寝不足は肌荒れの原因!そのメカニズムと治し方を教えます

最近寝不足ではありませんか?睡眠は美肌づくりに欠かせません。寝不足になると、イライラしたり肌荒れでニキビができたりして、体も心も疲れてしまいます。また、「ちゃんと寝てるはずなのに疲れが取れない」という方も増えています。

眠りが浅いのは、生活習慣に原因があるのです。寝不足で肌が荒れる原因や、浅い眠りの治し方をご紹介します!

睡眠のメカニズム

寝ている女性

睡眠は、生きていくために欠かせないことです。わたしたちは、単純に「疲れたから」「眠たいから」という理由で睡眠を取っているわけではありません。

ちょっとした体調不良なら、寝るだけで治ることもよくありますよね?睡眠中は脳や体をケアする仕組みがあり、免疫力アップや体調の回復、さらには記憶や情報の整理などをおこなっているのです。

睡眠中におこなわれる体のケアの1つに、「お肌の修復」があります。そのため、寝不足は肌荒れに直結してしまうのです。

寝不足で肌荒れが起こる原因

乾燥

寝不足による成長ホルモンの分泌量の減少

肌荒れのないきれいなお肌は、寝ている間に作られています。きれいなお肌づくりに欠かせない「成長ホルモン」は、睡眠をはじめた2~3時間の間隔で脳から分泌されており、お肌を修復したり体の代謝をサポートしたり、血糖値を一定に保ったりしています。

また、睡眠中は浅い眠りに「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」の2つの周期を繰り返しているのですが、成長ホルモンは「ノンレム睡眠」の時に分泌されています。つまり、寝不足でノンレム睡眠の時間が足りていないと、成長ホルモンの分泌量が減ってお肌を修復できず、肌荒れを起こしてしまうのです。

寝不足のストレスによるホルモンバランスの乱れ

ホルモン

寝不足というのは、それだけでストレスになりますよね?人の体には、ストレスを感じると「コルチゾール」という成分を分泌して、ストレスに備えようとします。本来コルチゾールは午前3時から明け方にかけて多く分泌され、寝起き後30分~60分の間に大量に分泌される仕組みがあるのです。

「天然の目覚まし」ともいわれるコルチゾールは必要なものではありますが、コルチゾール値の高さはストレスの高さを物語っています。さらにコルチゾールには、お肌のうるおいに欠かせない「セラミド」を破壊する働きがあるといわれています。そのため、寝不足による肌荒れをさらに悪化させるのです。

寝不足による肌荒れの治し方

肌のターンオーバーを整える

鏡を見ながら笑っている女性

寝不足による肌荒れ改善におすすめのスキンケア方法をご紹介します。

保湿ケアは大事

乾燥肌や混合肌、オイリー肌などの肌タイプがありますが、どんなタイプでもまずは「保湿ケア」が肝心です。もともとお肌が乾燥しやすい人なら、乾燥と寝不足のダブルパンチでお肌が荒れ放題になってしまいますよ。

まずは保湿する効果の高い「セラミド」や「ヒアルロン酸」、「プラセンタ」といった成分が入った化粧水やクリームがおすすめです。また、「トラネキサム酸」など抗炎症成分が入ったものもおすすめです。

「慢性的な寝不足やストレスで、お肌がもうボロボロ…」という場合は、緊急ケアとして蒸しタオルで顔全体をあたためて、フェイスパックで保湿してあげるのも効果的でしょう。寝不足は血行不良にもつながり、目元や顔全体をくすませます。蒸しタオルで血行を促進すると、少し顔色も改善しますよ。

寝不足という根本的な原因解決とはいきませんが、保湿ケアを入念に行えば肌荒れも少し落ち着いてくれるでしょう。

目の周りの保湿ケアは念入りに

鏡を見ながらクリームを塗っている女性

さきほどご紹介したように、寝不足は目の周りのくすみの原因になります。また、寝不足になるほど目をこすってしまう人は、目の周りの保湿ケアをしっかり行いましょう。充血した目にたるんだ目元をしていると、周りから見ても「寝不足だな、疲れてるな…」と気を遣われてしまいますし、見た目年齢も跳ね上がってしまいます。

