ホワイトニングのことについて調べると、「オフィスホワイトニング」や「ホームホワイトニング」、両方を行う「デュアルホワイトニング」などの言葉がよく出てきますが、それぞれどう違うかご存知でしょうか。
今回は、「それぞれのホワイトニング方法の何が違うのか」「何が一番効果的なのか」とお悩みの方に向けて、違いについて詳しくご紹介いたします。
オフィスホワイトニングについて
オフィスホワイトニングとは?
「オフィス」とは、一般歯科や専門のサロンの事を指します。医師や歯科衛生士の方が、歯の表面にホワイトニング専用の薬剤を塗ってもらい、医療用ライトを照射して歯を白くしていく方法です。
メリットは、「短い時間で高い効果を得やすい(=歯が白くなりやすい)」点です。一般の人では扱えないような高濃度の薬剤を使用して施術をしてくれるために漂白効果が高く、効果が出やすいのです。
また、施術に慣れている医師や歯科衛生士の方が行ってくれるため、自分で行わなくていいという点もメリットです。色むらができることもなく、即効性が高い方法と言えます。
デメリットは、後にご紹介するホームホワイトニングに比べて費用が高くなることと、高濃度の薬剤を使用するため人によっては歯がしみることがあったり、一時的に知覚過敏になる可能性もあるという点です。
もう一点は、「即効性があり確実に白くなる」方法ではあるのですが、「色戻り」が早い点です。外側からスピーディに漂白していく方法であるため、ホームホワイトニングやデュアルホワイトニングに比べて歯の色が戻りやすくなってしまいます。
歯の白くなる度合い
高濃度の薬剤を使用するため、効果が表れやすいです。効果は個人差がありますが、1回で4段階~5段階ほど色が明るくなる方もいらっしゃいます。逆に、1段階だけしか明るくならない方もいらっしゃいます。薬剤を塗る回数や光の度合いで若干バラつきはあります。
オフィスホワイトニングの時間と流れ
1回の通院でかかる時間は、45分~1時間くらいです。薬剤の塗布→8分~15分医療用ライトを照射→薬剤を洗い流す という手順を2セット~3セット繰り返して行っていきます。
通院の回数は、どの段階まで白くしたいかによって変わります。だいたい1回~4回の通院回数が多いようです。
- カウンセリング後、口の中の状態をチェック:ホワイトニングできる状態かを診てもらいます
- クリーニング:歯についた歯石などの汚れを除去してもらいます
- レントゲン:虫歯がないかをチェックしてもらいます。(虫歯があるとホワイトニング薬剤がしみてしまうため、施術できません。)
- ホワイトニング薬剤を塗布
- 医療用ライトを照射
- ④⑤を2回ほど繰り返します。
- 1週間後、再度来院して歯の状態をチェックしてもらう。写真を撮り、初回よりも白くなっているか確認します
- ~⑥を数回繰り返してホワイトニングを行っていきます。
費用・持続性
- 費用:1万円~6万円程度
- 一般歯科:1回あたり6万円~6万円程度です。
- ホワイトニング専門医院:1回あたり1万円~3万円程度です。
最近ではもっと低価格で施術してくれるお店も増えており、1回あたり数千円程度のところもあります。薬を塗布する回数などで値段が違うのと、ホワイトニングの専門医院の場合は薬を一気に発注できるなどで安くなる傾向があります。
- 持続性:3か月~6か月程度。
高濃度の薬剤を使用して強い力で外側から漂白する方法であるため、ホームホワイトニングやデュアルホワイトニングに比べて色戻りは早いです。ホームホワイトニングに比べ、6倍ほど濃度が高い薬剤を使用します。
ホームホワイトニングについて
ホームホワイトニングとは?
