「ホワイトニングの後の食事制限って何?」日本でもデンタルケアの意識が高まり、最近は歯のホワイトニングをする人も増えてきましたね。そんな歯のホワイトニングですが、「食事制限があり、カレーやコーヒーはNG」と聞いたことはありませんか?
今回は、そんなホワイトニングの際の食事制限が気になっている方に向けて、食事制限をする理由・食べていい物や悪い物についてご紹介していきます。
CONTENTS
ホワイトニングの食事制限Q&A
Q.ずばり質問!食事制限はありますか?
A.食事制限はあります。理由は、ホワイトニング後の「色戻りを防ぐ」ためと言えます。
後ほど詳しくご紹介しますが、ホワイトニング直後の歯というのは非常に防御力が落ちており、着色汚れが付きやすい状態になっているのです。そのためホワイトニング直後は、食事制限をするように言われることが多いのです。
Q.何時間食事制限しなくてはいけないのですか?
A.12~24時間程度は食事制限するようにしましょう。
歯は、表面からエナメル質・象牙質・歯髄の3つで構成されているのですが、実はだ液の働きによってエナメル質の表面に「ペリクル」という歯の皮膜が生成されており、そのペリクルで歯は覆われています。
ホワイトニングは主に「過酸化水素」という薬剤を使って歯の汚れを落としていきますが、その際に一時的にペリクルも落とされてエナメル質がむき出しになります。つまり、歯が外部からの刺激を受けやすい状態になっているのです。
こう聞くと「薬剤を使うのは危険だ」と思われてしまいそうですが、そんなことはありません。このペリクルは12時間~24時間たてば唾液の働きによって再生されるので、食事制限もしなくてよくなります。
また、ホワイトニング後にペリクルが早く再生されるようにトリートメントなどを行った場合は食事制限が短くなる場合がありますので歯科医院で確認するようにしてみて下さい。
Q.ホワイトニング後以外は食事制限しなくて大丈夫ですか?
A.はい、大丈夫です。
上述したとおり、歯の皮膜である「ペリクル」は12時間~24時間後に自動的に再生します。再生後は食事制限をしなくても大丈夫ですので、ホワイトニング後以外は気にする必要はありません。
Q.ホワイトニングの後の歯の状態ってどうなっているのですか?
A.ホワイトニング直後の歯は、簡単に言うと「外部からの刺激を受けやすい状態」になっていると言えます。
過酸化水素などの薬剤を使うことにより一時的にペリクルという歯の皮膜が失われていることは前述したとおりですが、その時歯には「脱灰」という現象も起きています。
脱灰とは、過酸化水素などの薬剤の効果によって歯の象牙質やエナメル質の表面のカルシウムが一時的になくなってしまうことをいいます。この時、歯の表面はでこぼこした状態になっており、着色汚れがつきやすかったり刺激に敏感になったりするのです。そのため、食事制限をする必要があるのです。
この脱灰の状態は、ずっと続くわけではありません。「再石灰化」といって、唾液の働きによって自動で脱灰が起きた部分が修復されていくのです。
Q.もし食事制限を無視したらどうなりますか?
A.ホワイトニングする前より着色汚れがひどくなることはありませんが、色戻りが早くなる可能性があります。
ホワイトニングは1回行っただけで永遠に白くなるわけではありません。ホワイトニングの種類によって持続性に違いはありますが、日常生活を送っている間に少しずつ色が戻ってくるものなのです。
つまり、ホワイトニングした直後の歯の状態でカレーやコーヒーなどを気にせず口にしても、ホワイトニングを行う前より歯が黄色くなることはありません。
ですが、そのカレーやコーヒーの着色汚れは、ホワイトニングを行う前よりも歯につきやすくなっています。そのため、想定しているより早く色戻りが始まり、「あれ?もう色が戻ってきている」と思う可能性があるということです。
実際に控えた方が良い飲み物Q&A
ホワイトニング後に食事制限があることはわかりましたが、実際に控えたほうがいい食べもの飲み物が何なのかが一番知りたいところですよね。まずは飲み物から種類ごとにご紹介していきます。
「タンニン」や「カテキン」が含まれている飲み物
具体的には、コーヒー・紅茶・ウーロン茶・ほうじ茶などが挙げられます。
コーヒーや紅茶をマグカップに入れて飲んでいると、毎日洗っているのに茶渋がついて汚れることがありますよね?その汚れと同じことが歯にも起こり、着色汚れの原因になります。
「ポリフェノール」や「アントシアニン」が含まれる飲み物
具体的には、ココア、赤ワイン、ブドウジュース、ベリー系の飲み物などが挙げられます。
赤ワインが着色しやすいことはよく知られていますが、もっとも着色しやすいと言われています。極力避けるようにしましょう。
白い飲み物も注意!「イソフラボン」が含まれる飲み物
「色がついてない飲み物なら大丈夫」と思いがちですが、実は「豆乳」も避けておくべき飲み物です。豆乳には「イソフラボン」が豊富に含まれていますが、このイソフラボンはポリフェノールの一種なのです。そのため、豆乳は歯の黄ばみの原因になります。
酸性の飲み物
具体的には、レモンやトマトのジュース、炭酸飲料などが挙げられます。
ホワイトニング直後の歯は外部からの刺激に敏感になっています。「脱灰」という状態は歯の表面がでこぼこしていると言いましたが、その状態で酸性の食べ物や飲み物が歯に触れると、歯の表面が荒れてしまい元に戻りにくくなってしまうのです。
また、刺激性のある酸性の物を口にすることで知覚過敏を起こすこともありますので避けておきましょう。
「どうしてもコーヒーが我慢できない!」そんな時は、これがおすすめ!
