向があるとされた場合、以下のような方法で肥満の改善を図ることとなります。

栄養バランスを考える

最近では、生後半年前後で離乳食を始めることがほとんどです。そして、離乳食の開始をきっかけとして、急激に体重の増えることがあります。

そのような場合には、栄養バランスを考えた食事にするよう心がけましょう。赤ちゃんが好むからと言って、特定のものばかり食べさせないようにしましょう。

また、乳幼児期の味覚は一生ものです。小さい頃から濃い味付けになれてしまうと、大人になってからも濃い味が好きになってしまい、肥満や生活習慣病を発症するリスクが高くなってしまいます。

生活リズムを整える

生まれたばかりの赤ちゃんには昼も夜もないため、夜中であってもおっぱいを欲しがります。それが、生後3ヶ月から4ヶ月くらいになってくると、徐々に朝と昼のリズムができ始めます。

ところが、両親が夜遅くまで起きていたり、朝遅くまで寝ていたりすると、赤ちゃんの生活リズムも乱れてしまいます。朝早く起きて食事をし、適度に身体を動かすことが、赤ちゃんの肥満予防や改善につながりますよ。

肥満は赤ちゃんに遺伝する?

両親が肥満の場合、子供も肥満というケースがあります。逆に、両親は肥満なのに、子供は痩せているというようなケースもあります。では、肥満は遺伝するのでしょうか。

肥満の遺伝子はある

最近の研究によって、肥満に関する遺伝子のあることが分かってきています。両親から肥満に関する遺伝子を受け継いだ場合、肥満になるリスクが高くなるというのです。

実際に、遺伝子ダイエットなどと言って、特定の遺伝子を検出することによって、効果的にダイエットができるなどといわれることがあります。

ただ、医学的に見た場合、遺伝子ダイエットの根拠はやや弱いといわざるを得ないようです。今後のさらなる研究結果が待たれるところです。

生活習慣がより大きなリスクファクターに

両親が肥満でも、子供は痩せているというケースはよくあります。そのような子供が肥満の場合、やはり生活習慣が大きなリスクファクターになっているといえます。

あたり前といえばあたり前ですが、子供は親と同じものを食べて育ちますし、親が味付けしたものを食べて成長します。つまり、食事の嗜好が親と似通ってくるという訳です。

両親がラーメンばかり食べていれば子供もラーメンを好むようになるでしょうし、両親がファーストフードばかり与えていれば、子供が肥満になるリスクも高くなります。

また、両親が休みの日もゴロゴロと寝転がってテレビばかり見ていれば、子供も小さいうちはそのようにして過ごさざるを得なくなります。

高血圧や糖尿病などの疾患もそうですが、遺伝よりもむしろ、生活習慣の方がより大きなリスクファクターとなります。そして、肥満に関しても同じことが言えるのです。

育児の常識?非常識?

「育児に正解はない」とよく言われますが、育児法についてもさまざまな見解があります。では、育児中のママが悩みがちな問題や、最近になっておこなわれるようになったケアについて見ていきましょう。

母乳とミルクはどちらがいい?

赤ちゃんを育てるうえで重要な問題となるのが、母乳がいいのかミルクがいいのかという問題です。ただ、完全母乳を強く推奨する医師もいれば、ミルクを併用した方がいいという医師もいます。

完全母乳がよいとする立場

少し前の風潮になるのですが、育児の際には完全母乳の方がよいという意見が隆盛となりました。その根拠として、母乳を吸うことによって赤ちゃんのあごが鍛えられるからとか、アレルギー反応を予防できるからなどということがあげられていました。

そのため、「母乳で育てなければならない」とか「粉ミルクを与えるのは愛情が足りないからだ」などという無言のプレッシャーが、お母さんたちを悩ませることとなりました。

完全母乳が危険とする立場

近年、完全母乳はかえって危険だとする意見がみられるようになっています。その理由として、「母乳だけでは赤ちゃんの成長に足りるだけの栄養を賄うことができない」ということがあげられています。

2008年の朝日新聞の記事には、母乳だけで育てられた赤ちゃんが低血糖状態になってしまい脳障害がおこったとする事例が掲載されていました。また、脱水症状や栄養失調のリスクが高くなるという考え方も現れています。

母乳に栄養があることを否定するものではありませんが、母親の全員が全員、赤ちゃんの成長に必要な量の母乳を出せるとは限りません。完全母乳の方が育児法として優れているという考え方は、見直しの時期に来ているようです。

カンガルーケアは危険?

赤ちゃんが生まれたときに、母親にすぐ抱っこさせることを「カンガルーケア」と呼んでいます。それによって、「赤ちゃんが自然に母乳を求める」メリットがあるということです。

ところが、医学的に見ると、カンガルーケアをおこなうことによって、赤ちゃんの呼吸に悪影響を及ぼす可能性があるということです。標準的な方法も統一されておらず、今後どうしていくのか医療現場でも課題となっています。

心配なことがあればかかりつけの医師に相談を

赤ちゃんの肥満について見てきましたが、いかがだったでしょうか。初めての育児だと分からないことだらけで、ついつい不安になってネットでいろいろな情報を探してしまうものです。

ただ、定期健診で特に問題がなければ、それほど心配することはありませんよ。もし何か不安がある場合は、ネットではなく専門家である医師に相談するようにしましょう。

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