「ホーム」とは自宅の事を指します。まず初めに歯科医院で歯型を取ってマウスピースを作成してもらい、そのマウスピースにホワイトニング用のジェルを流し入れて装着することで、歯を白くしていく方法です。
メリットは、主に以下の3つです。
①何度でもメンテナンスできる
歯科医院やサロンに通って行うオフィスホワイトニングと違い、ホームホワイトニングはマウスピースとジェルさえあれば、自分のペースでいつでも行うことができます。
ホワイトニングジェルさえ購入すれば、そのマウスピースを使って何度でも自分でメンテナンスすることが可能なのです。
②最も歯の白さを維持できる
医師や歯科衛生士の方が高濃度の薬剤を使いスピーディに歯を漂白するオフィスホワイトニングと違い、ホームホワイトニングは医師のアドバイスを受けて自分で薬剤を取り扱うため、低濃度の薬剤しか使用することができません。
一見デメリットに聞こえますが、低濃度の薬剤を使い「内側までじっくり」漂白していく方法なので、最も歯の白さを維持できるのです。歯が黄ばむ理由はたくさんありますが、「加齢による黄ばみ」にはホームホワイトニングが有効と言われています。
③知覚過敏が起こりにくい
②でもご紹介しましたが、ホームホワイトニングは低濃度の薬剤を使用します。そのため歯への負担も少なく、知覚過敏が起こりにくいこともメリットの1つです。
デメリットは、薬剤の濃度の違いがあるため、オフィスホワイトニングのような即効性は期待できないことと、手間がかかる点です。
ホームホワイトニングを行う場合、毎日2時間程度、薬剤を流したマウスピースを装着する必要があります。嘔吐反射(口に異物がはいると、体内に入らないようにおえっとえずく反応)がひどい人には辛いものと言えます。また、マウスピースを外した後は12時間~24時間程度の食事制限(歯に着色汚れが付くやすくなっているため、コーヒーやたばこを制限すること)をしなければなりません。
歯が白くなる度合い
オフィスホワイトニングのような即効性はありません。2週間~4週間ほど1日2時間マウスピースを装着し、毎日続けることで2段階~3段階ほど白くなっていきます。
ホームホワイトニングの時間と流れ
毎日2時間ほどマウスピースを装着する必要があります。期間は2週間~4週間以上かかります。
- カウンセリングを行う。
- 歯の色を確認。現在の状態を撮影し、歯型を取ってマウスピースを作成してもらう。
- マウスピースとホワイトニング剤を受け取り、手順の説明を受ける。
- 自宅にてホワイトニングジェルを付けたマウスピースを装着する。
- 歯科医院に行き、状態を見てもらう。
という流れが主なものとなります。
費用・持続性
- 費用:15,000円~30,000円程度
- マウスピースとホワイトニングジェルを合わせた金額です。薬剤の種類などで金額は異なります。ホワイトニングジェルのみ追加で購入することもできます。(およそ3,000円~5,000円程度)
- 持続性:6か月~1年
- 内側からじっくり漂白するため、オフィスホワイトニングに比べて持続性は高いです。
適していない人・注意点など
ホワイトニング禁忌症の方はホームホワイトニングも行うことはできません。無カタラーゼ症の方、妊娠授乳中の方14歳未満の方になります。
また、マウスピースは使用するたびに掃除して清潔に保っておきましょう。湿ったままの状態で放置すると、カビや細菌が発生してしまいます。高温のお湯にさらすと変形してしまいますので、水またはぬるま湯で洗うように気をつけましょう。
効果的なホワイトニングの方法とは
確実に白くしたいならデュアルホワイトニングがおすすめ!
「歯を確実に白くしたい!」という方は、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行う「デュアルホワイトニング」がおすすめです。
オフィスホワイトニングによる「即効性」と、ホームホワイトニングによって内側からじっくり漂白していくことで手に入る「持続性」の両方のメリットを活かすことで、一方の方法だけでは手に入れられないほどのレベルまで白くすることが可能です。(どのレベルまで白くするかは、相談して決めることができます。)
そのため、「理想的なホワイトニング」と言われることもあります。
デメリットは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行うため費用がもっとも高額になる点です。また、一方の方法だけで行うよりも薬剤を多く使用するため歯が刺激を受けやすく、しみやすい方だと一時的に痛みや知覚過敏といった症状が出やすい点もデメリットと言えます。
ホームホワイトニングの継続がポイント!
デュアルホワイトニングで高い漂白効果を得たい場合は、ホームホワイトニングをきちんと継続して行うことが重要です。外側はオフィスホワイトニングでスピーディに漂白し、内側はホームホワイトニングでじっくり漂白しつづけることで理想の白さになります。
上記2つを行えばメンテナンスが楽!
デュアルホワイトニングは持続性が高く、メンテナンスが簡単な点が特徴です。色戻りが気になれば、ホームホワイトニングを行うことでまた理想の白さを取り戻せます。
「毎日2時間なんて無理!」短時間でできるホームホワイトニングだと楽!