このように、日ごろ私たちがよく飲んでいるコーヒーやお茶は着色しやすい飲み物なのです。「わかっているけど、どうしても丸一日なんて我慢ができない!」「仕事の都合上どうしてもコーヒーを避けることができない!」という方もいらっしゃることでしょう。
お仕事や人付き合いがある場合、食べ物や飲み物を完全にコントロールすることは意外と難しいものですよね。そんな方のために、おすすめの方法があります。
「ストローを使って、歯に飲み物が付かないようにして飲む」方法です。歯に触れるとよくないということであって、体内に入れていけないわけではありません。もしもの時のために、かばんにそっとストローをしのばせておくと便利です。
実際に控えた方が良い食べ物Q&A
飲み物はお水で我慢できたとしても食べ物は色々なものが食べたいですよね。今度は実際に控えた方が良い食べ物をご紹介していきます。
「調味料」にも注意!
具体的には、お醤油、ソース、焼肉のタレなどが挙げられます。
調味料も、色が濃いものは注意が必要です。醤油は色が濃いわりに着色しにくいようですが、避けるほうがいいでしょう。塩気が欲しいときは、塩や色が薄いスパイスで代用します。
「ポリフェノール」や「アントシアニン」が含まれる食べ物
イチゴやブルーベリー、チョコレートなどが挙げられます。
「イソフラボン」が含まれる食べ物
具体的には、納豆、豆腐などが挙げられます。
豆乳と同じく、イソフラボンが含まれる食べ物は歯が黄ばむ原因になります。
酸性の食べ物
トマト、レモン以外にも意外にたくさんあります。
具体的には、トマトを使ったケチャップ・ミートソース・カレー・マスタード・酢やポン酢などを使ったドレッシング・栄養ドリンクなどが挙げられます。
うっかり食べてしまった!?対処法はないの?
「うっかり色の濃い食べ物を食べてしまった!」「仕事の付き合いで色の濃い食べ物をどうしても避けられない」そんな時は、以下の方法で対処しましょう。
①歯を磨く
できる限りすぐに歯を磨くことが大事です。できれば、着色汚れを落とす成分が入った歯磨き粉や、ホワイトニング専用の歯磨き粉を使うことをおすすめします。あまりゴシゴシ磨かず優しく歯ブラシを当てて磨いて下さい。
②口をゆすぐ
歯ブラシを持っていない場合は、洗面所で口をゆすぐだけでも効果はあります。なるべくしっかりゆすぎましょう。
③食べる前に牛乳を飲む
歯の表面をコーティングする働きを持つ牛乳などの乳製品を飲んでおくと、ある程度着色汚れを防ぐことができます。
④上記のどれもできない場合は「水」を飲む!
歯磨きや口をゆすぐことも難しい場合は、せめて水を飲んで口の中をきれいにしておきましょう。これだけでも多少着色汚れを防ぐことができます。
食べ物・飲み物だけじゃない!注意すべき口腔ケア用品
「口腔ケアグッズならどれも安心でしょ?」と思いがちですが、実は気を付けるものがいくつかあります。
①歯磨き粉はどれでもいいわけじゃない!色付きの歯磨き粉に注意
歯磨き粉ならすべて歯に良いと思ってしまいがちですが、「着色料が入った歯磨き粉」は注意が必要です。最近は白い歯磨き粉が多いですが、いかにもたっぷり着色料を使っているような色の濃い歯磨き粉は逆に着色汚れの原因になってしまいますので避けておきましょう。
②うがい薬にも気を付けて!
