肥満外来ってなにをする所?ダイエットの本当の意味とは?

LIL 編集部

昔と比べると、現在はさまざまな専門外来があります。花粉症の人を対象とした花粉症専門外来や、タバコがやめられない人向けの禁煙外来、めまいの人を対象としためまい専門外来などがその代表例です。では、肥満外来とはどのようなところなのでしょうか。

昔と比べると、現代人は肥満の割合が増加傾向にあるといわれています。そんな中、肥満を専門とする病院やクリニックが出てきています。その名も肥満外来という分かりやすいネーミングです。

では、肥満外来ではどのような診療や治療をおこなっているのでしょうか。また、肥満外来の治療は保険の範囲内でおこなうことができるのでしょうか。ダイエットの本当の意味とあわせて紹介していきます。

肥満外来ってなに?

肥満をすると、なんとなく身体にとってよくないことは分かりますが、肥満外来といって、肥満症の人を対象にした専門の外来があることをご存じだったでしょうか。まず、肥満外来とはどのような場所なのかについて見ていきたいと思います。

専門外来の一種

肥満外来はその名の通り、専門外来の一種です。外来とは読んで字のごとく、外からやってくることを意味しており、病院に関して言うと、入院して治療している患者ではない患者(外来患者)のことを指します。

専門外来に関して特別な法規はなく、一般的には診療科に付随しており、より細分化されたものだとする考えかたもあります。たとえば、「皮膚科のアトピー性皮膚炎専門外来」などといった具合です。

病院にはさまざまな診療科がありますが、ここでは代表的なものを紹介するにとどめておきたいと思います。

内科

内科は、体調に何らかの変異があるものの、どの科を受診してよいか分からないときに、まず受診するのが一般的な科です。内科の専門外来としては、神経内科専門外来や胃腸専門外来、関節リウマチなどの膠原病専門外来などがあります。

外科

外科は内科とは対照的に、おもに外傷の治癒を目的とした科です。外科の専門外来としては、やけど専門外来や腫瘍専門外来、肛門専門外来や乳腺専門外来などがあります。

皮膚科

皮膚科は、皮膚に現れる何らかの不具合の治癒を目的とした科です。皮膚科の専門外来としては、先に例としてあげたアトピー性皮膚炎専門外来のほか、角化症専門外来などがあります。

耳鼻咽喉科

最近は、風邪をひいたときに一般の内科ではなく、耳鼻咽喉科を受診する方が増えてきています。耳鼻咽喉科の専門外来には、めまい専門外来や咽頭専門外来、補聴器専門外来などがあります。

歯科

歯科はコンビニの数よりも多いといわれており、専門外来も多岐にわたっています。口腔インプラント専門外来や歯科金属アレルギー専門外来などは、本来の歯科治療の延長線上にある専門外来と言えます。

また、歯の治療をおこなうだけでなく、顎関節症痛の治療を専門とした顎関節専門外来や、口臭予防を目的とした口臭専門外来もあります。他にも、審美目的で設けられた審美歯科専門外来などもあります。

心療内科

現代はストレス社会などといわれており、日本だけでなくアメリカなどでも心療内科の件数が増えてきているそうです。心療内科の専門外来も、歯科同様、実に多岐にわたっています。

発達障害や依存症、摂食障害などを専門としている外来があれば、ものわすれを専門としている外来もあります。また、心療内科に禁煙外来が設けられているようなケースもあります。

小児科

ストレス社会は子供の成長にも影響を及ぼすことから、小児科に専門外来が設置されているケースもあります。子供にみられる生活習慣病を専門とする外来や、児童精神科専門外来、発達・成長に関する専門外来などがあります。

産婦人科

産婦人科の専門外来としては、不妊専門外来や更年期障害専門外来、PMS(月経前症候群)専門外来や女性専門外来など、さまざまな専門外来があげられます。

ダイエットをおこなう診療科

ここまでの説明で、専門外来が実に多岐にわたっていることをご理解頂けたことと思います。では、肥満外来とはどのようなことをおこなう専門外来なのでしょうか。

肥満外来の目的を一言でいうと、生活習慣病などの改善・予防を目的として、ダイエットをおこなう目的で設けられた専門外来だということです。

ダイエットの本当の意味とは?

肥満外来はダイエットを目的として設けられた専門外来だということですが、では、ダイエットにはどのような意味があるのでしょうか。

規定食

ダイエットを英和辞典で調べてみると、そこには「規定食」と書かれています。規定食とは、何らかの目的で「食事内容を規定する」ことを意味します。分かりやすい例をあげるなら、病院食がそれにあたります。

つまり、ダイエットとは食事の量をコントロールしたり、食事内容を変更したりすることを意味しているわけであり、その意味では「運動をしてダイエットをする」などということは、ダイエットの本義からは外れている訳です。

健康と美容のためにおこなわれるもの

ダイエットというと、「痩せること」とか「運動をすること」だと思っている人も多いことでしょうが、本来ダイエットとは「健康と美容のために」食習慣の改善を図るものです。

たとえば、拒食症などが原因でやせ細っている人がダイエットをおこなえば、体重は増加することになります。それによって、健康的に美しくなるわけです。

このことからも分かるように、ダイエットには本来「痩せる」という意味はないのです。ただ、生活習慣病を抱えている人の多くが肥満しているため、ダイエットをおこなった結果、体重が減少することとなるのです。

結果だけ見ると、ダイエットをして痩せる人が多いことから、ダイエット=痩せるというイメージが定着したといえます。いずれにせよ、肥満外来では食事療法や運動療法を通じて、肥満の解消を目指す専門外来だということです。

肥満と肥満症の違い

肥満外来は、肥満ではなく肥満症の改善を目指す専門外来です。では、肥満と肥満症とはどう違うのでしょうか。

肥満とは?