最近ではホームホワイトニングのホワイトニングジェルも進化しており、30分~40分で漂白効果が期待できるものもあります。気になる歯科医院があれば、短時間で行えるホームホワイトニングがあるか確認してみましょう。
デュアルホワイトニングの費用・持続性
- 費用:30,000円~80,000円
- オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行うため、最も費用は高額になります。
- 持続性:1年以上
- 手間や時間をかけている分、最も持続性が高いです。
注意点
ホームホワイトニングの時間は厳守!長時間は危険です
「早く歯を白くしたい」と思いがちですが焦りは禁物です。勝手に以下の行動をとることは避けましょう。
①ジェルの量を増やす
大量にジェルを入れても、装着するときにマウスピースからあふれてしまうだけです。歯茎にホワイトニングジェルが長時間付着すると、薬剤の影響で歯茎が一時的に白く濁ってしまうこともあります。この症状はあくまでも一時的な症状ですので、治療しなくても時間が経過することで元に戻ります。
②マウスピースを長時間つけたままにする
長時間マウスピースを装着したからといって、白さの度合いや漂白スピードは変わりません。規定の時間を超えると作用しなくなる薬剤もありますし、逆に作用することで歯がダメージを受けてしまい、痛みや知覚過敏になる危険があります。
薬剤の濃度によって、何時間マウスピースを装着するかはかなり変わってきます。必ず医師や歯科衛生士の方に時間を確認しましょう。
妊娠・授乳中は薬剤を使用できません!
ホワイトニングの薬剤には「過酸化水素」「過酸化尿素」という薬品が使用されています。これが胎児や母体にどう影響があるかというと、実は明確な根拠はありません。ですが、「薬品による危険性や影響は絶対にない」という保障もないのです。
妊娠中や授乳中は体の中のホルモンバランスが安定していないため、通常に比べて体調に悪影響を及ぼす危険が高いと言えます。そのため、「妊娠中・授乳中に薬剤を使用したホワイトニングは行えない」と医療品医療機器等法で禁止されています。
歯のホワイトニングは健康面からみても急を要するものではありません。授乳が終わるまでは薬剤を使用せず、ホワイトニング専用の歯磨き粉などを使用してゆっくりケアしていきましょう。
「歯が脱水症状になっている!?」知覚過敏には日ごろのケアが大事です。
歯のホワイトニングを行うと、直後に「うずくような痛み」を感じることもあります。
ホワイトニング剤に使用される「過酸化水素」が歯の着色汚れを分解するのですが、その際に歯の中の水分バランスが崩れることによって一時的に「歯の脱水症状」が起きるのです。この脱水が「うずくような痛み」の正体と言われています。
24時間ほど経過すれば痛みは戻るため、治療が必要なものではありません。この痛みを感じにくくするためには、以下のケアが有効と言われています。
①知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
歯磨き粉に含まれる「硝酸カリウム」という成分が歯の神経の興奮を抑えてくれるため、痛みが和らぎます。
②歯磨きの時力を入れすぎない
強い力で歯を磨いてしまうと、歯の表面が傷つきエナメル質がはがれて痛みを感じやすくなります。表面が傷つかないよう、適度な力で磨きましょう。
③ガムを噛んでだ液を出す
だ液には、歯の成分であるカルシウムやリン酸などのミネラルがたくさん含まれています。ガムを噛んでだ液をたくさん出すことで、溶けだしてしまったミネラルを補給することができます。
④フッ素ジェルを歯に塗る
フッ素は、歯の表面に塗布することでミネラルと結びつき、歯の硬度を上げることができます。歯磨きの後に塗布することで、知覚過敏の症状が軽減できます。
理想のホワイトニングの方法を見つけて下さい!
いかがでしたでしょうか。今回は、「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「デュアルホワイトニング」の主な特徴についてご紹介しました。歯のホワイトニングにはいくつか種類がありますので、どれがいいのかわからなくなってしまいますよね。
「この日までに白くしたい」「時間はかかってもいいから徹底的に歯を白くしたい」など、理由は人によって違います。それぞれの特性や効果を知ることによって、よりご自身の理想としているホワイトニングの方法を見つけていただきたいと思います。この記事が参考になれば幸いです。