目は0.02ミリほどの薄さしかなく、ティッシュより薄いデリケートな部分です。そのため、エステのマッサージやフェイスパックでも、目の周りを避けることが多く、意外と保湿ケアを忘れがちです。

そんな保湿を忘れがちな目元は四六時中まばたきしたり眼球を動かしたりと、顔の中でもよく動かすパーツです。皮膚が薄いということは皮脂腺も薄く、シミができやすいという特徴があります。

しっかり目元ケアするには、アイクリームや目元専用の美容液がおすすめですよ!デリケートな目元をケアするために作られており、高い効果を期待できます。目の周りのスキンケアについては、こちらの記事をご参照くださいね。

食事やサプリで必要な栄養素を補う

魚と野菜

寝不足による肌荒れには、効果的な栄養を摂って内側からもケアしていきましょう。

寝不足による肌荒れはビタミンB群の摂取で解消

寝不足による肌荒れ改善なら、まずはビタミンB群がおすすめです。ビタミンB群はビタミンB2やナイアシン、葉酸などを総称したもので、体のなかの糖質や脂質、たんぱく質といった栄養の代謝をサポートしてくれます。

特にビタミンB2は「発育のビタミン」ともいわれ、爪やお肌の成長を促して肌荒れを改善してくれます。ビタミンB2が不足すると代謝が落ちてしまうので、肌荒れ改善にはもちろんのことダイエットにも効果的ですよ。

  • ビタミンB2が豊富な食べ物

物のレバーに豊富に含まれています。牛や鳥もいいですが、一番おすすめなのは「豚レバー」です。また、ビタミンB2は熱に弱いので、加熱がいらない納豆や牛乳もおすすめです。

ビタミンB群は水溶性ビタミンなので摂りすぎた分は自然と体から出ていき、体に長時間とどめておくことが苦手です。朝・昼・晩とこまめに取り入れると効果的でしょう。過剰摂取しないように気を付けてくださいね。

厚生労働省では、18歳~49歳までの女性の場合、ビタミンB2の推奨量を1.2mg/日としています。

(参照:日本人の食事摂取基準(2015年版)概要)

ビタミンCは美肌とストレス解消に効果的

ビタミンのイラスト

美容効果が高いといわれるビタミンCも、寝不足による肌荒れ改善におすすめです。ビタミンCはコラーゲンの生成にも必要な成分で、お肌のハリアップも期待できます。また、病気やストレスの抵抗力も高めるので、寝不足のイライラにも効果的ですよ。

タバコに含まれるニコチンはビタミンCを破壊するので、喫煙者もしっかりとビタミンCを摂るようにしましょう。

  • ビタミンCが豊富な食べ物

イチゴやオレンジなどの柑橘系のフルーツに含まれていますが、一番豊富なのは「アセロラ」です。アセロラの果汁がたっぷり入ったジュースもおすすめです。野菜にもビタミンCが含まれていますので、積極的に食べましょう。

厚生労働省では、18歳~49歳までの女性の場合、ビタミンCの推奨量を100mg/日としています。

(参照:日本人の食事摂取基準(2015年版)概要)

亜鉛・マグネシウムなどのミネラルで肌の新陳代謝アップ

亜鉛

亜鉛は酵素を構成する成分で、不足すると健康なお肌や粘膜を作りにくくなります。子供が亜鉛不足になると、皮膚炎や成長障害が発生したりするほど大切な栄養です。大人が亜鉛不足になると味覚障害が出るので、「最近味覚がおかしいな」という人は亜鉛を積極的に摂りましょう。

マグネシウムは、不足するとイライラなどストレスの原因になります。便秘を改善する効果もあるので、便秘からくる肌荒れにも効果的です。

  • 亜鉛・マグネシウムが豊富な食べ物

亜鉛は牡蠣などの貝類やビーフジャーキーに豊富に含まれています。マグネシウムは、あおさや青のり、わかめといった海藻類やココアに含まれています。

厚生労働省では、18歳~49歳までの女性の場合、亜鉛の推奨量を8mg/日としています。マグネシウムは18歳~29歳が270mg/日、30歳~49歳が290mg/日としています。

