ある日突然、爪に縦線ができたらビックリしますよね?大きな病気である可能性は少ないんですが、放っておいても爪の縦線は消えません。ここでは爪の縦線ができてしまう原因を紹介するとともに、その改善方法や考えられる病気についても合わせて紹介していきます。
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爪の構造
爪は大きく分けて、爪甲、爪先、爪半月、爪母には分かれます。爪のケアを行う際などに役立ちますのでこの機会に名前と役割を理解しておきましょう。
- 爪甲・・・一般的にみなさんが爪と読んでいるところで爪の表面全体のことをいいます
- 爪先・・・爪甲の一番先端で非常に敏感で乾燥すれば、折れたり、はがれたりしてしまう部位です。
- 爪半月・・・爪甲の根元部分でちょうど半月状に白っぽくなっている部分で、作られたばかりの新しい爪になります。
- 爪母・・・爪半月のさらに根元側で、爪の細胞分裂が行われることで新しい爪の基が生まれます。
爪に縦線が入る主な2つの原因
爪に縦線が入る場合にはみなさん病気かもと気にする人も多々いますが、主には病気が原因ではないことが多いので安心しましょう。ほとんどの場合に、老化と乾燥が原因となっており、爪に白く縦方向に線や溝などが入っている爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)という状態になっています。
爪の老化
老化は体のいたるところに影響が出るものです。とくに肌の老化は、皮膚のシワなどと一緒で加齢とともに誰にでも発生してしまい、40代くらいになればかなりの人の爪に白い縦線ができてきます。これは体の老化とともに内臓、とくに胃腸の働きが衰えてしまい、食べたものの吸収が悪くなり、爪に十分な栄養素が届けられなくなることで爪が老化してしまっているのです。
特に女性の場合に多いのが、亜鉛不足です。亜鉛不足の人は爪に十分な亜鉛による栄養素が届かずに爪の老化による縦線が入ってしまいます。
爪の乾燥
老化とともに爪の縦線の大きな原因になっているのが乾燥です。お肌が乾燥するように当然爪も乾燥します。皮膚と同じように角質でできているので乾燥しやすく、主に外の外気に触れていることもありいろいろな外的刺激でも乾燥しやすくなっています。
爪が乾燥してしまうと水分を失った角質が凝縮され硬くなってしまいます。硬くなると角質と角質の間に溝ができてしまうのです。この溝が白の縦線の原因となります。さらに爪が乾燥していると凸凹ができやすく、生まれたての爪にもダメージがかかって伸びる際に線が入ったりもします。
また、爪の乾燥は、老化とも密接に関係しており、お肌と同じように肌が老化してくれば乾燥しやすくなるので簡単に乾燥してしまいますし、乾燥した後の爪の耐久性も老化により弱くなっているので症状が早く、強く現れやすくなりますので注意が必要です。
その他の原因
爪は硬く見た目にも肌のようなイメージをもっていない人がいますが、あくまで肌の一部であり、食べたものの栄養素によって養われ、かつ体の変化とともに影響を受けます。その観点からも、お肌と同じようにストレスや血行不良、睡眠不足、生活習慣の乱れなど、あらゆる原因によって、影響を受け、乾燥や老化などと絡み合うことで爪に縦線を作ります。
爪の縦線を治す方法
乾燥を防ぎ爪を保湿する
爪の縦線を防ぐのにまず行うべき対応が保湿です。乾燥したら保湿をするのは肌と一緒です。おすすめなのは爪用化粧品であるネイルオイルとハンドクリームによる保湿です。ネイルオイルは、爪の根元にある甘皮部分に塗ることで保湿できます。
ネイルオイルを塗って皮膚に揉み込むようになじませることで高い保湿効果を得られます。また、ネイルオイルには保湿成分と一緒に健康な爪が生えるためのミネラルやビタミンが配合されているので、美しい爪を保つことにも貢献してくれます。
そして、ハンドクリームをネイルオイルを塗る前後どちらかに塗ることでさらに効果をアップさせることができます。ハンドクリームの場合にはネイルオイルと比べてもコッテリしていますので油溶性成分によって爪を覆って乾燥を防いでくれます。前に塗る場合には水溶性成分の多いジェルタイプのハンドクリームを選択しましょう。
また、日頃からハンドクリームを塗る時には手だけでなく、爪にもしっかりと塗り込みましょう。とくに根元を揉むようにしっかりと塗り込むことで保湿効果も上がります。それとともにマッサージをすることで血行も良くなり、老化による爪の栄養不足も補えるようになります。
ビタミンB群などの栄養摂取
先ほどから紹介しているように爪も食事から栄養を吸収してメンテナンスを行なっています。日頃の食生活を改善することで爪の縦線などの予防することができます。特にその中でもビタミンは意識しないと摂取できないのでビタミンB群などの栄養をしっかりと把握しておきましょう。
ビタミンB群、特にビタミンB2は爪を丈夫にし、爪の細胞を再生するのに役立ちます。食事の種類としては、卵、大豆製品、乳製品、うなぎ、レバーなどから摂取できます。その他にもビタミンAは、ケラチンを生成して爪の成分となるので大切です。鶏のレバーや豚のレバーから豊富に摂取できます。
ビタミンEはツヤと潤いのある爪にしてくれ、弾力も与えてくれるので乾燥した爪を強くしてくれます。かぼちゃ、アーモンド、たらこなどから摂取できます。ビタミンだけでなく鉄も酸素を爪まで行き渡らせるのに大切な役目をもっているので、レバーやひじき、大豆製品、あさりなどから積極的に摂取しましょう。
