冬の寒い時期の定番となっているヒートテック。しかし、このヒートテックが肌荒れの原因となる場合があります。もしヒートテックを着て、背中にかゆみを感じたり湿疹が出たりしたことがあるなら、着るものを変えた方が良いかもしれません。しかし、ヒートテックが肌荒れを起こす原因とは何でしょうか?また、どんな素材の服がよいのでしょうか?こうした点を取り上げます。
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ヒートテックが肌荒れを引き起こす3つの原因
ヒートテックが原因となって、かゆみや湿疹などの肌荒れを引き起こす原因が3つ考えられます。その原因を知ると、自分の体質にヒートテックが合っているのかを知ることができるかもしれません。
ヒートテックの吸湿発熱繊維が原因
1つ目の原因は、ヒートテックで肌の乾燥がすすむことです。肌の乾燥をすすめてしまうのは、ヒートテックの「吸湿発熱繊維」です。吸湿発熱繊維とは、汗などの水分を吸収して発熱する繊維のことで、ヒートテックのウリでもあります。薄いのに暖かさを感じるのは、カラダから出た汗をこの繊維が吸収しているからなのです。
しかし、汗の吸収性が非常に優れているため、肌に必要な水分まで奪ってしまうという点がデメリットとなってしまいます。ヒートテックを着るのは、肌が乾燥しやすい時期です。その時期に肌が必要とする水分まで奪ってしまうため、肌の乾燥がすすんでしまうのです。肌が乾燥しやすい方は気を付けた方が良いかもしれません。
ヒートテックの素材が原因
2つ目の原因は、ヒートテックの素材が肌に合わないということです。ヒートテックは次のような化学繊維で出来ています。
- アクリル・・・41%
- ポリエステル・・・34%
- レーヨン・・・22%
- ポリウレタン・・・3%
弱い肌とこうした化学繊維でできた素材が触れると、そのたびに摩擦が起きて静電気が起きバリア機能が壊れやすくなります。バリア機能が壊れると、アレルギー反応が出やすくなり炎症などを起こしてしまうのです。
保温機能
3つ目の原因は、ヒートテックの保温機能です。ヒートテックは薄いのにとても暖かいですよね。体が温まると汗が出ます。ヒートテックはその汗を吸収して、さらに保温機能を高めます。そうすると、また汗が出て…。また、ヒートテックは水分の吸収性は高いのですが速乾性が低いため、肌と汗を吸収した記事が触れ続けることになります。そうすると、現れる症状があせもです。汗をかきやすいという方は、あせもがかゆみの原因かもしれません。
ヒートテックでの肌荒れを改善するポイント
もし、ヒートテックを着てかゆみや湿疹などの肌荒れが生じたのなら、まずはヒートテックを控えてみましょう。そして、肌に優しい素材のものを着たり、保湿したりして肌荒れの改善に取り組みましょう。
綿100%のインナーを着る
肌に優しい素材としておすすめなのが綿(コットン)です。
その理由は:
- 自然素材だから肌ストレスが少ない:綿は肌への負担が少なく、静電気が起きにくくしてくれる素材でもあります。なので、バリア機能が壊れるのを防ぐことにもなり、肌荒れを改善できます。
- 吸水性と通気性に優れている:冬場でも人は汗をかきます。特に、暖房の効いた職場や部屋にいると、じっとりと汗をかくことがあるのではないでしょうか?綿は吸水性に優れているため汗対策になります。しかし、汗をかいたまま外に出ると、今度は汗が体を冷やしてしまいます。その点、綿は通気性が良いため吸収した汗をしっかり処理してくれるのです。
- 保温性に優れている:綿は繊維内に空気をたくさん含ませることができます。そして、この空気量が衣類の保温性の決め手となります。
ヒートテックが合わないという方は綿100%のインナーに変えて、肌の様子を確認してみてください。
ウール素材のインナーを着る
冬に着るアウターやセーターに使われるウール素材。暖かい素材というイメージが強いかもしれません。また、直接肌に触れるとチクチクするというイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし、インナーとして使われているウールは非常に細いのでチクチクしません。また、吸湿性や速乾性に優れています。実際、激しいスポーツをする方のインナーとして多く用いられているほどです。加えて、ウールには抗菌・免疫機能があるため、臭いの原因となる細菌の繁殖を抑えてくれます。なので、汗のニオイが気になることもないのです。
ウールインナーは、ウール100%の商品もあればシルクなどの自然素材が混紡されている商品もあります。どちらにしても、サラッとした使い心地で肌への負担が少ないため、とても着心地が良いという評判を得ています。
冬でも汗をかくことが多いという方は、ヒートテックよりもウール素材のインナーの方が快適かもしれません。
シルク素材のインナーを着る
ヒートテックの化学繊維で肌荒れが起きているなら、ツルツルとした生地が肌に優しいシルク素材のインナーを着用することもおすすめです。シルク素材が肌に優しい理由は、3つです。
- 生地の成分が肌と似ている
わたしたちの肌を作る原料はアミノ酸です。そして絹糸を覆っているのがセリシンといわれるアミノ酸たんぱく質です。なので、肌への刺激が少ないのです。 - 吸湿性に優れ保湿してくれる
シルク素材の吸湿性は綿の1.5倍と言われています。なので余分な汗をしっかり吸収してくれるのです。しかし、それだけではありません。放湿性にも優れているため、肌を保湿する効果も高いのです。なので、肌を乾燥から守り保護してくれます。 - 紫外線をカット
シルクは、肌にダメージを与える紫外線をカットしてくれます。というのは、シルクの原料となる繭は、蚕を外部の刺激から守る役目を果たしているからです。外部の刺激には紫外線が含まれています。
保湿を行う
ヒートテックでかゆみや湿疹が出ている場合、肌はバリア機能が壊れて乾燥した状態にあります。なので、乾燥した肌を保湿してあげる必要があります。お風呂上りやインナーを着る前、乾燥の気になる部分にクリームなどの保湿剤を薄く塗ります。保湿剤は、少し油脂のあるものが効果的です。というのは、油脂が肌に膜を貼るため、肌と衣服の間の摩擦を和らげる効果と、肌の水分が逃げないように守る効果が期待できるからです。
皮膚科に行く
ヒートテックから自然素材のインナーに代えるなど対処しても、かゆみや湿疹が治らないまたはひどくなるようであれば、皮膚科に行ったほうが良いでしょう。きっと、最もふさわしい対処法や薬を処方してもらえるはずです。
いつまでも肌が改善されないのはストレスになりますよね。そのストレスが肌荒れを悪化させることもあります。皮膚科に行って、余計なストレスをなくせば肌荒れの改善を早めることになるかもしれません。
肌荒れのかゆみを鎮めて快適な毎日を
ヒートテックは薄くて暖かいので、冬の定番アイテムとなっていますが、肌に合わないという方もいます。肌の弱い方には不向き、といわれる化学繊維が原因なのかもしれません。
しかし、綿やウール、シルクなどの自然素材のインナーは、肌に優しいだけでなく、保温性や保湿性にも優れています。
ヒートテックでかゆみや肌荒れが起きたなら、自然素材のインナーに変えてみてください。痒さをなくし、快適な毎日を送ることができるでしょう。