うがい薬で「ポピヨンヨード」という成分が含まれているものも、着色汚れの原因になってしまいますので避けておきましょう。
その他に控えるべきこと
タバコも控えましょう。「タール」「ニコチン」の成分が着色汚れの原因になります。また、色の濃い口紅も避けておくのが無難です。歯に付いてしまうと、同じく着色汚れの原因になります。
ホワイトニングが長続きするケア方法3つ
歯のトリートメントしましょう
歯も髪と同じように「トリートメント」することができます。そもそも歯の着色汚れとは、「歯の傷がついているところ」にできてしまうのです。
この傷を修復してくれる成分が「ハイドロキシアパタイト」と呼ばれるもので、この成分が入った歯磨き粉で歯を磨くことで表面の細かい傷を修復し、表面をコーティングしてくれます。
表面が滑らかになることで、色素汚れなどから歯を守ってくれるのです。ただ、「ナノレベル」まで細かくなった粒子でないと効果はありません。アパガードリナメルのトリートメントはナノレベルで歯の傷を修復してくれるホワイトニング後にとってもおすすめの歯磨き剤です。磨くの言うよりは軽く歯の表面に塗るイメージです。あまりゆすぎすぎない方が効果的です。
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「歯をコーティングする」というと「フッ素」という成分もありますが、歯を修復する仕組みが異なります。
フッ素は、歯の外側から修復するのに対し、ハイドロキシアパタイトは歯に非常によく似た成分であり、歯の内部から修復を行います。その結果、歯そのものが強くなるメリットもあるのです。
定期的にメンテナンスしましょう
ホワイトニングは一度行って終わりではありません。定期的にホワイトニングをしたり、歯医者さんで歯の状態を見てもらってクリーニングをしたりして、歯のケアを継続して行いましょう。
日常生活を送っている間に歯は徐々に色戻りしてしまうものですが、毎日歯を丁寧に磨いたり、色の濃い食べ物を食べた後にも歯磨きを怠らないようにすることで白さの持ちはかなり違ってきます。
「そろそろ色が戻ってきたかな」と思ったら再度ホワイトニングを行い、白くてきれいな歯をキープしていきましょう。
正しい歯磨きをしましょう
歯磨きもささっと磨いただけでは汚れは落ちません。以下のポイントに気を付けて歯を磨きましょう。
①寝る前は必ず歯を磨く
起きている間は唾液が口の中の環境を整えていますが、寝ている間は唾液が減ることで活動が弱まっています。雑菌が繁殖してしまわないように、就寝前は必ず歯を磨きましょう。
②理想は1日5回、少なくとも2~3回は歯を磨く
起床後・食後(3回)・就寝前の5回が理想ですが、忙しくてなかなか難しいという方もいらっしゃると思います。食後と就寝前は必ず磨くように意識しましょう。
③ホワイトニング専用の歯磨き粉を使う
市販の歯磨き粉は、泡立ちをよくする成分が入っているものが多くあります。少し磨いただけでも泡立つため、「もう十分に磨けている」と思い磨き足りずに終わってしまうことが多いのです。
それに比べホワイトニング専用の歯磨き粉は泡立つ成分が入っていないため、しっかり磨くことができるのです。勘違いしやすいのがホワイトニング歯磨き粉を使って歯が白くなるのかということですが、歯磨き粉で歯は白くなりません。あくまで汚れを落としたり色持ちを良くしてくれる効果だということです。
④強い力で磨かない。歯ブラシのかたさは「普通」を選ぶ!
「しっかり磨く」というと力を入れてゴシゴシ磨いてしまう方がいらっしゃいますが、歯のエナメル質を傷つけてしまったり、歯茎が下がってしまうこともあるので気をつけましょう。
より色持ちよくホワイトニングをしましょう!
いかがでしたでしょうか。薬剤を使ったホワイトニングには食事制限が必要になりますが、ホワイトニング直後の敏感な歯をいたわり、歯の白さをできるだけキープするために大切なことなのです。
口にしていい物、悪い物をしっかり把握しておき、ホワイトニング直後もストレスなく過ごせるようにしておきましょう。そんなに控える必要があるならと思いがちですが、ホワイトニングでしっかり白くする期間は長くて2ヶ月程度です。
白くした後は数か月ごとのメンテナンスになりますので食事を控える必要はありません。食事のことはそんなに気にせず、歯を白くしてより自信を持った笑顔で過ごせるといいですね!