年齢とともに出てくるお腹。お腹が出てくると、女性らしいくびれのあるウエストラインがなくなりおばさん体型になってしまいます。こうなると、女性としての色気も魅力も半減です。
いつまでも美しい魅力的なスタイルでいたいのに、どうして、お腹がポニョッとしてくるのでしょうか。お腹が出てくる原因と、その対策を詳しく紹介します。
お腹にお肉がついてしまう理由
どうして、お腹だけがポニョッと太ってしまうのでしょうか。
脂肪がたまりやすい
お腹が出てきやすい理由のひとつに、脂肪がたまりやすいということがあげられます。
脂肪というものは、実は身体のどこかしこにもついています。たとえば、顔にも脂肪はたまります。頬には頬脂肪体という組織があります。一見すると脂肪がついていないようにみえる頬にも脂肪はあるのです。
けれど同じ脂肪でも、お腹と同じように頬が出てくる人ってあまりいませんよね。脂肪がたまりやすいところとたまりにくいところの違いは、動くことが多いところか少ないところかという点です。
身体の中でも動きの少ないところから脂肪はついていきます。お腹に脂肪がつきやすくポニョッと出てきやすいのはこうした理由によるのです。
内臓脂肪と皮下脂肪
脂肪には、2種類あるのをご存知ですか?内臓脂肪と皮下脂肪です。
内臓脂肪は、内臓の周りについている脂肪のこと、皮下脂肪は、皮膚の直下についている脂肪のことです。内臓脂肪は、身体の奥深いところにあるのでつまむことは出来ません。お腹等をつまんでみるとつまめるのが皮下脂肪です。
一般に男性につきやすいのが内臓脂肪、女性につきやすいのが皮下脂肪といわれていますが、もちろん女性にも内臓脂肪はつきますし、男性のお腹にも皮下脂肪はあります。
メタボリックシンドロームに関係してくるのは、この内臓脂肪です。メタボリックシンドロームは、心臓血管系の病気を引き起こす可能性が指摘されています。
皮下脂肪がたまると痩せにくい
同じ脂肪でも、皮下脂肪は内臓脂肪と比べて取り除きにくいという特性があります。皮下脂肪がつかないようにしておきたいところです。
皮下脂肪も動きの多い箇所にはつきにくく、しかもとれやすいのも動きの多いところです。したがって、お腹は動きが少ないという場所柄も相まって、皮下脂肪がとれにくいのです。
女性に多い便秘
便秘は、実は男性と比べて圧倒的に女性に多い傾向があるのです。その理由はいくつかありますが、女性ホルモンの影響もあります。
女性ホルモンのなかに、プロゲステロンというホルモンがあります。プロゲステロンには、大腸の働きを抑え、食べ物を先へ送り込みにくくする働きがあります。プロゲステロンの分泌が活発化すると、便秘の傾向が強くなります。
また、腹筋が男性と比べて弱いというのも影響しています。腹筋は、便を身体の外へ排出するために必要な筋肉です。腹筋が弱いと、便を押し出しにくくなるので、便秘になりがちになります。
これは女性に限らないのですが、無理なダイエットをすると便秘になります。食事量を減らすと、便の量が減って、お腹の中で奥へ送りにくくなりますし、後述しますが水分や食物繊維の量が減ることで、便の固さが増してしまい、便秘になってしまうのです。
筋力の不足や低下
筋力の不足や低下も、お腹が出てくる原因のひとつです。
インナーマッスルとよばれる筋肉は、臓器や器官を固定して、適切な位置に配置する役割を担っています。加齢や運動不足による筋力の不足や低下は、このインナーマッスルにも現れます。
インナーマッスルの筋力が低下すると、胃や腸などの消化器官を引っ張り上げる力が不足してしまいます。すると、お腹が重力により消化器官全体が足元に向かって垂れ下がった状態になってしまい、ポニョッと出てくるようになります。
お腹ダイエットについて
ダイエットの本当の意味
ダイエットは、実は外見を良くするためだけに行なわれているのではありません。もちろん、痩せることでスラッとすると、見た目はよくなります。実はそれ以上に効果があるのが健康維持なのです。
太る原因は、運動不足、食べ過ぎや飲み過ぎ、など日頃の不摂生にあります。これらはコレステロールを高めたり、糖尿病や高血圧症を引き起こしたりと、健康面ではほめられたものではありません。