最後に、やっぱり大切なのはタンパク質です。爪の主成分であるケラチンはタンパク質なので、肉類、魚類、大豆製品、乳製品から積極的に摂取して、健康な爪をつくっていきましょう。また、タンパク質摂取には、バランスよく動物性と植物性を摂取するようにしましょう。
爪の縦線を予防する3つのポイント
普段からネイルケアをすること
爪の縦線は乾燥対策だけでは不十分です。日頃から爪そのものをケアするための工夫をしましょう。爪切りでただ切ってるだけではダメで、しっかりとしたネイルケアを身につけましょう。
ネイルケア方法
- Step1・・・ネイルケアの準備まずお湯などに3分ほど指をつけて爪を柔らかくしておきましょう。
- Step2・・・爪の形を整える
横から見てヤスリと爪が45度の角度になるようにして、先端を好みの長さになるまで削り、それとともに角を削って形を整えます。爪切りよりもしっかりとヤスリを使うことで二枚爪になるリスクを回避できます。 - Step3・・・甘皮処理
甘皮を取り除くことで、爪のラインが綺麗にします。キューティクルリムーバーなどを爪に塗り、お湯に指を3分ほどつけ、水気をとってから再びキューティクルリムーバーを塗ります。その後、プッシャーで根元からそっと押して取り除き、浮き出た甘皮は湿らせたガーゼなどでこすり取りましょう。
<注意点>
甘皮はとりすぎもダメなので、甘皮が伸びて爪にひっかかっている状態のものだけを取り除きましょう。 - Step4・・・表面を綺麗に磨く
最後に表面を綺麗に磨いて爪を美しくしましょう。マニキュアをしていなくても光沢のある爪にすることができます。やり方は簡単で、バッファーで軽くこするだけで、さらにシャイナーで磨くだけでツヤツヤの爪になります。最後にネイルオイルを塗れば、乾燥ケアも万全です。
<注意点>
バッファーでこすりすぎると爪が薄くなってしまうので注意が必要です。かえって乾燥しやすい爪になってしまいます。
食器洗いの際にはゴム手袋をつける
食器洗いは、基本的に毎日しなければならないものですよね。そして多くの人が素手でそのまま食器用洗剤に触れてしまっていることでしょう。食器用洗剤は皮膚にダメージを与える成分が多く含まれており、とくに界面活性剤などは油汚れを落としてはくれますが、同時に爪や皮膚の潤いも奪ってしまい、乾燥しやすい手にしてしまいます。
これを防ぐには界面活性剤に触れないようにしなくてはなりませんので、食器洗いの際には必ずゴム手袋を着用するようにしましょう。
生活習慣の改善
先ほども紹介しました、爪の栄養は食事からとっていますし、爪は体の一部なのです。つまり、あらゆる生活習慣によって爪の健康は影響を受けます。当然のごとく、ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣によって、爪の健康はどんどん損なわれますし、体が健康でなくなれば、胃腸などの吸収不足から爪の栄誉も失われるので、日頃から生活習慣には気をつけましょう。
要注意!病気の可能性がある爪の異常
一般的に爪の縦線は大きな問題になることはなく40代になれば誰にでも起きるような普通の症状です。ところが、ごく稀に病気が原因で爪の異常が引き起こされている場合があるの注意しましょう。
黒い縦線がある
黒い縦線が入った場合には、メラノーマ(悪性黒色腫)やアジソン病の可能性があります。どちらも危険な病気なので、爪に黒い縦線が入った場合には皮膚科などを受診して相談するようにしましょう。
指先が膨らんでいる
指先が膨らんでいる場合には早急な診断が必要な場合があります。指先が膨らんでいる状態を、ばち状指といって、肺ガンや心臓病などが原因で引き起こされている可能性があります。心当たりのある人は早急に医師に診断してもらいましょう。
区別の仕方がわからない人は、目安として右手と左手の指の爪を合わせてみて、隙間ができていなければ膨らんでいると認識できます。またどんぐりのような指先になってきているのも怪しい状態ですし、徐々に膨らんでもくるので、そうなっているようでしたら医師に診断してもらいましょう。
爪が反っている
爪が反っている場合にも注意が必要です。このような状態を匙状爪、あるいはスプーン爪と呼び、鉄欠乏性貧血の人によく起きる症状です。他にもかなり希少な例になりますが、研究者などでアルカリ性の医薬品などを扱う人において発生したり、大工のように手先に力を加えて作業する人に発生します。
ただし、これらの多くはしっかりとした食生活に戻したり、作業をやめたりするだけで、爪にも栄養が行き渡り改善されます。まずは貧血気味だったり、日頃の作業に心当たりのある人は皮膚科で相談しましょう。特に食生活が原因の人は多いと思うので、これを良い機会に食生活を改善しましょう。
巻き爪
大きな病気まではいかないにしても、歩くこともできないような状態になって苦痛なのが巻き爪です。巻き爪は爪の両端が皮膚に食い込んでしまう状態ですが、周囲が赤く腫れて血が出ているような状態までくると陥入爪と呼びます。陥入爪になり、ひどくなる爪の横に肉芽がでて、靴も履けなくなる可能性があるので、早めに皮膚科に相談しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?爪の縦線は大きな問題ではありませんが、その色が黒だった時は皮膚科にすぐに相談することをおすすめします。もちろん、白だった場合にも貧血やその他の変形などがあった場合には医師に相談するようにしましょう。
まだ爪の縦線などが起きていない人も体の不健康は爪の不健康につながりますので、日頃から生活習慣を改善するためにビタミンBやタンパク質などを積極的に摂取し、体の中から体をケアするとともに日々のネイルケアなどもしっかりと行なっていきましょう。