(参照:日本人の食事摂取基準(2015年版)概要

肌荒れに効く栄養素で肌を整える

微笑む女性

肌荒れ改善に効果的だからといって、「ビタミンCを大量に摂らないと!」「イライラしてるからマグネシウムを大量にとらなきゃ!」と偏った栄養の取り方はおすすめしません。栄養はチームで働くので、栄養をまんべんなく摂取するのが一番効率的です。

今回ご紹介したビタミンやミネラル以外にも、たんぱく質も積極的に摂るようにしましょう。「仕事が忙しくて手軽に栄養を摂りたい」という方は、コンビニを賢く利用しましょう。

安眠効果がある食べ物で睡眠の質をアップ

大豆

睡眠導入剤「ドリエル」が男女1440人を対象に行ったアンケートによると、「朝スッキリ起きられない」「寝ても疲れが取れない」という人が半数以上いました。やはりみなさん眠りについての悩みを持っていますね。

(参考:ドリエル「日本人の睡眠実態」)

睡眠時間を長くとっても、眠りが浅く安眠できないと肌荒れの原因になります。安眠効果のある食材を知って、深い眠りができるようにしていきましょう。

安眠効果を高める食品としては、安眠効果のあるセロトニンの分泌をサポートする「大豆」や寝ている間の血糖値を高い状態で維持してくれる「ホットミルク」、抗酸化物質が豊富な「キウイ」がおすすめです。これらの食品も積極的に食べてください。

寝不足による肌荒れを治す安眠する方法

コットンを頬に当てている女性

寝不足で肌荒れを起こしているなら、深く安眠することが一番の解決方法です。最後に「いい眠り」についてご紹介していきます。

人によって「必要な睡眠時間」は違い、「10時間は寝たい」という人もいれば、「5時間で十分」という人もいます。厚生労働省の調べでは、日本人の平均的な睡眠時間は「6時間~8時間」といわれているので、8時間ほど睡眠時間を確保できればひとまずOKでしょう。

必要な睡眠時間の判断基準は「日中眠くならないか」という点ですので、自分で感じ取ってみてください。寝る時間は、成長ホルモンの分泌が増える夜22時~2時の間がベストといわれています。なるべく日付が変わるまでに、ベッドに入るようにしましょう。

安眠するための準備は、朝から始まっています。まず、朝はしっかりご飯を食べて、夕食は最低でも寝る時間前までに終わらせておきましょう。夕食はお腹いっぱい食べるのではなく、腹八分でやめておくのがベストです。

夜は、体が少しずつ睡眠の準備を始めます。脳を起こしてしまうコーヒーや紅茶といったカフェインや、ニコチンが含まれるタバコは安眠を妨害するので避けましょう。眠れないときにアルコールの力を借りる人もいますが、実は夜中に眠りが浅くなったり目が覚めたりするので、おすすめはしません。

そのほか、安眠のためにおすすめなのは以下の方法です。

  • 夕方に30分~1時間程度、軽く汗ばむような運動をする
  • 入浴は、40℃前後のぬるめの湯船に30分以上ゆったり浸かる
  • 入浴剤やアロマで、リラックス効果のあるラベンダーやジャスミンを使ってみる

上記の方法を試してもなかなか寝付けないくらい、深刻な睡眠不足に悩んでいる人もいます。睡眠導入剤も市販されていますが、原因がほかにある可能性があるので早めに受診することをおすすめします。

寝不足は肌荒れを起こすだけではない

頭を抱えている女性

寝不足による肌荒れを改善する方法をご紹介しました。人は睡眠を取らずに生きることは不可能で、「眠り」はお肌だけではなく健康維持にも重要なことです。

心と体はつながっているので、「仕事が忙しい」「最近ストレスが増えた」などのメンタルが影響して質のいい眠りにつけないこともあります。一時的ならまだいいのですが、何日も続くようなら自己解決せずに、専門医の力を借りることも検討してみてください。

睡眠の質を高めて、肌荒れ知らずのお肌で毎朝スッキリめざめたいものですね!この記事が参考になれば幸いです。