ダイエットにとりかかると、運動したり、食事を管理し健康な食生活をおくることになります。こうしたことは、身体の健康づくりの基本でもあります。ダイエットの本当の意味は、外見を良くするよりも健康づくりにあるのです。
男女ともに一番気になる場所はお腹
お腹は、男性も女性も年とともに出てきます。頭髪やお肌のコンディションも気になるところの上位になってきますが、お腹周りは、男女共通しての悩みのようで、いろいろなアンケートでもトップあたりにランクインしています。
みなさん、気にはなるけれども一度出たお腹を引っ込ませるのは難しいのでしょうね。
女性の魅力も半減
お腹が出てくると消えてしまうのが、「くびれ」です。美しいくびれのついたウエストラインは、女性の美しさを引き立てます。これが消えてくると、いわゆるおばさん体型、おばさんスタイルになってしまいます。
ポニョッとしたお腹を引っ込めて、魅力的なウエストラインをつくりましょう。
不妊にもつながる
太り過ぎた身体は、生理不順や排卵日の不安定化の原因にもなります。つまり、妊娠しにくくなるのです。これは、卵胞ホルモンが脂肪に蓄積されてしまい排卵しにくくなることと、ホルモンの流れが悪くなることによります。
妊娠しやすい身体作りのためには、ダイエットも大切ですね。
食事改善で内側からダイエット
身体の中から改善するのもダイエットには大切です。
便秘を治す食事
便秘を起こしにくい食事、それは食物繊維の豊富な食事です。繊維質の多く含まれた食品は、消化されにくく、大腸にまで運ばれやすいという性質があります。
そのうえ、水分を吸収しやすいので便の硬さを軟らかい状態にすることができます。このため、便秘を起こしにくくなるのです。食物繊維の豊富な食品は、野菜や海藻、豆類です。食事の時に積極的に食べるようにしてみてください。
ところで、食事量を極端に減らすと、かえって便秘になってしまいますので、無理な減量はしないように注意してください。
正しい食事制限でダイエット
食事を適正に管理することもお腹の脂肪を減らすために忘れることの出来ない大切なポイントです。気をつけるのは、炭水化物や脂質を食べ過ぎないことです。食事の量を減らすことでは決してありません。
炭水化物や脂質は身体にとってエネルギー源となりますが、必要以上に摂取するとエネルギーとして消費しきれないので、脂肪の蓄積をもたらしてしまいます。そこでたとえば、炭水化物であるご飯は1日2杯までに留める等のコントロールをしましょう。
また、揚げ物等の油を使う調理法は、脂質を多く含んでいます。油を使わない調理法に工夫してください。
反対に、お肉やお魚などのタンパク質は、たくさん食べるようにしてください。タンパク質は筋肉を作ります。筋肉量が増えると、代謝が高まり脂肪を燃焼させやすくなるからです。炭水化物や脂質を控えて、タンパク質の多い食事を心がけてください。
冷えは大敵、身体を温める飲み物
女性に多い冷え性、身体を温めるためには、温かい飲み物なら何でもいいというわけではないのです。身体を温めるための飲み物選びのポイントは、成分です。
温かい緑茶やコーヒーは、ホットドリンクの代表格です。寒い季節は暖かい緑茶やコーヒーで・・・、は、実は間違いです。なんとどちらも身体を冷やす飲み物です。お酒を飲むとか〜っとして、身体が熱くなりますが、これもやはり身体を冷やしてしまいます。
では、どの飲み物なら身体を温めてくれるのでしょうか。それは、紅茶です。ストレートティーでもいいですし、レモンティーにしても構いません。その他、ウーロン茶やほうじ茶もおすすめですし、お茶以外でしたら、ショウガ湯やホットココア、御白湯も効果的といわれています。
体温が1度下がると基礎代謝はおよそ10%低下するといわれています。基礎代謝の低下はダイエットにも影響してきます。冷え性にならないよう、飲み物にも気を配ってください。
トレーニング
トレーニングは、低下した筋力を向上させるだけでなく、脂肪を燃焼させるという点からも効果的です。
年齢と共に低下するお腹周りの筋力