「肥満と肥満症について違いを述べよ」といわれると、多くの方が戸惑うのではないでしょうか。「一緒じゃないの?」と思われる方もいらっしゃることと思います。では、まずは肥満について見ていきましょう。

太っている状態

肥満とは何かというと、「太っている状態」や「体重が重いこと」を意味します。必ずしも、何らかの病気を持っている必要はありません。むしろ、太っているけど健康な状態のことを肥満と呼んでいるのです。

BMIが25以上の場合

肥満している状態のとき、人間の身体には体脂肪がたくさん付着しています。ただ、体脂肪を正確に測定することは難しいため、BMI(ボディ・マス・インデックス)という指標が用いられています。

BMIによって導き出された数値によって、その人が肥満であるか標準体重であるか、もしくは痩せ型であるかを判断するという訳です。

BMIの数値は、身長(m)の2乗を体重(kg)で割ることで求められます。たとえば、160cmで体重が53kgの場合、[53÷(1.6×1.6)]=「20.7」ということになります。

BMIの標準値は22とされており、BMIが18.5以上25未満であれば標準体重であるとされています。一方、BMIが18.5未満であれば痩せ型、BMIが25以上であれば肥満だとされます。

肥満症とは?

肥満症は簡単に言うと、肥満に加えて何らかの合併症がある状態を意味します。合併症は、脂肪細胞の異常によって現れますが、大きく分けて以下の2つに分類されます。

脂肪細胞の質的異常がみられる場合

脂肪細胞の質的異常とは、簡単に言うと内臓脂肪が増加している状態を指します。脂肪細胞の質的異常がみられる場合、高血圧や脂質異常症、2型の糖尿病や脂肪肝、月経異常や脳梗塞、高尿酸結晶(痛風)などを発症しやすいとされます。

脂肪細胞の量的異常がみられる場合

脂肪細胞の量的異常とは、簡単に言うと皮下脂肪が増加することを意味します。脂肪細胞の量的異常がみられる場合、睡眠時無呼吸症候群や肥満低換気症候群のほか、腰痛や膝痛といった整形外科的疾患のリスクが高まるとされています。

肥満外来ではどのようなことをするの?

肥満外来では、生活習慣病などの改善・予防を目的としてダイエットをおこなうということでしたが、実際の治療はどのような流れでおこなわれるのでしょうか。

問診・カウンセリング

肥満外来でも通常の診療科と同様、はじめに問診やカウンセリングがおこなわれます。それによって、肥満してしまった原因を突き止め、どのように改善していくかについて話し合うのです。

検査

肥満にともなってどのような健康上の問題が現れているのか、血液検査や尿検査、心電図やレントゲンなどを実施して判断します。

ダイエットプログラム

肥満している原因や、健康上の問題が明らかになったら、その人に合ったダイエットプログラムが組まれます。ただ、肥満にも肥満度というものがあります。

あまりにも太っている人がいきなり運動を始めると、怪我のリスクが高まるだけでなく、心筋梗塞を起こしてしまう可能性があります。そこで、まずは管理栄養士によって提案された食事療法から始めることとなります。

薬の処方

肥満の程度によっては、食欲を抑制する薬や、脂肪の吸着を防ぐ薬などが処方されることもあります。

アフターフォロー

ダイエットプログラムを実施している間は、日々の食事内容や体重の変化を記録します。それに基づいて、ダイエットの効果を判断したり、今後のアドバイスをおこなったりします。

肥満外来は保険が利く?

肥満外来も治療行為に当たる訳ですが、保険が効くかどうかは気になるところですよね。その辺はどうなっているのでしょうか。

保険が利くケース

肥満外来での治療を保険診療でおこなうためには、なんらかの生活習慣病を抱えていることが条件となります。日本人の場合、BMIが25を超えると、耐糖能障害や高血圧、脂質異常症などのリスクが上昇するとされます。

そこで、初診時に肥満度だけでなく、生活習慣病を持っていないか、詳しく検査するわけです。その結果、ダイエット治療をおこなう必要があると判断されれば、保険が適用されることとなります。

保険が利かないケース

肥満外来での治療をおこなう際には、なんらかの健康上のトラブルが必要だということですが、では、肥満をしているけど健康上のトラブルがない人は、肥満外来で治療を受けられないのでしょうか。

そんなことはなくて、健康であっても自費で治療を受けることは可能です。医師や管理栄養士によって効率的なダイエットプログラムが組まれるので、美容目的で自費治療を受けるケースもあるようです。

肥満外来を受診する目安

肥満外来では、医師や管理栄養士の指導のもと、効率的にダイエットができるということですが、では、肥満外来を受診する目安はあるのでしょうか。

体調不良がみられる場合

肥満外来を受診する1つの目安としては、体調不良の見られる場合があげられます。もともと肥満をしている自覚がある人であれば、なんらかの体調不良がみられたときに、肥満外来を受診するとよいでしょう。

肥満が気になってきた場合

肥満外来を受信する目安としては、体重の増加が顕著になってきたときがあげられます。自分なりにダイエットをしているのにまったく体重の現象がみられないような場合、専門家に相談するとよいでしょう。

判断基準としては、先述したBMIによって求められる数値を参考にするとよいでしょう。BMIが25を超えるようであれば、肥満外来を受診してみましょう。

一度肥満外来に相談へ行ってみては?

肥満外来について見てきましたが、いかがだったでしょうか。肥満は日本人にとっても大きな問題となっています。はじめから肥満しないのがもちろん一番大事なのですが、肥満をしてしまった場合や、自分ではどうしようもない場合は、肥満外来を受診して相談するとよいでしょう。

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