お腹にある胃や腸といった消化器官は、インナーマッスルによって位置を固定されています。このインナーマッスルも、他の筋肉と同じく年齢とともに減少し、筋力が低下していきます。すると、胃や腸などの臓器が重力で足元に向かって引っ張られ、垂れ下がった状態になってしまいます。
そこでトレーニングによって低下した筋肉を鍛えると、インナーマッスルも鍛えることにもなります。垂れ下がったお腹の内臓を適切な位置に引き上げ、ポニョッとしたお腹を引っ込める効果があります。
脂肪燃焼
お腹についた脂肪を落とすためには、脂肪を燃焼できるトレーニングも効果的です。脂肪を燃焼させる効果の高いトレーニング法は、有酸素運動です。有酸素運動は、身体に蓄積した脂肪をエネルギー源とするからです。脂肪を効率的に燃焼させるためには、少なくとも30分以上の有酸素運動が必要といわれています。
無理をして身体を壊してしまっては意味がありません。身体にあまり大きな負担がかからないように、ゆっくりとしたペースで構いませんので、30分以上の有酸素運動を心がけてください。
ドローイン・エクササイズ
ドローインというエクササイズ法をお聞きになったことありますか?英語では、”draw in”と表記します。日本語に訳せば「引っ込める」「吸い込む」といった意味合いになります。
ドローインとは、お腹を引っ込ませるだけという簡単なエクササイズ法のことです。力を入れてお腹を引っ込めて、ウエストを細くするのが目的です。
気になるドローインの仕方ですが、まず背中をまっすぐに伸ばします。そして、頭の中でお腹と背中がくっつく状態をイメージします。そのイメージを保ったまま、お腹に力をかけて引っ込ませます。そう、とても簡単なのですが、時間と場所を選ばず、誰にでもどこででもできるので、お腹の筋肉を鍛える効果が高いのです。
ドローインでは、10[kg]単位の大幅な体重の減少は期待できませんが、お腹の周囲の見た目は引き締まってきます。
ドローインの利点は、前述したようにいつでもどこででも出来る点です。通勤途上の電車やバスの中、オフィスの椅子の上、料理をしている時、ドローインを出来る時間は1日のうちにいくらでも見いだせます。
そして、特別な道具が必要でない点もいいですね。お金がかかりません。問題は、その手軽さです。いつでも簡単にできるのですが、常に意識し続けて継続しないと効果がありません。忘れがちだと、その分お腹を引っ込める効果も少ないのです。
内臓を活発にするストレッチ法
ストレッチというと、身体を伸ばす体操ですが、内臓を活発にする効果のある「内臓ストレッチ」もあります。
人が生きていく上で最低限必要とされる代謝を基礎代謝といいます。心臓を動かすのにも、呼吸するのにも、食べ物を消化するのにもエネルギーは必要なのです。
実は、近年、基礎代謝は筋肉よりも内臓の方が高いのではないかといわれています。この視点で考えると筋肉より内臓を動かした方が、カロリーの消費効率が高いということになります。
そこで行ないたいのが内臓ストレッチです。内臓ストレッチは、活発化したい臓器によって方法が異なります。
もっとも基礎代謝が高いとされる肝臓では
- 肩関節と股関節が90度で曲がるように四つん這いになります。
- みぞおちを天井から吊り下げられるような感じに背中を丸めてあげていきます。首は力を抜いて、重力に任せてダら〜んとたらします。
- 丸めた状態から肩と股関節で体重を支えつつ、背中を落とし、重力で腰が垂れ下がるような感じになるまで下げます。
- これを数回繰り返します。
これが、肝臓用の内臓ストレッチです。その他、内臓を支える骨盤底筋群や横隔膜などいろいろな内臓ストレッチがあります。
内臓ストレッチは、代謝を高めてダイエット効果があるだけでなく、朝の目覚めや生理痛、胃もたれの改善効果もあるので、おすすめです。
トレーニングを続けること
年とともに出てくるお腹、そのままでは女性としての魅力も半減してしまいます。
お腹についてくる皮下脂肪は、とりにくいものですが、あきらめるのはまだ早いです。食生活の見直しやトレーニングなどを通して、出てきたお腹を引っ込め、魅力的なウエストラインを作りましょう。